リポート◎日本癌治療学会のガイドラインが現場に浸透
抗癌剤による嘔吐はほぼ制御可能に
残る課題は主観的な症状である悪心への対処
2016/2/25
抗癌剤治療中の患者が洗面台に向かって嘔吐する――こんな光景は制吐療法の進歩で過去のものとなった。残るは主観的な部分が大きい悪心への対処。患者の訴えをいかに評価できるかが鍵になる。
「抗癌剤による治療では、その投与を完遂できるようにするための支持療法も重要だ」と話す埼玉医大国際医療センターの佐伯俊昭氏。
抗癌剤を投与されている患者の「つらい副作用」の象徴でもあった悪心・嘔吐に対して、日本癌治療学会が「制吐薬適正使用ガイドライン」を公表したのは2010年のこと。その作成当初より、医療現場での利用状況や制吐効果を評価し改訂版に反映させることが計画されていた。
そして2年後に全国のがん診療連携拠点病院における3807人の患者について前向き調査を行った結果では、72%が悪心・嘔吐のスクリーニングを受けていた。このうち高度催吐性リスクの化学療法が施行された患者の83%にガイドラインが推奨する予防的制吐治療が行われ、その84%に嘔吐が認められなかった。中度催吐性リスクのレジメンでは、患者の91%に推奨する予防的制吐治療が行われ、その84%に嘔吐が認められなかった。
また医療を提供する側、日本緩和医療学会、日本癌治療学会、日本造血細胞移植学会、日本放射線腫瘍学会、日本臨床腫瘍学会会員の医師、看護師、薬剤師を対象にしたアンケートでは、94%が日常診療でガイドラインを重視していると回答し、90%が有用であると回答していた。
欧州でのガイドライン遵守率が30%程度という報告(Annals of Oncology 2012)もある中で、日本における抗癌剤制吐療法のレベルの高さを裏付ける数字だ。
制吐薬適正使用ガイドライン初版出版委員会委員長で改訂ワーキンググループ委員長でもある埼玉医科大学国際医療センター包括的がんセンター長の佐伯俊昭氏は、「嘔吐については良好にコントロールできていることが分かった。しかしまだ悪心が残っている。悪心の客観的評価は難しいので、後回しになっていた。真のユーザーである患者からの情報をいかに拾い上げていくかがこれからの鍵になる」と話す。
実際、2015年10月に発行されたガイドラインの第2版では、「悪心・嘔吐の適切な評価はどのように行うか」というクリニカルクエスチョンが新設された。そこでは、「適切な悪心・嘔吐の評価においては、医療者と患者の症状の認識は異なるという報告を踏まえ、医療者による客観的評価とともに患者の主観的評価を含めることが必要である」と、現状に対して記述されている。
read more: http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/report/201602/545906.html
2016年2月25日木曜日
2016年2月13日土曜日
欧米型の食事に含まれる砂糖は、乳がんの増殖および転移リスクを高める/MDアンダーソンがんセンター
マウスを用いたMDアンダーソンの研究により、砂糖の炎症経路への悪影響が指摘される
MDアンダーソンがんセンター ニュースリリース 2015年12月31日
典型的な欧米型の食事に多く含まれる砂糖が、乳がんおよび肺への転移のリスクを高める可能性があることが、テキサス州立大学MDアンダーソンがんセンターの研究によって示された。
この研究結果はCancer Research誌電子版1月1日号で公表され、食品中の砂糖が12-LOX(12-リポキシゲナーゼ)と呼ばれる酵素のシグナル伝達経路に影響をおよぼすことが示された。
「欧米型の食事と同程度のショ糖を摂取したマウスでは、砂糖を含まないでんぷん食を摂取したマウスと比べ、腫瘍の増殖および転移が促進されることを、われわれは発見しました」と、緩和・リハビリテーション・統合医療部門助教、Peiying Yang博士は述べた。「これは、12-LOXとそれに関連する12-HETEと呼ばれる脂肪酸の発現増加が原因の一つでした」。
これまでの疫学研究でも、食品中の砂糖が乳がんの増殖に影響を及ぼすことが示されており、それには炎症が何らかの役割をはたしているのではないかと考えられていた。
「今回の研究では、複数のマウスモデルで、乳腺腫瘍の増殖に対する食品中の砂糖の影響について調査し、またそれに関連すると考えられるいくつかのメカニズムについても調査しました」と、共著者で緩和・リハビリテーション・統合医療部門教授の Lorenzo Cohen博士は述べた。「私たちの食生活のどこにでもある砂糖や異性化糖(高フルクトースコーンシロップ)には果糖が含まれていますが、特にその果糖が乳房腫瘍の肺転移促進や、乳房腫瘍内での12-HETE産生促進の原因となることをわれわれは見出しました」。
Cohen博士は、本研究データは食品中の砂糖が、乳がんの増殖や転移のリスクを高める12-LOXシグナル伝達を誘導することを示唆していると付け加えた。
乳がんのリスク因子を同定することは、公衆衛生上の優先事項であると著者は述べている。米国における1人当たりの砂糖の摂取量が年間100ポンド超に上昇していること、砂糖入り飲料の摂取の増加が、世界的な肥満、心疾患およびがん増加の重要な寄与因子であると同定されていることを考えると、適度な砂糖の摂取にとどめることが重要であると、研究者らは言明している。
「過去の研究では、がんの増殖における砂糖、特にブドウ糖の関与およびエネルギー代謝経路について検討されてきました」と、Yang博士は述べる。「しかしながら、炎症カスケードについては、本研究において砂糖によって駆動された発がん経路とは別の経路である可能性があるため、さらなる研究が必要です」。
これまでの研究では、乳がんの増殖に対する砂糖摂取の直接的な影響について、乳がんの動物モデルを用いて調査したもの、あるいは特異的なメカニズムについて検討したものはない、とYang博士は付け加えた。
MDアンダーソンの研究チームは、マウスを4種類の食事群に無作為に割り付け、それぞれに4種類の食事のうちの1種類を与えるという研究を行った。6カ月齢時点で、でんぷん対照食群のマウスの30%に測定可能な腫瘍が認められたのに対し、ショ糖を多く含む食事群のマウスでは、50~58%に乳腺腫瘍の増殖が認められた。また、本研究では、ショ糖または果糖を多く含む食事群のマウスの方が、でんぷん食の対照群マウスよりも、肺転移の数が有意に多かったことも示された。
「本研究によって、食品中のショ糖または果糖が、乳房腫瘍細胞において12-LOXと12-HETEの産生を誘導することがin vivoで示唆されました」と、Cohen博士は述べた。「これは、砂糖によって腫瘍の増殖が促進されることと関連する、何らかのシグナル伝達経路がマウスに存在することを示唆しています。しかしながら、食品中のショ糖と果糖がどのように12-HETEを誘導するのか、またそれが直接的あるいは間接的に影響を及ぼすのかはまだわかっていません」。
本研究チームは、食品中のショ糖または果糖が、特に12-LOX経路を通じて乳房腫瘍の増殖と転移に影響を及ぼすメカニズムについて、さらなる調査が必要であると確信している。
MDアンダーソンの研究チームメンバーは以下のとおりである。
Yan Jiang, Yong Pan, Patrea Rhea, and Lin Tan, all of Palliative, Rehabilitation and Integrative Medicine; Mihai Gagea, D.V.M., Ph.D., Veterinary Medicine & Surgery; and Susan Fischer, Epigenetics & Molecular Carcinogenesis.
本研究は、米国国立衛生研究所(P30CA0166672)、H. Leighton Steward 夫妻、EOG Resources, Inc.から資金提供を受けた。
MDアンダーソンがんセンター ニュースリリース 2015年12月31日
典型的な欧米型の食事に多く含まれる砂糖が、乳がんおよび肺への転移のリスクを高める可能性があることが、テキサス州立大学MDアンダーソンがんセンターの研究によって示された。
この研究結果はCancer Research誌電子版1月1日号で公表され、食品中の砂糖が12-LOX(12-リポキシゲナーゼ)と呼ばれる酵素のシグナル伝達経路に影響をおよぼすことが示された。
「欧米型の食事と同程度のショ糖を摂取したマウスでは、砂糖を含まないでんぷん食を摂取したマウスと比べ、腫瘍の増殖および転移が促進されることを、われわれは発見しました」と、緩和・リハビリテーション・統合医療部門助教、Peiying Yang博士は述べた。「これは、12-LOXとそれに関連する12-HETEと呼ばれる脂肪酸の発現増加が原因の一つでした」。
これまでの疫学研究でも、食品中の砂糖が乳がんの増殖に影響を及ぼすことが示されており、それには炎症が何らかの役割をはたしているのではないかと考えられていた。
「今回の研究では、複数のマウスモデルで、乳腺腫瘍の増殖に対する食品中の砂糖の影響について調査し、またそれに関連すると考えられるいくつかのメカニズムについても調査しました」と、共著者で緩和・リハビリテーション・統合医療部門教授の Lorenzo Cohen博士は述べた。「私たちの食生活のどこにでもある砂糖や異性化糖(高フルクトースコーンシロップ)には果糖が含まれていますが、特にその果糖が乳房腫瘍の肺転移促進や、乳房腫瘍内での12-HETE産生促進の原因となることをわれわれは見出しました」。
Cohen博士は、本研究データは食品中の砂糖が、乳がんの増殖や転移のリスクを高める12-LOXシグナル伝達を誘導することを示唆していると付け加えた。
乳がんのリスク因子を同定することは、公衆衛生上の優先事項であると著者は述べている。米国における1人当たりの砂糖の摂取量が年間100ポンド超に上昇していること、砂糖入り飲料の摂取の増加が、世界的な肥満、心疾患およびがん増加の重要な寄与因子であると同定されていることを考えると、適度な砂糖の摂取にとどめることが重要であると、研究者らは言明している。
「過去の研究では、がんの増殖における砂糖、特にブドウ糖の関与およびエネルギー代謝経路について検討されてきました」と、Yang博士は述べる。「しかしながら、炎症カスケードについては、本研究において砂糖によって駆動された発がん経路とは別の経路である可能性があるため、さらなる研究が必要です」。
これまでの研究では、乳がんの増殖に対する砂糖摂取の直接的な影響について、乳がんの動物モデルを用いて調査したもの、あるいは特異的なメカニズムについて検討したものはない、とYang博士は付け加えた。
MDアンダーソンの研究チームは、マウスを4種類の食事群に無作為に割り付け、それぞれに4種類の食事のうちの1種類を与えるという研究を行った。6カ月齢時点で、でんぷん対照食群のマウスの30%に測定可能な腫瘍が認められたのに対し、ショ糖を多く含む食事群のマウスでは、50~58%に乳腺腫瘍の増殖が認められた。また、本研究では、ショ糖または果糖を多く含む食事群のマウスの方が、でんぷん食の対照群マウスよりも、肺転移の数が有意に多かったことも示された。
「本研究によって、食品中のショ糖または果糖が、乳房腫瘍細胞において12-LOXと12-HETEの産生を誘導することがin vivoで示唆されました」と、Cohen博士は述べた。「これは、砂糖によって腫瘍の増殖が促進されることと関連する、何らかのシグナル伝達経路がマウスに存在することを示唆しています。しかしながら、食品中のショ糖と果糖がどのように12-HETEを誘導するのか、またそれが直接的あるいは間接的に影響を及ぼすのかはまだわかっていません」。
本研究チームは、食品中のショ糖または果糖が、特に12-LOX経路を通じて乳房腫瘍の増殖と転移に影響を及ぼすメカニズムについて、さらなる調査が必要であると確信している。
MDアンダーソンの研究チームメンバーは以下のとおりである。
Yan Jiang, Yong Pan, Patrea Rhea, and Lin Tan, all of Palliative, Rehabilitation and Integrative Medicine; Mihai Gagea, D.V.M., Ph.D., Veterinary Medicine & Surgery; and Susan Fischer, Epigenetics & Molecular Carcinogenesis.
本研究は、米国国立衛生研究所(P30CA0166672)、H. Leighton Steward 夫妻、EOG Resources, Inc.から資金提供を受けた。
2016年2月11日木曜日
よく使う鎮痛薬、約半数の医師が「ロキソニン」
第2位は僅差でアセトアミノフェン、第3位はセレコキシブ
2016/2/11
日経メディカル Onlineの医師会員を対象に、「鎮痛の目的で使用する非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)およびアセトアミノフェンの経口薬」のうち最も処方頻度の高いものを聞いたところ、約半数の医師がロキソプロフェンナトリウム水和物(商品名ロキソニン他)を挙げた。第2位のアセトアミノフェン(カロナール他)は39.8%に関しては、ロキソニンに迫る勢いだが、第3位のセレコキシブ(セレコックス、7.0%)以下を選んだ医師かなり少なかった。
2016/2/11
日経メディカル Onlineの医師会員を対象に、「鎮痛の目的で使用する非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)およびアセトアミノフェンの経口薬」のうち最も処方頻度の高いものを聞いたところ、約半数の医師がロキソプロフェンナトリウム水和物(商品名ロキソニン他)を挙げた。第2位のアセトアミノフェン(カロナール他)は39.8%に関しては、ロキソニンに迫る勢いだが、第3位のセレコキシブ(セレコックス、7.0%)以下を選んだ医師かなり少なかった。
2016年2月10日水曜日
4月から「電子処方箋」が解禁へ!マイナンバーの活用も検討
2016年02月10日 11時30分
「電子処方箋」の解禁が近づいている。
2020年以降に統一システムへ?
日本経済新聞は、厚生労働省が4月から「処方箋の電子化」を認めると報じた。
まずは希望する都道府県や市町村でスタートし、2020年度以降には全国に広げて統一システムにすることを検討するという。
紙の処方箋が不要に
現在は、医師が交付した処方箋を患者が薬局に持参。薬剤師は処方箋に従って調剤した上で、患者の氏名や薬名、調剤量などを記録して3年間保存する必要がある。
処方箋が電子化されれば、医者と薬局が専用サーバーでデータをやりとりできるようになるので紙の処方箋は不要に。
当面は、識別番号が書かれた「引換証」を患者が医師から受け取って薬局に提出しなければならないが、将来的にはマイナンバーカードを提示するだけで薬を受け取れるような仕組みが検討されている。
ネット上の反応はさまざま
処方箋の電子化がついに解禁されるという報道を受けて、ネット上には反響が続々。
賞賛する声が多いが、マイナンバーとの紐づけを懸念する声もみられた。
日本医師会は“医療ID”が必要と主張
医療分野でのマイナンバー利用については、医療関係者からも不安の声があがっている。
日本医師会は昨年12月、医療情報連携の充実は地域医療や医師不足などの有効な解決方法であるとしながらも、次のように指摘。
個人番号を医療の現場で利用するべきではない
漏えいなどを確実に阻止することは難しいことや、一生変更できない番号では漏洩した場合に取り返しがつかなくなるとして、マイナンバーとは異なる「医療ID」が必要だと訴えた。
日本薬剤師会は負担増を懸念
日本薬剤師会は2013年、処方箋の電子化には大きなメリットがあると述べた上で、次のようにコメント。
効率化を目指すべき電子化に、効果を遥かに上回るコストを投入することとなっては本末転倒である
処方箋の電子化は処方情報の電子化に比べて多くのコストと手間がかかることも事実だとして、過度な負担が新たに発生しない視点が重要と訴えた。
処方箋の電子化にかかる費用は、専用サーバーの導入費用は厚労省負担だが、運営費用は医療機関や薬局が負担する見通しとなっている。
「電子処方箋」の解禁が近づいている。
2020年以降に統一システムへ?
日本経済新聞は、厚生労働省が4月から「処方箋の電子化」を認めると報じた。
まずは希望する都道府県や市町村でスタートし、2020年度以降には全国に広げて統一システムにすることを検討するという。
紙の処方箋が不要に
現在は、医師が交付した処方箋を患者が薬局に持参。薬剤師は処方箋に従って調剤した上で、患者の氏名や薬名、調剤量などを記録して3年間保存する必要がある。
処方箋が電子化されれば、医者と薬局が専用サーバーでデータをやりとりできるようになるので紙の処方箋は不要に。
当面は、識別番号が書かれた「引換証」を患者が医師から受け取って薬局に提出しなければならないが、将来的にはマイナンバーカードを提示するだけで薬を受け取れるような仕組みが検討されている。
ネット上の反応はさまざま
処方箋の電子化がついに解禁されるという報道を受けて、ネット上には反響が続々。
賞賛する声が多いが、マイナンバーとの紐づけを懸念する声もみられた。
日本医師会は“医療ID”が必要と主張
医療分野でのマイナンバー利用については、医療関係者からも不安の声があがっている。
日本医師会は昨年12月、医療情報連携の充実は地域医療や医師不足などの有効な解決方法であるとしながらも、次のように指摘。
個人番号を医療の現場で利用するべきではない
漏えいなどを確実に阻止することは難しいことや、一生変更できない番号では漏洩した場合に取り返しがつかなくなるとして、マイナンバーとは異なる「医療ID」が必要だと訴えた。
日本薬剤師会は負担増を懸念
日本薬剤師会は2013年、処方箋の電子化には大きなメリットがあると述べた上で、次のようにコメント。
効率化を目指すべき電子化に、効果を遥かに上回るコストを投入することとなっては本末転倒である
処方箋の電子化は処方情報の電子化に比べて多くのコストと手間がかかることも事実だとして、過度な負担が新たに発生しない視点が重要と訴えた。
処方箋の電子化にかかる費用は、専用サーバーの導入費用は厚労省負担だが、運営費用は医療機関や薬局が負担する見通しとなっている。
2016年2月5日金曜日
朝食抜き 脳卒中リスク高まる がんセンターなど確認
毎日新聞2016年2月5日
朝食を抜く人ほど脳卒中を発症するリスクが高まるとの研究結果を、国立がん研究センターと大阪大の研究チームが4日、発表した。朝食を欠くと朝の血圧の上昇が大きくなるためと考えられるという。朝食を食べないと肥満などにつながることは指摘されていたが、脳卒中リスクが高まることが確認されたのは初めてという。
チームは、1995年と98年に生活習慣に関するアンケートを実施し、回答した全国8県の45〜74歳の男女約8万人を、1週間の朝食を取る回数で4群に分けた。2010年まで追跡し、脳卒中(脳出血、脳梗塞<こうそく>など)や虚血性心疾患の発症との関連を調べた。
この結果、朝食を取らない、または週に1、2回しか食べない群では、毎日食べる群に比べて、脳卒中全体の発症が1.18倍高くなり、このうち脳出血は1.36倍高かった。脳梗塞やくも膜下出血、虚血性心疾患は関連性は見られなかった。
脳出血の原因の一つは高血圧だが、チームによると、朝目覚める時、血圧は上昇するが、朝食を取らないと空腹感などのストレスからさらに上昇するとの過去の研究があるという。朝食を欠くと、肥満や糖尿病のリスクを上昇させるとの研究結果もある。
大阪大の磯博康教授(公衆衛生学)は「子どもが朝食をとらないと、集中力を欠いて成績に影響するというデータはあるが、大人も生活習慣病の予防のために毎日朝食をとった方がよいだろう」と話す。
朝食を抜く人ほど脳卒中を発症するリスクが高まるとの研究結果を、国立がん研究センターと大阪大の研究チームが4日、発表した。朝食を欠くと朝の血圧の上昇が大きくなるためと考えられるという。朝食を食べないと肥満などにつながることは指摘されていたが、脳卒中リスクが高まることが確認されたのは初めてという。
チームは、1995年と98年に生活習慣に関するアンケートを実施し、回答した全国8県の45〜74歳の男女約8万人を、1週間の朝食を取る回数で4群に分けた。2010年まで追跡し、脳卒中(脳出血、脳梗塞<こうそく>など)や虚血性心疾患の発症との関連を調べた。
この結果、朝食を取らない、または週に1、2回しか食べない群では、毎日食べる群に比べて、脳卒中全体の発症が1.18倍高くなり、このうち脳出血は1.36倍高かった。脳梗塞やくも膜下出血、虚血性心疾患は関連性は見られなかった。
脳出血の原因の一つは高血圧だが、チームによると、朝目覚める時、血圧は上昇するが、朝食を取らないと空腹感などのストレスからさらに上昇するとの過去の研究があるという。朝食を欠くと、肥満や糖尿病のリスクを上昇させるとの研究結果もある。
大阪大の磯博康教授(公衆衛生学)は「子どもが朝食をとらないと、集中力を欠いて成績に影響するというデータはあるが、大人も生活習慣病の予防のために毎日朝食をとった方がよいだろう」と話す。
2016年1月28日木曜日
医師が健康のために摂取している食品は?
医師2561人に聞きました
医師が健康のために摂取している食品は?
2016/1/28
医師は、医療の専門家であるとともに、健康に関しても豊富な知識をもった「健康のプロ」と言える。その医師たちは、自らの健康のために、どのようなことに気をつけているのだろうか。今回は、医師の「食生活」の実態に迫ってみた。
日経BPメディカル研究所が、日経メディカルOnlineの医師会員を対象に調査を行ったところ、医師2561人から回答があり、そのうちの78.8%が、「日々の食事に気をつけるようにしている」と回答した(図1)。具体的に医師が食生活上、注意しているのは、「栄養のバランスの良い食事」(64.3%)、「規則正しく食べる」(46.7%)、「腹八分目で暴飲暴食をしない」(40.5%)、「塩分を摂り過ぎない」(39.5%)などだった。
また「最近、注目している栄養成分や食品」について聞いたところ、最も多くの医師が注目していると回答したのは「ヨーグルト」。こちらも「コーヒー」が第2位で、以下、「日本茶」「納豆」「オメガ3脂肪酸」が続いた(図3)。
これらの健康食材について、医師はどのような効果を期待しているのだろうか。注目する理由について自由記述形式で記入してもらったところ、「コーヒー」については、大腸癌や肝臓癌をはじめとする「癌の予防効果」を期待する声が最も多く、「カフェインの覚醒作用」「寿命を延ばす効果」などの記述も見られた。
最も注目度の高かった「ヨーグルト」については、「腸内細菌叢の改善」や「整腸作用」の効果をあげる人が多く、「免疫力向上」「アレルギー改善」などの記述も見られた。
「日本茶」については、「抗酸化作用」「抗菌作用」など、カテキンの効果を期待する声が目立った。「納豆」は発酵食品としての効果を挙げる人が多かったほか、「良質の蛋白源」であることを評価する声も見られた。「オメガ3脂肪酸」は、「動脈硬化予防」を上げる人がほとんどで、「心血管イベントの発症予防」や「認知症予防」などを上げる人もいた。
なお、「健康のためになるべく摂取を控えているもの」について聞いたところ、糖質や砂糖を含む食品を上げた医師が約4割に上った。
医師が健康のために摂取している食品は?
2016/1/28
医師は、医療の専門家であるとともに、健康に関しても豊富な知識をもった「健康のプロ」と言える。その医師たちは、自らの健康のために、どのようなことに気をつけているのだろうか。今回は、医師の「食生活」の実態に迫ってみた。
日経BPメディカル研究所が、日経メディカルOnlineの医師会員を対象に調査を行ったところ、医師2561人から回答があり、そのうちの78.8%が、「日々の食事に気をつけるようにしている」と回答した(図1)。具体的に医師が食生活上、注意しているのは、「栄養のバランスの良い食事」(64.3%)、「規則正しく食べる」(46.7%)、「腹八分目で暴飲暴食をしない」(40.5%)、「塩分を摂り過ぎない」(39.5%)などだった。
図1 「日々の食事にどのくらい気をつけていますか」(n=2561)
医師が積極的に摂るよう心がけている食材について聞いたところ、最も回答が多かったのは「豆腐」(61.2%)で、これに次いで「コーヒー」(60.6%)、「青魚」(59.9%)、「納豆」(53.9%)、「ヨーグルト」(50.4%)などが挙がった(図2)。
図2 「日々の食事で健康維持のために積極的に摂るよう心がけているものは何ですか」(n=2561 )
図3 「最近注目している栄養成分、食品は何ですか」(n=2561)
最も注目度の高かった「ヨーグルト」については、「腸内細菌叢の改善」や「整腸作用」の効果をあげる人が多く、「免疫力向上」「アレルギー改善」などの記述も見られた。
「日本茶」については、「抗酸化作用」「抗菌作用」など、カテキンの効果を期待する声が目立った。「納豆」は発酵食品としての効果を挙げる人が多かったほか、「良質の蛋白源」であることを評価する声も見られた。「オメガ3脂肪酸」は、「動脈硬化予防」を上げる人がほとんどで、「心血管イベントの発症予防」や「認知症予防」などを上げる人もいた。
なお、「健康のためになるべく摂取を控えているもの」について聞いたところ、糖質や砂糖を含む食品を上げた医師が約4割に上った。
2016年1月20日水曜日
がん10年生存率、58% 初の大規模集計、3万5千症例
2016年1月20日 00時06分
国立がん研究センター(東京)は19日、全国の16施設で1999~2002年にがんの診療を始めた約3万5千症例の分析で、10年後に患者が生存している割合を示す10年生存率は全体で58・2%だったと発表した。5年生存率のデータはこれまでにもあるが、10年生存率を大規模なデータで算出したのは初めてという。
がん治癒の目安とされる5年生存率は63・1%で10年生存率と大きくは変わらないが、乳がんや肝臓がんは5年後以降も生存率の低下が目立った。また、ほぼ全てのがんで早期に発見し、治療を始めるほど良好な結果が得られることも確認できた。
(共同)
国立がん研究センター(東京)は19日、全国の16施設で1999~2002年にがんの診療を始めた約3万5千症例の分析で、10年後に患者が生存している割合を示す10年生存率は全体で58・2%だったと発表した。5年生存率のデータはこれまでにもあるが、10年生存率を大規模なデータで算出したのは初めてという。
がん治癒の目安とされる5年生存率は63・1%で10年生存率と大きくは変わらないが、乳がんや肝臓がんは5年後以降も生存率の低下が目立った。また、ほぼ全てのがんで早期に発見し、治療を始めるほど良好な結果が得られることも確認できた。
(共同)
2016年1月19日火曜日
乳がん患者で化学療法の開始が遅れると全生存が低下―トリプルネガティブ乳がんで顕著に/MDアンダーソンがんセンター
社会人口学的要素が治療開始の遅延の原因となることがMDアンダーソンがんセンターの研究で明らかに
MDアンダーソンがんセンター ニュースリリース 2015年12月10日
術後化学療法の開始が手術後91日以降まで遅れた場合、乳がん患者の中でも特にトリプルネガティブ乳がん(TNBC)患者で死亡リスクが著しく上昇する可能性のあることが、テキサス大学MDアンダーソンがんセンターの新たな研究によって明らかにされた。さらに、社会経済的背景および医療保険の加入状況、民族性などの要因が治療開始の遅延に影響を与えていることも明らかになった。
JAMA Oncology誌で発表された今回の研究では、手術から91日以降に化学療法を開始した場合、5年以内に死亡する可能性が34%上昇した。TNBC患者にかぎれば53%の上昇だった。
術後化学療法は、初回手術後に行われる化学療法で、再発リスクと死亡リスクを低下させることで患者に利益をもたらすことがすでに明らかにされている。こう説明するのは、Health Services Research部門およびBreast Medical Oncology部門の助教であるMariana Chavez Mac Gregor医師である。しかし、術後化学療法の開始が遅くなると、わずかに残存した腫瘍が増殖したり、薬剤耐性を獲得したりするおそれがあるのだ。
現在、術後化学療法の最適な開始時期を定めたガイドラインはない。メディケア・メディケイド・サービスセンター(Centers for Medicare and Medicaid Services、CMS)は、一部の患者では、診断後120日以内の術後化学療法開始を医療品質基準としている。現在、MDアンダーソンがんセンターを含めた11のがん病院が、この基準に基づいて報告を行っている。
先行研究では、術後療法の開始が遅れると転帰が不良となる可能性が指摘されている。しかし、これまで、術後治療の最適な開始時期は明らかにされていない。現代の術後治療の最適な開始時期を明らかにし、また治療開始遅延をもたらす要因を特定するため、California Cancer Registryデータの分析が行われた。
今回の集団ベースの研究は、2005年1月1日から2010年12月31日の間にステージ1から3の浸潤性乳がんと診断され、術後化学療法を受けた患者24,823人のデータを検討した。本研究は、現在行われている治療レジメンを用いた化学療法において、治療開始が遅れた場合の影響を検討する研究としては、最も大規模な研究である。
「術後1カ月以内に化学療法を開始した患者と比べ、手術後30日から90日の間に化学療法を開始した患者では転帰が不良となった例は観察されなかった。しかし、手術後91日以降に化学療法を開始した場合は、全体の死亡リスクと乳がんによる死亡リスクが統計学的に有意に上昇した」と、今回の研究の筆頭著者であるChavez Mac Gregor医師は話す。
手術後91日以降に化学療法を開始した患者は、今回の分析対象者の9.8%を占めた。これらの患者は、手術後30日以内に化学療法を開始した患者と比べると、分析を行った時点では、5年以内に死亡する可能性が34%上昇し、乳がんによって死亡する可能性は27%上昇した。
分析を行ったデータには、乳がんのタイプに関する情報も含まれており、化学療法開始の遅延による影響が各タイプによって異なるか否かについても分析された。トリプルネガティブ患者では、治療開始が遅延(術後91日以降に開始)すると死亡リスクが53%上昇した。ホルモン受容体陽性患者あるいはHER2陽性患者では、治療開始遅延による有意な影響はみられなかった。
統括著者のSharon Giordano医師(Health Services Research部門長兼教授、Breast Medical Oncology部門教授)によれば、「今回の研究データによって、トリプルネガティブ乳がん患者の場合、適切な時期に化学療法を開始することが特に重要であると示された」という。
今回の研究では、医療の提供状況を改善すべき患者群を明らかにするため、研究者らは化学療法開始遅延に影響する因子の特定も試みた。ステージが進行した患者やトリプルネガティブ患者では、治療開始の遅延は比較的少なかったが、患者が高齢な場合や再建手術を行った場合、そして一部の社会人口学的要素に関連して治療開始の遅延がみられた。
「予想どおり、治療開始が遅い例の一部に社会人口学的要素が大きく影響していることが観察された。社会経済的背景(SES)が低い患者や民間医療保険に加入していない患者、ヒスパニック系やアフリカ系アメリカ人患者では、治療開始が遅くなる傾向が高かった」とChavez Mac Gregor医師は話す。
生存割合の悪化は、アフリカ系アメリカ人であること、社会経済的背景が低いこと、メディケアおよびメディケイドの対象者であることと関連がみられた。一方で、国立がん研究所指定のがんセンターで治療を受けている患者は、その他の施設で治療を受けている患者と比べ、死亡リスクが34%低下した。
「われわれは、治療を遅らせる要因を特定して対策を講じ、ゆくゆくは弱い立場にある人々に対する医療ケアの提供を改善する必要がある。たいていの臨床状況では、術後3カ月以内に化学療法を開始することは大いに可能だ」とChavez Mac Gregor医師は話す。
今回の研究結果は、化学療法開始までの所要日数を医療品質基準に含める意義を支持するものであり、さらに、治療は手術後90日以内に開始するべきであることが示唆されるとChavez Mac Gregor医師は説明した。
著者らは、今回の研究は後ろ向き研究であり、制約があるであろうことを認めたうえで、乳がん患者が術後化学療法を受ける場合、全患者が手術後90日以内あるいは診断後120日以内に治療を開始するべきであると結論づけた。
Chavez Mac Gregor医師は「化学療法は適切な時期に開始する必要がある。私は、患者が化学療法の開始の遅延を望む場合には、このデータを伝え、治療開始が遅くなった場合、治療効果が低下する可能性があることを伝えている。治療開始は、できるかぎり遅らせるべきではないのだ」と話した。
MDアンダーソンがんセンター ニュースリリース 2015年12月10日
術後化学療法の開始が手術後91日以降まで遅れた場合、乳がん患者の中でも特にトリプルネガティブ乳がん(TNBC)患者で死亡リスクが著しく上昇する可能性のあることが、テキサス大学MDアンダーソンがんセンターの新たな研究によって明らかにされた。さらに、社会経済的背景および医療保険の加入状況、民族性などの要因が治療開始の遅延に影響を与えていることも明らかになった。
JAMA Oncology誌で発表された今回の研究では、手術から91日以降に化学療法を開始した場合、5年以内に死亡する可能性が34%上昇した。TNBC患者にかぎれば53%の上昇だった。
術後化学療法は、初回手術後に行われる化学療法で、再発リスクと死亡リスクを低下させることで患者に利益をもたらすことがすでに明らかにされている。こう説明するのは、Health Services Research部門およびBreast Medical Oncology部門の助教であるMariana Chavez Mac Gregor医師である。しかし、術後化学療法の開始が遅くなると、わずかに残存した腫瘍が増殖したり、薬剤耐性を獲得したりするおそれがあるのだ。
現在、術後化学療法の最適な開始時期を定めたガイドラインはない。メディケア・メディケイド・サービスセンター(Centers for Medicare and Medicaid Services、CMS)は、一部の患者では、診断後120日以内の術後化学療法開始を医療品質基準としている。現在、MDアンダーソンがんセンターを含めた11のがん病院が、この基準に基づいて報告を行っている。
先行研究では、術後療法の開始が遅れると転帰が不良となる可能性が指摘されている。しかし、これまで、術後治療の最適な開始時期は明らかにされていない。現代の術後治療の最適な開始時期を明らかにし、また治療開始遅延をもたらす要因を特定するため、California Cancer Registryデータの分析が行われた。
今回の集団ベースの研究は、2005年1月1日から2010年12月31日の間にステージ1から3の浸潤性乳がんと診断され、術後化学療法を受けた患者24,823人のデータを検討した。本研究は、現在行われている治療レジメンを用いた化学療法において、治療開始が遅れた場合の影響を検討する研究としては、最も大規模な研究である。
「術後1カ月以内に化学療法を開始した患者と比べ、手術後30日から90日の間に化学療法を開始した患者では転帰が不良となった例は観察されなかった。しかし、手術後91日以降に化学療法を開始した場合は、全体の死亡リスクと乳がんによる死亡リスクが統計学的に有意に上昇した」と、今回の研究の筆頭著者であるChavez Mac Gregor医師は話す。
手術後91日以降に化学療法を開始した患者は、今回の分析対象者の9.8%を占めた。これらの患者は、手術後30日以内に化学療法を開始した患者と比べると、分析を行った時点では、5年以内に死亡する可能性が34%上昇し、乳がんによって死亡する可能性は27%上昇した。
分析を行ったデータには、乳がんのタイプに関する情報も含まれており、化学療法開始の遅延による影響が各タイプによって異なるか否かについても分析された。トリプルネガティブ患者では、治療開始が遅延(術後91日以降に開始)すると死亡リスクが53%上昇した。ホルモン受容体陽性患者あるいはHER2陽性患者では、治療開始遅延による有意な影響はみられなかった。
統括著者のSharon Giordano医師(Health Services Research部門長兼教授、Breast Medical Oncology部門教授)によれば、「今回の研究データによって、トリプルネガティブ乳がん患者の場合、適切な時期に化学療法を開始することが特に重要であると示された」という。
今回の研究では、医療の提供状況を改善すべき患者群を明らかにするため、研究者らは化学療法開始遅延に影響する因子の特定も試みた。ステージが進行した患者やトリプルネガティブ患者では、治療開始の遅延は比較的少なかったが、患者が高齢な場合や再建手術を行った場合、そして一部の社会人口学的要素に関連して治療開始の遅延がみられた。
「予想どおり、治療開始が遅い例の一部に社会人口学的要素が大きく影響していることが観察された。社会経済的背景(SES)が低い患者や民間医療保険に加入していない患者、ヒスパニック系やアフリカ系アメリカ人患者では、治療開始が遅くなる傾向が高かった」とChavez Mac Gregor医師は話す。
生存割合の悪化は、アフリカ系アメリカ人であること、社会経済的背景が低いこと、メディケアおよびメディケイドの対象者であることと関連がみられた。一方で、国立がん研究所指定のがんセンターで治療を受けている患者は、その他の施設で治療を受けている患者と比べ、死亡リスクが34%低下した。
「われわれは、治療を遅らせる要因を特定して対策を講じ、ゆくゆくは弱い立場にある人々に対する医療ケアの提供を改善する必要がある。たいていの臨床状況では、術後3カ月以内に化学療法を開始することは大いに可能だ」とChavez Mac Gregor医師は話す。
今回の研究結果は、化学療法開始までの所要日数を医療品質基準に含める意義を支持するものであり、さらに、治療は手術後90日以内に開始するべきであることが示唆されるとChavez Mac Gregor医師は説明した。
著者らは、今回の研究は後ろ向き研究であり、制約があるであろうことを認めたうえで、乳がん患者が術後化学療法を受ける場合、全患者が手術後90日以内あるいは診断後120日以内に治療を開始するべきであると結論づけた。
Chavez Mac Gregor医師は「化学療法は適切な時期に開始する必要がある。私は、患者が化学療法の開始の遅延を望む場合には、このデータを伝え、治療開始が遅くなった場合、治療効果が低下する可能性があることを伝えている。治療開始は、できるかぎり遅らせるべきではないのだ」と話した。
2015年12月25日金曜日
ヒジキの鉄分が9分の1に?改定版“食品成分表”
ヒジキの鉄分が9分の1に?改定版“食品成分表”に驚きの声が殺到
2015年12月25日
25日に公表された改訂版「食品成分表」に、驚きの声が集まっている。
15年ぶりの大幅改定
文部科学省は25日、食品の栄養成分をまとめた「日本食品標準成分表」の改訂版を公表した。
新しい成分表では、15年ぶりの「収載食品の拡充」や新たに「炭水化物成分表」を作成するなど、大幅な改定を実施。
また、社会のニーズに対応し、成分表のデーターファイルのネット公開や、家庭や給食でよく使われる「そう菜」についての成分値の計算方法を分かりやすく提示した。
「ヒジキ」の鉄分が9分の1に?
新しい食品成分表では「ヒジキ」の鉄分量が大幅に減っている。
これまで「ヒジキ」の鉄分は100gあたり55mgとされていたが、改訂版では9分の1の6.2ミリグラムとなっているのだ。
調理器具の影響
ヒジキの鉄分が減ったのは、調理器具の違いによるもの。
「鉄釜」でヒジキを煮た場合、100gあたり58.2mgの鉄分を含むが、ステンレス釜だと6.2mgになる。
ステンレスの釜が普及したことで、以前よりも鉄分の少ない「ひじき」が流通しているという。
「切り干し大根」の鉄分も減少
また、「切り干し大根」の鉄分も9.7mgから3.1mgに減少。
これは、鉄製の包丁が減りステンレス製の包丁が普及したのが原因だとみられている。
鉄瓶には塩素除去効果も?
調理器具由来の鉄分は、身体にどのような影響を与えるのだろうか?
南部鉄器で有名な盛岡市によると、鉄瓶でお湯を沸かすと溶けだした鉄分が水道水の塩素を除去しカルキ臭さが消えてまろやかになるという。
また、体に吸収されやすい「二価鉄」が溶けだすため、鉄分補給にも役立つとか。
2015年12月25日
25日に公表された改訂版「食品成分表」に、驚きの声が集まっている。
15年ぶりの大幅改定
文部科学省は25日、食品の栄養成分をまとめた「日本食品標準成分表」の改訂版を公表した。
新しい成分表では、15年ぶりの「収載食品の拡充」や新たに「炭水化物成分表」を作成するなど、大幅な改定を実施。
また、社会のニーズに対応し、成分表のデーターファイルのネット公開や、家庭や給食でよく使われる「そう菜」についての成分値の計算方法を分かりやすく提示した。
「ヒジキ」の鉄分が9分の1に?
新しい食品成分表では「ヒジキ」の鉄分量が大幅に減っている。
これまで「ヒジキ」の鉄分は100gあたり55mgとされていたが、改訂版では9分の1の6.2ミリグラムとなっているのだ。
調理器具の影響
ヒジキの鉄分が減ったのは、調理器具の違いによるもの。
「鉄釜」でヒジキを煮た場合、100gあたり58.2mgの鉄分を含むが、ステンレス釜だと6.2mgになる。
ステンレスの釜が普及したことで、以前よりも鉄分の少ない「ひじき」が流通しているという。
「切り干し大根」の鉄分も減少
また、「切り干し大根」の鉄分も9.7mgから3.1mgに減少。
これは、鉄製の包丁が減りステンレス製の包丁が普及したのが原因だとみられている。
鉄瓶には塩素除去効果も?
調理器具由来の鉄分は、身体にどのような影響を与えるのだろうか?
南部鉄器で有名な盛岡市によると、鉄瓶でお湯を沸かすと溶けだした鉄分が水道水の塩素を除去しカルキ臭さが消えてまろやかになるという。
また、体に吸収されやすい「二価鉄」が溶けだすため、鉄分補給にも役立つとか。
2015年12月21日月曜日
乳癌検診の推奨グレード/米国予防医学専門委員会(USPSTF)
2015年12月21日 海外癌医療情報リファレンス
* 米国予防医学専門委員会(USPSTF)は、米国医療研究・品質調査機構(AHRQ)の独立委員会で、検診や予防医療の研究レビューを行って米国政府の推奨グレードを作成します。
乳がん検診 推奨の概要 2009年12月
* 米国予防医学専門委員会(USPSTF)は、米国医療研究・品質調査機構(AHRQ)の独立委員会で、検診や予防医療の研究レビューを行って米国政府の推奨グレードを作成します。
乳がん検診 推奨の概要 2009年12月
| 対象 | 推奨事項 | グレード (定義) |
| 50‐74歳の女性 | The 米国予防医学専門委員会(USPSTF)は、50〜74歳の女性に対して、マンモグラフィによる乳癌検診の2年に1回の受診を推奨する。 | B |
| 50歳未満の女性 | 50歳未満の女性がマンモグラフィによる乳癌検診を2年に1回定期的に受診するかどうかは、個人の判断に基づくべきであり、特別な利益や不利益に関する患者の価値観など、患者の状況を考慮すること。 | C |
| 75歳以上の女性 | USPSTFは、75歳以上の女性においてマンモグラフィによる乳癌検診の利益と不利益を評価する上で、現在の証拠は不十分であると結論付けている。 リスク評価および「I」に関する実施上の提案についての情報は、「臨床的検討事項」の項を参照のこと。 | I |
| 全ての女性 | USPSFは、乳房自己触診(BSE)を指導することを推奨しない。 | D |
| 40歳以上の女性 | USPSTFは、40歳以上の女性におけるマンモグラフィによる乳癌検診を上回る乳房視触診(CBE)の付加的な利益と不利益を評価する上で、現在の証拠は不十分であると結論付けている。 リスク評価および「I」に関する診療の推奨事項についての情報は、「臨床的検討事項」の項を参照のこと。 | I |
| 全ての女性 | USPSTFは、乳癌検診としてフィルム・マンモグラフィの代わりに行うデジタル・マンモグラフィか核磁気共鳴画像法(MRI)の付加的な利益と不利益を評価する上で、現在の証拠は不十分であると結論付けている。 リスク評価および「I」に関する診療の推奨事項についての情報は、「臨床的検討事項」の項を参照のこと。 | I |
USPSTFは2009年12月4日、50歳未満の女性に関する推奨事項の内容について、本来の意図を明確にするために更新することを満場一致で決定した。
2015年12月20日日曜日
アジア人でも乳癌に対するpalbociclibとフルベストラント併用の効果を確認
2015/12/20
内分泌療法後に進行したホルモン受容体(HR)陽性HER2陰性で転移を有するアジア人乳癌患者において、CDK4/6阻害薬palbociclibとフルベストラントの併用は、フルベストラントとプラセボ併用よりも、無増悪生存期間(PFS)を有意に改善することが、フェーズ3試験PALOMA-3のアジア人患者における解析で明らかになった。韓国National Cancer CenterのJungsil Ro氏らが、12月18日から21日までシンガポールで開催されているESMO ASIA 2015で発表した。
内分泌療法後に進行したホルモン受容体(HR)陽性HER2陰性で転移を有するアジア人乳癌患者において、CDK4/6阻害薬palbociclibとフルベストラントの併用は、フルベストラントとプラセボ併用よりも、無増悪生存期間(PFS)を有意に改善することが、フェーズ3試験PALOMA-3のアジア人患者における解析で明らかになった。韓国National Cancer CenterのJungsil Ro氏らが、12月18日から21日までシンガポールで開催されているESMO ASIA 2015で発表した。
2015年12月5日土曜日
乳がんのタイプにより異なるホルモン療法の有効性
乳がんのタイプにより異なるホルモン療法の有効性
2015年12月4日
キャンサーコンサルタンツ
2015年11月23日
女性の乳がん患者を対象としたホルモン療法において、ホルモン受容体陽性乳がんのサブタイプにより、その効果に違いが現れることが、Journal of Clinical Oncology誌に掲載された研究結果により明らかになった。
ホルモン受容体陽性乳がんは、女性ホルモンであるエストロゲンの作用により増殖が促進されるタイプの乳がんである。そのため、ホルモン受容体陽性の乳がん患者に対する治療は、がん細胞と結合し増殖を助けるエストロゲンを阻害する薬剤が標準療法の一部となっている。
ホルモン受容体陽性乳がんに対して使用される抗エストロゲン剤として、現在最も多く使用されている薬剤はタモキシフェンである。また、そのほかに使用されている薬剤として、アロマターゼ阻害剤がある。
タモキシフェンおよびアロマターゼ阻害薬は、それぞれ異なる生物学的経路を通じて抗エストロゲン効果を発揮する。また、タモキシフェンおよびアロマターゼ阻害薬はどちらも広く使用されているが、異なる副作用が認められている。
臨床試験では、異なるタイプのホルモン受容体陽性乳がんの女性患者2,923人を対象として、一般に広く使用されているアロマターゼ阻害薬レトロゾール(販売名:フェマーラ)とタモキシフェンによる効果を比較した。
データ分析にあたり、患者は2群に分けられた。一方は、母乳を乳頭まで運ぶ役割を担う乳管に発生する浸潤性乳管がん(IDC)の患者群であり、もう一方は母乳を生成する小葉に発生する浸潤性小葉がんの(ILC)患者群である。
さらに、その試験より得られたデータから、乳がんの2種類のサブタイプについて分析がなされた。がん細胞の分裂が速いルミナールBタイプと、分裂が遅いルミナールAタイプである。
・総合的結果として、浸潤性小葉がん患者の無病生存率は、ルミナールBタイプおよびルミナールAタイプの両方において、レトロゾール投与群の方がタモキシフェン投与群と比較し、より高いことが判明した。
・浸潤性乳管がん患者のうち、ルミナールBタイプ患者では、レトロゾールの方が無病生存率において優れた結果を示した。
・浸潤性乳管がん患者のうち、ルミナールAタイプ患者では、レトロゾール投与群とタモキシフェン投与群の無病生存率に差は認められなかった。
研究者らは、ルミナールAタイプの浸潤性乳管がん患者を除き、ホルモン受容体陽性の浸潤性乳管がんおよび浸潤性小葉がんを有する乳がん患者において、レトロゾールはタモキシフェンと比較して、無病生存率を大幅に改善すると結論づけた。また、ルミナールAタイプの浸潤性乳管がん患者では、レトロゾールとタモキシフェンの効果は同等であることがわかった。
これらの結果から、医療提供者はがんの特性を考慮することにより、個々の患者に最適な治療法を選択することが可能になると考えられる。
◆過去ログ:
2012年5月14日 タモキシフェンからフェマーラにスイッチ!?
2013年8月12日 ホルモン療法 開始から5年後の選択、、、
2014年6月5日 HR陽性乳がん治療でタモキシフェンの10年投与が選択肢に
もうすぐ5年、私の場合はタモキシフェンをもう5年?、それともスイッチ、かな? そもそも、わたしは閉経してるの?、してないの?(笑
2015年12月4日
キャンサーコンサルタンツ
2015年11月23日
女性の乳がん患者を対象としたホルモン療法において、ホルモン受容体陽性乳がんのサブタイプにより、その効果に違いが現れることが、Journal of Clinical Oncology誌に掲載された研究結果により明らかになった。
ホルモン受容体陽性乳がんは、女性ホルモンであるエストロゲンの作用により増殖が促進されるタイプの乳がんである。そのため、ホルモン受容体陽性の乳がん患者に対する治療は、がん細胞と結合し増殖を助けるエストロゲンを阻害する薬剤が標準療法の一部となっている。
ホルモン受容体陽性乳がんに対して使用される抗エストロゲン剤として、現在最も多く使用されている薬剤はタモキシフェンである。また、そのほかに使用されている薬剤として、アロマターゼ阻害剤がある。
タモキシフェンおよびアロマターゼ阻害薬は、それぞれ異なる生物学的経路を通じて抗エストロゲン効果を発揮する。また、タモキシフェンおよびアロマターゼ阻害薬はどちらも広く使用されているが、異なる副作用が認められている。
臨床試験では、異なるタイプのホルモン受容体陽性乳がんの女性患者2,923人を対象として、一般に広く使用されているアロマターゼ阻害薬レトロゾール(販売名:フェマーラ)とタモキシフェンによる効果を比較した。
データ分析にあたり、患者は2群に分けられた。一方は、母乳を乳頭まで運ぶ役割を担う乳管に発生する浸潤性乳管がん(IDC)の患者群であり、もう一方は母乳を生成する小葉に発生する浸潤性小葉がんの(ILC)患者群である。
さらに、その試験より得られたデータから、乳がんの2種類のサブタイプについて分析がなされた。がん細胞の分裂が速いルミナールBタイプと、分裂が遅いルミナールAタイプである。
・総合的結果として、浸潤性小葉がん患者の無病生存率は、ルミナールBタイプおよびルミナールAタイプの両方において、レトロゾール投与群の方がタモキシフェン投与群と比較し、より高いことが判明した。
・浸潤性乳管がん患者のうち、ルミナールBタイプ患者では、レトロゾールの方が無病生存率において優れた結果を示した。
・浸潤性乳管がん患者のうち、ルミナールAタイプ患者では、レトロゾール投与群とタモキシフェン投与群の無病生存率に差は認められなかった。
研究者らは、ルミナールAタイプの浸潤性乳管がん患者を除き、ホルモン受容体陽性の浸潤性乳管がんおよび浸潤性小葉がんを有する乳がん患者において、レトロゾールはタモキシフェンと比較して、無病生存率を大幅に改善すると結論づけた。また、ルミナールAタイプの浸潤性乳管がん患者では、レトロゾールとタモキシフェンの効果は同等であることがわかった。
これらの結果から、医療提供者はがんの特性を考慮することにより、個々の患者に最適な治療法を選択することが可能になると考えられる。
◆過去ログ:
2012年5月14日 タモキシフェンからフェマーラにスイッチ!?
2013年8月12日 ホルモン療法 開始から5年後の選択、、、
2014年6月5日 HR陽性乳がん治療でタモキシフェンの10年投与が選択肢に
もうすぐ5年、私の場合はタモキシフェンをもう5年?、それともスイッチ、かな? そもそも、わたしは閉経してるの?、してないの?(笑
2015年12月3日木曜日
精神科も“カフェイン中毒”治療を開始。コーヒー依存者急増のアメリカで。
2015年12月03日 techinsight
朝はコーヒー1杯で自宅を出る。オフィスではパソコンの脇にコーヒーがなければ落ち着かない。ランチの後でコーヒー、外出すればカフェで一服。“眠れなくなるかも”とわかっていても、もちろん夕方以降も…こんな生活を送っている人が非常に多いアメリカでは、昨年あたりから「カフェイン中毒には精神カウンセリングが必要。治療しなければ体を壊す」などと報じられるようになっていた。紅茶派の多いイギリスでもコーヒーは大人気。英メディア『dailymail.co.uk』が興味深い話題を伝えているのでご紹介したい。
「いつからこんなにコーヒーを飲むようになってしまったのか。もしかしてカフェインの摂りすぎ? もはや中毒のレベル?」
大好きなコーヒーを前に、ふとこんなことを思ってしまう人がとても増えて来たという昨今のアメリカ。数ある飲み物の中でも圧倒的にカフェインの量が多いコーヒーの摂りすぎは体には毒、睡眠の質を大きく落とすことは承知しているものの、周囲もそのような状況ゆえ、それを自覚することはなかなか難しいという。
そんな中、アメリカの精神カウンセラーの間ではカフェイン依存から脱却したいと望む者に対し、5週間にわたるカフェイン依存症克服プログラムを指導する機会が非常に増えているとのこと。患者が自宅で読むための詳しく解説された小冊子も渡され、日記をつけながら自己管理に励み、1週間単位でカフェイン摂取量を減じていく。
1日当たり平均で670mgものカフェインを摂取してきたという67名の患者が、その研究チームのもとでカフェイン依存症克服プログラムを受けた結果、最終的には4分の3の患者において1日あたりインスタントコーヒーで2杯、つまりカフェイン摂取量を200mg未満まで落とすことに成功したと医学誌『Consulting and Clinical Psychology』に発表したのは医学界の名門ジョンズ・ホプキンズ大学(ボルチモア)、およびアメリカン大学(ワシントンD.C.)の合同研究チームであった。彼らはカフェインの頭痛、疲労感、風邪の諸症状の緩和、パーキンソン病患者の症状緩和、長距離ドライブにおける覚醒作用、そして優れた精神作用効果は世界が認めた通りだとするも、摂りすぎは睡眠障害だけではなく心配や不安傾向、神経過敏、胃の不調、張り詰めた緊張感などの副作用があると警告した。
最後にアメリカン大学のローラ・ジュリアーノ博士は、「健康のためにも、妊娠中をのぞき1日当たりのカフェイン摂取量は400mgまでと考えるべきです」とまとめている。もっともこれは体格にもよるであろう。日本では睡眠の質を落とさないためにカフェイン量は1日250mgまでと言われている。レギュラーコーヒー(一杯150ml)135㎎のカフェインを含むも、インスタントコーヒー(同)であればカフェインは68mgとのデータもあるようだ。
朝はコーヒー1杯で自宅を出る。オフィスではパソコンの脇にコーヒーがなければ落ち着かない。ランチの後でコーヒー、外出すればカフェで一服。“眠れなくなるかも”とわかっていても、もちろん夕方以降も…こんな生活を送っている人が非常に多いアメリカでは、昨年あたりから「カフェイン中毒には精神カウンセリングが必要。治療しなければ体を壊す」などと報じられるようになっていた。紅茶派の多いイギリスでもコーヒーは大人気。英メディア『dailymail.co.uk』が興味深い話題を伝えているのでご紹介したい。
「いつからこんなにコーヒーを飲むようになってしまったのか。もしかしてカフェインの摂りすぎ? もはや中毒のレベル?」
大好きなコーヒーを前に、ふとこんなことを思ってしまう人がとても増えて来たという昨今のアメリカ。数ある飲み物の中でも圧倒的にカフェインの量が多いコーヒーの摂りすぎは体には毒、睡眠の質を大きく落とすことは承知しているものの、周囲もそのような状況ゆえ、それを自覚することはなかなか難しいという。
そんな中、アメリカの精神カウンセラーの間ではカフェイン依存から脱却したいと望む者に対し、5週間にわたるカフェイン依存症克服プログラムを指導する機会が非常に増えているとのこと。患者が自宅で読むための詳しく解説された小冊子も渡され、日記をつけながら自己管理に励み、1週間単位でカフェイン摂取量を減じていく。
1日当たり平均で670mgものカフェインを摂取してきたという67名の患者が、その研究チームのもとでカフェイン依存症克服プログラムを受けた結果、最終的には4分の3の患者において1日あたりインスタントコーヒーで2杯、つまりカフェイン摂取量を200mg未満まで落とすことに成功したと医学誌『Consulting and Clinical Psychology』に発表したのは医学界の名門ジョンズ・ホプキンズ大学(ボルチモア)、およびアメリカン大学(ワシントンD.C.)の合同研究チームであった。彼らはカフェインの頭痛、疲労感、風邪の諸症状の緩和、パーキンソン病患者の症状緩和、長距離ドライブにおける覚醒作用、そして優れた精神作用効果は世界が認めた通りだとするも、摂りすぎは睡眠障害だけではなく心配や不安傾向、神経過敏、胃の不調、張り詰めた緊張感などの副作用があると警告した。
最後にアメリカン大学のローラ・ジュリアーノ博士は、「健康のためにも、妊娠中をのぞき1日当たりのカフェイン摂取量は400mgまでと考えるべきです」とまとめている。もっともこれは体格にもよるであろう。日本では睡眠の質を落とさないためにカフェイン量は1日250mgまでと言われている。レギュラーコーヒー(一杯150ml)135㎎のカフェインを含むも、インスタントコーヒー(同)であればカフェインは68mgとのデータもあるようだ。
2015年12月1日火曜日
がん誘発の生活習慣/100%の感度のがん検査
AskDoctors 2015.12.01
■「ハムやソーセージを食べると、大腸がんになる」って本当?
こんなニュースを最近ご覧になった方も多いと思います。先月末の国際がん研究組織(IARC)の発表によるものです(*1)。加工肉が大好き!という方は、どきっとしたのではないでしょうか?
この発表について国立がん研究センターが「大腸がんの発生に関して、日本人の平均的な摂取の範囲であれば赤肉や加工肉がリスクに与える影響は無いか、あっても、小さい」と発表しています。日本人の赤肉・加工肉の摂取量は世界的に見ても低いためです。
■がんのリスクが高い生活習慣とは?
日本人の3人に1人ががんで亡くなるほどがんは私たちにとって身近な病気なので、加工肉のニュースに限らず、がんのリスク要因を配慮して生活されている方も多いと思います。飲酒や喫煙は有名ですが、なかにはこんな、国や地域の文化に密接にかかわったものもあります。
がんリスクチェック
Webで質問に答えるだけで、簡単に「大腸がん」「がんと循環器の病気」などのリスク診断ができますので、ぜひチャレンジしてみてください。
■内視鏡検査に抵抗がある方におすすめしたい最先端のがん早期発見検査
がんの検査には種類がありますが、たとえば人間ドックでよく見かける腫瘍マーカーでは単独でがんを発見するのは難しいといわれ、診断には補助的に利用されています。
また、内視鏡検査が辛い、という理由で人間ドックや検診から足が遠のいている方も少なくないと思います。
新しい方法として、消化器のがんを遺伝子レベルで、一度の採血で判定する検査があります。「消化器がんマイクロアレイ血液検査」は、今年経済産業大臣賞を受賞した技術を利用した検査です。病院で一度採血するだけで、消化器系のがん(胃がん、大腸がん、すい臓がん、胆道がん)について通常の検査では見つからないレベルのがんを、血中の遺伝子発現解析でほぼ100%の感度で見つけることができます。
すでに全国の医療機関で活用実績があり、メディアでも取り上げられています。
■「ハムやソーセージを食べると、大腸がんになる」って本当?
こんなニュースを最近ご覧になった方も多いと思います。先月末の国際がん研究組織(IARC)の発表によるものです(*1)。加工肉が大好き!という方は、どきっとしたのではないでしょうか?
この発表について国立がん研究センターが「大腸がんの発生に関して、日本人の平均的な摂取の範囲であれば赤肉や加工肉がリスクに与える影響は無いか、あっても、小さい」と発表しています。日本人の赤肉・加工肉の摂取量は世界的に見ても低いためです。
■がんのリスクが高い生活習慣とは?
日本人の3人に1人ががんで亡くなるほどがんは私たちにとって身近な病気なので、加工肉のニュースに限らず、がんのリスク要因を配慮して生活されている方も多いと思います。飲酒や喫煙は有名ですが、なかにはこんな、国や地域の文化に密接にかかわったものもあります。
・食道がん:熱い食べ物や飲み物(マテ茶を飲む南米や、熱い飲食物が好きな東南アジアで多い)
・胃がん:塩分の高い食べ物(塩蔵物が好きな日本海側で多い)せっかく生活習慣に気を付けるなら、日本人の生活の実態も考慮したいですよね。生活習慣とがんリスクの関係については、国立がん研究センター予防研究グループが、日本人の生活習慣と疾患の関係を調査した結果をもとに、「がんリスクチェック」を公開しています。
がんリスクチェック
Webで質問に答えるだけで、簡単に「大腸がん」「がんと循環器の病気」などのリスク診断ができますので、ぜひチャレンジしてみてください。
■内視鏡検査に抵抗がある方におすすめしたい最先端のがん早期発見検査
がんの検査には種類がありますが、たとえば人間ドックでよく見かける腫瘍マーカーでは単独でがんを発見するのは難しいといわれ、診断には補助的に利用されています。
また、内視鏡検査が辛い、という理由で人間ドックや検診から足が遠のいている方も少なくないと思います。
新しい方法として、消化器のがんを遺伝子レベルで、一度の採血で判定する検査があります。「消化器がんマイクロアレイ血液検査」は、今年経済産業大臣賞を受賞した技術を利用した検査です。病院で一度採血するだけで、消化器系のがん(胃がん、大腸がん、すい臓がん、胆道がん)について通常の検査では見つからないレベルのがんを、血中の遺伝子発現解析でほぼ100%の感度で見つけることができます。
すでに全国の医療機関で活用実績があり、メディアでも取り上げられています。
2015年11月29日日曜日
印刷できる体温計が開発された
2015年11月27日
絆創膏型の体温計ができるかも。
東京大学大学院工学系研究科の研究グループが、グニャグニャ曲がる薄っぺらいプラスティック製の温度計を作成した。しかも、この温度計は、印刷プロセスで作成できるという。
柔軟で薄っぺらいので、ウェアラブルデバイスだけでなく、衣類や絆創膏などの医療品への搭載も可能になる。
更に、精度が高いと言うからかなり有望なデバイスとなりそうだ。
■ 薄っぺらだが高性能な温度センサー
この薄っぺらな温度計は、柔軟でもあるため、生体組織に貼り付けて表面温度の分布を測定することもできる。
グラファイトを添加したポリマーでできたこの温度センサーは、プリンタブルな上にフレキシブルだ。
しかも感度が良く、0.02℃の変化を測定でき、僅か100ミリ秒という素早さで応答する。
この温度センサーが、どれほど優れているかという実験が行われている。
ラットの肺の表面温度を計測したところ、呼吸で吐くときと吸うときでは肺の温度が約0.1℃異なる事を世界で初めて突き止めたのだ。
この実験によって、恒温動物の体温調整の絶妙さが分かったわけだ。勿論、この温度センサーが生体組織に貼り付けられることで、表面温度を高精度で計測できることも分かった。
■ 様々な応用分野が期待される
今回発表された温度センサーの様な、デバイスを印刷プロセスで作成する技術を、“プリンテッドエレクトロニクス”と呼ぶ。
“プリンテッドエレクトロニクス”は、省資源化や低コスト化に優れているため、次世代フレキシブルデバイスの製造手法として注目されている。
また、今回“プリンテッドエレクトロニクス”によって作成された温度センサーは極薄であるため、ウェアラブルデバイスへの応用が期待されている。
一方、0.02℃という高い感度と100ミリ秒という速い応答速度、そして1,000回以上繰り返し温度が上がり下がりしても再現性が高いこと、さらに曲率半径700マイクロメートルの曲げにも耐えることから、ヘルスケア、医療などへの活用にも期待されている。
例えば、絆創膏にこの温度センサーを印刷して、皮膚に貼り付けて温度計測したり、術後の患部や炎症部分に貼り付けることで、局所的な発熱を捉えていち早く体温の異常をモニターすることも可能になる。
その他、曲げに強いことから、スポーツウェアなどに採用することも考えられているようだ。
様々な分野での実用化が期待される温度センサーである。
絆創膏型の体温計ができるかも。
東京大学大学院工学系研究科の研究グループが、グニャグニャ曲がる薄っぺらいプラスティック製の温度計を作成した。しかも、この温度計は、印刷プロセスで作成できるという。
柔軟で薄っぺらいので、ウェアラブルデバイスだけでなく、衣類や絆創膏などの医療品への搭載も可能になる。
更に、精度が高いと言うからかなり有望なデバイスとなりそうだ。
■ 薄っぺらだが高性能な温度センサー
この薄っぺらな温度計は、柔軟でもあるため、生体組織に貼り付けて表面温度の分布を測定することもできる。
グラファイトを添加したポリマーでできたこの温度センサーは、プリンタブルな上にフレキシブルだ。
しかも感度が良く、0.02℃の変化を測定でき、僅か100ミリ秒という素早さで応答する。
この温度センサーが、どれほど優れているかという実験が行われている。
ラットの肺の表面温度を計測したところ、呼吸で吐くときと吸うときでは肺の温度が約0.1℃異なる事を世界で初めて突き止めたのだ。
この実験によって、恒温動物の体温調整の絶妙さが分かったわけだ。勿論、この温度センサーが生体組織に貼り付けられることで、表面温度を高精度で計測できることも分かった。
■ 様々な応用分野が期待される
今回発表された温度センサーの様な、デバイスを印刷プロセスで作成する技術を、“プリンテッドエレクトロニクス”と呼ぶ。
“プリンテッドエレクトロニクス”は、省資源化や低コスト化に優れているため、次世代フレキシブルデバイスの製造手法として注目されている。
また、今回“プリンテッドエレクトロニクス”によって作成された温度センサーは極薄であるため、ウェアラブルデバイスへの応用が期待されている。
一方、0.02℃という高い感度と100ミリ秒という速い応答速度、そして1,000回以上繰り返し温度が上がり下がりしても再現性が高いこと、さらに曲率半径700マイクロメートルの曲げにも耐えることから、ヘルスケア、医療などへの活用にも期待されている。
例えば、絆創膏にこの温度センサーを印刷して、皮膚に貼り付けて温度計測したり、術後の患部や炎症部分に貼り付けることで、局所的な発熱を捉えていち早く体温の異常をモニターすることも可能になる。
その他、曲げに強いことから、スポーツウェアなどに採用することも考えられているようだ。
様々な分野での実用化が期待される温度センサーである。
外来化学療法の普及の裏に「見えない医療費」
2015/11/29 連載: 日経デジタルヘルス Selection
「見えない医療費の問題は大きい。抗がん剤の外来化学療法を進めようと言われているが、患者の距離は無視されている。現実として、通院費がないということもある」──。こう語るのは、帝京大学医学部第三内科教授の小松恒彦氏だ。
「見えない医療費の問題は大きい。抗がん剤の外来化学療法を進めようと言われているが、患者の距離は無視されている。現実として、通院費がないということもある」──。こう語るのは、帝京大学医学部第三内科教授の小松恒彦氏だ。
ゾウが、がんになりにくいのはなぜか、それを人間に活用する方法について/英国医療サービス(NHS)
海外癌情報リファレンス 2015年11月28日
英国医療サービス(NHS) 2015年10月9日金曜日
「ゾウは腫瘍形成に対する防御力を高めている可能性がある」とBBCニュースが報じた。
ゾウは長年、進化生物学者達にとって謎であった。体が大きいことはがん化する可能性のある細胞も多いということであり、先週の記事「背の高い人について」にも見られるように、ゾウのがんによる死亡率は平均を超えているに違いないと予想される。
しかし、ゾウの場合には当てはまらない。がんで死亡するゾウは20頭に1頭に過ぎない。これに比べてヒトでは5人に1人である。本研究の意図は、その理由を解き明かし、ヒトへの応用の可能性を探ることであった。
研究者は、アフリカゾウおよびアジアゾウから白血球を採取し、ゾウがTP53遺伝子を少なくとも20コピー持っていることを見出した。TP53遺伝子はDNAが損傷したとき細胞の「自殺」を促進し、その後のがんを発現する可能性を残さないことで知られている。これに対して、ヒトはTP53遺伝子のコピーを1つしか持っていないと考えられている。
当然出てくる重大な疑問は、言うなれば室内のゾウである私たち人間は、どうすればTP53遺伝子の活性を高めて、同様の防御作用を刺激することが可能かということである。その答えは単純で、分からないのである。研究者の間では、TP53遺伝子の作用は1979年から知られているが、現在のところ、その作用の活用についての喜ばしい報告はほとんどない。
今の段階では、予防は治療よりも有効である。既に立証されている、がんのリスクを減らす方法には、禁煙する、野菜や果物の多い健康的な食事を摂る、健康体重を維持する、定期的に運動する、日焼けを避ける、アルコール摂取は適度にすることなどが含まれている。
研究の出典
本研究は、ユタ大学、ペンシルベニア大学、リングリング・ブラザーズ・アンド・バーナム・アンド・ベイリー・ゾウ保護センター、アリゾナ州立大学、およびカリフォルニア大学の研究者によって実施された。
米国エネルギー省、米国国立衛生研究所(NIH)、乳がん研究プログラム、ハンツマンがん研究所(HCI)核コントロールプログラムなど米国の複数の機関による研究助成を受けている。
本研究は査読誌であるJournal of the American Medical Associationで公表された。
全般的に、英国メディアで広く取り上げられ、正確かつ責任ある報道がなされた。しかし、研究の限界の一部はあまり明確に説明されていない。
研究の種類
本研究は主として実験室内で実施され、様々な動物種におけるがん発生率を比較し、一部の動物が他の動物よりも「がんに対して抵抗性を示す」理由を明らかにすることが目的であった。
ゾウやライオンなどの大型動物は、がん化するおそれのある細胞をより多く持っているため、小型動物よりもがんになる確率が高いであろうと予想される。しかし通常はそうではなく、これはペトのパラドックスといわれている。
本研究は、ゾウががんに抵抗性を示す理由を明らかにすることに重点を置き、ゾウ、健康な人、がんになりやすい患者の細胞がDNAの損傷に対し、どのように反応するかを比較した。DNAの損傷は、細胞をがん化させる原因となる可能性がある。がんにかかりやすい患者は、特に子供および若年成人でいくつかの種類のがんを発現するリスクが増加する、まれな疾患であるリー・フラウメニ症候群(LFS)であった。
インビトロ、すなわち実験室における研究では、各細胞がさまざまな曝露にどのように反応するかを理解することを特徴としている。しかしながら、管理された環境下で単一の細胞についてのみ評価するため、結果が生体内と異なる可能性がある。これは、一つの生体内でも多くの異なる細胞が複雑に、相互に作用し合うためである。
研究内容
研究者は最初に、サンディエゴ動物園の動物の14年間のデータを収集し、がんの発生率が体の大きさ、あるいは寿命に関係するかどうかを調査した。
また、エレファント・エンサイクロペディアのデータを収集し、アフリカゾウおよびアジアゾウの死因を分析した。研究者は本データを、がんの生涯リスクと様々な動物種のがんによる死亡リスクの算出に用いた。
次に、8頭のアフリカゾウとアジアゾウ、LFS患者10名、および、がんの家族歴のない人11名(健康な対照群)から血液を採取し、白血球を分離した。特に異なる動物の細胞が持つTP53遺伝子のコピーの数を重点的に調べた。TP53遺伝子は、ヒトと動物のどちらにもみられる腫瘍を抑制するタンパク質を産生する。
さらに、細胞中のDNAに損傷を与えるような条件に曝露された場合の細胞の反応を調べた。このような状況では、細胞は分裂を停止しない場合、DNAの損傷を正しく修復するか、細胞の「自殺」によって死ななければ、がん化する可能性がある。
結果
バッタネズミなど極小型から非常に大型(ゾウ)の動物まで、ヒトを含む合計36種類の哺乳類が分析対象となった。主な結果は次の通りである。
・動物の体の大きさや寿命によるがんのリスクの変化はなかった。
・エレファント・エンサイクロペディアの644頭のゾウのうち約3%が生涯でがんを発現した。
・ゾウの白血球にはTP53腫瘍抑制遺伝子が少なくとも20コピーあった。一方、ヒトの細胞にはこの遺伝子のコピーが1つしかなかった。
・これらの余分の遺伝子のコピーには活性があるという科学的根拠があった。
・ゾウにおけるDNA損傷に対する細胞の反応性は、ヒトに比べ有意に上昇していた。
・ゾウにおけるDNA損傷後の細胞の自殺は、健康なヒトの細胞よりも起こりやすく、一方、LFS患者の細胞ではDNA損傷後の細胞の自殺はほとんど起こらなかった。
結果の解釈
研究者たちは、ゾウは、他の種の哺乳類に比べてがんの発症率が予想より低く、これにはTP53遺伝子の複数のコピーが関係している可能性があると結論した。
ゾウの細胞ではヒトの細胞と比較して、DNA損傷後の「細胞の自殺」が多く示された。
「これらの結果は、再現されれば、がんの抑制に関わる機序を理解するための進化論ベースのアプローチとなり得るであろう。」
結論
本研究では、36種の哺乳類のがんのリスクを評価し、がんの発症率は動物の体の大きさや寿命とは関連していないことが確認された。したがって、研究ではゾウが体の大きさから予想される以上に、がんに抵抗性を示す理由を探ることに重点が置かれた。
研究者は、ゾウがTP53遺伝子を20コピー持っていることを見出した。TP53遺伝子は腫瘍を抑制する働きがあり、ヒトにはこのコピーが1つしかない。
実験室内での研究では、ゾウの細胞はヒトの細胞よりもDNAが損傷した時の細胞の自殺を多く起こし、細胞をがんの原因となり得る変異から保護していた。
この研究の結果は興味深く、ゾウのがん発症率が予想より低い理由の一つを明らかにした可能性がある。
ペトのパラドックスに根拠を与える事実を調査することによって、将来人間のための新治療法の発見に至る可能性が期待される。
しかしながら、がんの発現には多くの遺伝子、さらに環境因子も関与しているとみられる一方、この研究では1つの遺伝子しか調査されなかった。
生まれ持った遺伝子に対してできることは少ないが、がんのリスクを減らすために実践できる方法は複数ある。
ハダカデバネズミ
30年の寿命があるにもかかわらず、めったにがんを発現しないと考えられている動物に、アフリカのサバンナ原産で穴を掘って住んでいるげっ歯類に属するハダカデバネズミがある。
この事実から、「柔軟な皮膚ががんを防ぐ可能性がある」という気の早い主張や、さらに、動物が「がんの万能治療法」へのカギを握っているという主張まで出ている。
ハダカデバネズミの分野では真に興味深い結果が出ている一方、このような主張に根拠はない。
英国医療サービス(NHS) 2015年10月9日金曜日
ゾウは長年、進化生物学者達にとって謎であった。体が大きいことはがん化する可能性のある細胞も多いということであり、先週の記事「背の高い人について」にも見られるように、ゾウのがんによる死亡率は平均を超えているに違いないと予想される。
しかし、ゾウの場合には当てはまらない。がんで死亡するゾウは20頭に1頭に過ぎない。これに比べてヒトでは5人に1人である。本研究の意図は、その理由を解き明かし、ヒトへの応用の可能性を探ることであった。
研究者は、アフリカゾウおよびアジアゾウから白血球を採取し、ゾウがTP53遺伝子を少なくとも20コピー持っていることを見出した。TP53遺伝子はDNAが損傷したとき細胞の「自殺」を促進し、その後のがんを発現する可能性を残さないことで知られている。これに対して、ヒトはTP53遺伝子のコピーを1つしか持っていないと考えられている。
当然出てくる重大な疑問は、言うなれば室内のゾウである私たち人間は、どうすればTP53遺伝子の活性を高めて、同様の防御作用を刺激することが可能かということである。その答えは単純で、分からないのである。研究者の間では、TP53遺伝子の作用は1979年から知られているが、現在のところ、その作用の活用についての喜ばしい報告はほとんどない。
今の段階では、予防は治療よりも有効である。既に立証されている、がんのリスクを減らす方法には、禁煙する、野菜や果物の多い健康的な食事を摂る、健康体重を維持する、定期的に運動する、日焼けを避ける、アルコール摂取は適度にすることなどが含まれている。
研究の出典
本研究は、ユタ大学、ペンシルベニア大学、リングリング・ブラザーズ・アンド・バーナム・アンド・ベイリー・ゾウ保護センター、アリゾナ州立大学、およびカリフォルニア大学の研究者によって実施された。
米国エネルギー省、米国国立衛生研究所(NIH)、乳がん研究プログラム、ハンツマンがん研究所(HCI)核コントロールプログラムなど米国の複数の機関による研究助成を受けている。
本研究は査読誌であるJournal of the American Medical Associationで公表された。
全般的に、英国メディアで広く取り上げられ、正確かつ責任ある報道がなされた。しかし、研究の限界の一部はあまり明確に説明されていない。
研究の種類
本研究は主として実験室内で実施され、様々な動物種におけるがん発生率を比較し、一部の動物が他の動物よりも「がんに対して抵抗性を示す」理由を明らかにすることが目的であった。
ゾウやライオンなどの大型動物は、がん化するおそれのある細胞をより多く持っているため、小型動物よりもがんになる確率が高いであろうと予想される。しかし通常はそうではなく、これはペトのパラドックスといわれている。
本研究は、ゾウががんに抵抗性を示す理由を明らかにすることに重点を置き、ゾウ、健康な人、がんになりやすい患者の細胞がDNAの損傷に対し、どのように反応するかを比較した。DNAの損傷は、細胞をがん化させる原因となる可能性がある。がんにかかりやすい患者は、特に子供および若年成人でいくつかの種類のがんを発現するリスクが増加する、まれな疾患であるリー・フラウメニ症候群(LFS)であった。
インビトロ、すなわち実験室における研究では、各細胞がさまざまな曝露にどのように反応するかを理解することを特徴としている。しかしながら、管理された環境下で単一の細胞についてのみ評価するため、結果が生体内と異なる可能性がある。これは、一つの生体内でも多くの異なる細胞が複雑に、相互に作用し合うためである。
研究内容
研究者は最初に、サンディエゴ動物園の動物の14年間のデータを収集し、がんの発生率が体の大きさ、あるいは寿命に関係するかどうかを調査した。
また、エレファント・エンサイクロペディアのデータを収集し、アフリカゾウおよびアジアゾウの死因を分析した。研究者は本データを、がんの生涯リスクと様々な動物種のがんによる死亡リスクの算出に用いた。
次に、8頭のアフリカゾウとアジアゾウ、LFS患者10名、および、がんの家族歴のない人11名(健康な対照群)から血液を採取し、白血球を分離した。特に異なる動物の細胞が持つTP53遺伝子のコピーの数を重点的に調べた。TP53遺伝子は、ヒトと動物のどちらにもみられる腫瘍を抑制するタンパク質を産生する。
さらに、細胞中のDNAに損傷を与えるような条件に曝露された場合の細胞の反応を調べた。このような状況では、細胞は分裂を停止しない場合、DNAの損傷を正しく修復するか、細胞の「自殺」によって死ななければ、がん化する可能性がある。
結果
バッタネズミなど極小型から非常に大型(ゾウ)の動物まで、ヒトを含む合計36種類の哺乳類が分析対象となった。主な結果は次の通りである。
・動物の体の大きさや寿命によるがんのリスクの変化はなかった。
・エレファント・エンサイクロペディアの644頭のゾウのうち約3%が生涯でがんを発現した。
・ゾウの白血球にはTP53腫瘍抑制遺伝子が少なくとも20コピーあった。一方、ヒトの細胞にはこの遺伝子のコピーが1つしかなかった。
・これらの余分の遺伝子のコピーには活性があるという科学的根拠があった。
・ゾウにおけるDNA損傷に対する細胞の反応性は、ヒトに比べ有意に上昇していた。
・ゾウにおけるDNA損傷後の細胞の自殺は、健康なヒトの細胞よりも起こりやすく、一方、LFS患者の細胞ではDNA損傷後の細胞の自殺はほとんど起こらなかった。
結果の解釈
研究者たちは、ゾウは、他の種の哺乳類に比べてがんの発症率が予想より低く、これにはTP53遺伝子の複数のコピーが関係している可能性があると結論した。
ゾウの細胞ではヒトの細胞と比較して、DNA損傷後の「細胞の自殺」が多く示された。
「これらの結果は、再現されれば、がんの抑制に関わる機序を理解するための進化論ベースのアプローチとなり得るであろう。」
結論
本研究では、36種の哺乳類のがんのリスクを評価し、がんの発症率は動物の体の大きさや寿命とは関連していないことが確認された。したがって、研究ではゾウが体の大きさから予想される以上に、がんに抵抗性を示す理由を探ることに重点が置かれた。
研究者は、ゾウがTP53遺伝子を20コピー持っていることを見出した。TP53遺伝子は腫瘍を抑制する働きがあり、ヒトにはこのコピーが1つしかない。
実験室内での研究では、ゾウの細胞はヒトの細胞よりもDNAが損傷した時の細胞の自殺を多く起こし、細胞をがんの原因となり得る変異から保護していた。
この研究の結果は興味深く、ゾウのがん発症率が予想より低い理由の一つを明らかにした可能性がある。
ペトのパラドックスに根拠を与える事実を調査することによって、将来人間のための新治療法の発見に至る可能性が期待される。
しかしながら、がんの発現には多くの遺伝子、さらに環境因子も関与しているとみられる一方、この研究では1つの遺伝子しか調査されなかった。
生まれ持った遺伝子に対してできることは少ないが、がんのリスクを減らすために実践できる方法は複数ある。
ハダカデバネズミ
30年の寿命があるにもかかわらず、めったにがんを発現しないと考えられている動物に、アフリカのサバンナ原産で穴を掘って住んでいるげっ歯類に属するハダカデバネズミがある。
この事実から、「柔軟な皮膚ががんを防ぐ可能性がある」という気の早い主張や、さらに、動物が「がんの万能治療法」へのカギを握っているという主張まで出ている。
ハダカデバネズミの分野では真に興味深い結果が出ている一方、このような主張に根拠はない。
2015年11月26日木曜日
ジェネリックに医師が不信感 同じ材料でも同じ薬にならない
2015年11月25日 16時0分 NEWSポストセブン
11月6日、厚生労働省は医師などを対象に行なったジェネリック医薬品についての意識調査の結果を、中央社会保険医療協議会に報告した。
それによると、病院勤務の医師のうち54.9%、つまり半数以上が、現在のジェネリックに対して「不信感がある」と回答。その主な理由は、先発医薬品との「効果・副作用の違い」(67.9%)、「使用感の違い」(38.6%)などである。
ジェネリックは、医薬品の「有効成分の特許」が切れた後に発売される低価格の後発薬で、年々かさむ医療費を抑えるための「救世主」と目されてきた。
新薬の開発には臨床試験などの費用として数百億円かかるといわれるが、先発薬と同じ有効成分を使うジェネリックは臨床試験が大幅に割愛されるため、開発費が節約され、薬価が抑えられる。先発薬と比べて3~5割安くなる場合もある。
厚労省によると、2012年度の国民医療費は約39兆2000億円。2025年度には55兆円を超えるとみられている。ジェネリックの利用が増えれば患者個人の医療費だけでなく、国民医療費を大幅に削減することにもなる。
政府は今年5月、2020年度末までにジェネリックの普及率を80%以上に引き上げるとする目標を掲げ、医療財政を健全化するための施策とした。
そんな中で発表された今回の調査結果は、医療業界で大きな話題となっている。医師たちがジェネリックに不信感を抱く主な理由である先発薬との「効果、副作用の違い」は、“特許が切れた後”という部分に起因している。
『なぜ、あなたの薬は効かないのか? 薬剤師しか知らない薬の真実』(光文社刊)の著者で薬剤師の深井良祐氏が解説する。
「医薬品の特許は、有効成分そのものの『物質特許』や薬の製造過程に関わる『製剤特許』など様々です。最初に切れるのが『物質特許』で、多くのジェネリックはこの特許だけを真似して出されています。
『製剤特許』が切れるまでは成分と用量は先発品と同じでも、製剤法は同じではないのです。さらに薬は有効成分だけでなく、添加物も含まれます。剤形(錠剤、カプセル、粒状などの形)の違いで効果に差が出る可能性もあります」
つまり、ジェネリックと先発薬は「完全に同じ薬」ではない。
双方を治療で使用した場合に全く同じ効果が出るかどうかを検証した調査は存在しない。患者がジェネリックに切り替えたところ、発作の悪化や副作用の出現が報告された事例もあるという。新潟大学名誉教授で医師の岡田正彦氏は次のように語る。
「添加物や剤形が変わると、薬の溶け出す速度が変化したり、有効成分が分解されやすくなったりします。人によっては効きすぎたり効果が出にくかったりする。同じ料理を同じ材料、分量で作ったとしても、違う調味料が加われば異なるレシピとなり、味も変わるのと同じことです」
前出の深井氏は、実際に効果の差が表われやすい医薬品を挙げる。
「たとえば、喘息を治療するための貼り薬のジェネリックを敬遠する医療従事者は多い。貼り薬は肌にピタッと貼ることで徐々に薬が溶け出していく。溶け出しのタイミングは、製剤方法に左右されます。それが真似できない状況でジェネリックが次々と出てくるため、効果に違いが表われやすいのです。その他にも“外用薬”といわれる湿布や点眼薬、塗り薬などは、効果に差が出やすいと言われています」
※週刊ポスト2015年11月27日・12月4日号
11月6日、厚生労働省は医師などを対象に行なったジェネリック医薬品についての意識調査の結果を、中央社会保険医療協議会に報告した。
それによると、病院勤務の医師のうち54.9%、つまり半数以上が、現在のジェネリックに対して「不信感がある」と回答。その主な理由は、先発医薬品との「効果・副作用の違い」(67.9%)、「使用感の違い」(38.6%)などである。
ジェネリックは、医薬品の「有効成分の特許」が切れた後に発売される低価格の後発薬で、年々かさむ医療費を抑えるための「救世主」と目されてきた。
新薬の開発には臨床試験などの費用として数百億円かかるといわれるが、先発薬と同じ有効成分を使うジェネリックは臨床試験が大幅に割愛されるため、開発費が節約され、薬価が抑えられる。先発薬と比べて3~5割安くなる場合もある。
厚労省によると、2012年度の国民医療費は約39兆2000億円。2025年度には55兆円を超えるとみられている。ジェネリックの利用が増えれば患者個人の医療費だけでなく、国民医療費を大幅に削減することにもなる。
政府は今年5月、2020年度末までにジェネリックの普及率を80%以上に引き上げるとする目標を掲げ、医療財政を健全化するための施策とした。
そんな中で発表された今回の調査結果は、医療業界で大きな話題となっている。医師たちがジェネリックに不信感を抱く主な理由である先発薬との「効果、副作用の違い」は、“特許が切れた後”という部分に起因している。
『なぜ、あなたの薬は効かないのか? 薬剤師しか知らない薬の真実』(光文社刊)の著者で薬剤師の深井良祐氏が解説する。
「医薬品の特許は、有効成分そのものの『物質特許』や薬の製造過程に関わる『製剤特許』など様々です。最初に切れるのが『物質特許』で、多くのジェネリックはこの特許だけを真似して出されています。
『製剤特許』が切れるまでは成分と用量は先発品と同じでも、製剤法は同じではないのです。さらに薬は有効成分だけでなく、添加物も含まれます。剤形(錠剤、カプセル、粒状などの形)の違いで効果に差が出る可能性もあります」
つまり、ジェネリックと先発薬は「完全に同じ薬」ではない。
双方を治療で使用した場合に全く同じ効果が出るかどうかを検証した調査は存在しない。患者がジェネリックに切り替えたところ、発作の悪化や副作用の出現が報告された事例もあるという。新潟大学名誉教授で医師の岡田正彦氏は次のように語る。
「添加物や剤形が変わると、薬の溶け出す速度が変化したり、有効成分が分解されやすくなったりします。人によっては効きすぎたり効果が出にくかったりする。同じ料理を同じ材料、分量で作ったとしても、違う調味料が加われば異なるレシピとなり、味も変わるのと同じことです」
前出の深井氏は、実際に効果の差が表われやすい医薬品を挙げる。
「たとえば、喘息を治療するための貼り薬のジェネリックを敬遠する医療従事者は多い。貼り薬は肌にピタッと貼ることで徐々に薬が溶け出していく。溶け出しのタイミングは、製剤方法に左右されます。それが真似できない状況でジェネリックが次々と出てくるため、効果に違いが表われやすいのです。その他にも“外用薬”といわれる湿布や点眼薬、塗り薬などは、効果に差が出やすいと言われています」
※週刊ポスト2015年11月27日・12月4日号
2015年11月25日水曜日
各患者に必要な検査結果をお薬手帳に記録
| 私のおくすり手帳。入院中で院内処方だった。 |
| 私のおくすり手帳。ホルモン治療中。 |
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各患者に必要な検査結果をお薬手帳に記録
excel VBAを用いて検査結果を出力し、お薬手帳に貼付
2015/11/25 日経DI
希望する患者さんのお薬手帳に、検査結果を貼付するようにしています。そうすることで、患者さんは検査結果に興味を持ち、自分のどの部分が悪いのか意識するようになり、治療に前向きになりアドヒアランスが向上するものと考えています。
2015年11月23日月曜日
豆乳に女性ホルモン(エストロゲン)補充の効果
2015年11月23日
7日の日本女性医学会において、マルサンアイと長崎大学は、豆乳を摂取することで、女性ホルモン(エストロゲン)の欠乏による骨格筋の萎縮や筋力低下が抑制され、骨格筋幹細胞の増殖能や筋分化能が改善することを確認したと発表した。
研究グループが実施したマウスを用いた試験において、エストロゲンの欠乏により骨格筋の萎縮や筋力低下を引き起こすが、補充することで、これらが抑制されるという結果が出た。
豆乳は良質な植物性たんぱく質やエストロゲン様作用のある大豆イソフラボンを豊富に含み、食品という形でエストロゲンを補充できる可能性があるとしている。
閉経後の女性、過度なダイエットによる低体重の若年女性、厳しい食事制限やトレーニングを行う女性アスリートなどは、エストロゲンの欠乏を起こしやすいという。
7日の日本女性医学会において、マルサンアイと長崎大学は、豆乳を摂取することで、女性ホルモン(エストロゲン)の欠乏による骨格筋の萎縮や筋力低下が抑制され、骨格筋幹細胞の増殖能や筋分化能が改善することを確認したと発表した。
研究グループが実施したマウスを用いた試験において、エストロゲンの欠乏により骨格筋の萎縮や筋力低下を引き起こすが、補充することで、これらが抑制されるという結果が出た。
豆乳は良質な植物性たんぱく質やエストロゲン様作用のある大豆イソフラボンを豊富に含み、食品という形でエストロゲンを補充できる可能性があるとしている。
閉経後の女性、過度なダイエットによる低体重の若年女性、厳しい食事制限やトレーニングを行う女性アスリートなどは、エストロゲンの欠乏を起こしやすいという。
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