カロテノイドは天然に存在する赤、黄、オレンジ色の色素で野菜や果物に含まれており、近年の研究でその抗酸化作用が、がんをはじめ様々な病気の予防に効果を持つことが明らかになってきましたが、米国・ハーバード大学医学部のA. Heather Eliassen博士らがJournal of the National Cancer Institute 2012年12月6日オンライン版に発表した研究で、αカロテン、βカロテン、リコペン、などカロテノイドの血中濃度が高い女性の乳がんリスクが低いことが明らかになりました。
博士らはこれまでの研究で、カロテノイドと乳がんの関係について矛盾する研究結果が報告されていたことから、カロテノイドの種類や血中濃度と乳がん関係を詳しく分析しました。発表されているカロテノイドと乳がんの関係に関する8つのコーホート研究のデータ(合計3.035人の乳がん患者と3.956人の対照群から得られたもの)を詳細に分析しました。
その結果、αカロテン、βカロテン、リコペン、ルテイン+ゼアキサンチン、総カロテン、の血中濃度が高いと乳がんリスクが低下することが明らかになりました。
ただしβクリプトキサンチンは乳がんリスクに関係がありませんでした。また乳がんのタイプとしてER陰性乳がんのほうがER陽性乳がんよりもカロテノイドによるリスク低下が大きいこともわかりました。
この結果から博士らは、乳がんリスクを低下させる効果もあることが明らかになったので、特に女性には様々な健康上のメリットもあることからカロテノイドを多く含む野菜、果物をたくさん摂取することをお勧めするとしています。