2013年5月2日木曜日

瑞宝小綬章 元愛知県がんセンター総長高橋さん 



叙勲 喜びの春 瑞宝小綬章 元愛知県がんセンター総長高橋さん 
(2013年4月29日) 【中日新聞】【朝刊】


中日文化賞受賞者の高橋利忠元愛知県がんセンター総長(72)=名古屋市緑区=は瑞宝小綬章を受章した。高橋元愛知県がんセンター総長の喜びの声を紹介する。

がん研究の半世紀 

 がんと向き合い続けてきた。

 きっかけは半世紀前。名古屋大医学部を卒業し、血液のがんといわれる白血病の研究チームに所属した。目の前で何人もの患者が亡くなっていった。「研究で何とか治るようにならないか」。その後の道が定まった。

 世界的に有名な米国スローンケタリングがん研究所に2度、留学して免疫治療などの研究に打ち込んだ。帰国後は愛知県がんセンター研究所に所属。2005年、がんセンター総長に就任した。

 後進育成の面でも評価は高いが「私はただの縁の下の力持ち。その人たち自身が優秀だっただけ」とあくまで低姿勢だ。

 最近、センターの研究所の人員や予算が削られつつあるのが気掛かり。受章の喜びよりも「これからも、がんセンターが続いていくこと。それだけが願いですね」。