2012年10月23日火曜日

水出し緑茶とカテキン メモ

京都に伝わる驚きのお茶のいれ方とは?

京都の老舗お茶メーカーの職人が、あるお茶農家を訪ねたときに味わって感動したという「氷出し茶」についてご紹介しました。

氷出し茶の作り方

<煎茶を使う場合>
・大きめの急須またはティーポットに、茶葉10グラム(大さじ2杯)と氷300グラム~400グラムを入れます。
・氷が溶けきるまで冷蔵庫においておきます。
・最後の一滴まで残さず注ぎきってください。

<てん茶を使う場合>
・大きめの急須またはティーポットに、茶葉10グラム(大さじ4杯)と氷150グラムを入れます。
・氷が溶けきるまで冷蔵庫においておきます。
・最後の一滴まで残さず注ぎきってください。

※てん茶とは抹茶の原料となる茶葉です。
※お好みにより、茶葉の量・浸出時間を調整してください。
※一度お使いになった茶葉は、時間の経過で腐敗や変質しますので、必ず新しい茶葉とお取り替えください。
※お作りになったお茶は、冷蔵庫で保存のうえ、1日以内にお飲みください。

氷出しと普通にいれたときのお茶に含まれる成分の違い

お茶葉には苦み・渋みのもととなる「カテキン」やうまみ・甘みのもととなるテアニンなどの「アミノ酸」などが含まれています。
カテキンは抽出温度が低くなればなるほど抽出しにくくなります。一方、アミノ酸は抽出温度が低くても出やすさはあまり変わりません。氷出し茶はほぼ0度でお茶をいれるので、アミノ酸の量は変わらず、カテキンの抽出量を激減させることができるのです。
また、お茶に含まれる「カフェイン」も抽出温度が低い場合は出にくくなるので、お湯でお茶をいれる場合に比べて激減します。

【抽出温度と緑茶の成分の違い(福寿園CHA研究センター調べ)】
カフェインが70度→0度で 約3分の1に

元キャビンアテンドが伝授!おいしいお茶を入れるスゴ技とは?

熱いお茶を飲みたい!そんな方も多いはず。
そこで簡単においしいお茶をいれられるスゴ技を日本茶インストラクターの資格を持つ渥美佳子さんに教えてもらいました。

それが「急須にお茶っ葉を入れ、水を注いだ後に熱湯を注ぐ」という技です。

電気ポットなどから熱湯をいきなり入れると、カテキンが一気に出て苦みや渋みの強いお茶になってしまいます。そこで、熱湯を注ぐ前に水を入れておくと、苦みや渋みが出るのを抑えながらうまみや甘みを引き出すことができるのです。そこに熱湯を注ぐと温度の上がりすぎを抑えられるので苦みや渋みと甘みやうまみのバランスの取れたお茶になるのです。
水を入れた後、1分程度おいておくとよりうまみや甘みが引き出されます。

※水を加える量は茶葉全体が浸る程度で十分です。多く入れすぎると温度が下がりすぎてしまうのでご注意ください。
※茶葉が底までつかないタイプの茶こしが急須の中に付属されている場合、この技は使えませんのでご注意ください。

湯飲みのお茶の味を均一に!

湯飲みが複数あるとき、お茶の味をほぼ均一にする技をお伝えしました。

湯飲みが6つある場合、「1→2→3→4→5→6」の順に少しずつお茶をついでいきます。6の湯飲みまで注いだ後、次は「6→5→4→3→2→1」の順で注ぎます。そしてまだ足りない場合はまた「1→2→3→4→5→6」の順に注ぐのです。

カテキンの効果をアップさせるスゴ技とは?

お茶に含まれる「カテキン」にはガンの抑制効果や血中コレステロールを下げる効果などが期待されています。
その効果を上げるスゴ技としてご紹介したのが「湯飲みの底にたまったお茶っ葉も全て飲む」というものです。カテキンの効果について詳しい九州大学大学院農学研究院 立花宏文教授によると、お茶っ葉に多く含まれるビタミンAを摂取すると、「カテキン受容体」といういわばカテキンのセンサーが増えるといいます。その結果、同じ量のカテキンを摂取すると、より効率的にその効果を得られることができるというのです。

※カテキンやビタミンAを過剰に摂取すると体に悪影響を及ぼす可能性があるのでご注意ください。