がん医療 患者の評価を国が初めて調査へ
4月28日
がん患者の視点から診療や退院後の対応を評価し、国のがん対策に反映しようという初めての調査が、5月にも始まることになりました。
日本人の2人に1人がかかるとされるがんについて、国は、拠点病院を指定するなど医療態勢の整備を進めてきましたが、患者が納得する医療を受けているかどうか評価する取り組みは、ほとんど行われてきませんでした。
このため、医療政策の専門家などでつくる厚生労働省の研究班は、がん患者の視点から、診断や治療、それに退院後の病院の対応を評価する初めての調査を、来月にも始めることになりました。
調査は、全国の拠点病院の患者1万人以上を対象に、▽治療方針の決定に自分の意見が考慮されたかどうか、▽手術の結果について納得できる説明があったかどうか、また、▽不安や心配ごとへの配慮や支援があったかどうかなど、50項目をアンケート型式で尋ねる計画です。そして、患者の納得につながっている点や改善すべき点などを分析し、それぞれの病院の改善策や国のがん対策に反映することにしています。
調査を行う東京大学の宮田裕章准教授は「患者がどのような思いや経験をしているのか明らかにすることで、日本のがん医療全体のレベルアップにつなげたい」と話しています。