公開日時:2013年04月28日 12時00分
コーヒーを1日2杯以上飲んでいる乳がん患者は、抗がん剤の効果が高まり、再発リスクが下がる可能性あり:スウェーデンの研究
乳がんの多くは、がん細胞の表面にある「エストロゲン受容体」というタンパク質が女性ホルモンの一種であるエストロゲンと結びついて増殖していく。タモキシフェンという薬は、この受容体をふさぎ、がん細胞とエストロゲンが結びつくのを阻止する効果があり、術後の再発防止に用いられている。
スウェーデン、ルンド大学の腫瘍学研究者が乳がん患者600人の5年にわたる再発率を調べたところ、タモキシフェンを服用している患者は約300人、そのうちコーヒーを1日2杯以上飲む患者は、まったくコーヒーを飲まない患者と比べてがん再発率が半分以下であることが判明した。コーヒーと乳がん治療とがどのような相互作用を引き起こしているのかは今後の研究課題となるが、カフェインにがん細胞の増殖を抑える効果があることはすでに報告されており、研究者はカフェインによってタモキシフェンが活性化し、抗がん作用の効率が上がるのではないかと考えている。