2014年11月21日金曜日

ロキソニンSのリスク区分、「第1類」に据え置き

薬食審部会で審議、指定第2類への区分変更認めず
ロキソニンSのリスク区分、「第1類」に据え置き
2014/11/21 日経ドラッグインフォメーション

2011年1月にOTC医薬品として発売されたロキソニンS(一般名ロキソプロフェンナトリウム)のリスク区分が、第1類のまま据え置かれることが決まった。14年11月14日に開催された、薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会の審議による。ロキソニンSについては、14年8月の同部会安全対策調査会がリスク区分を指定第2類に引き下げることが適当との案をまとめていた。調査会案が部会で覆ることは異例。

2014年11月20日木曜日

早期乳がんでも両乳房切除が米で急増―生存率には効果なし

2014 年 11 月 20 日 18:04 JST

120万人の患者を対象とした全米規模の最新調査で、片側の乳房に早期がんが見つかった段階で両乳房切除を選択した女性の数がこの10年間で急増したことが分かった。

米医学誌JAMAサージェリーに掲載された調査によると、この増加はかなり早期の非浸潤性乳がんが見つかった若い女性のあいだで特に著しいという。

他の調査では、両乳房切除によって平均的な再発リスクを持つ女性の生存率が高まることはないことが分かっているが、それでも両乳房切除を選択する女性が増えていると医師たちは指摘する。

ダナ・ファーバーがん研究所のがん専門医、アン・パートリッジ医師は「多くの女性は本当の危険性と利点を完全に理解していない状態で、恐怖と不安からこの決断を下している」と指摘する。「ほとんどの女性の場合、もう片方の乳房にも新たながんが見つかる可能性は実際にはかなり低い」。パートリッジ医師は今回の調査にはかかわっていない。

その一方で、がん性腫瘍とその周辺のわずかな組織だけを摘出する乳腺腫瘤切除――乳房温存手術としても知られている――はかつて増加傾向にあったが、現在は減少に転じている。1980年代以前には、たとえ早期の乳がんであっても、ほとんどの女性が乳房全体と皮膚、その下の胸筋を取り除く、徹底的な全摘手術を受けていた。さまざまな研究で、乳腺腫瘤切除でもその後に放射線治療を行えば、生存率は全摘手術と変わらないということが示されると、この方法が標準的な治療となった。

ジョンズ・ホプキンス大学医学部のマイケル・ゼニルマン外科教授は「今や振り子は逆方向に振られている」とし、「患者の選択によるところがかなり大きい」と指摘する。教授は今回の調査で付随論説を執筆した。

最新の調査では、バンダービルト大学の研究者たちが、1998年から2011年までの期間に正式認可を受けたがんセンターで早期乳がんの治療を受けた女性120万人の記録を分析した。これは同期間に米国内で同様の治療を受けた患者の約70%に相当する。その期間に、早期乳がんで片側だけの乳房切除を受けた女性の割合は34%から38%に増加した。また、両乳房切除を選択した女性の割合は2%から11%に急増している。


この研究には、乳がん再発のリスクを大幅に引き上げるBRCA遺伝子変異を持っていた女性が何人いたかというデータは含まれていない。女性たちの決断理由についても不明だ。だが調査によると、乳房再建手術を選択する女性の割合も、乳房切除を受けたすべての女性の12%から36%に急増しており、これが両乳房切除の増加傾向を後押ししている可能性があると研究者らは考えている。

連邦法は1998年以降、保険会社やメディケア(高齢者向け医療保険制度)、メディケイド(低所得者向け医療費補助制度)に対し、乳がん患者の乳房再建手術に保険を適用するよう義務付けている。

乳がんについての知識を広める活動をしている非営利団体「スーザン・G・コーメン・フォー・ザ・キュア」のヘルスケアエデュケーション部部長、スーザン・ブラウン氏は「昔と比べるとより多くの女性が乳房再建という選択肢のことを知るようになり、その技術も向上してきた」と指摘する。とはいえ、乳房再建には複数回にわたる長時間の手術、長い回復期間、生涯残る傷跡などを伴う場合があるということに気付いていない女性も多いという。

ミシガン大学のブレストケアセンターの責任者、リサ・ニューマン医師は「多くの女性はつらい診断や治療を繰り返すことになるかもしれないという可能性に恐怖心を抱いているだけなのだろう」と話す。ニューマン医師と同僚たちは、治療法に関する患者との個人面談だけではなく、グループでの相談会や教材などでも、両乳房切除を受けることで生存率が高まることはないと強調しているという。

ダナ・ファーバーがん研究所のパートリッジ医師は、患者の決断に正しいも間違っているもないが、手術の危険性や利点を十分に知っておくべきだと強調する。「私は女性たちに、自分が本当に治療したがっているのは不安だということに気付きなさいと伝える。それにはもっと良い方法があるということも」

2014年11月14日金曜日

乳がん治療のマーキングには「見えないタトゥー」が望ましい(2014.11.13掲載)

乳がん患者が放射線療法を受ける際のマーキングには、永久的に色の残るインクではなく「見えないタトゥー」を用いることによって、患者の自己肯定感を向上できる可能性があることが新たな研究で認められた。

皮膚のマーキングは、毎回の治療セッションで正しく同じ位置に放射線を照射するために必要なものだ。しかし、これまでの研究で、永久的に残るタトゥーは乳がん患者に治療後何年も病気のことを思い出させ、身体への自信や自尊心を低下させることが明らかにされている。また、濃いインクのタトゥーは、皮膚の色が濃い女性の場合は見つけにくく、放射線治療の標的部位の不一致につながる可能性もあると、研究グループは述べている。

今回の新たな研究では、放射線療法を受けた乳がん患者42人を対象に、治療前と治療1カ月後の自分の身体についての感じ方をたずねた。女性の半数は従来の濃いインクのタトゥーを用い、半数は紫外線を当てたときだけ見える蛍光タトゥーを用いた。見えないタトゥーを使用した女性では、治療1カ月後の時点で自分の身体についての感じ方が改善した比率が56%であったのに対し、濃いインクのタトゥーを用いた女性では14%であることがわかった。治療の精度は両群で同等だった。この知見は、先ごろ開催された英国立がん研究所(NCRI)会議で発表された。

研究著者である英王立マーズデン病院(ロンドン)のSteven Landeg氏は、「この結果から、濃いインクのタトゥーの代わりに蛍光タトゥーを提案することにより、治療後に一部の女性が自分の身体に対して抱く否定的な感情を改善できる可能性が示唆される」と述べている。「身体イメージは主観的なものであり、濃いインクを用いた放射線療法用タトゥーによる影響は患者によってさまざまである点を忘れてはならないが、今回の結果により、将来的にこの選択肢が放射線療法を受ける患者にとって実行可能なものとなることを期待している」と、同氏は付け加えている。

なお、学会発表された研究のデータおよび結論は通常、ピアレビューを受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。(HealthDay News 11月4日)

2014年11月11日火曜日

脱水気味か!?

参照したサイト
そういえば、今日は水分補給が少ないorz

2014年10月7日火曜日

<日本人を対象とした研究>閉経状況別の肥満と乳がんの関連性

肥満で乳がんのリスク最大2.25倍に - 国立がん研究センターが発表
 [2014/10/07]

国立がん研究センターは10月7日、日本人を対象とした研究で、肥満と閉経状況別の乳がんの関連性について確認したと発表した。

同成果はがん予防・検診研究センターの笹月静 予防研究部長らの研究グループによるもので、欧州のがん専門誌「Annals of Oncology」にて発表された。

今回の研究では18万人以上のデータを解析し、肥満指数(BMI)と乳がんとの関連を閉経状況別に推定した。平均約12年の追跡期間中に乳がんになった1783人について、診断時の状況に応じて閉経前乳がんと閉経後乳がんに分類し、BMIによる乳がんリスクを比較した。

その結果、閉経前後ともにBMIが大きくなると乳がんリスクが高くなり、閉経前ではBMI最大群(30以上)でのリスクは基準値に(23以上25未満)の2.25倍だった。一方、BMIが低いほど閉経後ではリスクも低く、閉経前では基準グループと同程度のリスクだった。

BMIと乳がんリスクの関連性については、これまで主に欧米の研究成果から、閉経後の乳がんではBMIが大きなリスクとなることが示されており、逆に閉経前の乳がんでは予防的であるという弱い関連が報告されている。しかし、アジア人においてBMIと乳がんの関連がどのようになっているのか、特に閉経前の乳がんとの関連性は明らかにされていなかった。

今回の結果によって、乳がん予防の観点からはやせているほうがリスクが低いことが示されたが、やせすぎると免疫力が弱まり、感染症を引き起こすほか、血管壁がもろくなり脳出を起こしやすくなる。そのため、同研究センターではBMIの目標値として21以上25未満を推奨している。




2014年9月2日火曜日

「薬局での一部負担金をクレジットカードで支払うなんてけしからん!」?

(薬剤師さん向け記事)

スマホでカード決済ができる時代
2014/9/2

 一昔前まで、「薬局での一部負担金をクレジットカードで支払うなんてけしからん!」という風潮もありましたが、今となってはそんな声もどこ吹く風。病院や診療所の支払いでもクレジットカード決済ができるようになってきた中、カード決済を導入する薬局も増えてきているのではないでしょうか。

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そんな風潮があったんだ!? ・・・けしからん、って何故なんだろう?

2014年8月31日日曜日

女性ホルモンの一種エストロゲンの量が少なくなることで、食べ過ぎにつながっている!?

気がついたらいつも何か食べている、あるいはつい”ドカ食い”してしまうという女性。もしかしたらそれはホルモンの影響を受けているのかもしれない。

研究者によると、女性ホルモンの一種エストロゲンの量が少なくなることで、食べ過ぎにつながっていることがわかった。そして、ホルモン療法でそうした過食をコントロールできるようになるかもしれないという。

▼エストロゲン少ないと過食に

米テキサス州ベイラー医科大学のYong Xu助教授らがメスのマウスで実験を行い、エストロゲンの増減が食行動に与える影響を観察した。

それによると、エストロゲンレベルが高いマウスほど”ドカ食い”は少なく、逆にエストロゲンレベルが低いと頻繁にたくさんの量を食べる傾向が認められた。Xu助教授によると、ヒトでは月経不順の女性ほど過食に陥る傾向があるのだという。

乳細胞を刺激しないホルモン開発

では、ホルモンを補充すれば過食が止まるのでは、と思う人もいるだろう、しかし、それほど単純な話ではない。というのも、女性ホルモンが増えると乳がんのリスクが高まる恐れがあるからだ。

そこで、Xu助教授はインディアナ大学のチームと共同で、食欲をコントロールするのに役立ち、なおかつ乳細胞にエストロゲンが届かないような物質「GLP−1エストロゲン」を開発した。

開発ホルモン投与で食欲正常化

この物質をマウスに投与したところ、神経伝達物質の一種セロトニンがある脳内部位にエストロゲンが届いたことが確認された。セロトニンは食欲を正常化する作用があり、つまりこのGLP−1投与で過食のコントロールが期待できるという。

実際、GLP−1を投与されたマウスでは過食行動がみられなくなったという。このGLP−1活用はまだ研究段階だが、将来的には過食の女性への処方を視野に入れているようだ。

出典元:Estrogens stimulate serotonin neurons to inhibit binge-like eating in mice - Journal of Clinical Investigation(8/26/2014)

2014年8月29日金曜日

微熱

昨日、数日来不調を感じていたので、もしかして・・・と思って体温を測ったら、37.2度あった。気温が30度ほどだったので気が付かなかったw。

今日は体調が良かったけど、一応測ってみたらやっぱり37.2度あった。気温が28.5度と低くなったので気が付かなかったw。

とはいえ、気になるな~

***
9/1追記
今日は36.6度だった。いつの間に下がったんだろう・・・^^;。土日(8/30, /31)は楽だったから、その頃にはすでに下がっていたんだろうな。

2014年7月8日火曜日

妊婦に抗がん剤、子どもに影響なし 乳がん患者を調査

2014年7月 8日

胎児への悪影響を心配して日本では実施することが少ない妊娠中の乳がん患者への抗がん剤治療で、妊娠5カ月以降なら治療をしても赤ちゃんの健康には影響がなかったとする報告を聖路加国際病院(東京)がまとめた。14年間で34人が誕生し、これまで障害や異常などは確認されていないという。11日に大阪市で開かれる日本乳癌(にゅうがん)学会学術総会で発表される。

 20~40代で乳がんになる女性は年間約2万人と、乳がん全体の27%を占める。妊娠中にがんが見つかる人も増えており、治療優先で中絶が選択されたり、妊娠中は治療せずにがんが進んだりすることも少なくないとみられる。

 海外では一部の抗がん剤なら胎児に影響がないという報告も多く、積極的に治療をしている。日本乳癌学会の指針も、胎児が薬の影響を受けやすい妊娠4カ月以前は行うべきではないとしているが、5カ月以降は「必要と判断される場合には検討してもよい」とある。だが、がん専門病院には産科がないこともあり、聖路加国際病院に全国から妊娠中の患者が訪れるという。

2014年7月3日木曜日

エーザイ、抗がん剤「ハラヴェン」の転移性乳がんへの適応拡大で欧州委から承認取得

Tokyo, 2014年7月3日 10時20分   -  (JCN Newswire)   -   エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役 CEO:内藤晴夫)は、このたび、抗がん剤「ハラヴェン(R)」(一般名:エリブリンメシル酸塩)に関して、転移性乳がんに対するより早期からの治療貢献を可能とする「1 レジメン以上の前治療歴のある局所進行性・転移性乳がん(術後または再発後にアントラサイクリン系及びタキサン系抗がん剤による治療歴を有すること)」への適応拡大について、欧州委員会(European Commission)より承認を取得しましたのでお知らせします。

本剤は、EU では現在、アントラサイクリン系およびタキサン系抗がん剤を含む 2 レジメン以上の前治療歴のある局所進行性・転移性乳がんの適応で承認を取得し、販売されています。今回の承認により、前治療歴が 2 レジメン以上に限られた現在の適応から、より前治療歴の少ない転移性乳がん患者様へ適応が拡大され、EU 各国の転移性乳がん患者様に対して、より早期から本剤が貢献できるようになります。

本承認は、アントラサイクリン系及びタキサン系抗がん剤を含む 2~5 レジメンの前治療歴のある局所進行性・転移性乳がん患者様を対象とした主治医選択薬との比較臨床第III相試験(305 試験:EMBRACE 試験)と、アントラサイクリン系およびタキサン系抗がん剤による前治療歴を有する局所進行性・転移性乳がんの患者様を対象としたカペシタビンとの比較臨床第III相試験(301試験)の合計1,800症例を超える、乳がんを対象とした臨床試験では最大規模となるエビデンスに基づくものです。

欧州では、毎年30万人以上の女性が乳がんと診断され、3分の1の患者様が転移性乳がんに進行しています。1,2
乳がんの診断・治療は、新しい技術や薬剤の開発により年々進歩していますが、転移性乳がん治療においては、依然として高いアンメット・メディカル・ニーズが存在しています。当社は、引き続き本剤が患者様価値増大に結びつくべくエビデンスの創出に邁進し、がん患者様とそのご家族、さらには医療従事者の多様なニーズの充足とベネフィット向上により一層貢献してまいります。

2014年7月2日水曜日

閉経前ホルモン陽性乳癌女性の治療に卵巣機能抑制併用療法の新たな選択肢

閉経前ホルモン陽性乳癌女性の治療に卵巣機能抑制併用療法の新たな選択肢(ASCO2014)/NCIプレスリリース
2014年6月1日

乳癌治療に用いる薬物エキセメスタンは、乳癌予防に広く用いられるタモキシフェンと比較して、術後の卵巣機能抑制療法と併用する閉経前女性において、乳癌再発の予防効果が高い。これは、ホルモン治療に感受性のある早期乳癌の女性を対象とした試験の結果である。

この試験は、International Breast Cancer Study Group(IBSCG)が、Breast International Group(BIG)、North American Breast Cancer Groupと共同で実施し、米国国立癌研究所(NCI)、IBSCG、製薬企業Pfizer社、Ipsen社の研究助成を受けた。TEXT(Tamoxifen and Exemestane Trial)試験とSOFT(Suppression of Ovarian Function Trial)試験を併合解析した結果が、シカゴで開催された2014年米国臨床腫瘍学会(ASCO)の年次総会(late breaking abstract #1)およびNew England Journal of Medicine誌電子版で発表された。

エキセメスタンと卵巣機能抑制の併用療法は、タモキシフェンと卵巣機能抑制の併用療法と比較して、全浸潤癌のリスクを28%低下させ、浸潤性乳癌再発リスクを34%低下させた。試験開始から5年時点で乳癌無再発の女性は、エキセメスタン+卵巣機能抑制群で92.8%、タモキシフェン+卵巣機能抑制群で88.8%であった。

エキセメスタンなどのアロマターゼ阻害薬による治療は、閉経後乳癌患者において、タモキシフェンによる治療よりも利益が得られることが以前から示されていた。アロマターゼ阻害薬は、アロマターゼ酵素のはたらきを妨げることによって、女性ホルモンの一種であるエストラジオールの形成を阻害する。TEXT試験とSOFT試験はいずれも、エキセメスタンと卵巣機能抑制療法の併用によって、この利益を閉経前女性にも拡大できるかどうかを確かめるために実施された。ホルモン感受性乳癌は、エストロゲンまたはプロゲステロンの受容体が陽性である乳癌と定義される。米国では50歳未満の女性で診断される乳癌の79%を占めている。

第3相ランダム化試験であるTEXT試験とSOFT試験には、2003年11月から2011年4月の間に、27カ国の500を超える医療施設で、閉経前のホルモン受容体陽性の早期乳癌患者がそれぞれ2,672人と3,066人登録された。2つの試験で計4,690人の患者が、エキセメスタン+卵巣機能抑制療法群とタモキシフェン+卵巣機能抑制療法群に無作為に割り付けられ、5年間の術後療法を受けた。

SOFT試験には、タモキシフェン単独の第3の治療群がある。この群は2014年末に解析される予定である。一部の患者は、術後補助療法の一環として化学療法も受けている。

TEXT試験とSOFT試験は、相補的にデザインされている。2つの試験は、同時期に同じ一般母集団を対象に実施され、2つの治療群が共通している。両試験を併合解析することにより、個別の場合よりも早く、医師と患者に結果を提示することができた。

卵巣機能抑制療法は、閉経前女性の乳癌治療に何十年も用いられてきたが、他の療法と併用した場合に利益の上乗せがあるかどうかは依然としてわかっていない。両試験では、卵巣機能抑制療法をタモキシフェンまたはエキセメスタンと併用した。閉経前女性でエキセメスタンなどのアロマターゼ阻害薬を使用するには、卵巣が産生するエストロゲンを抑制する必要がある。TEXT試験とSOFT試験では、卵巣機能抑制療法として、月1回のGnRH作動薬triptorelin(トリプトレリン)注射、両側卵巣の外科的切除、または卵巣への放射線照射を行った。

「この結果は、閉経前のホルモン感受性乳癌女性に、新たな治療の選択肢をもたらします。アロマターゼ阻害薬はこれまで閉経後の女性のみに推奨されていました。この研究の結果、卵巣機能抑制との併用によって、閉経前の女性にも有効であることが示されました」と、本研究の共同責任者であり、Oncology Institute of Southern Switzerland(スイス、Bellinzona)乳腺科医長のOlivia Pagani医師は述べています。「私も一臨床医として、閉経前患者に卵巣機能抑制による補助療法を日々勧めていますが、この結果を受けて日常の診療が変わることでしょう。今後はタモキシフェンではなく、アロマターゼ阻害薬と卵巣機能抑制療法を併用するつもりです」。

NCIの支援により、米国とカナダのTEXT試験およびSOFT試験の参加がNorth American Breast Cancer Group (NABCG)を通じて実現した。TEXT試験とSOFT試験の全患者登録のうち、3分の1はNABCGが関与し、半数はBreast International Group(BIG)ネットワークに加盟する腫瘍学共同研究グループが関与した。Alliance(旧CALGB)が主導する北米の参加によって、試験への患者登録が加速され、早期に結果が得られるため、今回のような日常診療を変える結果が迅速に現場に還元される。

再発率低下に対する治療の有効性の評価に加えて、患者の申告による生活の質の評価と、医師からの副作用の報告が5年間収集された。「この2つの治療法で、患者の申告による生活の質の結果と、重篤な副作用の頻度が全般的に同様であったことは安心すべきです」と試験の共同責任者であり、Tom Baker Cancer Centre(カナダ、カルガリー)の腫瘍内科医、カナダ国立癌研究所(NCIC)臨床試験グループのBreast Disease Site Committee執行役員であるBarbara Walley医師は述べている。「この閉経前女性の母集団で報告された副作用は、タモキシフェンとアロマターゼ阻害薬が多くの人に処方されている閉経後女性の場合と同様です」。本試験に参加している閉経前女性を継続して追跡し、長期予後、忍容性、副作用を評価する。

「本試験の閉経前女性の場合のように、患者の転帰を改善する研究において、北米内さらにはその枠を超える国際的な協力が重要であることが明確に示されました」と、ハーバード大学医学部教授であり、ダナファーバー癌研究所(ボストン)に設置されたIBCSG Statistical Center(統計センター)責任者であるRichard Gelber博士は述べている。「このNCIとIBCSGの連携は、今後臨床研究を進めていく上での一つの成功モデルとなります」。

2014年6月25日水曜日

久しぶりに採寸

▼左腕

腕のつけ根 23.2
上腕最大径 22
前腕最大径 19.3
手首回り 14.2
手の甲から手のひらまでの1周 16.5

▼ウェスト 60.5

▼右脚

太腿のつけ根 46.3

2014年6月22日日曜日

乳癌骨転移患者に対する低頻度(3カ月に1回)のゾレドロン酸投与

乳癌骨転移患者に対する低頻度(3カ月に1回)のゾレドロン酸投与は、標準的な月1回投与と比較して安全であり同等の有効性が得られる/米国臨床腫瘍学会(ASCO)
2014年6月22日

OPTIMIZE-2試験(ランダム化第3相試験)の新たな結果から、乳癌骨転移患者はゾレドロン酸による月1回の治療を1年継続した後に、その投与頻度を3カ月に1回へ安全に減らすことができると示唆されている。投与頻度を落としても、骨転移に起因する合併症を低減させる上で、月1回の投与と同等の効果が得られ、ゾレドロン酸投与で稀に伴う重篤な副作用のリスクを低減できることが明らかにされた。

「ゾレドロン酸のようなビスホスホネート製剤を併用することによって骨転移患者の医療は劇的に改善されてきましたが、長期の投与から顎骨壊死や腎障害といった重篤な副作用のリスクが発生しています」と試験の筆頭著者でMDアンダーソンがんセンター(テキサス州、ヒューストン)内科教授のGabriel N. Hortobagyi医師は言う。 「われわれは、投与回数を減らすことで重篤な副作用のリスクを低下できることに加え、わずらわしさや医療費といった患者の負担を軽減するという効果が得られることを明らかにしました」。

ゾレドロン酸は、骨折や脊髄圧迫など骨転移に起因する合併症を減少させるために繁用される。ほとんどの医師が、骨転移と診断してから1年間はゾレドロン酸を4週間毎に投与する。その治療は無期限に継続すべきであると考えられているが、医師らは副作用のリスクに対する懸念を持ち続けてきた。現在のところ、研究が限定的であり、1年経過後の治療の最適なスケジュールをエビデンスに基づいて示すガイドラインはない。

OPTIMIZE-2 試験では、ゾレドロン酸の月1回投与をほぼ1年間継続した骨転移乳癌の女性403人を対象に、その後の1年間、ゾレドロン酸を1カ月毎に投与する群または3カ月毎に投与する群にランダムに割り付けた。研究者らは骨関連事象発現率、つまり長骨および椎骨の骨折、脊髄圧迫、その他骨転移に起因する治療介入といった骨関連事象が1つ以上みられた患者の割合を評価した。

骨関連事象発現率は2群間で同等であり(1カ月毎投与群の22%、3カ月毎投与群の23.2%)、低頻度の治療が1カ月毎の治療に劣ることはないことが示された。初回骨事象発生までの期間、骨代謝マーカーなど他の有効性判定指標値も2群間で同等であった。疼痛の程度、鎮痛薬の使用状況にも2群間で違いは認められなかった。しかし試験デザインが限定化されており統計学的な懸念があることから、OPTIMIZE-2試験の有効性データは慎重に解釈する必要がある。

総合的な安全性プロファイルおよび腎毒性において、ゾレドロン酸の2投与法間で顕著な違いはみられなかった。1カ月毎投与群で顎骨壊死が2症例報告されたが、一方の3カ月毎投与群では報告されなかった。 顎骨壊死は、顎骨の一部が弱体化し死滅する病態であり、骨の壊死部位には痛みが伴い、外科的摘出が必要になることがある。

この研究はNovartis Pharmaceuticals社から資金援助を受けている。

ASCOの見解

「骨折に対して、長期的な防御策を講じることが必要な転移性乳癌の女性は現在、有効性と安全性が損なわれることなく低頻度の間隔で、ビスフォスホート系薬剤の維持療法を選択できるようになったということです」とPatricia Ganz 医師(米国臨床腫瘍学会フェロー、米国臨床腫瘍学会専門委員)は述べた。

2014年6月17日火曜日

広がる「がん漢方」 症状や副作用を緩和

「がん漢方」という言葉をよく聞くようになった。全身にゆっくり作用する漢方薬を西洋医学の治療と併用することで、がんのつらい症状や抗がん剤などの副作用を緩和し、患者の生活の質(QOL)を高めようという取り組みだ。臨床の現場だけでなく、エビデンス(科学的根拠)を確かめる研究も少しずつ増えてきた。 

 愛知県がんセンター(名古屋市千種区)の循環器科部の外来。心臓の持病で通院中の女性(70)が、「腰が痛くなったり、足がつったりする」と訴えた。

 部長の波多野潔さん(59)はゆっくり話を聴いた後、「足の痛みに効く芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)という薬を、一週間ぐらい試してみようか」と勧めた。

 波多野さんは十年ほど前から、漢方薬の効果に注目し、がんのつらい症状や副作用の軽減、転移の防止などに取り入れている。

 がんによる食欲不振にしばしば処方するほか、精神的な落ち込みにも使う。精神科の薬より、患者の抵抗感が少ないという利点もある。

 抗がん剤のイリノテカンによる特有の下痢、口内炎には、半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)などがよく効くことが確かめられている。放射線で唾液腺がダメージを受け、口内が乾燥する場合は白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)が有効だ。

 大腸がんは肝臓、肺などに転移しやすいが、その予防に「三大補剤」と呼ばれる十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)、補中益気湯(ほちゅうえききとう)、人参養栄湯(にんじんようえいとう)を、よく使う。

 「治療の状態に合わせて、副作用を綿密にチェックしながら、使い分けたり、併用したりしている。西洋医学の薬との相性にも注意が必要。十年間、がん専門で実践してきたので、その強みがあると思う」と波多野さんは話す。

      ◇

 がん診療に漢方薬を使う医師、病院は全国的にも増えている。国立がん研究センター研究所(東京都中央区)で、治療開発の分野長を務める上園保仁(やすひと)さん(55)らのチームは、国内のがん治療病院などの緩和ケアに携わる医師に二〇一〇年、アンケートを実施。その結果によると、56・7%にあたる三百十一人が回答し、「がん治療に漢方薬を使っている」という人が64%に達した。

 使用する症状は、しびれ・感覚が鈍くなる、便秘、食欲不振・体重減少の順で、いずれも抗がん剤の代表的な副作用だ。使用されている漢方薬は、大建中湯(だいけんちゅうとう)(モルヒネ投与による便秘など)、牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)(しびれ)、六君子湯(りっくんしとう)(食欲不振)-の順で多かった。

 緩和ケアとは末期がんの治療に限らず、患者の状態を改善させ、生活の質を向上させる取り組みのこと。上園さんは「全身に作用する漢方薬は、がん治療の副作用や、痛み、衰弱を抑えることが期待できる」と話す。その効果を科学的に実証するため、一〇年にスタートした国の研究班の代表を務めている。

 例えば膵臓(すいぞう)がんの抗がん剤・ゲムシタビンを使用すると、食欲不振や体重減少という副作用が出る。これに対する六君子湯の効果を検証する臨床研究など、「漢方薬がなぜ効くのか、本当に効くのか?」を具体的に解明する研究だ。

 上園さんは「漢方薬のエビデンスを医師に伝えるキャラバンを一昨年、全国各地で開催し、とても大きな反響があった。今後は薬剤師や看護師など、医療スタッフ向けの勉強会にもつなげていきたい」と話す。

2014年6月11日水曜日

首相 混合診療拡大へ法整備図る

2014年(平成26年)6月11日[水曜日]

安倍総理大臣は、健康保険が適用される診療と適用されない診療を併用する「混合診療」を行っている東京都内の病院を視察したあと、記者団に対し「混合診療」の適用範囲を拡大するためなどに必要な法案を来年の通常国会に提出する考えを示しました。

安倍総理大臣は、健康保険が適用される診療と適用されない診療を併用する「混合診療」が行われている東京都内の病院を訪れ、医師から診療方法の説明を受けたり、手術の様子を視察したりしました。

このあと、安倍総理大臣は記者団に対し「困難な病気と闘っている患者が『費用をなるべく軽減しながら先進医療を受けたい』という強い思いを持っておられることをしっかりと受け止めなければならない」と述べました。

そのうえで、安倍総理大臣は「患者の申し出に基づいて保険診療と先進医療などの併用治療を可能とする新たな制度を創設し、より身近な医療機関でも先進医療を受けられる柔軟な仕組みにしていく」と述べ、混合診療の適用範囲の拡大や治療が受けられる病院を増やすために必要な法案を来年の通常国会に提出する考えを示しました。

政府は今月下旬に閣議決定する新たな成長戦略の柱の一つとして、混合診療の適用範囲の拡大を盛り込む方向で調整を進めています。

新たな制度とは

安倍総理大臣が必要な法案を提出する考えを示した新たな制度は、患者からの申し出を受けて、いわゆる「混合診療」の適用範囲を拡大し、速やかに実施できるようにするものです。

具体的には、国内で実績のない診療や薬については、患者からの申し出を受けて、臨床研究の拠点となる大規模な病院が国に申請を行います。

そして国は、専門家による会議で安全性と有効性を検討し、診療や投薬を認めるかどうかを判断するとしており、判断する期間を現在の半年程度から原則6週間にするとしています。

また、国内で実績がある診療や薬については、患者からの申し出を受けて病院が申請を行い、臨床研究の拠点となる大規模な病院が原則2週間で認めるかどうかを判断するとしています。

政府は、こうした取り組みによって「混合診療」を行う医療機関が増え、患者の選択肢を広げることにつながるとしています。

「お薬手帳断れば20円安い」Twitterで拡散!?

軽い病気の人が断っているのかな、たぶん。がん患者である私はその有用性を感じているし、私自身これで在薬チェックもしているから、断るなんて怖くて出来ないw

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お薬手帳を断れば、薬局の支払いが20円安くなる――。診療報酬が4月に改定されたことを受け、Twitterでそんな情報が広がっている。

 「お薬手帳を断れば、薬局の支払いが20円安くなる」。医療の値段である診療報酬が4月に改定されたことを受け、インターネットの短文投稿サイト「Twitter」でそんな情報が広がっている。

 薬剤師などの医療従事者からは「自分の健康を守る手帳なのに、安くするために断るという考え方はなじまない」と戸惑いの声が上がるが、現場では手帳を断る患者が増えている。

 薬局側は「有用性を分かってもらうことが大切」として説明を強化し、理解を広げたい考えだ。

 お薬手帳は医療機関で処方された薬の名前や処方量などをシールで貼るなどして記録、管理する手帳。他の医療機関で出された薬との飲み合わせや過去の処方薬の確認ができることから、全国の薬局で取り入れられている。

 東日本大震災では、カルテを流された医療機関もあったが、患者が持参したお薬手帳が診療の大きな助けとなった。

 従来、手帳への記載などで薬局が得られる「薬剤服用歴管理指導料」は410円だったが、4月の診療報酬改定で手帳が不要な人への指導料は340円に減額された。3割負担だと自己負担額は20円安くなる計算だ。

 ネット上では、「手帳を断れば20円安くなる」「20円を得るため、薬局は勧めてくるので断ろう」といった情報が拡散。逆に、「20円のために健康を危険にさらすのか」などの反論も続出している。

 厚生労働省は「安くなる裏技のように情報が広がるのは好ましくない」とするが、「患者側が手帳にメリットを感じていないから、そういう意見が出るのではないか」と医療者側にも責任があるとする。

 こうした事態に薬局も対応に本腰を入れ始めた。全国で調剤薬局を展開する「アイセイ薬局」(東京都千代田区)によると、お薬手帳を断る患者は1割ほどで、4月以降増えているという。

 同社は「診療報酬が改定されたのは、お薬手帳の運営が形骸化しているという批判があったからだろう」と分析。患者に手帳の有用性を説明するため、薬の飲み合わせによる副作用事例などをまとめた冊子を作成中だ。

 こうした動きは多くの薬局に広がり、ポスターを掲げたり、チラシを配布したりする店舗も。アイセイ薬局の担当者は「有用性をアピールするだけでなく、手帳が不要な場合は安くなることも伝え、患者の信頼を得ていきたい」と話している。

2014年6月9日月曜日

MarketReport.jp「主要先進国における乳癌治療市場」調査レポート販売

2014年6月9日
H&I株式会社グローバルリサーチ事業部

***** MarketReport.jp「主要先進国における乳癌治療市場」調査レポート販売 *****

H&I株式会社(本社:東京都江東区)は、この度、GBI Researchが発行した「主要先進国における乳癌治療市場」調査レポートの販売をwww.MarketReport.jpサイト(取扱いレポート数:9万件以上)にて開始しました。国内企業の海外進出、新規ビジネス機会発掘、競合他社分析などに役立つ情報レポートです。

***** レポート概要 *****
◆日本語タイトル:主要先進国における乳癌治療市場(~2020)
◆英語タイトル:Breast Cancer Therapeutics in Major Developed Markets to 2020 - Approval of Novel Therapies to Support Continued Dominance of HER2 Targeted Drugs
◆商品コード:GBIHC332MR
◆発行会社(調査会社):GBI Research
◆発行日:2014年6月1日
◆ページ数:106
◆レポート言語:英語
◆レポート形式:PDF
◆納品方法:Eメール
◆調査対象地域:グローバル

***** レポート目次(一部抜粋) *****
1 Table of Contents 5
2 Breast Cancer Therapeutics in Major Developed Markets to 2020 ? Introduction 9
3 Breast Cancer Therapeutics in Major Developed Markets to 2020 ? Marketed Products 20
3.1 Key Marketed Products 20
3.1.1 Herceptin 20
3.1.2 Halaven 21
3.1.3 Avastin 22
3.1.4 Gemzar 23
3.1.5 Taxotere 23
3.1.6 Tykerb 24
3.1.7 Femara 25
3.1.8 Aromasin 26
3.1.9 Zoladex 26
3.1.10 Arimidex 27
3.2 Heat Map for Marketed Products 27
4 Breast Cancer Therapeutics in Major Developed Markets to 2020 ? Pipeline Analysis 29
4.1 Overall Pipeline 29
4.2 Pipeline Analysis by Molecule Type 31
4.3 Pipeline Analysis by Mechanism of Action 33
4.4 Clinical Trials ? Failure Rate 35
4.5 Clinical Trial Size 37
4.6 Duration 39
4.7 Promising Drug Candidates in Pipeline 40
4.7.1 Buparlisib 40
4.7.2 Palbociclib 40
4.7.3 Afatinib dimaleate 40
4.7.4 Entinostat 41
4.7.5 Neratinib 42
4.7.6 BMN-673 42
4.7.7 Etirinotecan pegol 42
4.7.8 MetmAb (onartuzumab) 43
5 Breast Cancer Therapeutics in Major Developed Markets to 2020 ? Market Forecast to 2020 44
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2014年6月8日日曜日

不必要な画像診断を避け、乳癌リスクを低減/カリフォルニア大学サンフランシスコ校

2012年6月11日
News Office: Jason Bardi (415) 502-6397

アメリカ医学研究所(IMO)は、乳癌を引き起こす可能性のある環境リスク(殺虫剤、化粧品、家庭用化学物質および水用ボトルに使用されるプラスチックなどの危険因子)に関して今までに発表されたすべての科学的データを照査した報告書を昨年12月に発行した。

乳癌対策の支援財団Susan G. Komen for the Cureの委託を受けて作成されたIOMの報告書で、これらの因子への曝露が乳癌を引き起こすと確証またはその可能性を排除するには十分なデータがなかったと結論づけた。しかし、この報告書により明確にリスクを増加させる2つの因子が特定された。それは閉経後のホルモン補充療法と画像診断による放射線被曝である。

  最近のArchives of Internal Medicine誌の特集記事で、画像診断や、女性が乳癌のリスクを最小限に抑えるためにすべきことに関するIMO報告書の調査結果について詳しく述べられている。
  「IOMにより明らかになった、女性が乳癌のリスクを下げるために唯一行うことができることとは、不必要な画像診断を避けることです」とカリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)の放射線学、生物医学画像学および疫学、生物統計学の教授であり、この記事の著者、またIOM報告書に貢献したRebecca Smith-Bindman博士は述べた。

Smith-Bindman博士は、CT検査および他の画像診断は、医学に革命をもたらしており命を救うこともできるが、女性はすべての放射線検査についての意思決定プロセスにおいて担当医に関わってもらい、その必要性と安全性について説明を求める必要がある、とし、「リスクとベネフィットについて理解すべきであり、担当医にその説明をしてもらうことが大切です」と述べた。

また、患者が担当医に以下のような質問をすることを提案した。

  • この検査は絶対に必要ですか?
  • それは今必要ですか?
  • 他に代わりになる検査はありますか?
  • どうすれば検査が可能な限り安全な方法で行われることを確認することができますか?
  • 検査結果によって、病気の治療が変わるのでしょうか?
  • 専門家の診断を受けてから、検査を受けても良いですか?


Rebecca Smith-Bindman博士の記事「乳癌の環境因子および画像診断による放射線/アメリカ医学研究所の研究結果」は2012年6月11日号のArchives of Internal Medicine誌に掲載された。

UCSF医療センターについて
UCSF医療センターは、米国の病院トップ10に常にランクされている。革新的な治療、最新の技術、医療専門家と研究者間の協力、心のこもった患者ケアチームが評価されており、UCSF医療センターはカリフォルニア大学サンフランシスコ校の学術的医療センターの役割を果たしている。同センターの国内随一のプログラムは、小児医療、脳神経疾患、臓器移植、女性のための医療および癌が含まれる。同センターはUCSFにおける独立経営の事業として運営されており、患者ケアのための運営費をまかなう収入を得ている。

2014年6月6日金曜日

遺伝性乳がん診療…認定制度、今秋にも創設

日本産科婦人科学会、日本乳癌がん学会など5学会は、「遺伝性乳がん・卵巣がん」を診療できる医療機関を認定する制度を、今秋にも創設することを決めた。

 国内では毎年数千人が発症するが、診療体制が不十分だった。認定制度で質の高い医療機関を増やし、早期発見・早期治療で死亡を減らしたい考えだ。

 遺伝性乳がん・卵巣がんは、特定の遺伝子「BRCA1、2」の変異が遺伝することで起こる。米女優アンジェリーナ・ジョリーさんが検査でこの変異を持つとわかり、昨年5月、乳がんの発症を予防するために両方の乳房を切除したことを公表、話題になった。

 日本でも、乳房や卵巣・卵管の予防切除を行う医療機関が広がりつつある。しかし、遺伝子検査やカウンセリングなどの総合的な診療体制は不十分で、乳腺外科、産婦人科など関係する診療科の連携も課題になっていた。

 このため、新たに作る認定制度では、〈1〉遺伝や乳がん、卵巣がんの専門医が常勤しているか〈2〉遺伝子検査ができるか〈3〉変異があるとわかった人への経過観察ができるか――などを審査基準とし、診療レベルを3段階で評価してそれぞれ認定する予定だ。各学会が加盟する日本医学会が総括する方向で調整している。

 青木大輔・慶応大産婦人科教授は「この制度で質の高い診療ができる施設をはっきりさせ、不安を抱える患者が相談できるようにしたい」と話している。

 遺伝性乳がん・卵巣がん 乳がんの5~10%を占め、親から子へ50%の確率で遺伝する。通常より若い年齢で、両方の乳房に繰り返し発症しやすくなるのが特徴。特定の遺伝子(BRCA1、2)に変異があると、70歳までに56~87%が乳がんに、27~44%が卵巣がんにかかる危険性があると海外で報告されている。

(2014年6月6日 読売新聞)

2014年6月5日木曜日

キモ・ブレイン/ケモブレイン

乳がん患者が悩む“キモ・ブレイン”。治療法へ第一歩となるか
 JPN Manatee JPN Manatee

2014年5月27日、米国臨床腫瘍学会(ASCO)の正式機関誌であるJournal of Clinical Oncologyに掲載された論文によると、乳ガン治療の際に行われる化学療法が、女性の脳に影響を残すようだ。

▼化学療法の前後で脳の活動に変化

化学療法を受ける前と、化学療法が終了して4~6ヶ月後の乳がん患者18人の脳の動きをMRIで観察。行為ごとに脳のどの領域が動いているのかを調べた。すると、化学療法を受けたグループには、明らかな脳の活動の変化が見られたという。

一方、健常者と化学療法を受けていないがん患者の脳も、同じタイミングで観察したところ、目立った活動の変化は見られなかった。

今回の研究によって、「化学療法が脳に影響を与えること」「影響を与える脳の領域」が明らかになった。

▼“キモ・ブレイン”と呼ばれる症状とは

今回の研究成果は、今まで言われていた”キモ・ブレイン”と呼ばれる症状の一部を説明するものだと言われている。

“キモ・ブレイン”とは、化学療法を受けた後に頭がぼーっとして、「物忘れがひどくなる」「集中できない」「考え事ができない」といった問題を起こす症状だ。

8割ほどの女性は、1~2年ほどで以前の生活に戻れているが、「脳の活動の変化は10年後も続く」とカリフォルニア大学のSilverman 医師は語っている。

どうしてこのような症状を引き起こすのかについての研究は進んでおらず、解決策もないままだった。今回の研究が治療法への第一歩となることが期待されている。