St.Gallen Oncology Confereces 2009より
閉経前女性の標準的補助療法はTAM、OFS+TAM
*OFS : ovarian function suppression 卵巣機能抑制
*TAM : Tamoxifen タモキシフェン
紅林ER+の閉経前女性に対する補助療法としては、TAM単独yesが87%と、適応を選べばTAM単独というのも十分あるということになっています。またOSF+TAMに関しても、a reasonable standardとして87%がyesとしています。
穂積TAM単独は適応を選べばという考え方なのか、それとも、標準的にはTAMで、OFSはその上乗せという考え方なのでしょうか。
渡辺どちらも9割近く支持されていますから、選択肢としてはどちらもあり、という感じだと思います。
相原TAM単独がthe standardで、OFS+TAMはa standardと考えていいでしょうか。
紅林SOFT、TEXTといった試験の結果が出ないと、どちらが優位ということは言えないため、今のところ、両方とも選択肢ということでいいと思います。
渡辺Nancy Davidsonも、個人的にはOFSをやるけれど、全体のコンセンサスとしてはまだわからないと言っていました。
紅林次に、将来に妊娠希望がある人で、TAM 5年は長過ぎるという場合に、OFS単独はあるかという質問ですが、yesが79%でした。例外的なものでは、OFS単独もあるということになります。ただ、それをもっと広げてOFS単独でよいかというと、noが53%と逆転しています。一般的な治療としては、OFS単独を標準的と考えることはできないということになります。
高橋標準としては、TAM、もしくは、OFS+TAM。
相原TAMは、まず入らないといけないということですね。
紅林TAMはベースです。
内分泌療法: ER+閉経前女性に対する標準的治療
| Yes | No | 棄権/ 不明 |
TAM単独? | 87% | 10% | 3% |
卵巣機能抑制 (OFS) +TAMは標準療法として妥当か? | 87% | 8% | 5% |
(妊娠を希望する女性で5年間のTAM投与を望まないといった例外的な状況において) OFS単独は標準的治療として妥当か? | 79% | 18% | 3% |
OFSは、合併症のない女性(血栓の問題や禁忌でない場合)において妥当な選択肢か? | 43% | 53% | 3% |
- TAM、OFSあるいは両方を推奨する時、患者決定のための情報として、それぞれのベネフィットとリスクを検討することが重要である。おそらくこの例外的な状況に限っては、OFSよりも生殖能の維持を考慮することが重要かもしれない。