乳がんリスク高い女性に予防薬の投与を、英国立研究所が新指針
2013年06月26日 10:07 発信地:ロンドン/英国
【6月26日 AFP】英国立最適医療研究所(National Institute for Health and Care Excellence、NICE)は25日、英国内に数十万人いる乳がんの発症リスクが高い女性について、発症リスクを劇的に減少させる可能性のある薬剤の投与を受けるべきとする新指針を発表した。
新指針は、乳がんの家族歴のある最大50万人の女性は、タモキシフェンまたはラロキシフェンを5年間にわたり投与する120ポンド(約1万8000円)の予防治療を受けるべきだとしている。
タモキシフェンは、閉経後の高リスク女性を対象にした臨床試験で、浸潤性乳がんの発症リスクを約50%減少させることが分かっている。ラロキシフェンの臨床試験では、38%のリスク減が確認されているが、英国ではどちらの薬剤も予防治療用として認可されていない。
新指針の策定に協力したガレス・エバンズ(Gareth Evans)教授は「タモキシフェンは非常に安価なため、費用対効果が非常に高い。乳がんの治療には数千ポンドもの費用が掛かる」と説明する。
NICEの統計によると、英国では毎年、約5万人の女性と約400人の男性が乳がんを発症する。(c)AFP