乳房予防切除「死亡率減少の根拠不十分」 日本乳癌学会
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2013年6月28日(金)19時34分配信
遺伝性で乳がんや卵巣がんになりやすい女性の乳房予防切除について「乳がんによる死亡が減る可能性はあるが、科学的な根拠はまだ不十分」とする診療指針を日本乳癌(にゅうがん)学会が28日にまとめた。切除で乳がんの発生は90~100%減るが、がんが起こる乳腺を完全に取り切れない、卵巣がんが起こるなどの可能性があり、死亡率を下げるかは、まだはっきりしていないという。
遺伝性乳がんの乳房予防切除は、女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが体験を公表して注目を集めた。日本乳癌学会は2年ぶりに、乳がんの診療指針を改定した。この中で、遺伝的に乳がんになりやすい人が、がん予防で健康な乳房を切除する手術について、「本人が手術のリスクや効果を十分に理解した上で希望すれば、考慮すべき手段」と判断した。