2012年3月15日
美濃加茂市古井町の木沢記念病院が、同市蜂屋町の県生物工学研究所跡地に、がんと循環器病を核とした最先端医療を行う新病院の建設を構想していることが分かった。2016年ごろの完成を予定し、将来的には看護大学や福祉施設の建設も視野に入れ、地域医療、福祉の拠点化を目指す。
跡地は市中心部に近い高台の約8・5ヘクタールで、県が2010年に行財政改革の一環で施設を閉鎖。市は県から土地を買い取り、13年度中にも病院に転売する方針で、買い取り額を協議している。病院を運営する社会医療法人と市は今月8日、病院を売却先とする協定を締結した。
山田實紘理事長によると、新病院では心臓病や脳卒中などの循環器病とがんを専門に、臨床と研究の機能を備える高度医療センターを目指し、救急部門を設ける。コミュニティーホールのほか、喫茶店やコンビニ店など商業施設も誘致する。
将来的には、病院の関連法人が運営する専門学校を改編した形での看護大学の開校、高齢者福祉施設の整備なども構想。現在の病院施設は、療養型や回復期リハビリの病棟として、病床数や外来の規模を縮小して存続する。
市は農地法に基づく農地転用許可を受けるため国と事前協議を進めており、許可に必要な造成のため、新年度予算案に測量設計費など3000万円を計上している。取得や造成にかかった費用を病院への売却額とする方針。
山田理事長は「いつでも安心してかかれる医療体制を願う地域の声を踏まえて構想した。療養型病床の確保など、これまでの課題も解消していきたい」と話している。
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跡地は市中心部に近い高台の約8.5ヘクタールで、県が2010年に行財政改革の一環で施設を閉鎖。
施設の概要: 植物、昆虫、微生物等生物資材を活用したバイオテクノロジー。試験・研究施設 > 養蚕試験場
開設年: 1990~2010年