学会スペシャル: サンアントニオ乳癌シンポジウム2013
2013年12月10日~14日 San Antonio, U.S.A.
エリブリンが未治療のHER2陰性局所再発・転移乳癌でも高い抗腫瘍活性示す
2013/12/14
微小管阻害薬エリブリンが、HER2陰性の局所再発乳癌または転移乳癌(MBC)に対する1次治療として、高い活性を有することが、多施設共同のフェーズ2単群試験で示された。12月10日から14日まで米国サンアントニオで開催されているSan Antonio Breast Cancer Symposium(SABCS)において、米国Texas Oncology-Dallas Presbyterian HospitalのKristi McIntyre氏が発表した。
非タキサン系微小管ダイナミクス阻害剤エリブリンは、局所再発もしくは転移性乳癌の全生存期間(OS)を改善することが、エリブリンと治験医師が選択した治療法(対照群)を比較したフェーズ3試験(EMBRACE)で明らかになっている。同試験では、多くがHER2陰性の転移乳癌(MBC)で、すべての患者が、試験前に再発または転移疾患に対する2レジメン以上の治療を受けていた。
本試験では、再発・転移疾患に対する治療歴のない患者を対象とした。登録基準は、18歳以上の女性、局所再発またはMBC、HER2陰性、余命24週以上、ECOG PS 0-2、ネオアジュバント/アジュバント化学療法後12カ月以上、放射線療法、ホルモン療法後2週間以上、腎機能/骨/肝機能正常。
エリブリンは3週毎に第1、8日に1.4mg/m2を2-5分で静注。主要エンドポイントは奏効率(ORR)、副次エンドポイントは安全性と忍容性、反応までの時間、反応時間などとした。
56例が少なくとも1回のエリブリン投与を受け、32例(57%)が6サイクルを完了した。サイクル数中央値は7(1-43)。42例(75%)が何らかの乳がん治療を受けており、うち38例(90.5%)がネオアジュバントまたは/かつアジュバント療法を受けていた。タキサン治療歴があった患者は25例、アントランサイクリン系の治療歴ありは27例だった。
奏効率(0RR)は28.6%(16/56例、95%信頼区間:17.3-42.2)だった。タキサン/アントラサイクリンによるネオアジュバントまたは/かつアジュバント療法を受けた患者のORRは27.3%(9/33例)、臨床ベネフィット率(CBR)は45.5%(15/33例)で、全患者と同様だった。
ER陽性(ER+)の患者41例では、トリプルネガティブ乳癌(TNBC)12例と比較して、より大きな臨床ベネフィットが認められた(ORR 34.1%対16.7%、CBR 64.3%対25.0%、疾患コントロール率85.4%対50.0%)。
PRを得た16例の反応までの時間(TTR)は中央値で1.4カ月(95%信頼区間:1.2-2.7)、反応時間(DOR)は5.8カ月(95%信頼区間:4.7-10.6)。
25%以上の患者で認めた(全グレード)治療関連の有害事象は、脱毛、好中球減少、疲労、末梢神経障害、吐き気、貧血、白血球減少、便秘、下痢だった。36例(64.3%)が、グレード3/4の治療関連有害事象を経験した。重度の有害事象は5例(8.9%)。発熱性好中球減少が3例(5.4%)、好中球減少が3例(5.4%)、白血球減少が1例(1.8%)。
有害事象による減量/治療中断/延期は30例(53.6%)、治療中止は6例(10.7%)。22例(39.3%)が最初の投与から平均2.6週(18日)でG-CSFの投与を要した。
McIntyre氏は「エリブリンは、十分に治療を受けたHER2陰性MBCのみならず、未治療のHER2陰性MBCにおいても、高い活性を有することが示された。安全性プロファイルも、これまでに知られているものと一貫性があった。今後、フェーズ3試験を経て、未治療MBC患者でも使用可能になることを期待する」とした。
2013年12月14日土曜日
早期乳癌の術後補助療法でのビスホスホネート投与は閉経後患者の骨再発リスクと乳癌死リスクを減らす
学会スペシャル: サンアントニオ乳癌シンポジウム2013
2013年12月10日~14日 San Antonio, U.S.A.
早期乳癌の術後補助療法でのビスホスホネート投与は閉経後患者の骨再発リスクと乳癌死リスクを減らす
2013/12/14
早期乳癌患者の術後補助療法としてビスホスホネート(BP)製剤を投与すると、閉経後患者の骨再発のリスクを減らし、乳癌死のリスクも減らすことが明らかとなった。無作為化試験のメタ解析の結果示されたもの。骨再発のリスクを34%、乳癌死のリスクを17%減らした。しかし骨以外の最初の遠隔再発は有意に減らさなかった。ビスホスホネートの投与は閉経前の患者には影響しなかった。また、非乳癌死、対側乳癌、局所再発についても影響は与えなかった。
12月10日から14日まで米国サンアントニオで開催されているサンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS2013)で、the Early Breast Cancer Trialists' Collaborative Group(EBCTCG)'s Bisphosphonate Working Groupを代表して、英Sheffield Cancer Research CentreのColeman R氏によって発表された。
研究グループは、術後補助療法としてBP製剤投与群と非投与群またはプラセボ群を比較した無作為化試験36件2万2982人の結果から、22試験1万7791人のデータを受け取り、メタ解析を行った。
その結果、全再発については、1万7709人で3408イベントが起きていたが、10年の再発率はBP製剤投与群は25.4%、非投与群は26.5%だった(Logrank 2p=0.08)。遠隔再発は1万7709人で2835イベントが起きていたが、10年の再発率はBP製剤投与群は20.9%、非投与群22.3%だった(Logrank 2p=0.03)。
骨再発については1万7709人で888イベントが起きていたが、10年の再発率はBP製剤投与群は6.9%、非投与群は8.4%だった(Logrank 2p=0.0009)。非骨遠隔再発は1万7709人で1947イベントが起きていたが、10年の再発率はBP製剤投与群は15.0%、非投与群は15.1%だった(Logrank 2p=0.71)。
局所再発については1万7709人で698イベントが起きていたが、10年の再発率はBP製剤投与群は6.3%、非投与群は5.5%だった(Logrank 2p=0.27)。対側乳房の再発については1万7709人で218イベントが起きていたが、10年の再発率はBP製剤投与群は2.5%、非投与群は2.4%だった(Logrank 2p=0.96)。
閉経後乳癌に限定したところ、1万1036人中遠隔再発は1564件起きており、10年の再発率はBP製剤投与群は18.4%、非投与群は21.9%だった(Logrank 2p=0.0003)。骨再発は508件起きており、10年の再発率はBP製剤投与群は5.9%、非投与群は8.8%だった(Logrank 2p<0.00001)。非骨再発は1056件起きていたが、10年の再発率はBP製剤投与群は13.3%、非投与群は14.3%だった(Logrank 2p=0.24)だった。
骨再発を閉経状態と組み合わせると、年間のイベント率の比は閉経前の患者では差がなく、閉経後の患者で差があった。骨以外の部分の再発については、閉経前と閉経後に差はほとんどなかった。BP製剤の種類で分けても閉経後の患者で効果が高かった。
全患者を対象に乳癌死について調べたところ、10年時点の死亡率はBP製剤投与群は16.9%、非投与群18.7%だった(Logrank 2p=0.04)。非乳癌死はどちらも5.3%で差がなかった(Logrank 2p=0.96)。
閉経後患者の乳癌死は、10年時点ではBP製剤投与群は15.2%、非投与群18.3%だった(Logrank 2p=0.004)。全死亡率はBP製剤投与群は21.5%、非投与群23.8%だった(Logrank 2p=0.007)。
2013年12月10日~14日 San Antonio, U.S.A.
早期乳癌の術後補助療法でのビスホスホネート投与は閉経後患者の骨再発リスクと乳癌死リスクを減らす
2013/12/14
早期乳癌患者の術後補助療法としてビスホスホネート(BP)製剤を投与すると、閉経後患者の骨再発のリスクを減らし、乳癌死のリスクも減らすことが明らかとなった。無作為化試験のメタ解析の結果示されたもの。骨再発のリスクを34%、乳癌死のリスクを17%減らした。しかし骨以外の最初の遠隔再発は有意に減らさなかった。ビスホスホネートの投与は閉経前の患者には影響しなかった。また、非乳癌死、対側乳癌、局所再発についても影響は与えなかった。
12月10日から14日まで米国サンアントニオで開催されているサンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS2013)で、the Early Breast Cancer Trialists' Collaborative Group(EBCTCG)'s Bisphosphonate Working Groupを代表して、英Sheffield Cancer Research CentreのColeman R氏によって発表された。
研究グループは、術後補助療法としてBP製剤投与群と非投与群またはプラセボ群を比較した無作為化試験36件2万2982人の結果から、22試験1万7791人のデータを受け取り、メタ解析を行った。
その結果、全再発については、1万7709人で3408イベントが起きていたが、10年の再発率はBP製剤投与群は25.4%、非投与群は26.5%だった(Logrank 2p=0.08)。遠隔再発は1万7709人で2835イベントが起きていたが、10年の再発率はBP製剤投与群は20.9%、非投与群22.3%だった(Logrank 2p=0.03)。
骨再発については1万7709人で888イベントが起きていたが、10年の再発率はBP製剤投与群は6.9%、非投与群は8.4%だった(Logrank 2p=0.0009)。非骨遠隔再発は1万7709人で1947イベントが起きていたが、10年の再発率はBP製剤投与群は15.0%、非投与群は15.1%だった(Logrank 2p=0.71)。
局所再発については1万7709人で698イベントが起きていたが、10年の再発率はBP製剤投与群は6.3%、非投与群は5.5%だった(Logrank 2p=0.27)。対側乳房の再発については1万7709人で218イベントが起きていたが、10年の再発率はBP製剤投与群は2.5%、非投与群は2.4%だった(Logrank 2p=0.96)。
閉経後乳癌に限定したところ、1万1036人中遠隔再発は1564件起きており、10年の再発率はBP製剤投与群は18.4%、非投与群は21.9%だった(Logrank 2p=0.0003)。骨再発は508件起きており、10年の再発率はBP製剤投与群は5.9%、非投与群は8.8%だった(Logrank 2p<0.00001)。非骨再発は1056件起きていたが、10年の再発率はBP製剤投与群は13.3%、非投与群は14.3%だった(Logrank 2p=0.24)だった。
骨再発を閉経状態と組み合わせると、年間のイベント率の比は閉経前の患者では差がなく、閉経後の患者で差があった。骨以外の部分の再発については、閉経前と閉経後に差はほとんどなかった。BP製剤の種類で分けても閉経後の患者で効果が高かった。
全患者を対象に乳癌死について調べたところ、10年時点の死亡率はBP製剤投与群は16.9%、非投与群18.7%だった(Logrank 2p=0.04)。非乳癌死はどちらも5.3%で差がなかった(Logrank 2p=0.96)。
閉経後患者の乳癌死は、10年時点ではBP製剤投与群は15.2%、非投与群18.3%だった(Logrank 2p=0.004)。全死亡率はBP製剤投与群は21.5%、非投与群23.8%だった(Logrank 2p=0.007)。
乳癌術後AI剤による関節痛は運動療法で緩和できる可能性
乳癌術後AI剤による関節痛は運動療法で緩和できる可能性
2013/12/13
乳癌手術後のアロマターゼ阻害(AI)剤による関節痛を運動慮法で緩和できる可能性が明らかとなった。無作為化臨床試験HOPE(Hormones and Physical Exercise)の結果示されたもの。12月10日から14日まで米国サンアントニオで開催されているサンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS2013)で、米Yale UniversityのMelinda L. Irwin氏によって発表された。
HOPE試験は1期から3C期のホルモン受容体陽性乳癌患者で、少なくとも6カ月間AI剤を服用し、軽度以上の関節痛を経験している121人の閉経後女性を運動療法群(61人)と通常療法群(60人)に割り付けて行われた。両群の患者とも6カ月後、12カ月後の来院で評価された。
関節痛の評価はBPI(Brief Pain Inventory)スコアで行った。BPIスコアは0点から10点までで点数化され、3から4点は軽度の痛み、5から7点は中等度の痛み、8点から10点は重度の痛みと評価される。
運動療法群には週2回の筋力強化トレーニング(6種類の共通した運動の8回から12回繰り返しの3セット)、週に2.5時間の中等度の有酸素運動が行われた。通常療法群には運動の勧めなどの文書を提供し、毎月AI剤の服用遵守の電話を行った。
参加した患者は運動能力はあるが運動が不活発(1週間に90分未満)の過体重の女性で、60代のほとんどが非ヒスパニックの白人だった。高度な教育を受けており、診断後2年、AI剤を1.5年服用しているステージ1、2の患者がほとんどだった。
試験の結果、12カ月後の運動活性は運動療法群の平均が158.9分/週、通常療法群が48.9分/週で有意(p=0.0001)に差がついていた。運動療法群の週2回の筋力トレーニング実施の平均は70%。最大酸素摂取量は運動療法群は6.5%増加し、通常療法群は1.8%減少した。体重は運動療法群が3%減少し、通常療法群は変化がなかった。
BPIスコアは最悪の痛み、痛みの重症度、痛みの干渉のいずれも、運動療法群でのみベースラインから12カ月後で有意(p<0.05)に改善していた。改善度合いは運動の遵守が80%以上の患者のほうが80%以下の患者よりも高かった。
2013/12/13
乳癌手術後のアロマターゼ阻害(AI)剤による関節痛を運動慮法で緩和できる可能性が明らかとなった。無作為化臨床試験HOPE(Hormones and Physical Exercise)の結果示されたもの。12月10日から14日まで米国サンアントニオで開催されているサンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS2013)で、米Yale UniversityのMelinda L. Irwin氏によって発表された。
HOPE試験は1期から3C期のホルモン受容体陽性乳癌患者で、少なくとも6カ月間AI剤を服用し、軽度以上の関節痛を経験している121人の閉経後女性を運動療法群(61人)と通常療法群(60人)に割り付けて行われた。両群の患者とも6カ月後、12カ月後の来院で評価された。
関節痛の評価はBPI(Brief Pain Inventory)スコアで行った。BPIスコアは0点から10点までで点数化され、3から4点は軽度の痛み、5から7点は中等度の痛み、8点から10点は重度の痛みと評価される。
運動療法群には週2回の筋力強化トレーニング(6種類の共通した運動の8回から12回繰り返しの3セット)、週に2.5時間の中等度の有酸素運動が行われた。通常療法群には運動の勧めなどの文書を提供し、毎月AI剤の服用遵守の電話を行った。
参加した患者は運動能力はあるが運動が不活発(1週間に90分未満)の過体重の女性で、60代のほとんどが非ヒスパニックの白人だった。高度な教育を受けており、診断後2年、AI剤を1.5年服用しているステージ1、2の患者がほとんどだった。
試験の結果、12カ月後の運動活性は運動療法群の平均が158.9分/週、通常療法群が48.9分/週で有意(p=0.0001)に差がついていた。運動療法群の週2回の筋力トレーニング実施の平均は70%。最大酸素摂取量は運動療法群は6.5%増加し、通常療法群は1.8%減少した。体重は運動療法群が3%減少し、通常療法群は変化がなかった。
BPIスコアは最悪の痛み、痛みの重症度、痛みの干渉のいずれも、運動療法群でのみベースラインから12カ月後で有意(p<0.05)に改善していた。改善度合いは運動の遵守が80%以上の患者のほうが80%以下の患者よりも高かった。
2013年10月16日水曜日
ジエンド・オブ・イルネス ~ がん治療医がたどり着いた「病気の真実」
特定の遺伝子の変異はがんとの関連が指摘されている。たとえば、BRCA1遺伝子とBRCA2遺伝子の変異は乳がんのリスクを高めることがわかっている。この変異は、アシュケナージ系ユダヤ人によく見られるが、それが乳がんを引き起こすわけではないことを理解しておく必要がある。BRCA1あるいはBRCA2の変異を親から受け継いでいても、乳がんになると決まっているわけではないのだ。
このように、がん遺伝子と言われるものの多くは、がんに対する脆弱性を伝えはするものの、がん自体を伝えるわけではない。BRCA1とBRCA2の変異遺伝子は、DNAの修復を妨害すると予測されるが、必ずしも乳がんの発症につながらないのは、DNAを修復する方法は、ほかにもたくさんあるからだ。さらに言えば、乳がんに苦しむ女性の大多数は、変異していないBRCA遺伝子を持っている。この事実は、がんの発症に、遺伝子より強く影響する何かが存在することを語っている。
ここでもう一度、システムという見方に戻ってみよう。がんは、細胞内、あるいは細胞間の対話(つまり、システム)がうまくいかなくなった状態である。その結果、細胞たちは、分裂すべきでないときに分裂し、死ぬべきときに死のうとせず、不要な血管を作り、互いを欺き続けるのだ。このように制御不能になった細胞システムを、私たちはがんと呼び、それが起きている体の部位(肺、前立腺、肝臓など)によって呼び分けている。しかし、それは実は「悪いもの」ではなく、システムが壊れた「状態」なのだ。
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このように、がん遺伝子と言われるものの多くは、がんに対する脆弱性を伝えはするものの、がん自体を伝えるわけではない。BRCA1とBRCA2の変異遺伝子は、DNAの修復を妨害すると予測されるが、必ずしも乳がんの発症につながらないのは、DNAを修復する方法は、ほかにもたくさんあるからだ。さらに言えば、乳がんに苦しむ女性の大多数は、変異していないBRCA遺伝子を持っている。この事実は、がんの発症に、遺伝子より強く影響する何かが存在することを語っている。
ここでもう一度、システムという見方に戻ってみよう。がんは、細胞内、あるいは細胞間の対話(つまり、システム)がうまくいかなくなった状態である。その結果、細胞たちは、分裂すべきでないときに分裂し、死ぬべきときに死のうとせず、不要な血管を作り、互いを欺き続けるのだ。このように制御不能になった細胞システムを、私たちはがんと呼び、それが起きている体の部位(肺、前立腺、肝臓など)によって呼び分けている。しかし、それは実は「悪いもの」ではなく、システムが壊れた「状態」なのだ。
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2013年8月26日月曜日
2013年8月18日日曜日
ノバルティス アフィニトール、肝細胞がんの開発中止
( 2013年8月12日 )
スイス・ノバルティスは12日までに、抗がん剤「アフィニトール」(一般名=エベロリムス)について、進行性肝細胞がんの適応での開発を日本を含む全世界で中止すると発表した。
スイス・ノバルティスは12日までに、抗がん剤「アフィニトール」(一般名=エベロリムス)について、進行性肝細胞がんの適応での開発を日本を含む全世界で中止すると発表した。
2013年8月12日月曜日
ホルモン療法 開始から5年後の選択、、、
ノルバデックスを10年間かアリミデックスにスイッチか
新しいガイドライン2013年度版>> 治療前は閉経前であったが、タモキシフェンの5年投与を完了し、閉経が確認された場合はアロマターゼ阻害薬の追加5年間、閉経が確認されない場合はタモキシフェンの追加5年間が勧められる。
参考になる記事だった! 私はリンパ節転移もしていたし、追加5年するのがベターなんだろうな。まぁ、まだまだ先の事だけど。
新しいガイドライン2013年度版>> 治療前は閉経前であったが、タモキシフェンの5年投与を完了し、閉経が確認された場合はアロマターゼ阻害薬の追加5年間、閉経が確認されない場合はタモキシフェンの追加5年間が勧められる。
参考になる記事だった! 私はリンパ節転移もしていたし、追加5年するのがベターなんだろうな。まぁ、まだまだ先の事だけど。
2013年8月9日金曜日
骨転移リテラシー
ただ繰り返し強調したいことは、骨転移が現実問題になってから学ぶ、という姿勢では遅いという点です。骨転移が引き起こす最大の問題は、下半身不随の発生です。これを回避するためには、がんの診断を受けた時点でちょっとした予備知識を頭の片隅に置いておくことが必要になります。転移なんて考えたくもない心境かもしれませんが、後々にあなたの身を守る大切なことになります。
はじめに、骨転移を生じやすく、十分な骨転移の知識を身に着けておくべきがんから紹介します。このようながんの代表として、乳がん、肺がん、前立腺がん、多発性骨髄腫を挙げておきたいと思います。骨転移が発生する頻度はおよそ2~3割とみられています。これらのがんでは骨転移をきっかけにしてがんが見つかったり、がんが見つかった時にはすでに骨転移を生じていたり、病気の経過の早期から骨に転移を生じる傾向を持っています。
このため、これらのがんの治療にあたる主治医の先生も一般に骨転移に明るく、ちょっとした質問にもかなり詳しく答えてくれるでしょう。定期検査で病院に訪れたときには骨の点検を加えておられることが多いと思います。監視の目は、十分なことが多いですが、分子標的薬やホルモン薬の投与により治療成績が近年改善されて、進行期と言えども骨転移を持ちながら長く生活を送ることが多くなってきました。放射線治療がどのようなタイミングで行われるのかや、治療法の選択に病気の経過が深く関連があることなど、知っておくと主治医の先生と方針を相談しやすいでしょう。すでに骨転移との生活を送っておられる方の中には、「きっちり管理していればこわくない!」と感じられた方もおられることでしょう。
がんナビ連載 橋本伸之 「がんの種類による骨転移の発生頻度と時期の違い」から抜粋
はじめに、骨転移を生じやすく、十分な骨転移の知識を身に着けておくべきがんから紹介します。このようながんの代表として、乳がん、肺がん、前立腺がん、多発性骨髄腫を挙げておきたいと思います。骨転移が発生する頻度はおよそ2~3割とみられています。これらのがんでは骨転移をきっかけにしてがんが見つかったり、がんが見つかった時にはすでに骨転移を生じていたり、病気の経過の早期から骨に転移を生じる傾向を持っています。
このため、これらのがんの治療にあたる主治医の先生も一般に骨転移に明るく、ちょっとした質問にもかなり詳しく答えてくれるでしょう。定期検査で病院に訪れたときには骨の点検を加えておられることが多いと思います。監視の目は、十分なことが多いですが、分子標的薬やホルモン薬の投与により治療成績が近年改善されて、進行期と言えども骨転移を持ちながら長く生活を送ることが多くなってきました。放射線治療がどのようなタイミングで行われるのかや、治療法の選択に病気の経過が深く関連があることなど、知っておくと主治医の先生と方針を相談しやすいでしょう。すでに骨転移との生活を送っておられる方の中には、「きっちり管理していればこわくない!」と感じられた方もおられることでしょう。
がんナビ連載 橋本伸之 「がんの種類による骨転移の発生頻度と時期の違い」から抜粋
2013年8月6日火曜日
転移・再発乳癌の治療戦略 ~より良い治療を目指して【乳癌学会2013】
転移・再発乳癌の病態は複雑で、薬物療法の選択肢も多い。現在、国際的なコンセンサスに基づくガイドラインを作成し、均てん化した治療を行うことにより、全生存期間(OS)の改善を目指そうという動きがある。この中では、ホルモン受容体(HR)陽性乳癌に対する内分泌療法の継続、周術期にタキサンを使用している再発症例へのタキサンの再投与(Taxane re-challenge)なども治療選択肢として考えられている。
2013年8月3日土曜日
CYP2D6の遺伝子タイプを調べる~タモキシフェン効果予測テスト
CYP2D6の働き
薬は体の中に入ると肝臓で酵素により分解されます。薬を分解する酵素のことを薬物代謝酵素とよび、いくつかの種類があります。タモキシフェンはCYP2D6という薬物代謝酵素により分解され、高い活性を持つ代謝物エンドキシフェンに変換されますが、CYP2D6の働き方には遺伝的な個人差があることが知られています。CYP2D6遺伝子の働き方が弱い、もしくはCYP2D6遺伝子自体を持っていない場合、タモキシフェンを肝臓でうまく分解することができず、薬の効果が得られないとの論文が複数報告されています。
CYP2D6の働きを調べるテスト
CYP2D6の働きは遺伝子によって決定されており、頬の内側を専用の綿棒でこするだけの簡単な方法で調べることができます。
また遺伝子を調べるテストなので、結果は生涯変わることがありません。
テストで分かること
このテストでは、日本人において主要な5つのバリエーションを調べることでCYP2D6の遺伝子タイプを総合的に判定し、そこからタモキシフェンの治療効果を予測します。
全文を読む・・・https://www.dnafile.jp/tamoxifen/
薬は体の中に入ると肝臓で酵素により分解されます。薬を分解する酵素のことを薬物代謝酵素とよび、いくつかの種類があります。タモキシフェンはCYP2D6という薬物代謝酵素により分解され、高い活性を持つ代謝物エンドキシフェンに変換されますが、CYP2D6の働き方には遺伝的な個人差があることが知られています。CYP2D6遺伝子の働き方が弱い、もしくはCYP2D6遺伝子自体を持っていない場合、タモキシフェンを肝臓でうまく分解することができず、薬の効果が得られないとの論文が複数報告されています。
CYP2D6の働きを調べるテスト
CYP2D6の働きは遺伝子によって決定されており、頬の内側を専用の綿棒でこするだけの簡単な方法で調べることができます。
また遺伝子を調べるテストなので、結果は生涯変わることがありません。
テストで分かること
このテストでは、日本人において主要な5つのバリエーションを調べることでCYP2D6の遺伝子タイプを総合的に判定し、そこからタモキシフェンの治療効果を予測します。
全文を読む・・・https://www.dnafile.jp/tamoxifen/
2013年7月13日土曜日
院内処方に戻してみたら
日経メディカルブログ:日経ヘルスケアon the web
2013. 7. 13
新築移転を機に医薬分業に背を向けた二つの民間大病院
院内処方に戻してみたら…
院外処方を完全にやめて院内処方に戻したり、院内処方との選択制を導入する動きが広がりつつあります。最近も二つの大病院が、新築移転を機に院内処方への変更に踏み切りました。
2013. 7. 13
新築移転を機に医薬分業に背を向けた二つの民間大病院
院内処方に戻してみたら…
院外処方を完全にやめて院内処方に戻したり、院内処方との選択制を導入する動きが広がりつつあります。最近も二つの大病院が、新築移転を機に院内処方への変更に踏み切りました。
2013年7月2日火曜日
原発性乳癌手術例の24%で術前後のki-67値が変動、luminalタイプが変化した患者も25%【乳癌学会2013】
2013. 6. 30
原発性乳癌手術例の24%で術前後のki-67値が変動、luminalタイプが変化した患者も25%【乳癌学会2013】
術前薬物療法を行わなかった原発性乳癌の手術実施患者を対象に、術前後のki-67 labeling index(ki-67 LI)を評価した結果、患者の24%で手術前後にki-67 LIが変動したことが明らかになった。岩手医科大学外科学講座の小松英明氏が、6月27日から29日まで浜松市で開催された第21回日本乳癌学会学術総会で発表した。
乳癌におけるki-67の発現状態を示すki-67 LIは、予後予測因子の1つとされている。一方で、ki-67の発現状態は術前の針生検(CNB)と手術標本の間で異なることが指摘されており、それには腫瘍の進展状況、血流などの微小環境による不均一性が影響していると考えられている。
そこで小松氏らは、術前に実施するCNBと手術検体におけるki-67 LIに違いがあるかを検討した。
対象は、2011年1月~2012年12月までに同院で原発性乳癌手術を実施したステージI~IIICの患者のうち、術前薬物療法を実施せず、かつki-67(MIB-1)の免疫染色を実施した患者75人。ki-67 LIは、目視でその値を算出し、14%以上を高値群、14%未満を低値群とした。
患者の年齢中央値は56歳(範囲:34-87歳)だった。TNMステージはIが63%、IIが27%、IIIが10%、組織グレードは2が76%、エストロゲン受容体(ER)陽性は87%、プロゲステロン受容体(PgR)陽性は76%、HER2陽性は8%を占めた。
検討の結果、患者の24%で、手術前後にki-67 labeling indexの変動が見られた。術前後のki-67 LI中央値は、それぞれ11%、10%だった。
ki-67 LIが術前後で変動した不一致患者(18人)において、手術検体のki-67 LIのばらつきはCNBよりも少なく、その値は5-20%の範囲に集中していた。
術前にLuminal AまたはBと判定された患者(64人)のうち、術後にluminalタイプが変化した患者は25%(16例)を占めた。内訳は、luminal AからBが5例、luminal BからAが11例だった。つまり、術前にluminal Bだった患者(27人)のおよそ4割がluminal Aに変化したことになる。
これらの結果から小松氏は、「術前後にluminal A、Bの変化が見られた患者は全体の25%を占め、luminal BからAに変化した患者は約40%を占めた。腫瘍径や不均一性、染色固定状態によってki-67 LIが変動していた可能性があるが、薬物療法を決定する際にはki-67 LIが変動している可能性を十分に考慮し、治療がoverまたはunderにならないように薬剤選択に注意が必要」と語った。
原発性乳癌手術例の24%で術前後のki-67値が変動、luminalタイプが変化した患者も25%【乳癌学会2013】
術前薬物療法を行わなかった原発性乳癌の手術実施患者を対象に、術前後のki-67 labeling index(ki-67 LI)を評価した結果、患者の24%で手術前後にki-67 LIが変動したことが明らかになった。岩手医科大学外科学講座の小松英明氏が、6月27日から29日まで浜松市で開催された第21回日本乳癌学会学術総会で発表した。
乳癌におけるki-67の発現状態を示すki-67 LIは、予後予測因子の1つとされている。一方で、ki-67の発現状態は術前の針生検(CNB)と手術標本の間で異なることが指摘されており、それには腫瘍の進展状況、血流などの微小環境による不均一性が影響していると考えられている。
そこで小松氏らは、術前に実施するCNBと手術検体におけるki-67 LIに違いがあるかを検討した。
対象は、2011年1月~2012年12月までに同院で原発性乳癌手術を実施したステージI~IIICの患者のうち、術前薬物療法を実施せず、かつki-67(MIB-1)の免疫染色を実施した患者75人。ki-67 LIは、目視でその値を算出し、14%以上を高値群、14%未満を低値群とした。
患者の年齢中央値は56歳(範囲:34-87歳)だった。TNMステージはIが63%、IIが27%、IIIが10%、組織グレードは2が76%、エストロゲン受容体(ER)陽性は87%、プロゲステロン受容体(PgR)陽性は76%、HER2陽性は8%を占めた。
検討の結果、患者の24%で、手術前後にki-67 labeling indexの変動が見られた。術前後のki-67 LI中央値は、それぞれ11%、10%だった。
ki-67 LIが術前後で変動した不一致患者(18人)において、手術検体のki-67 LIのばらつきはCNBよりも少なく、その値は5-20%の範囲に集中していた。
術前にLuminal AまたはBと判定された患者(64人)のうち、術後にluminalタイプが変化した患者は25%(16例)を占めた。内訳は、luminal AからBが5例、luminal BからAが11例だった。つまり、術前にluminal Bだった患者(27人)のおよそ4割がluminal Aに変化したことになる。
これらの結果から小松氏は、「術前後にluminal A、Bの変化が見られた患者は全体の25%を占め、luminal BからAに変化した患者は約40%を占めた。腫瘍径や不均一性、染色固定状態によってki-67 LIが変動していた可能性があるが、薬物療法を決定する際にはki-67 LIが変動している可能性を十分に考慮し、治療がoverまたはunderにならないように薬剤選択に注意が必要」と語った。
今後重点的に取り組むべき課題の1位は「日本人における多遺伝子アッセイの活用法の確立」、学会初の試みコンセンサスカンファレンスで【乳癌学会2013】
2013. 7. 2
今後重点的に取り組むべき課題の1位は「日本人における多遺伝子アッセイの活用法の確立」、学会初の試みコンセンサスカンファレンスで【乳癌学会2013】
6月27日から29日まで浜松市で開催された第21回日本乳癌学会学術総会では、学会初の試みである「コンセンサスカンファレンス」が行われ、学会理事らにより今後の乳癌診療や研究領域で重点的に取り組むべき課題についてパネルディスカッションが行われた。
まず座長の愛知県がんセンター中央病院の岩田広治氏が趣旨を説明した。事前に日本乳癌学会評議員を対象にアンケートを実施しており、このコンセンサスミーティングでは上位10項目を紹介し、日本と世界の現状、日本の進むべき方向性、解決方法などを議論することが目的だとした。
事前アンケートは、日本乳癌学会評議員409人を対象に、2013年5月7~31日に実施された。日本の乳癌診療・研究における課題を、ウェブ上で50項目の中から10個を選択する形式で回答率は80.4%(329人)だった。
今後取り組むべき課題の第1位は、「日本人における多遺伝子アッセイの活用法の確立(保険承認を含めて)」(37.65%)だった。
同学会理事で昭和大学医学部乳腺外科の中村清吾氏は、「OncotypeDXを含め、多遺伝子アッセイに関して多数のエビデンスが集まってきている。しかし、残念ながらコストが高く、診療で利用したいと思っていても高嶺の花になってしまっている側面がある。いきなり保険承認は厳しいかもしれないが、例えば先進医療のかたちで日本人のエビデンスをさらに集積し、再現性が確認されたら次のステップに進むという流れで進むのではないか」と語った。また、「日本人を対象にした多遺伝子アッセイの結果は、日本乳癌学会の登録制度を利用するなどして1カ所にデータを集積、解析するのが効率が良いのではないか」と提案した。
会長の渡辺亨氏(浜松オンコロジーセンター院長)は、「St.Gallenのパネルで、4種類の多遺伝子アッセイをどう評価するのかを討論した際、複数ある多遺伝子アッセイのうちどれも日本で承認されていないことを言ったら、他の国のパネリストが非常に驚いていた。それくらい日本は遅れている。エビデンスはある程度あるので、あとは行政的な対応を早く進めて承認を取得してほしい」と語った。
理事で国立がん研究センター東病院乳腺・腫瘍内科の向井博文氏は、「財政的な問題もあるので、何でも保険収載を要望するばかりでは難しく、工夫が必要。時代の流れと共に有用性が低下した項目については、保険収載を取り下げるなどの工夫が必要」と提案した。
これらを踏まえ、座長の大野真司氏(国立病院機構九州がんセンター)は、「ドラッグラグだけでなく、診断ラグもこれから大きな問題になると思う。しかし、多遺伝子アッセイに関してはすでに日本でもエビデンスが蓄積している。今後は保険収載に向けて努力し、保険収載されるまで先進医療でやるのかなど、日本乳癌学会で大きな課題として取り組んでいくという方向でまとめさせていただきたい」と語った。
引き続き行われた閉会式では、来年開催される第22回日本乳癌学会学術総会会長の野口眞三郎氏(大阪大学医学系研究科)が挨拶し、学会理事らが一同に介して議論するコンセンサスカンファレンスを来年以降も継続したいとの意向を示した。
アンケート結果の2位以下は、以下の通り。
第2位 「リンパ節転移陽性時の適切な腋窩マネージメントの検証」(35.45%)
第3位 「適切な術前・術後薬物療法の検証(non-pcrを含めて)」(34.23%)
第4位 「乳房温存術後放射線治療省略の適応の明確化」(31.54%)
第5位 「世界に対抗できる日本全体の治験・臨床試験体制の構築、トランスレーショナルリサーチを推進するための体制整備(組織バンクなど)」(30.32%)
第6位 「世界標準に合わせた増殖マーカー(Ki67など)の意義と品質管理の検証」(28.61%)
第7位 「乳房再建手術の適応と標準化の確立」(24.94%)
第8位 「家族性乳癌に対するトータルケアと予防治療などの体制整備」(24.45%)
第9位 「各種診断モダリティの臨床的・医療経済的意義の検証(初期診断、術前薬物療法の効果、術後経過観察など)」(22.74%)
第10位 「日本における適切な検診の確立(US、MRI)と共に、非触知石灰化病変を診断・治療することの意義の検証」「乳癌の遠隔転移に対する外科療法の意義の検証」(どちらも21.03%)
今後重点的に取り組むべき課題の1位は「日本人における多遺伝子アッセイの活用法の確立」、学会初の試みコンセンサスカンファレンスで【乳癌学会2013】
6月27日から29日まで浜松市で開催された第21回日本乳癌学会学術総会では、学会初の試みである「コンセンサスカンファレンス」が行われ、学会理事らにより今後の乳癌診療や研究領域で重点的に取り組むべき課題についてパネルディスカッションが行われた。
まず座長の愛知県がんセンター中央病院の岩田広治氏が趣旨を説明した。事前に日本乳癌学会評議員を対象にアンケートを実施しており、このコンセンサスミーティングでは上位10項目を紹介し、日本と世界の現状、日本の進むべき方向性、解決方法などを議論することが目的だとした。
事前アンケートは、日本乳癌学会評議員409人を対象に、2013年5月7~31日に実施された。日本の乳癌診療・研究における課題を、ウェブ上で50項目の中から10個を選択する形式で回答率は80.4%(329人)だった。
今後取り組むべき課題の第1位は、「日本人における多遺伝子アッセイの活用法の確立(保険承認を含めて)」(37.65%)だった。
同学会理事で昭和大学医学部乳腺外科の中村清吾氏は、「OncotypeDXを含め、多遺伝子アッセイに関して多数のエビデンスが集まってきている。しかし、残念ながらコストが高く、診療で利用したいと思っていても高嶺の花になってしまっている側面がある。いきなり保険承認は厳しいかもしれないが、例えば先進医療のかたちで日本人のエビデンスをさらに集積し、再現性が確認されたら次のステップに進むという流れで進むのではないか」と語った。また、「日本人を対象にした多遺伝子アッセイの結果は、日本乳癌学会の登録制度を利用するなどして1カ所にデータを集積、解析するのが効率が良いのではないか」と提案した。
会長の渡辺亨氏(浜松オンコロジーセンター院長)は、「St.Gallenのパネルで、4種類の多遺伝子アッセイをどう評価するのかを討論した際、複数ある多遺伝子アッセイのうちどれも日本で承認されていないことを言ったら、他の国のパネリストが非常に驚いていた。それくらい日本は遅れている。エビデンスはある程度あるので、あとは行政的な対応を早く進めて承認を取得してほしい」と語った。
理事で国立がん研究センター東病院乳腺・腫瘍内科の向井博文氏は、「財政的な問題もあるので、何でも保険収載を要望するばかりでは難しく、工夫が必要。時代の流れと共に有用性が低下した項目については、保険収載を取り下げるなどの工夫が必要」と提案した。
これらを踏まえ、座長の大野真司氏(国立病院機構九州がんセンター)は、「ドラッグラグだけでなく、診断ラグもこれから大きな問題になると思う。しかし、多遺伝子アッセイに関してはすでに日本でもエビデンスが蓄積している。今後は保険収載に向けて努力し、保険収載されるまで先進医療でやるのかなど、日本乳癌学会で大きな課題として取り組んでいくという方向でまとめさせていただきたい」と語った。
引き続き行われた閉会式では、来年開催される第22回日本乳癌学会学術総会会長の野口眞三郎氏(大阪大学医学系研究科)が挨拶し、学会理事らが一同に介して議論するコンセンサスカンファレンスを来年以降も継続したいとの意向を示した。
アンケート結果の2位以下は、以下の通り。
第2位 「リンパ節転移陽性時の適切な腋窩マネージメントの検証」(35.45%)
第3位 「適切な術前・術後薬物療法の検証(non-pcrを含めて)」(34.23%)
第4位 「乳房温存術後放射線治療省略の適応の明確化」(31.54%)
第5位 「世界に対抗できる日本全体の治験・臨床試験体制の構築、トランスレーショナルリサーチを推進するための体制整備(組織バンクなど)」(30.32%)
第6位 「世界標準に合わせた増殖マーカー(Ki67など)の意義と品質管理の検証」(28.61%)
第7位 「乳房再建手術の適応と標準化の確立」(24.94%)
第8位 「家族性乳癌に対するトータルケアと予防治療などの体制整備」(24.45%)
第9位 「各種診断モダリティの臨床的・医療経済的意義の検証(初期診断、術前薬物療法の効果、術後経過観察など)」(22.74%)
第10位 「日本における適切な検診の確立(US、MRI)と共に、非触知石灰化病変を診断・治療することの意義の検証」「乳癌の遠隔転移に対する外科療法の意義の検証」(どちらも21.03%)
2013年6月30日日曜日
乳房予防切除「死亡率減少の根拠不十分」 日本乳癌学会
乳房予防切除「死亡率減少の根拠不十分」 日本乳癌学会
朝日新聞デジタル:記事一覧
2013年6月28日(金)19時34分配信
遺伝性で乳がんや卵巣がんになりやすい女性の乳房予防切除について「乳がんによる死亡が減る可能性はあるが、科学的な根拠はまだ不十分」とする診療指針を日本乳癌(にゅうがん)学会が28日にまとめた。切除で乳がんの発生は90~100%減るが、がんが起こる乳腺を完全に取り切れない、卵巣がんが起こるなどの可能性があり、死亡率を下げるかは、まだはっきりしていないという。
遺伝性乳がんの乳房予防切除は、女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが体験を公表して注目を集めた。日本乳癌学会は2年ぶりに、乳がんの診療指針を改定した。この中で、遺伝的に乳がんになりやすい人が、がん予防で健康な乳房を切除する手術について、「本人が手術のリスクや効果を十分に理解した上で希望すれば、考慮すべき手段」と判断した。
朝日新聞デジタル:記事一覧
2013年6月28日(金)19時34分配信
遺伝性で乳がんや卵巣がんになりやすい女性の乳房予防切除について「乳がんによる死亡が減る可能性はあるが、科学的な根拠はまだ不十分」とする診療指針を日本乳癌(にゅうがん)学会が28日にまとめた。切除で乳がんの発生は90~100%減るが、がんが起こる乳腺を完全に取り切れない、卵巣がんが起こるなどの可能性があり、死亡率を下げるかは、まだはっきりしていないという。
遺伝性乳がんの乳房予防切除は、女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが体験を公表して注目を集めた。日本乳癌学会は2年ぶりに、乳がんの診療指針を改定した。この中で、遺伝的に乳がんになりやすい人が、がん予防で健康な乳房を切除する手術について、「本人が手術のリスクや効果を十分に理解した上で希望すれば、考慮すべき手段」と判断した。
乳製品での乳がん再発リスクを否定…診療指針
乳製品での乳がん再発リスクを否定…診療指針
日本乳癌学会は27日、2年ぶりに診療指針を改訂した。
乳製品や、大豆製品に多く含まれるイソフラボンの影響を恐れて避けている患者も多いが、乳製品は発症予防効果がある可能性があり、再発や死亡への影響は証拠不十分とした。イソフラボンについても、再発の危険性を減らす可能性があるとした。
乳製品は、最も少なく摂取した群よりも、最も多く摂取した群は発症の危険性が15%減少するとの研究報告を示した。低脂肪乳や閉経前の女性でより強く傾向が見られ、逆に脂肪含有量が多い乳製品は危険性を高める報告も示した。
また、乳製品が再発や死亡に与える影響は、小規模な研究しかないうえ、摂取が多いほど死亡リスクが低いとの報告もあり、結論づけられないとした。
(2013年6月27日21時44分 読売新聞)
日本乳癌学会は27日、2年ぶりに診療指針を改訂した。
乳製品や、大豆製品に多く含まれるイソフラボンの影響を恐れて避けている患者も多いが、乳製品は発症予防効果がある可能性があり、再発や死亡への影響は証拠不十分とした。イソフラボンについても、再発の危険性を減らす可能性があるとした。
乳製品は、最も少なく摂取した群よりも、最も多く摂取した群は発症の危険性が15%減少するとの研究報告を示した。低脂肪乳や閉経前の女性でより強く傾向が見られ、逆に脂肪含有量が多い乳製品は危険性を高める報告も示した。
また、乳製品が再発や死亡に与える影響は、小規模な研究しかないうえ、摂取が多いほど死亡リスクが低いとの報告もあり、結論づけられないとした。
(2013年6月27日21時44分 読売新聞)
乳がんリスク高い女性に予防薬の投与を、英国立研究所が新指針
乳がんリスク高い女性に予防薬の投与を、英国立研究所が新指針
2013年06月26日 10:07 発信地:ロンドン/英国
【6月26日 AFP】英国立最適医療研究所(National Institute for Health and Care Excellence、NICE)は25日、英国内に数十万人いる乳がんの発症リスクが高い女性について、発症リスクを劇的に減少させる可能性のある薬剤の投与を受けるべきとする新指針を発表した。
新指針は、乳がんの家族歴のある最大50万人の女性は、タモキシフェンまたはラロキシフェンを5年間にわたり投与する120ポンド(約1万8000円)の予防治療を受けるべきだとしている。
タモキシフェンは、閉経後の高リスク女性を対象にした臨床試験で、浸潤性乳がんの発症リスクを約50%減少させることが分かっている。ラロキシフェンの臨床試験では、38%のリスク減が確認されているが、英国ではどちらの薬剤も予防治療用として認可されていない。
新指針の策定に協力したガレス・エバンズ(Gareth Evans)教授は「タモキシフェンは非常に安価なため、費用対効果が非常に高い。乳がんの治療には数千ポンドもの費用が掛かる」と説明する。
NICEの統計によると、英国では毎年、約5万人の女性と約400人の男性が乳がんを発症する。(c)AFP
2013年06月26日 10:07 発信地:ロンドン/英国
【6月26日 AFP】英国立最適医療研究所(National Institute for Health and Care Excellence、NICE)は25日、英国内に数十万人いる乳がんの発症リスクが高い女性について、発症リスクを劇的に減少させる可能性のある薬剤の投与を受けるべきとする新指針を発表した。
新指針は、乳がんの家族歴のある最大50万人の女性は、タモキシフェンまたはラロキシフェンを5年間にわたり投与する120ポンド(約1万8000円)の予防治療を受けるべきだとしている。
タモキシフェンは、閉経後の高リスク女性を対象にした臨床試験で、浸潤性乳がんの発症リスクを約50%減少させることが分かっている。ラロキシフェンの臨床試験では、38%のリスク減が確認されているが、英国ではどちらの薬剤も予防治療用として認可されていない。
新指針の策定に協力したガレス・エバンズ(Gareth Evans)教授は「タモキシフェンは非常に安価なため、費用対効果が非常に高い。乳がんの治療には数千ポンドもの費用が掛かる」と説明する。
NICEの統計によると、英国では毎年、約5万人の女性と約400人の男性が乳がんを発症する。(c)AFP
外来化学療法に新拠点 愛知県がんセンター 7月オープン
外来化学療法に新拠点 愛知県がんセンター 7月オープン
(2013年6月28日) 【中日新聞】【朝刊】【愛知】 この記事を印刷する
30床から60床に
来月1日にオープンする新外来化学療法センター=名古屋市千種区の県がんセンター中央病院で 愛知県がんセンター中央病院(名古屋市千種区)の新しい外来化学療法センターが7月1日にオープンするのを前に、27日、現地で開所式が開かれた。
新しいセンターは鉄骨造り地下1階、地上2階建て。延べ2千平方メートルで、従来の30床から60床になった。総事業費は10億円。
患者らはベッドかリクライニングチェアで約4時間かけて抗がん剤の点滴を受け、体調に問題がなければそのまま帰宅してもらう。
開所式には医療関係者ら100人が出席。テープカットの後、県がんセンターの木下平総長が「熱意を注ぎ、先進医療を推し進めたい」とあいさつした。
(2013年6月28日) 【中日新聞】【朝刊】【愛知】 この記事を印刷する
30床から60床に
来月1日にオープンする新外来化学療法センター=名古屋市千種区の県がんセンター中央病院で 愛知県がんセンター中央病院(名古屋市千種区)の新しい外来化学療法センターが7月1日にオープンするのを前に、27日、現地で開所式が開かれた。
新しいセンターは鉄骨造り地下1階、地上2階建て。延べ2千平方メートルで、従来の30床から60床になった。総事業費は10億円。
患者らはベッドかリクライニングチェアで約4時間かけて抗がん剤の点滴を受け、体調に問題がなければそのまま帰宅してもらう。
開所式には医療関係者ら100人が出席。テープカットの後、県がんセンターの木下平総長が「熱意を注ぎ、先進医療を推し進めたい」とあいさつした。
「混合診療」の拡大方針って、どういうこと?
「混合診療」の拡大方針って、どういうこと?
2013/06/27 12:11配信
政府は規制改革実施計画の健康・医療分野において、混合診療の拡大方針を打ち出しました。まずは2013年秋をめどに抗がん剤から開始し、先進医療の対象範囲を広げていくとしています。
混合診療とは「保険診療+保険外診療」
混合診療とは、健康保険が適用される保険診療と、全額自己負担の自由診療(保険外診療)とを組み合わせた診療のことです。日本では原則禁止とされ、一つの医療機関で同じ患者に保険診療と保険外診療が行なわれた場合には、本来保険が適用される分もすべて自己負担とされてきました。例えば、健康保険で認められた回数以上に検査を実施したり、健康保険がまだ適用されていない高度な医療を一般的な医療と同時に行なうといったことなどが混合診療にあたります。
混合診療が禁止されてきた理由はいくつかありますが、最もよく引き合いに出されるのが、保険医療機関に関する規則の中にある特殊療法を禁じる項目です。つまり、有効性や安全性の不確かな医療を、保険医療機関で行なってはいけないということです。ただ、混合診療をはっきり禁止した法律がないということは、裁判所も認めています。
このように原則禁止とはいえ例外もあり、厚生労働省の認めた先進医療や差額ベッド代などは、2004年から保険診療との併用・混在が認められるようになりました。これに当てはまる先進医療とは、厚生労働省の先進医療会議で有効性や安全性を確認した技術のことで、今年6月1日時点で107種類がリストアップされています。
「先進医療」扱いなら自己負担が軽減
今回の規制改革計画は「先進医療ハイウェイ構想」と銘打ち、外部機関を入れて評価の新体制をつくり、先進医療のリストアップをもっと早く効率的に進めるというものです。
これまで未承認の抗がん剤を使うには、治験に参加するか、全額自己負担で治療費が高額になるのを覚悟するしかありませんでした。例えば1か月分60万円の未承認薬を使い、併せて一般的な医療を30万円分受けたとすると患者の負担は90万円。未承認薬が先進医療に収載されれば、一般的な医療の30万円分に健康保険が適用されて9万円となり、自己負担額は69万円に減ります。
医者、患者の双方に賛否両論
混合診療の規制緩和については、医療者、患者どちらの側にも賛否両論があります。
日本医師会は、医療は社会の共通資本であるという考えから、所得によって選べる医療に格差ができることや、保険診療の範囲を縮小させる恐れがあることなどを理由に、早くから混合診療への反対を表明してきました。一方、現場の医師の中には、現行制度のもとでは保険診療と保険外診療をわざわざ別の日に実施しなければならず、治療の分断を招いているとして解禁を望む人もいます。
患者側では、新薬や新技術をいったん先進医療に指定してしまえば混合診療で治療が受けられることからかえって新しい医療の保険適用が遅くなるのではないかという意見があります。けれども、治療の選択の幅が広がることを歓迎する患者も多く、考え方はまちまちです。
また、医療政策の面からみた場合、健康保険制度の財源が逼迫していることから混合診療の範囲拡大で保険財政の安定を期待する声と、公的保険制度の主旨に沿って本来は保険適用の範囲を拡大するべきという声とがあります。
2013/06/27 12:11配信
政府は規制改革実施計画の健康・医療分野において、混合診療の拡大方針を打ち出しました。まずは2013年秋をめどに抗がん剤から開始し、先進医療の対象範囲を広げていくとしています。
混合診療とは「保険診療+保険外診療」
混合診療とは、健康保険が適用される保険診療と、全額自己負担の自由診療(保険外診療)とを組み合わせた診療のことです。日本では原則禁止とされ、一つの医療機関で同じ患者に保険診療と保険外診療が行なわれた場合には、本来保険が適用される分もすべて自己負担とされてきました。例えば、健康保険で認められた回数以上に検査を実施したり、健康保険がまだ適用されていない高度な医療を一般的な医療と同時に行なうといったことなどが混合診療にあたります。
混合診療が禁止されてきた理由はいくつかありますが、最もよく引き合いに出されるのが、保険医療機関に関する規則の中にある特殊療法を禁じる項目です。つまり、有効性や安全性の不確かな医療を、保険医療機関で行なってはいけないということです。ただ、混合診療をはっきり禁止した法律がないということは、裁判所も認めています。
このように原則禁止とはいえ例外もあり、厚生労働省の認めた先進医療や差額ベッド代などは、2004年から保険診療との併用・混在が認められるようになりました。これに当てはまる先進医療とは、厚生労働省の先進医療会議で有効性や安全性を確認した技術のことで、今年6月1日時点で107種類がリストアップされています。
「先進医療」扱いなら自己負担が軽減
今回の規制改革計画は「先進医療ハイウェイ構想」と銘打ち、外部機関を入れて評価の新体制をつくり、先進医療のリストアップをもっと早く効率的に進めるというものです。
これまで未承認の抗がん剤を使うには、治験に参加するか、全額自己負担で治療費が高額になるのを覚悟するしかありませんでした。例えば1か月分60万円の未承認薬を使い、併せて一般的な医療を30万円分受けたとすると患者の負担は90万円。未承認薬が先進医療に収載されれば、一般的な医療の30万円分に健康保険が適用されて9万円となり、自己負担額は69万円に減ります。
医者、患者の双方に賛否両論
混合診療の規制緩和については、医療者、患者どちらの側にも賛否両論があります。
日本医師会は、医療は社会の共通資本であるという考えから、所得によって選べる医療に格差ができることや、保険診療の範囲を縮小させる恐れがあることなどを理由に、早くから混合診療への反対を表明してきました。一方、現場の医師の中には、現行制度のもとでは保険診療と保険外診療をわざわざ別の日に実施しなければならず、治療の分断を招いているとして解禁を望む人もいます。
患者側では、新薬や新技術をいったん先進医療に指定してしまえば混合診療で治療が受けられることからかえって新しい医療の保険適用が遅くなるのではないかという意見があります。けれども、治療の選択の幅が広がることを歓迎する患者も多く、考え方はまちまちです。
また、医療政策の面からみた場合、健康保険制度の財源が逼迫していることから混合診療の範囲拡大で保険財政の安定を期待する声と、公的保険制度の主旨に沿って本来は保険適用の範囲を拡大するべきという声とがあります。
混合診療「拡大」へ これまで禁止されてきたのは、なぜ?
2013年06月29日 12時55分
混合診療「拡大」へ これまで禁止されてきたのは、なぜ?
政府はこのほど、原則禁止されている「混合診療」を拡大していく計画を閣議決定した。規制改革の一環で、まずはこの秋をめどに、抗がん剤から解禁していくという。
混合診療とは、公的な健康保険が適用される「保険診療」と、適用されない「保険外診療」を組み合わせて行うことだ。「保険診療」とは、健康保険が適用される診療のことで、国が定めた治療費の1~3割を自己負担すれば済む。しかし「保険外診療」は健康保険が適用されないため、医療機関が決めた金額を全て自己負担しなければならない。
このような混合診療は、これまで一部の先進医療をのぞいて、認められていなかった。もし保険診療と保険外診療を組み合わせた場合、その全体が「保険外診療」として扱われてしまい、治療費は「全額自己負担」となっていた。つまり、保険診療か保険外診療か、二者択一しかなかったのだ。
だが、そもそも混合診療がダメとされてきた理由は何だったのか。「解禁」が医療に与える影響について、鈴木沙良夢弁護士に聞いた。
●選択肢は増えるが、将来的には保険適用の治療が減るという指摘もあるが、どのような理由か?
――国が混合診療を禁止してきた理由は?
「国が混合診療を原則禁止してきたのは、次のような理由からです。
(1)保険診療で十分なのに、医師が患者に保険外診療を求めるようになる
(2)安全性や有効性が確認されていない医療が、保険診療と併せて実施されてしまう」
――どんな法律で決まっている?
「混合診療を禁止した法律の明文はなく、最近までは厚労省の解釈によっていました。ようやく2011年10月25日の最高裁判決で『健康保険法86条等の規定から混合診療が禁止されている』という判断が出ましたが、現行の健康保険法は正面から混合診療の禁止を定めているわけではありません。
この最高裁判決の補足意見でも、混合診療の禁止については、国会でも十分な議論がされてこなかったことが指摘されています。これまで運用が先行してきた制度といえるでしょう」
――混合診療が全面的に解禁された場合はどうなる?
「患者側にとっては、保険適用をされていない治療法や医薬品を使いやすくなり、選択肢が増えるといわれていますが、保険適用外の治療費は自己負担となります。
一方で日本医師会などは、国が財政難のいま、混合診療を解禁すれば、保険診療の範囲が縮小していく可能性を指摘しています。長期的には国民皆保険が骨抜きになるという懸念を示して、いるものと考えられます」
医療制度そのものが大きく変わる可能性も、指摘されているということだ。政府は国民に対して、十分説明をする必要があるだろう。
混合診療「拡大」へ これまで禁止されてきたのは、なぜ?
政府はこのほど、原則禁止されている「混合診療」を拡大していく計画を閣議決定した。規制改革の一環で、まずはこの秋をめどに、抗がん剤から解禁していくという。
混合診療とは、公的な健康保険が適用される「保険診療」と、適用されない「保険外診療」を組み合わせて行うことだ。「保険診療」とは、健康保険が適用される診療のことで、国が定めた治療費の1~3割を自己負担すれば済む。しかし「保険外診療」は健康保険が適用されないため、医療機関が決めた金額を全て自己負担しなければならない。
このような混合診療は、これまで一部の先進医療をのぞいて、認められていなかった。もし保険診療と保険外診療を組み合わせた場合、その全体が「保険外診療」として扱われてしまい、治療費は「全額自己負担」となっていた。つまり、保険診療か保険外診療か、二者択一しかなかったのだ。
だが、そもそも混合診療がダメとされてきた理由は何だったのか。「解禁」が医療に与える影響について、鈴木沙良夢弁護士に聞いた。
●選択肢は増えるが、将来的には保険適用の治療が減るという指摘もあるが、どのような理由か?
――国が混合診療を禁止してきた理由は?
「国が混合診療を原則禁止してきたのは、次のような理由からです。
(1)保険診療で十分なのに、医師が患者に保険外診療を求めるようになる
(2)安全性や有効性が確認されていない医療が、保険診療と併せて実施されてしまう」
――どんな法律で決まっている?
「混合診療を禁止した法律の明文はなく、最近までは厚労省の解釈によっていました。ようやく2011年10月25日の最高裁判決で『健康保険法86条等の規定から混合診療が禁止されている』という判断が出ましたが、現行の健康保険法は正面から混合診療の禁止を定めているわけではありません。
この最高裁判決の補足意見でも、混合診療の禁止については、国会でも十分な議論がされてこなかったことが指摘されています。これまで運用が先行してきた制度といえるでしょう」
――混合診療が全面的に解禁された場合はどうなる?
「患者側にとっては、保険適用をされていない治療法や医薬品を使いやすくなり、選択肢が増えるといわれていますが、保険適用外の治療費は自己負担となります。
一方で日本医師会などは、国が財政難のいま、混合診療を解禁すれば、保険診療の範囲が縮小していく可能性を指摘しています。長期的には国民皆保険が骨抜きになるという懸念を示して、いるものと考えられます」
医療制度そのものが大きく変わる可能性も、指摘されているということだ。政府は国民に対して、十分説明をする必要があるだろう。
2013年6月28日金曜日
早期乳癌に対する単回術中電子線治療は日本人でも安全に実施可能【乳癌学会2013】
学会スペシャル: 第21回日本乳癌学会学術総会
2013年6月27日~29日 浜松
2013. 6. 28
早期乳癌に対する単回術中電子線治療は日本人でも安全に実施可能【乳癌学会2013】
早期乳癌に対し、高エネルギー電子線を用いた単回術中電子線治療(single-fraction IOERT)は、日本人においても安全に実施可能な治療法と考えられることがフェーズ1試験から示された。6月27日から29日まで浜松市で開催されている第21回日本乳癌学会学術総会で、群馬県立がんセンター放射線治療科(現・筑波大学、茨城県地域臨床教育センター)の玉木義雄氏が発表した。
乳房温存手術後の放射線療法として、照射期間を短縮し患者の負担を軽減するという観点から、1回当たりの放射線量を増やす加速乳房部分照射(APBI:accelerated partial-breast irradiation)が普及し、中でも術中照射(IORT:intraoperative electron beam radiation therapy)のみで治療を終えるsingle-fraction IORTが注目されている。
術中照射については、1989年より欧州を中心に臨床試験が展開されている。single-fraction IOERTを検討したイタリアのELIOT試験では、フェーズ1試験で至適線量が21Gyと決定された。さらに全乳房照射(WBRT)と比較したフェーズ3試験も終了したが、結果はまだ発表されていない。また、英国を中心に行われたフェーズ3のTARGIT-A試験では、乳房内再発について、術中照射による部分乳房照射のWBRTに対する非劣性が初めて証明された。
日本では術中照射専用装置の導入を契機として、2007年に名古屋大学でフェーズ1試験が開始され、フェーズ2試験と併せて、ELIOT試験と同じ線量である1回21Gyのsingle-fraction IOERTの安全性が確認された。
群馬県立がんセンターにおいても、single-fraction IOERTのフェーズ1試験として、治療後3カ月以内のグレード3以上の非血液毒性を用量制限毒性(DLT)とする線量増加試験が行われた。
対象は、腫瘍径3cm以下の乳管癌、広範な管内進展がない、胸壁・乳房への照射歴がないなどの条件を満たす患者で、術後病理診断で追加切除が必要と判断されたものは中止として扱うこととした。線量レベルとして、レベル1を18Gy、レベル2を21Gyとした。
術式は乳房円状部分切除術(Bp)または乳房楔状部分切除術(Bq)とし、センチネルリンパ節生検を施行した。腫瘍辺縁から1cm以上のマージンをつけて切除した。
乳癌術中照射では、腫瘍の切除後に乳腺組織の背側に遮蔽板を挿入し、円形照射筒を設置し、手術台を手術室内の照射専用装置(商品名:Mobetron)に移動して、ガントリと照射筒を整合させ、モニターで部位を確認し、治療開始となる。
2008年11月から2009年3月までにレベル1(18Gy)で治療が行われた3人では、DLTは発生しなかった。有害事象としては、グレード1と2の乳房線維化が各1人に、グレード1の感染が1人に発現した。
2009年8月から2009年11月までにレベル2(21Gy)で治療が行われた3人でも、DLTは発生しなかった。有害事象としては、グレード1の乳房線維化が1人、グレード1の乳房痛が1人に発現したのみだった。
対象6人の背景因子をみると、年齢中央値は67歳、非浸潤性乳管癌(DCIS)が1人含まれた。術後の最短切除マージン(乳管内浸潤を含む)は、DCISを除く5人では5mmを超えていた。
経過観察期間中央値46.5カ月において、5人では乳房再発を認めなかった。DCISの1人は36カ月目に乳房再発を認めた。
フェーズ1試験で安全性が確認されたことから、玉木氏らは、名古屋大学、愛知県立がんセンターと共同で、2010年6月からフェーズ2試験を開始している。
同試験では、乳房部分照射(Bq)+術中電子線照射21Gyで、切除断端から2cm以上含む範囲を照射することとしている。主要評価項目は有効性(患側乳房局所再発率)である。目標症例数は140人。選択基準には、腫瘍径2.5cmまでの乳癌、年齢50歳以上、術中迅速病理検査にて乳腺断端に腫瘍を認めない、術前あるいは術中センチネルリンパ節生検にてリンパ節転移を認めない、などが含まれる。
2013年6月27日~29日 浜松
2013. 6. 28
早期乳癌に対する単回術中電子線治療は日本人でも安全に実施可能【乳癌学会2013】
早期乳癌に対し、高エネルギー電子線を用いた単回術中電子線治療(single-fraction IOERT)は、日本人においても安全に実施可能な治療法と考えられることがフェーズ1試験から示された。6月27日から29日まで浜松市で開催されている第21回日本乳癌学会学術総会で、群馬県立がんセンター放射線治療科(現・筑波大学、茨城県地域臨床教育センター)の玉木義雄氏が発表した。
乳房温存手術後の放射線療法として、照射期間を短縮し患者の負担を軽減するという観点から、1回当たりの放射線量を増やす加速乳房部分照射(APBI:accelerated partial-breast irradiation)が普及し、中でも術中照射(IORT:intraoperative electron beam radiation therapy)のみで治療を終えるsingle-fraction IORTが注目されている。
術中照射については、1989年より欧州を中心に臨床試験が展開されている。single-fraction IOERTを検討したイタリアのELIOT試験では、フェーズ1試験で至適線量が21Gyと決定された。さらに全乳房照射(WBRT)と比較したフェーズ3試験も終了したが、結果はまだ発表されていない。また、英国を中心に行われたフェーズ3のTARGIT-A試験では、乳房内再発について、術中照射による部分乳房照射のWBRTに対する非劣性が初めて証明された。
日本では術中照射専用装置の導入を契機として、2007年に名古屋大学でフェーズ1試験が開始され、フェーズ2試験と併せて、ELIOT試験と同じ線量である1回21Gyのsingle-fraction IOERTの安全性が確認された。
群馬県立がんセンターにおいても、single-fraction IOERTのフェーズ1試験として、治療後3カ月以内のグレード3以上の非血液毒性を用量制限毒性(DLT)とする線量増加試験が行われた。
対象は、腫瘍径3cm以下の乳管癌、広範な管内進展がない、胸壁・乳房への照射歴がないなどの条件を満たす患者で、術後病理診断で追加切除が必要と判断されたものは中止として扱うこととした。線量レベルとして、レベル1を18Gy、レベル2を21Gyとした。
術式は乳房円状部分切除術(Bp)または乳房楔状部分切除術(Bq)とし、センチネルリンパ節生検を施行した。腫瘍辺縁から1cm以上のマージンをつけて切除した。
乳癌術中照射では、腫瘍の切除後に乳腺組織の背側に遮蔽板を挿入し、円形照射筒を設置し、手術台を手術室内の照射専用装置(商品名:Mobetron)に移動して、ガントリと照射筒を整合させ、モニターで部位を確認し、治療開始となる。
2008年11月から2009年3月までにレベル1(18Gy)で治療が行われた3人では、DLTは発生しなかった。有害事象としては、グレード1と2の乳房線維化が各1人に、グレード1の感染が1人に発現した。
2009年8月から2009年11月までにレベル2(21Gy)で治療が行われた3人でも、DLTは発生しなかった。有害事象としては、グレード1の乳房線維化が1人、グレード1の乳房痛が1人に発現したのみだった。
対象6人の背景因子をみると、年齢中央値は67歳、非浸潤性乳管癌(DCIS)が1人含まれた。術後の最短切除マージン(乳管内浸潤を含む)は、DCISを除く5人では5mmを超えていた。
経過観察期間中央値46.5カ月において、5人では乳房再発を認めなかった。DCISの1人は36カ月目に乳房再発を認めた。
フェーズ1試験で安全性が確認されたことから、玉木氏らは、名古屋大学、愛知県立がんセンターと共同で、2010年6月からフェーズ2試験を開始している。
同試験では、乳房部分照射(Bq)+術中電子線照射21Gyで、切除断端から2cm以上含む範囲を照射することとしている。主要評価項目は有効性(患側乳房局所再発率)である。目標症例数は140人。選択基準には、腫瘍径2.5cmまでの乳癌、年齢50歳以上、術中迅速病理検査にて乳腺断端に腫瘍を認めない、術前あるいは術中センチネルリンパ節生検にてリンパ節転移を認めない、などが含まれる。
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