アルコール摂取量と乳がん発生率の関係-Alcohol Consumption and Increased Risk of Breast Cancer
April 5, 2012
アルコールは口腔がん、咽頭がん、喉頭がん、食道がん、肝臓がん、そして大腸や直腸がんなどのリスクを高める要因として知られています。
ここ最近になり乳がんもこのリストに含められるようになりました!
ドイツ、フランスそしてイタリアの研究者の発表によると、彼らが今までに行われた研究内容を再検討した結果、一日に一杯の飲酒が女性の乳がんの発病率を5%高めるという事が分かりました。
また一日に3杯以上のお酒を飲む、いわゆるヘビードリンカーの人の乳がん発生率を最高50%まで高まるという事です。研究者発表者たちは113件のケーススタディーの研究の元に、アルコールの摂取量が乳がん発生率に関係しているのではないかという考えに至りました。彼らはヨーロッパと北米における乳がんの発がん者のうちの2%は軽度のアルコール摂取によるもの、そして全世界における約5万件が強度のアルコール摂取が発病の要因であると考えています。
この研究に当たった研究者達は、毎日飲酒する事は女性の乳がんのリスクを高めるので、お酒は控えめに、毎日ではなく時々頂くのが良いでしょうと警告しています。
この研究のリーダーであり、またドイツのヘイデルベルク大学の医学教授そして消化器系及びアルコール研究者のドクターセイツ(Dr. Helmut Seitz) は、健康状態が至って平均的な女性が乳がんになるリスクを高めない為には一日に一杯以上のアルコールを飲まない方が良いであろうと提唱しています。
乳がんはエストロジンの分泌と大きな関係があると言われています。このエストロジンの数値をアルコールを摂取する事により高め、その結果乳がん発生率が高まるのではないかと考えられています。またこの研究チームは、アルコール摂取量以外にも肥満による乳がんの発生率の増加も研究対象にしています。
研究内容発表元:
2012年、3月29日『Journal Alcohol and Alcoholism』上の『アルコールと乳がんの病態と発生/発病について(Epidemiology and Pathophysiology of Alcohol and Breast Cancer ) 』2012年更新(Updated by Helmut K. Seitz, Claudio Pelucchi, Vincenzo Bagnardi, and Carlo La Vecchia ) より。