2012年7月3日火曜日

がん幹細胞

がん幹細胞(がんかんさいぼう)は、がん細胞のうち幹細胞の性質をもった細胞。体内のすべての臓器や組織は、臓器・組織ごとにそれぞれの元となる細胞が分裂してつくられる。この元となる細胞(幹細胞)は、分裂して自分と同じ細胞を作り出すことができ(自己複製能)、またいろいろな細胞に分化できる(多分化能)という二つの重要な性質を持ち、この性質により傷ついた組織を修復したり、成長期に組織を大きくしたりできる。がんにおいても、幹細胞の性質をもったごく少数のがん細胞(がん幹細胞)を起源としてがんが発生するのではないかという仮説があり、これをがん幹細胞仮説という。

 ヒト乳癌   CD44+CD24-/lowESA+   2003年

世界初、iPS細胞から「がん幹細胞」作製
2012年04月16日
岡山大学のニュースリリースによると、岡山大学大学院自然科学研究科の妹尾昌治教授らの研究グループが、マウスのiPS細胞を用いてがん幹細胞のモデルの作成に世界で初めて成功したという。

がん幹細胞は癌組織の中に存在する幹細胞で、がん細胞を生み出す元になる細胞と考えられており、制がん剤や放射線治療に対して強い耐性があるため、癌治療の面から重要な研究対象とされている。しかし、通常がん組織の中のがん幹細胞は数%しか存在せず、その性格を解析することは困難であった。今回の樹立されたモデルを用いて解析を進めれば、がん幹細胞の研究の進展に拍車がかかるものと期待される。

妹尾教授らはがんに由来する培地(細胞を培養したあとの培養液)でiPS細胞を培養することで、「がん幹細胞」の性質をもった細胞を作成。この細胞をマウスに移植したところiPS細胞が悪性腫瘍に変化し、さらにこの腫瘍からがんができることが分かったという。