5月16日 7時3分
電力不足が懸念され、各地で節電が求められるなか、熱中症の予防対策として、ややきつい運動をしたあと、牛乳などたんぱく質と糖質を含む食品を摂取することで暑さに強い体を作ろうという取り組みが始まりました。
この取り組みは、医師やスポーツの専門家などで作る「日本生気象学会」が今月13日にまとめた熱中症の予防指針に盛り込まれたものです。 学会の幹事を務め、体温調節の仕組みを研究している信州大学の能勢博教授は、大学がある長野県松本市で「熱中症予防教室」を開いて、今の時期から熱中症に備える重要性をお年寄りなどに呼びかけています。
能勢教授が勧めているのは、汗ばむ程度のややきつい運動を一日30分程度行い、その直後に、牛乳などたんぱく質と糖質を含む食品を摂取することです。 それを週に4日以上、1か月行うと、血液の量が増えるということです。 その結果、汗をかきやすくなって体温調節機能が高まり、暑さに強い体になると説明しています。
予防教室では、お年寄りなど体力に自信がない人が行う運動として早歩きとゆっくりとした歩きを3分ごとに繰り返す「インターバル速歩」を勧めています。
速歩は、胸を張って腕を前後に振り、大股で歩くのがポイントです。牛乳が苦手の場合、ヨーグルトやチーズでも同じ効果が得られるということです。
能勢教授は、「運動をしたあとに乳製品を取ると、暑さに慣れて、これまでのように室温が低くなくても暑さをあまり感じない体になる。この1か月、2か月が非常に大事で、ぜひ取り組んでほしい」と話しています。