▼ “イレッサ訴訟”患者側が敗訴
5月25日 14時15分
肺がんの治療薬、イレッサを服用して死亡した患者の遺族らが、副作用の情報が十分に伝えられていなかったとして、国と製薬会社を訴えた裁判で、大阪高等裁判所は、製薬会社の責任を認めた1審判決を取り消し、患者側の訴えを退ける判決を言い渡しました。
▼イレッサ訴訟:原告側が逆転敗訴 大阪高裁判決
2012年05月25日 14時21分(最終更新 05月25日 14時33分)
大阪高裁に入る薬害イレッサ訴訟の原告ら=大阪市北区で2012年5月25日午後1時、幾島健太郎撮影
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肺がん治療薬「イレッサ」の副作用による死を巡り、遺族ら11人がイレッサの輸入販売を承認した国と輸入販売元のアストラゼネカ(大阪市)に賠償を求めた訴訟の控訴審で、大阪高裁は25日、ア社に賠償を命じた1審・大阪地裁判決を取り消し、原告逆転敗訴を言い渡した。同種訴訟の東京高裁判決も原告の請求を退けており、高裁段階ではいずれも原告側が全面敗訴した。
イレッサは02年7月の輸入販売承認後、間質性肺炎を発症する患者が多発し、遺族らは東京、大阪両地裁に提訴した。訴訟では、イレッサの初版添付文書(医師向け説明文書)の副作用に関する記載は適切だったか▽国の行政指導は適切だったか−−などが争点となった。