2013年3月20日水曜日

「脂肪幹細胞」移植で乳房再生 鳥取大、5人に実施成功

2013年3月20日 20時35分

 脂肪の組織になる能力がある「脂肪幹細胞」を本人の体から採り、乳がんの手術で乳房を部分的に切除した部位に移植し、乳房を再生する臨床研究を鳥取大病院(鳥取県米子市)が5人に実施し、成功したことが同病院への取材で20日、分かった。担当の中山敏准教授によると、患者の経過は良好という。

 鳥取大病院によると、移植手術は昨年9月~ことし1月、神奈川県や大阪府など5府県の30~60代の女性に実施した。乳がんで、乳房をできるだけ残す温存手術を受けてから1年以上経過し、がんの再発や転移がない人が対象。

(共同)

乳癌におけるリンパ節転移の頻度はIntrinsic Subtype分類によって異なる可能性【St.Gallen 2013】

私はLuminal B T2、だから、、、
________________
2013. 3. 15

乳癌におけるリンパ節転移の頻度はIntrinsic Subtype分類によって異なる可能性が明らかとなった。2010年から2011年に愛知県がんセンターで切除手術を受けた原発性乳癌患者のうち、腋窩リンパ節郭清またはセンチネルリンパ節のバイオプシー検査を行った全患者を対象に臨床的なデータ解析と病理学的な解析を行った結果、示されたもの。

 バイオプシー検査でIntrinsic Subtype分類を行い、リンパ節転移のリスク評価などに利用できる可能性があるという。3月13日から16日まで開催されている13th St.Gallen International Breast Cancer Conference2013で、愛知県がんセンター中央病院乳腺科の澤木正孝氏によって発表された。

 澤木氏らは術前療法を受けた患者を除いた654人について、Intrinsic Subtype分類に従ってLuminal A、Luminal B、Luminal-HER2、HER2、トリプルネガティブに分けて評価を行った。

 リンパ節転移陽性は157人(24.0%)だった。Luminal A(364人)、Luminal B(110人)、Luminal-HER2(46人)、HER2(53人)、トリプルネガティブ(81人)それぞれでpT分類とリンパ節転移の関係を調べた。全体として、pT分類が進行するほど、リンパ節転移の率が高まっていた。しかし、Intrinsic Subtype分類でさらに分けると、少数例の場合もあり断定的なことは言えないものの、Subtypeによってリンパ節転移の結果が異なる可能性が見い出された。

 Luminal AではpT分類が進行するほどリンパ節転移陽性の比率が高まっていた。しかしLuminal Bでは、T1a(2人)のうち50%、T1b (12人)のうち8.3%、T1c(55人)のうち38.2%、T2(34人)のうち55.9%、T3(2人)のうち50%がリンパ節転移陽性だった。

 Luminal-HER2ではT1c(17人)のうち41.1%、T2(10人)のうち60%、T3(1人)は100%がリンパ節転移陽性だった。HER2ではT1a(6人)のうち16.7%、T1b (4人)のうち25%、T1c(15人)のうち46.7%、T2(10人)のうち60%がリンパ節転移陽性だった。

 トリプルネガティブでは、T1b (15人)のうち26.7%、T1c(29人)のうち24.1%、T2(20人)のうち50%、T3(2人)のうち50%がリンパ節転移陽性だった。

2013年3月14日木曜日

乳がんの放射線治療で心臓疾患リスク高まる


2013年 3月 14日 13:12 JST

医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)が13日掲載した欧州での大規模研究結果によると、乳がんで放射線治療を受けた女性では心筋梗塞やその他の重大な冠状動脈事象のリスクが高まることが明らかになった。

 リスクは治療後5年目に高まりはじめ、少なくとも20年間続き、照射された放射線量が多ければ多いほど重大な心疾患に結びつく可能性が高くなるという。

 乳がん専門家らは、現在の放射線による治療は研究対象となった女性の多くが治療を受けた時に比べて的を絞った照射が可能になり、周囲の組織へのダメージが少なくなっていると指摘した。また、研究結果が示唆しているのは放射線治療を受ける患者を減らすべきだということではなく、心臓疾患要因のリスクをできるだけ注意深く管理すべきだということだ、と指摘した。

 同研究についての論説を執筆したデイナ・ファーバーがん研究所(ボストン)の心臓医ジャビッド・モスレヒ氏は「この問題を文脈の中で捉えることが大事だ。放射線やその他の治療の進歩によって多くの女性乳がん患者が生き延びられるようになったためにこの問題が大きくなってきたことが背景にある」と強調した。

 英オックスフォード大学などの研究者は、1958—2001年にスウェーデンとデンマークで乳がんの外部放射線治療を受けた、当時70歳未満の女性の記録を調査。重大な冠状動脈事象を発症した963人と同事象のなかった1205人を比較検討した。心臓に近い左側の乳房のがんの治療を受けた人は右側の乳房を治療した人に比べてリスクが高かった。

 研究者らはまた、患者がどの程度の放射線を浴びたかを推定し、心臓への照射が1グレイ(放射線のエネルギー量の単位)増すごとに心筋梗塞の発症、ステントないし動脈バイパス処置、あるいは心臓疾患での死亡のリスクが7%高まると計算している。既に心臓疾患の恐れがあった女性のリスクは照射後に一段と高まった。

 米国で毎年乳がんと診断される21万1000人の女性のほぼ半分は、化学療法や手術に加えて放射線療法も受けている。この療法は、特に腫瘍摘出—腫瘍だけで乳房全体は切除しない—を受けた人や乳房切除(mastectomy)を受け再発のリスクが高い人、あるいは既にリンパ節に転移している人に勧められる。

 放射線腫瘍医で「Breastcancer.org」の創設者マリサ・ワイス博士は、最新の放射線機器では「ミリメートル単位で照射できる」と述べた。「respiratory dating」と呼ばれる技術では、患者の一呼吸ごとに心臓の状況を監視し、心臓が最も影響を受けやすい時には照射を瞬間的に中断することができるという。また、一部の病院では、心臓への負担を少なくするために乳房の一部分だけに照射している。

 論説は、この研究がアテローム性動脈硬化というタイプの心臓疾患しか調べておらず、また他の方法でも放射線は心臓組織にダメージを与えることが知られていることから、研究結果は氷山の一角である可能性があると警告している。調査対象の女性の中には、同様に心臓に悪影響を与えることのある化学療法を受けた人はほとんどいなかった。

 同論説は、こうした研究は「心臓腫瘍学」と呼ばれる新しい医学領域にとって役立つとし、がん治療の計画を立てる際には心臓医も早い段階から参加すべきであることを示唆している。ワイス博士は「グッドニュースは、乳がんと診断を下されたあと女性が長い期間生存する傾向にあることだ。そのため長期的な副作用が極めて重要な問題になってきた」と話している。

2013年3月13日水曜日

がん患者3年放置、死亡 名大病院


がん患者3年放置、死亡 名大病院
2013年3月13日 13時41分

 名古屋大病院(名古屋市昭和区)は13日、口の中に早期のがんが見つかった愛知県内の30代の患者に対し、書類を紛失したため3年以上手術を行わず放置していたと発表した。病院はその後に手術したが、昨年4月に死亡。外部専門家らでつくる調査委員会は「予定通り手術が行われていれば、がんは完治した可能性が高い」と指摘した。

 病院によると、患者は2008年3月に名大病院歯科口腔(こうくう)外科を受診し、口腔内のがんの疑いが高いと診断された。担当医は患者に手術の必要性を説明し、入院の申し込み書を作成。「入院日が決まったら連絡する」と伝えたが、その後、患者に連絡しなかった。

 患者は自覚症状がなかったことや、医師からがんの疑いがある「グレーゾーン」と伝えられていたことなどから、すぐに手術が必要な病状ではないと判断。かかりつけ医に受診したが、名大病院で受診しなかった。その後、11年4月に痛みが悪化。名大病院で再受診したところ、入院申込書の紛失により手術が行われていないことが発覚した。

 病院は患者に同年5月にがん摘出手術などを行ったが、同年8月に肺への転移が拡大し、12年4月に呼吸不全で死亡した。

 病院によると、通常は入院や手術を決定した担当医が3枚複写の入院申込書を作成し、2枚は担当医が診療科で、1枚は事務職員が保管する。各診療科は、申込書を元に入院日を決定、患者に電話連絡をする入院係を配置していた。今回は、診療科に保管される2枚が紛失しており、入院係による患者の入院日の決定や連絡が行われなかった。事務職員が保管した1枚も入院手続きに反映されなかった。

 調査委員会は「病院の連絡体制や、情報管理体制の不備による事務手続きのミスが原因」と判断。名大病院は再発防止策として、紛失の恐れがない入院予約システムの電子化と複数の部署で情報を共有する仕組みを作った。
 病院は、患者の遺族に謝罪し、和解した。患者は亡くなる前に「しっかりと調べてほしい」と話したという。

 松尾清一院長は会見で、「早期の治療で命が助かったり重症化を防げる可能性は高い。大学として早期発見、早期治療を患者に盛んに進めてきたのに、情報管理という初歩的なことができておらず、遺族には申し訳ない気持ちでいっぱいだ」と謝罪した。

(中日新聞)

2013年3月11日月曜日

樹木希林が日本アカデミー賞で衝撃告白「全身がん」

最優秀主演女優賞に輝きあいさつする樹木希林
Photo By スポニチ

 第36回日本アカデミー賞の授賞式が8日、東京都港区のグランドプリンスホテル新高輪で行われた。「わが母の記」で最優秀主演女優賞の樹木希林(70)は、受賞の喜びとともに「全身、がん」だと述べ、闘病していることを告白。04年に乳がんが見つかり、手術したが、その後転移したとみられるという。

 最優秀主演女優賞は08年に「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」で受賞して以来で2度目。沢尻エリカ(26)ら優秀主演女優賞の受賞者を持ち上げ「私なんかじゃなく…エリカ様にあげたい」と恐縮してみせた後、衝撃の告白が飛び出した。

 「来年が大変。私は全身がんですから。来年の司会は確約できない」と打ち明け、会場がざわめいた。最優秀主演女優賞受賞者は翌年の授賞式で司会を務めるのが慣例。冗談とも本気ともつかぬ“希林節”で「まあ、それは来年また考えればいいか」と、笑いを誘うように続けた。

 授賞式後の会見でも、あらためて「2軒(の病院)が言うから、そうなのよ」と述べた。

 04年に乳がんが見つかり、翌年、右乳房の全摘出手術を受けた。一度は完治報告したが、その後全身に転移。それも昨年春には完治したと一部で報道されていた。今回の転移箇所は明かさず「医者に行くと、また(別の箇所が)見つかるから行くのはイヤなの。これくらいの年の人間は、一つや二つは持っているもの。精密な機械だと、見つかっちゃうのよ」と笑った。病状は落ち着いており、深刻ではないとしている。

[ 2013年3月9日 06:00 ]