2014年12月18日木曜日

「FEC-100」と「3週毎ドセタキセル」の今

▼私の場合はN0ではなくN1なので、FEC100で正解だったのかも←(笑。いやいや、今後はFEC100は使われなくなるのかも?

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学会スペシャル:サンアントニオ乳癌シンポジウム2014
2014年12月9日~12月13日 San Antonio

リンパ節転移陰性T1-T3期乳癌患者の術後補助化学療法でFEC-100はACよりDFS、OSを有意に改善せず【SABCS2014】
2014/12/12

 リンパ節転移陰性でT1-T3期の乳癌患者を対象に、術後補助化学療法としてFEC-100レジメン6サイクルを行うことはACレジメンを4サイクル行う場合と比べて無病生存期間(DFS)、全生存期間(OS)を延長しないことが明らかとなった。両レジメンを比較した無作為化フェーズ3試験、NSABP B-36の結果示されたもの。FEC-100群の方が毒性が増加しており、研究グループはリンパ節転移陰性乳癌患者にはアントラサイクリンベースのレジメン6サイクルの使用は支持しないとする結果だと結論づけた。

参考: hidechin-breastlifecare.blogspot.jp/2015/01/nsabp-b36fec1006ac4.html
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▼な、なんと今後は、3週間毎ドセタキセル(←私はこれ)ではなく、毎週パクリタキセルが使われるのか!? 

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学会スペシャル:サンアントニオ乳癌シンポジウム2014
2014年12月9日~12月13日 San Antonio

毎週パクリタキセルと3週毎ドセタキセルはリンパ節転移陽性または高リスクの乳癌患者のDFSを改善、10年の追跡結果【SABCS2014】
2014/12/13

 腋窩リンパ節転移陽性、または高リスクのリンパ節転移陰性の乳癌患者に対する術後化学療法として、AC療法施行後の毎週パクリタキセルと3週毎ドセタキセルは、3週毎パクリタキセルと比べて無病生存率(DFS)を有意に改善することが、大規模なフェーズ3試験(E1199)の10年間の追跡結果から明らかになった。全生存率(OS)の改善はわずかだった。12月9日から13日まで米国サンアントニオで開催されているサンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS2014)で、米国Albert Einstein College of MedicineのJoseph A Sparano氏が発表した。

愛知県がんセンター中央病院の図書室

おお~!!! 修繕されるんだ!
まだまだ先の事だろうけど、楽しみだ。

・・・次の診療日に借りてみる、かも?
あ、、でも、一度借りようとしたら、、、う~ん、やっぱ止めとこっと。

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2014/12/16
愛知県がんセンター中央病院の図書管理システム一式の賃借に係る一般競争入札について

2014/12/16
愛知県がんセンター中央病院の図書管理システム一式の賃借に係る一般競争入札について
愛知県がんセンター中央病院図書室内電動書架の修繕の一般競争入札について
(最終更新日:2014/12/17 )

切り拓く 愛知県がんセンター開設50年(下)競争

(2014年12月16日) 【中日新聞】【朝刊】

厳しい経営 募る危機感

「治療を受けるまで何カ月もかかると思われているかもしれないが、そんなことはない」「入院だって他の病院より早いくらい」

 11月初め、愛知県がんセンター(名古屋市千種区)が名古屋市内で開いた、がん最新治療の公開講座。140人の聴衆に医師3人が口々にアピールした。

 狙いは「がんセンターは治療を受けるのが難しい」などの古くからのイメージ払拭(ふっしょく)だ。がん患者は増える一方なのに、同センター中央病院の受診患者は減っているからだ。昨年度の外来の初診患者は5468人で、10年前より4割近くも減った。

 理由の一つが、がんを治療できる病院が増えたこと。国は2002年から基準を満たした病院を、質の高いがん医療が受けられる「がん診療連携拠点病院」に指定。愛知県内では15カ所が指定されている。

 その一つ、藤田保健衛生大病院(愛知県豊明市)は、前立腺がんなどで患者に負担の少ない手術支援ロボットをいち早く導入。名古屋大病院(名古屋市昭和区)は治療の難しい小児がんに力を入れ、国の小児がん拠点病院にも選ばれた。

 02年設立の静岡県立静岡がんセンター(静岡県長泉町)は、「患者と家族の徹底支援」を打ち出し、研究所に専門部を設置。陽子線治療や手術支援ロボットなどを整える。昨年度の外来初診患者は7847人と、5年で2割近く増えた。

 周辺の医療・健康関連企業と連携し、患者に優しい治療技術や製品を開発するプロジェクトも進める。静岡がんセンター総長の山口建(けん)さん(64)によると、設立当時の石川嘉延知事から「愛知県からは2周遅れだが、サポートする。一流のものを」と託されたといい、「“後発組”ならではの視点で取り組んでいる」。

競争相手が増える一方、長引く不況などで愛知県は財政が悪化。病院と研究所を併せ持ち、かつて潤沢な支援を受けていた愛知県がんセンターをめぐる環境は一変した。12年に国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)長から、愛知県がんセンター総長に赴任した木下平さん(62)は「現場に疲弊感が漂っていた」と振り返る。

 同センターは毎年、実質十数億〜30億円の赤字で、行財政改革により04年、県直営から公営企業として病院事業庁に移管された。赤字補填(ほてん)などで今も県から20億円以上が支出されている。経営効率が求められ、高額な手術支援ロボットや高速の遺伝子解析装置など最新機器の導入も遅れた。患者に人気のある医師が引き抜かれるケースも。本年度の県からの研究費は、病院収入からの補填も含めて約3680万円と、16年前の4分の1に落ち込んだ。

 「高度な先進医療を担う病院は、人や機器への先行投資が重要。だが、その成長戦略がなかった」。10月初め、名古屋市内で開かれた設立50周年の記念式典で、木下さんは危機感を強調。今後は遺伝子を分析し、患者に合った治療や予防法を考えるオーダーメード医療を充実させ、差別化していく考えを示した。専門のセンターを設置する構想も検討しているという。

その礎が長年蓄積された患者データ。同センター研究所は、1988年から中央病院の初診患者に、生活習慣の調査を実施。01年からは同意の得られた患者の血液を採取し、生活習慣や遺伝子と発がんとの関係を分析してきた。そのサンプルは3万件以上に上る。15年度からは新たに患者のがん組織を保存し、治療法開発に生かす「バイオバンク」も始める。

 30年前に研究所で学び、肺がんの抑制に関わる重要な遺伝子変異を見つけた名古屋大大学院教授の高橋隆さん(59)は「遺伝子レベルでのがん治療は基礎研究の成果が臨床に直結する。今こそ研究所と病院が併設されているメリットを生かせる」とエールを送る。

 木下さんは言う。「半世紀の実績と患者の貴重なサンプルは、がんを撲滅するための貴重な財産。ここだからできる治療や研究を、世界に発信していきたい」

切り拓く 愛知県がんセンター開設50年(中) 人材輩出

(2014年12月9日) 【中日新聞】【朝刊】

若き才能集結、先端研究

DNA画像のフィルムを持つ手が震えた。

 1989年、米国の国立がん研究所。当時、愛知県がんセンター研究所から留学していた高橋隆・名古屋大教授(59)=分子腫瘍学=は肺がん患者の遺伝子の画像で、一部が明らかな異常を示していることを発見。この遺伝子が肺がん抑制に関与していることを、世界で初めて明らかにした。

 この報告が、肺がん増大の仕組みを遺伝子レベルで解明する起爆剤に。「がんセンターで学んだ遺伝子解析の基礎が生きた」

 60年代から80年代は、がんを遺伝子レベルで調べる分子生物学や免疫の研究が本格化。だが、国内では大学でも研究は十分に進んでおらず、研究所と病院を併せ持つ専門施設のがんセンターに、現在の日本を引っ張る医学者の卵が続々と集まった。

 肺の外科医だった高橋さんは手術の限界を感じ、29歳で研究所へ。遺伝子解析の第一人者で現在、理化学研究所(理研)バイオリソースセンター(茨城県つくば市)長の小幡裕一さん(66)が同じ研究室におり、最新の遺伝子操作や管理手法を学んだ。

 免疫細胞の働きを抑える「制御性T細胞」を見つけ、ノーベル賞候補の呼び声も高い大阪大免疫学フロンティア研究センター長の坂口志文(しもん)特別教授(63)=免疫学=も研究所に所属した。京都大大学院生だった40年近く前、マウスの胸腺を取ると胃炎などの自己免疫病を発症するという、研究所の「面白そうな」実験にひかれ、大学院を中退。がんや自己免疫病の治療につなげることが期待されるT細胞の発見は、この研究が原点。「がんの免疫では世界のトップレベルだった」

 若く有能な研究者をひきつけたのは恵まれた環境。開設10周年の業績集によると、開設前に当時の桑原幹根・愛知県知事が「全国から一流の人材を集めてほしい」と号令。当時の赤崎兼義所長が「設備もほとんど希望通りの物を買い入れることが認められた」とつづっている。

 日本のがん免疫研究の草分けで、愛知県がんセンターの元総長、高橋利忠さん(73)によると、高価な細胞の培養液、検査機器のほか、薬剤師、臨床検査技師らスタッフも大学をしのいでいた。高橋さんも名大大学院生時代、がんセンター研究所に入り浸り、環境は「米国に留学しても驚かなかった」という。開設翌年には当時のライシャワー駐日米国大使も視察に訪れた。

 研究所で基礎を学び、留学して最新の知識や技術を持ち帰り、後進に伝える。高度経済成長期。右肩上がりで税収の増えていた県財政が研究を支えた。

1970年代、電子顕微鏡で観察する試料を作成する超微形態学第一研究室の研究員ら
 世界とつながる研究所の熱気は、隣接する病院にも伝わった。「自分の科学への考え方の基礎を形作った」と話すのは、同センター中央病院遺伝子病理診断部長の谷田部恭(やたべやすし)さん(49)。研究者と病院の医師の間で頻繁に勉強会が開かれ、最新の研究成果に触れることができた。このときに培われた思考が、遺伝子レベルで個別に治療を考える現在の診断にも役立っている。

 血液がん研究の第一人者で、80年から15年間研究所に在籍した愛知医科大の上田龍三教授(70)=腫瘍免疫学=は、「患者の思いをどう基礎研究とつなげるか。患者を間近に感じるからこそ、少しでも早く成果を届けたいと考え、仕事ができた」。その思いは一昨年、白血病の一種で標準的な治療法のない難病の治療薬開発につながった。

 研究所と病院が互いに刺激を受け合い、質の高い医療を提供する。「そんな人材の“たまり場”としての余裕が、がんセンターの魅力だった」と上田教授。だが、そんな環境も少しずつ、変わりつつある。

切り拓く 愛知県がんセンター開設50年(上)オーダーメード

(2014年12月2日) 【中日新聞】【朝刊】

遺伝子診断 屈指の体制

愛知県がんセンターが12月で開設50年を迎えた。病院と研究所を併せ持つ自治体初のがん専門の医療施設として、東海道新幹線開通や東京五輪開催の年に誕生。国立がん研究センター、民間のがん研究会とともに「ご三家」と呼ばれ、日本のがん医療を切り拓(ひら)いてきた。その道は半世紀のがん医療の歴史でもある。(山本真嗣)

 「肺の影が薄くなっていた。言葉にならないほどうれしかった」

 名古屋市千種区の愛知県がんセンター中央病院で、臨床試験中の新抗がん剤を10月末から服用する愛知県の女性(65)。1週間後の胸のエックス線検査で、大幅に肺のがんが縮小したのを知り、診察室で涙ぐんだ。

 2011年に肺がんが再発し脳に転移。地元の病院で抗がん剤や放射線治療を受けてきたが、いずれも効かなくなり、今秋、主治医から「もう、できることがない」と言われた。

 唯一の希望が、がんセンターの臨床試験への参加。センターで女性の遺伝子を調べると、薬が効く前提となる遺伝子変異があることが分かった。在宅で服用するとせきが止まり、呼吸も楽に。今のところ目立った副作用はなく、家事がこなせるまでに回復した。来春は長男の結婚式があり、孫も小学校に入学する。「一日でも長く生きたい」

 「なすすべがない」と言われた患者が、同センターの先端医療に望みを託し、各地からやってくる。同センター中央病院が、12年度に受託した未承認の抗がん剤などを試す臨床試験は140件。国立がん研究センター中央病院(東京)の153件とほぼ同数で、中部地方では群を抜く。

 この女性が服用する抗がん剤も、米国で臨床試験が始まったばかりの最新のタイプ。呼吸器内科部長の樋田豊明(ひだとよあき)さん(59)は「がんのオーダーメード治療・研究に早くから取り組んできた」と自負する。

 オーダーメード治療は、がん細胞を遺伝子レベルで調べ、事前に抗がん剤の効果のある可能性が高い患者を選んだり、効果のない患者を除いたりして治療法を決める。従来、抗がん剤治療はがんの種類や進行度ごとに、「標準治療」として決められた抗がん剤を一律に投与。効果がなく、重篤な副作用だけあるケースも少なくなかった。

 その典型例が、死亡例が相次ぎ、社会問題になった肺がん治療薬のイレッサ。「がんだけを狙い撃ちし、副作用の少ない夢の新薬」として02年に承認された。だが、当時は薬の効果とがんの遺伝子変異の関係は分からず、効かない人にも投与されていた。

 その改善にセンターが一役買った。特定の遺伝子変異がある人に、イレッサの有効例が多いことが米国で発見された。その後、愛知県がんセンター中央病院遺伝子病理診断部長の谷田部恭(やたべやすし)さん(49)が、わずかな検体と短時間で変異を高精度に判別できる診断法を04年に開発。全国の医療機関などで採用された。効果のある人にも副作用はあるが、谷田部さんは「効かない人に投与され、副作用に苦しむことはなくなった」と話す。

 これまでに分かった肺がん増大に関係する遺伝子変異は十数種。中央病院はこのうち5〜7種の遺伝子変異を一度に検査できる。肺がん患者の半数に、この7種のいずれかがあるといい、対応した抗がん剤を用意する。樋田さんは「これだけの体制で対応できるのは、全国でもほとんどないのでは」と胸を張る。

 乳がんや大腸がんなどでも遺伝子診断によるオーダーメード治療は進んでいる。愛知県がんセンター総長の木下平さん(62)は「将来はあらゆる分野で、オーダーメード治療が受けられるようにしたい」と意気込む。

国内有数の拠点 県内外から患者

愛知県がんセンターは、東海地方のがん撲滅拠点として開設された。中央病院(500床)と研究所、愛知病院(愛知県岡崎市、276床)で構成。中央病院は質の高いがん医療を提供する施設として、都道府県におおむね1箇所整備されるがん診療連携拠点病院に指定されている。外来化学療法センターは60床あり、全国最大規模。

開設から2012年までに約8万1200人が受診、そのうち県外の患者は3割を占める。この半世紀で治療は進歩し、センターで診断、治療を受けた患者の5年後の生存率は大きく改善している。

研究所を持つがん専門施設は全国10カ所にあり、中部地方には静岡県立静岡がんセンター(静岡県長泉町)もある。

愛知県がんセンター50年の流れ

1961(年) 愛知県がん対策協議会が桑原幹根知事(当時)にがんセンター設置を答申
  62    国立がん研究センター設立
  64    愛知県がんセンター設立
  83    診療管理棟完成
2005    県立愛知病院を統合
  06    がん対策基本法制定
  07    都道府県がん診療連携拠点病院に指定
  10    尾張診療所を開設(14年に閉所)
  13    外来化学療法センター開設 
  14    緩和ケアセンター開設

ER+HER2-局所進行/転移乳癌に対するPI3Kα選択的阻害薬Alpelisibとフルベストラントの併用はPIK3CA変異例でより高い効果

2014/12/17(水)

閉経後ホルモン受容体陽性(ER+)HER2陰性(HER2-)の局所進行(LA)/転移乳癌(MBC)に対するPI3Kα阻害薬alpelisibとフルベストラントの併用は安全で、特にPIK3CA変異を有する患者でより高い効果を得られる可能性が示された。多施設オープンラベルフェーズ1試験によって明らかになったもので、12月9日から13日までサンアントニオで開催されたSan Antonio Breast Cancer Symposiumにおいて、米国テキサス大学MD Anderson Cancer CenterのFilip Janku氏が報告した。

 Alpelisib(BYL719)はPIK3CA遺伝子でコードされるPI3Kの触媒サブユニット、p110αに作用する経口投与可能な低分子PI3K阻害薬。進行固形癌において単剤で、ER+乳癌においてフルベストラントとの併用でフェーズ1試験が行われている。これまでに単剤での最大耐用量(MTD)は1日1回投与で400mg、1日2回投与で150mg、フルベストラントとの併用で400mgであることが示されている。今回、PIK3CA遺伝子変異型(以下PIK3CA変異型)および野生型(WT)のER+HER2-LA/MBC患者における成績が報告された。

 主要目的は、閉経後PIK3CA変異ER+LA/MBCを対象とするフルベストラントの併用でのフェーズ2試験におけるalpelisibのMTDを決定すること、副次目的はフルベストラントとの併用における安全性と忍容性および薬物動態、予備的な有効性の検討である。

 84例が登録され、50例(59.5%)がPIK3CA変異型、31例(37.0%)がPIK3CA WTで、3例は変異の状態が不明だった。PIK3CA変異型、PIK3CA WTの年齢中央値はそれぞれ57.0歳、61.0歳、転移巣数は3、2だった。PIK3CA変異型の12例(24.0%)、PIK3CA WTの11例(35.5%)にmTOR阻害剤投与歴、それぞれ23例(46.0%)、15例(48.4%)にフルベストラント投与歴、44例(88.0%)、29例(93.5%)に化学療法歴があった。

 データカットオフの2014年10月3日までに、65例(PIK3CA変異型の37例74 .0%、PIK3CA WTの28例90.3%)が治療を中止。理由はPD47例58.0%、有害事象(AEs)10例15%、同意撤回6例7.3%、追跡不能および手続き上の問題各1例1.2%だった。

 全グレードで30%以上の頻度で発現したAEsは下痢48例(57.1%)、高血糖38例(45.2%)、食欲減退および吐き気がそれぞれ31例(36.9%)。高頻度で認められたグレード3/4のAEsは、高血糖15例(17.9%)、斑状丘疹性発疹11例(13.1%)だった。10例11.9%の患者がAEsにより試験を中止しており、うち9例10.7%は、2例2.4%に認められた掻痒症など、グレード3/4のAEsによるものだった。

 薬物動態(PK)は単剤で報告されているものと同様だった。alpelisibとフルベストラントとの間にPKにおける相互作用はないと考えられたが、本試験におけるalpelisibの血中濃度-時間曲線下面積(AUC)および有効血中濃度(Cmax)の中央値は、単剤投与時よりわずかに低かった。

 81例(PIK3CA変異型50例、PIK3CA WT 31例)で放射線学的反応性の評価が可能だった。最良総合効果は、PIK3CA変異型では確定PR12例(24.0%)、SD28例(56.0%)、PIK3CA WTではSD14例(45.2%)、奏効率(ORR)はそれぞれ24.0%(95%信頼区間:13.1-38.2)、0%(同:0-11.2)、病勢コントロール率(DCR)はそれぞれ80.0%(同:66.3-90.0)、45.2%(同:27.3-64.0)だった。

 推定PFS中央値は、PIK3CA変異型8.3カ月対PIK3CA WT 4.7カ月で、PIK3CA変異において、より高い効果が得られることが示唆された(ハザード比[HR]0.28、95%信頼区間:0.13-0.57、名目上p<0.001)。

 ポスターディスカッション「TARGETING THE PI3K PATHWAY」は、この演題を含む4演題がアロマターゼ阻害薬(AI)治療歴を有する閉経後ER+疾患に対するPI3K阻害薬とホルモン療法との併用についての報告となった。有効性がPIK3CA変異の状態と関係するかどうかについては、これまでの報告では一貫性がなく異論もある。Janku氏は、「pan-PI3K阻害薬と比較して、p110αに作用するPI3Kα阻害薬では、変異を有する患者で反応性が高いようだ」とコメントした。また同セッションでは、PI3K阻害薬のAEsについて、皮膚障害など試験によって発症頻度が大きく異なるものがある一方で、高血糖が作用の指標になる可能性があることが指摘された。また毒性を軽減するための間欠的投与スケジュールが模索されているほか、ER+HER2+乳癌に対するPI3K阻害薬適用の理想的なセッティングが進行/転移疾患なのかネオアジュバント療法なのかについても、議論が交わされた。

 現在、PI3Kを標的とする薬剤開発において、少なくとも32化合物が20の製薬会社において開発中で、397試験がClinicalTrials.govに登録されている。

9年ぶり 20cmの積雪 ・・・らしい

2014年12月11日木曜日

<抗がん剤>「ジェブタナ」投与後に5人死亡 副作用の疑い

毎日新聞 12月10日(水)20時32分配信

 9月に販売が始まった前立腺がんの抗がん剤「ジェブタナ」(一般名カバジタキセル)を投与後に、患者5人が死亡していたことが10日、厚生労働省への取材で分かった。白血球が減少し感染症などを引き起こした副作用の疑いがあるとして、製薬会社「サノフィ」(東京都新宿区)が慎重な投与を医療機関に呼び掛けている。

 厚労省によると、ジェブタナは点滴薬で、販売開始の9月4日から今月3日までの3カ月間に約200人が使用。延べ42人に、白血球の一種の「好中球」が減少する症状が確認され、このうち60代の3人と70代の2人が肺炎や敗血症などで死亡した。

 医師向けの添付文書では、好中球が減少して患者が死亡するケースがあるため感染症の症状のある患者への使用を禁じており、同省は「頻繁に血液検査して白血球の状態を確認し、患者に発熱があった場合は直ちに抗菌薬を投与してほしい」としている。

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*カバジタキセルは、ドセタキセルと同じタキサン系抗癌薬である

デノスマブが米国で癌患者の高カルシウム血症治療薬として承認を獲得

2014/12/10

米Amgen社は、2014年12月8日、米食品医薬品局(FDA)から、デノスマブの適応追加承認を得たと発表した。高カルシウム血症(HCM)が見られる癌患者で、ビスホスホネート系薬剤に反応しない人々の治療に用いることが可能になる。

2014年12月10日水曜日

ホルモン受容体陽性の早期乳癌患者では、乳房温存療法が乳房切除術より高い延命効果を示す/MDアンダーソンがんセンター

ホルモン受容体陽性の早期乳癌患者では、乳房温存療法が乳房切除術より高い延命効果を示す

近年の癌生物学の知見を利用したMDアンダーソンによる試験で従来の治療パラダイムが否定される

MDアンダーソンがんセンター

2014年9月4日

乳癌の生物学および異質性に関する現在の知見を考慮したところ、早期ホルモン受容体陽性乳癌女性では、乳房温存療法(BCT:breast conserving therapy )による延命効果は乳房切除術よりも高いことが、テキサス大学MDアンダーソンがんセンターが実施した研究により示された。

試験の結果から、この2つの治療法の生存率が同等であるという従来の概念が否定され、現在臨床で標準的に実施されている乳癌治療について再検討する必要があることが示された。

この試験結果は、MDアンダーソンの元フェローであり、現在はアラバマ大学バーミンガム校に在籍するCatherine Parker医師により2014年乳癌シンポジウムにて発表された。

1980年代には、米国中心および国際ランダム化試験の結果から、乳房温存療法および乳房切除術の延命効果は、早期段階の乳癌女性患者では同等とされていた。しかし、こうした成績は、乳癌の生物学的特徴に関する情報がほとんどない時代に得られた試験結果であると、MDアンダーソン外科腫瘍学准教授であるIsabelle Bedrosian医師は述べる。

「40年前は、乳癌の生物学的特徴、つまり乳癌のタイプ、放射線感受性、放射線抵抗性、局所再発および転移性などの差異についてはほとんど知られていませんでした」とこの試験の上級著者であるBedrosian医師は説明する。「それ以降、生物学的特徴全体が解明されたものの、乳房温存療法や乳房切除術を受ける患者の延命効果において、こうした知見はまったく考慮されていないのです」。

「今回、腫瘍の生物学的特性の観点から、乳房温存療法と乳房切除術を比較検討することが重要であると考えました」とBedrosian医師は述べる。

研究者は、腫瘍生物学的特性が患者の手術選択ならびに生存に影響を与えるだろうと仮定した。

今回の後方視的患者研究では、米国での新規診断癌患者の約70%を網羅する米国外科学会(American College of Surgeons)、米国癌協会および米対癌協会の全米患者転帰レジストリである米国癌データベース(National Cancer Database:NCDB)が利用された。ステージIの女性患者、計16,646人のうち、2004~2005年に乳房切除術を受けた患者、乳房温存療法を受けた後に放射線治療を6週間受けた患者(BCT)、または乳房温存療法を受けたが放射線治療を実施しなかった患者(BCS)が特定された。Bedrosian医師は、本研究では、試験群の均一性を保つため、また乳房温存療法が不適格となる患者がほとんどいないと考えられることから、ステージIの患者のみに焦点を絞ることが重要であったと述べている。

エストロゲン受容体(ER)およびプロゲステロン受容体(PR)に関するデータが得られていたが、HER2の状態に関しては得られていなかったため、試験では腫瘍をERまたはPRのいずれかが陽性(HR陽性)、またはER/PRともに陰性(HR陰性)に分類した。また年齢、ホルモン剤/化学療法剤投与の有無、ならびに患者が治療をうけている試験実施施設、および併存疾患の有無など広範囲にわたる変数の傾向スコアを用いて、患者を厳密に比較対照した。

16,646人の女性患者うち、1,845人(11%)がBCSを、11,214人(67%)がBCTを、また3,857人(22%)が乳房切除術をそれぞれ受けた。BCT群では、乳房切除術群またはBCS群と比較し生存率の優越性が示され、5年全生存率はそれぞれ96%、90%、87%であった。リスク因子調整後もやはり、BCT群ではBCS群や乳房切除術群と比較し延命効果がみられた。各群1,706人の対照集団の比較では、HR陽性患者の集団では乳房切除術群と比較しBCT群で全生存期間の改善効果が認められたが、HR陰性患者の集団では認められなかった。

Bedrosian医師は、この知見は議論を呼ぶものであるが、後方視的研究であるため、今回の結果は診療を変えるものではない、と注意を促す。とは言え、今回の試験は乳房切除術と比較し、BCTで優れた延命効果が示された他の試験を裏づけるものである。さらにBedrosian医師は、放射線療法が全生存期間の改善をもたらした可能性があると指摘している。

「従来から、外科手術および放射線療法は局所病勢コントロールを改善する手段として考えられてきました」とBedrosian医師。「しかし、最近の試験から、放射線療法は局所病勢コントロール以上の、生存に関連した効果があると示唆されています。このため、放射線療法は単に局所病勢コントロールを促進する以上の作用を有しているかもしれない。また、ホルモン受容体陽性乳癌は放射線療法に対する感受性がより高いことが知られており、そのため、この患者群において延命効果が高いのであろうと考えられます」。

追跡試験として、Bedrosian氏が率いる研究班は、1980年代に実施されたランダム化試験の結果を利用して、これらの試験のコホートと今回のNCDB患者とを比較し、同じ程度の延命効果が得られるか確認したいと考えている。

「今回の試験は後方視的研究であるものの、私たちの知見は乳癌医療関係者に熟考の機会を与えていると考えます。将来的には、乳房温存療法と乳房切除術を同等とみなすパラダイムを再検討する必要があるかもしれません」とBedrosian医師は述べた。「腫瘍生物学の知見を考慮すると、このパラダイムはもはや正しいとは言えない可能性があります」。

この試験はMDアンダーソンによる資金援助のもとに実施された。Bedrosian医師およびParker医師のほか、MDアンダーソンによる本試験に参画した著者は以下のとおり: Heather Y. Lin, Ph.D., Yu Shen, Ph.D., Liang Li, Ph.D.; all Biostatistics, Henry Kuerer, M.D., Ph.D. and Gildy Babiera, M.D., both Surgical Oncology; and Simona Flora Shaitelman, M.D., radiation oncology. Meeghan Lautner, formerly a fellow at MD Anderson, also contributed to the research.

体重管理って難しい

体重管理、けっこう難しいなぁ
増えすぎたり、減りすぎたり、、、ふぅ~
今は、あと1.5kgぐらい増やしたい!

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2014年12月9日 18時39分
痩せ形の女性、過去最高12・3% 肥満男性は高止まり

 厚生労働省は9日、痩せ形の女性が12・3%を占め、データがある1980年以降で最も高かったとする2013年国民健康・栄養調査の結果を公表した。肥満の男性は28・6%で、高止まりの状態が続く。

 厚労省は「女性の痩せ志向が20代だけでなく、30代、40代にも広がっているが、健康のためには適正体重の維持が大事だ」と指摘。男性については、働き盛りの世代で運動をする時間が少ないことなどが影響しているとみている。

 調査は昨年11月、に実施。体重(キロ)を身長(メートル)の2乗で割った体格指数(BMI)が18・5未満の人を痩せ、25以上の人を肥満と判定した。

2014年12月7日日曜日

乳がん予防切除を実施 中部初、愛知がんセンターで

遺伝子検査で乳がん発症の可能性が高いと判定された女性患者に対する乳房切除手術を、愛知県がんセンター中央病院(名古屋市千種区)が、八月と十一月に臨床試験として実施していたことが分かった。中部地方で、遺伝性乳がんの予防切除手術の実施が明らかになるのは初めて。

 特定の遺伝子変異のある乳がん患者は、がんが発症していないもう一方の乳房も、がんになる確率が高いとされる。がんセンター中央病院は、こうした患者のうち、本人が希望した場合の予防切除手術の実施を計画。今年四月の院内の倫理審査委員会の承認を受け、手術の安全性を確認する臨床試験を行うことにした。

 がんセンター中央病院の岩田広治(ひろじ)副院長によると、一例目は既に左乳房を切除していた三十代の女性で、八月に右乳房を切除。二例目は右乳房が乳がんの五十代女性で、十一月に左右を同時に切除した。いずれも、乳房の再建手術も併せて実施、術後の経過は良好という。

 岩田副院長は「がんが発症していない乳房もリスクが高いと分かった場合、患者の不安を取り除く選択肢になれば」としている。

 ただ、予防のための手術には保険適用が認められておらず、全額患者の自己負担となる。このため、病院は一部が保険適用となる「先進医療」に認められるよう国に申請する。

 一方、この遺伝子変異のある女性の乳がん患者は、卵巣がんになる確率も高いとされる。卵巣の予防的摘出は名古屋市東部医療センター(千種区)が臨床試験の態勢を整えており、患者が希望した場合は実施する。

 遺伝性乳がんの予防切除は昨年、米国女優アンジェリーナ・ジョリーさんが手術を受けたことを公表し、話題となった。

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 <遺伝性乳がんの予防切除>特定の遺伝子に変異があると、乳がん発症の可能性が高まるとされる。遺伝子の変異が原因の乳がんの割合は全体の5~10%。アンジェリーナ・ジョリーさんの公表以後、国内では遺伝子検査を受ける人が増え、聖路加国際病院(東京)などが既に予防切除手術を実施。ただ、検査で遺伝子に変異があると分かっても、乳がんは定期検診で早期発見可能として、予防切除手術に慎重な声もある。

2014年12月5日金曜日

2014年12月4日木曜日

全国がん登録

更新日:2014年11月14日 [ 更新履歴 ]    掲載日:2014年11月14日

1.全国がん登録とは何ですか

全国がん登録」とは、日本でがんと診断されたすべての人のデータを、国で1つにまとめて集計・分析・管理する新しい仕組みです。この制度は2016年1月から始まります。

「全国がん登録」制度がスタートすると、居住地域にかかわらず全国どこの医療機関で診断を受けても、がんと診断された人のデータは都道府県に設置された「がん登録室」を通じて集められ、国のデータベースで一元管理されるようになります(図1)。

図1 新しくはじまる「全国がん登録」の仕組み


なぜ、国はこのような仕組みをつくったのでしょうか。それには次のような理由があります。

現在、がんと診断された人のデータを余すことなく収集する仕組みには「地域がん登録」制度があります。これは都道府県がそれぞれの自治体内で診断されたがんのデータを集めたものです。

そして、都道府県にがんの情報を提供する仕組みが「院内がん登録」制度と呼ばれるもので、医療機関ごとにがんのデータを収集しています。さらに、国(国立がん研究センター)は都道府県や医療機関からデータを提供してもらい、わが国におけるがんの状況を把握しています(図2)。

図2 現在のがん登録の仕組み


しかし、都道府県ごとにデータを収集していると、住んでいる都道府県以外の医療機関で診断・治療を受けた人や、がんにかかってから他県に移動した人などのデータが重複する可能性があり、正しい情報が把握できないことが指摘されていました。また、すべての医療機関が地域がん登録に協力しているわけではないので、すべてのがん患者のデータを収集することもできていません。

つまり、今の仕組みではより正確ながんのデータを集めることが難しく、わが国の大きな課題となっていました。そこで、国は法律を整備し「全国がん登録」制度と呼ばれる新しい仕組みをつくったのです。

「院内がん登録」についてはこちらを、
「地域がん登録」はこちらをご参照ください。

2.がん登録はなぜ必要ですか

「日本人の2~3人に1人は、がんになります」
「最近の肺がん患者の傾向としては、女性と非喫煙者が増えています」

日々の暮らしの中でよく耳にするこれらの情報は、「毎年どのくらいの人が新たにがんと診断されているのか」、すなわちがんの「罹患数」を把握しなければわかりません。その数字を正しく知る唯一の方法が「がん登録」制度です。

罹患数から得られる上記のような情報は、がんの実態を示しているので、国のがん対策や都道府県の地域医療計画にも生かされます。例えば、全国に何ヵ所のがん診療連携拠点病院を整備すればよいのか、この県に肺がんを治療できる医師は何人くらい必要か、どの年代の人にどのようながん検診を実施するのが効果的か、といった計画や対策を立てるときに役立ちます。

がん登録では、罹患数のほかに進行度や生存率など、がんにまつわるさまざまな統計情報も得ることができます。進行度はがんが見つかったときの進み具合を示すものですが、全体の傾向をみることで国や都道府県でがん検診が効果的に実施されているかどうかを知る手がかりにもなります。また、生存率はがんと診断された人がその後どのくらいの割合で生存しているかということを示した数字ですが、治りやすさの目安にもなるため、医師と患者さんが治療方針を考える上で重要な情報の1つになります。

このように、がん登録のデータによって得られた統計情報はいろいろな場面で役立っており、私たちがよりよいがん医療を受けられる体制をつくるためには、なくてはならない制度なのです。そして、より正しいデータを収集するには、がんに関する情報を提供していただくがん患者さんをはじめ、一人一人の市民の理解と協力が何よりも大切になってきます。

3.がん登録の手続きは?

新しい制度では「がん登録等の推進に関する法律」に基づき、全国の医療機関はがんと診断された人のデータを都道府県知事に届け出ることが義務化されます。そのため、患者さんや家族によるがん登録の手続きは不要です。がんと診断された時点で、あなたのがんに関する情報(表1)は自動的に医療機関、都道府県を通じて、この事業を委託されている国立がん研究センターの中に設置されている「全国がん登録データベース」に登録されます。

がん登録を自動的に行うのは、正確な統計情報をとることを第一の目的としているからです。一人一人の患者さんや家族の意向を確認していると、わが国で診断されたすべてのがんのデータを収集できなくなり、統計情報も正しいものではなくなります。そこで「がん登録等の推進に関する法律」では、がん登録にあたって患者本人の同意を得なくてもよいとされており、「他人に個人情報を知られたくない」という理由でがん登録を拒否することはできません。

また、「自分のがん情報を知りたい」といった患者さんや家族の開示請求も認められていません。本来、診断結果や治療内容は医療機関に直接確認することであり、担当医の承諾を得ない下での開示は治療方針に悪影響を及ぼす可能性があるからです。この点をどうかご理解ください。
表1 届け出の対象となっている患者のがんに関する情報
(1) がんと診断された人の氏名、性別、生年月日、住所
(2) がんの診断を行った医療機関名
(3) がんの診断を受けた日
(4) がんの種類
(5) がんの進行度
(6) がんの発見の経緯
(7) がんの治療内容
(8) (死亡した場合は)死亡日
(9) その他

4.私たちの個人情報は守られますか

がん登録では、がんと診断された人の登録漏れをできるだけ防ぐために医療機関だけでなく保健所や市区町村などからも情報を収集します(図1)。その際、それらの情報が同じ人のものかどうかを判断する(名寄せ)ために氏名、生年月日、住所などの個人情報が必要になります。

また、治療後の経過を確認する際も個人情報に基づいて予後調査が行われます。さらに、個人情報を長期間保管することによって同じ人がほかのがん(多重がん)になったときの分析も可能になります。

本来、がん登録には患者さんの氏名や生年月日、住所などの個人情報は必要ありませんが、わが国には現在、がん登録に利用できる“国民番号”のようなものがないため、登録漏れの防止や追跡調査などに個人情報を利用せざるを得ない状況となっています。

そのため、これらの個人情報が漏えいし、貴重なデータを提供していただいた患者さんのプライバシーや権利が侵害されることのないよう「がん登録等の推進に関する法律」においても、個人情報の保護や管理、さらには罰則に対する規定が厳しく定められています。

一方、がんと診断された人のデータを「全国がん登録データベース」に登録した後、データの集計値を報告したり、がん登録のデータを使った調査や研究の成果を発表したりするときは匿名化されるので、個人が特定されるような形で公表されることはありません。

また、がん登録の業務に従事する職員は、個人情報の取り扱いやデータの処理方法について専門的な研修を受けた人(がん登録実務者)が担当しています。さらに、その実務者の中でも個人情報保護の観点から集められたデータにおいて名前などの個人情報を取り扱う職員は限定されています。どうかご安心ください。

5.集めたデータをどうするのですか

全国から収集したデータは国のデータベースにまとめられ、統計の専門家によって分析が行われます。第三者となる審議会がデータの利用や提供について定期的にチェックするため、集められたデータがそのまま放置されたり、国に都合が悪いからといって隠蔽(いんぺい)されたりするようなことは決してありません。分析によって得られた最新の統計情報は、国立がん研究センターがん対策情報センターのウェブサイト「がん情報サービス」(http://ganjoho.jp)で随時公開されますので、誰でも見たいときに閲覧することができます。

繰り返しになりますが、これらの統計情報は一般に公開されると同時に国や都道府県のがん対策をはじめ、がん検診や治療の体制づくり、がん研究などに役立てられます。そして、がんになる人を減らしたり、がんから治る人を増やしたり、あるいはがんになっても長生きして苦痛の少ない生活を過ごせる社会を実現する一助となります。

「がん」という手ごわい病気を克服できる社会を、みんなで力を合わせてつくっていくために「全国がん登録」へのご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

2014年12月1日月曜日

今年最後の通院日

今年に入ってからその変化に驚いていたけど、なんだか増々「愛想良く」なっていて、なんだか逆に所在無げな気持ちになってしまう。主治医のS先生もPC画面を切り替えながら説明して下さっていたのに、今はいちいち(←)こちらに向き直して目を見てにっこり笑いながらお話して下さる。

色々と不安な患者側にしたら、嬉しい変化だと思わないといけないのだろうな~。いや、べ、べつにありがたくない分けでは無いんだけどね。

おくすり手帳に書き込んだ「飲み忘れ日」、ひと月ポケットで管理するようになってから減っている。良かった♪

2014年11月21日金曜日

ロキソニンSのリスク区分、「第1類」に据え置き

薬食審部会で審議、指定第2類への区分変更認めず
ロキソニンSのリスク区分、「第1類」に据え置き
2014/11/21 日経ドラッグインフォメーション

2011年1月にOTC医薬品として発売されたロキソニンS(一般名ロキソプロフェンナトリウム)のリスク区分が、第1類のまま据え置かれることが決まった。14年11月14日に開催された、薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会の審議による。ロキソニンSについては、14年8月の同部会安全対策調査会がリスク区分を指定第2類に引き下げることが適当との案をまとめていた。調査会案が部会で覆ることは異例。

2014年11月20日木曜日

早期乳がんでも両乳房切除が米で急増―生存率には効果なし

2014 年 11 月 20 日 18:04 JST

120万人の患者を対象とした全米規模の最新調査で、片側の乳房に早期がんが見つかった段階で両乳房切除を選択した女性の数がこの10年間で急増したことが分かった。

米医学誌JAMAサージェリーに掲載された調査によると、この増加はかなり早期の非浸潤性乳がんが見つかった若い女性のあいだで特に著しいという。

他の調査では、両乳房切除によって平均的な再発リスクを持つ女性の生存率が高まることはないことが分かっているが、それでも両乳房切除を選択する女性が増えていると医師たちは指摘する。

ダナ・ファーバーがん研究所のがん専門医、アン・パートリッジ医師は「多くの女性は本当の危険性と利点を完全に理解していない状態で、恐怖と不安からこの決断を下している」と指摘する。「ほとんどの女性の場合、もう片方の乳房にも新たながんが見つかる可能性は実際にはかなり低い」。パートリッジ医師は今回の調査にはかかわっていない。

その一方で、がん性腫瘍とその周辺のわずかな組織だけを摘出する乳腺腫瘤切除――乳房温存手術としても知られている――はかつて増加傾向にあったが、現在は減少に転じている。1980年代以前には、たとえ早期の乳がんであっても、ほとんどの女性が乳房全体と皮膚、その下の胸筋を取り除く、徹底的な全摘手術を受けていた。さまざまな研究で、乳腺腫瘤切除でもその後に放射線治療を行えば、生存率は全摘手術と変わらないということが示されると、この方法が標準的な治療となった。

ジョンズ・ホプキンス大学医学部のマイケル・ゼニルマン外科教授は「今や振り子は逆方向に振られている」とし、「患者の選択によるところがかなり大きい」と指摘する。教授は今回の調査で付随論説を執筆した。

最新の調査では、バンダービルト大学の研究者たちが、1998年から2011年までの期間に正式認可を受けたがんセンターで早期乳がんの治療を受けた女性120万人の記録を分析した。これは同期間に米国内で同様の治療を受けた患者の約70%に相当する。その期間に、早期乳がんで片側だけの乳房切除を受けた女性の割合は34%から38%に増加した。また、両乳房切除を選択した女性の割合は2%から11%に急増している。


この研究には、乳がん再発のリスクを大幅に引き上げるBRCA遺伝子変異を持っていた女性が何人いたかというデータは含まれていない。女性たちの決断理由についても不明だ。だが調査によると、乳房再建手術を選択する女性の割合も、乳房切除を受けたすべての女性の12%から36%に急増しており、これが両乳房切除の増加傾向を後押ししている可能性があると研究者らは考えている。

連邦法は1998年以降、保険会社やメディケア(高齢者向け医療保険制度)、メディケイド(低所得者向け医療費補助制度)に対し、乳がん患者の乳房再建手術に保険を適用するよう義務付けている。

乳がんについての知識を広める活動をしている非営利団体「スーザン・G・コーメン・フォー・ザ・キュア」のヘルスケアエデュケーション部部長、スーザン・ブラウン氏は「昔と比べるとより多くの女性が乳房再建という選択肢のことを知るようになり、その技術も向上してきた」と指摘する。とはいえ、乳房再建には複数回にわたる長時間の手術、長い回復期間、生涯残る傷跡などを伴う場合があるということに気付いていない女性も多いという。

ミシガン大学のブレストケアセンターの責任者、リサ・ニューマン医師は「多くの女性はつらい診断や治療を繰り返すことになるかもしれないという可能性に恐怖心を抱いているだけなのだろう」と話す。ニューマン医師と同僚たちは、治療法に関する患者との個人面談だけではなく、グループでの相談会や教材などでも、両乳房切除を受けることで生存率が高まることはないと強調しているという。

ダナ・ファーバーがん研究所のパートリッジ医師は、患者の決断に正しいも間違っているもないが、手術の危険性や利点を十分に知っておくべきだと強調する。「私は女性たちに、自分が本当に治療したがっているのは不安だということに気付きなさいと伝える。それにはもっと良い方法があるということも」

2014年11月14日金曜日

乳がん治療のマーキングには「見えないタトゥー」が望ましい(2014.11.13掲載)

乳がん患者が放射線療法を受ける際のマーキングには、永久的に色の残るインクではなく「見えないタトゥー」を用いることによって、患者の自己肯定感を向上できる可能性があることが新たな研究で認められた。

皮膚のマーキングは、毎回の治療セッションで正しく同じ位置に放射線を照射するために必要なものだ。しかし、これまでの研究で、永久的に残るタトゥーは乳がん患者に治療後何年も病気のことを思い出させ、身体への自信や自尊心を低下させることが明らかにされている。また、濃いインクのタトゥーは、皮膚の色が濃い女性の場合は見つけにくく、放射線治療の標的部位の不一致につながる可能性もあると、研究グループは述べている。

今回の新たな研究では、放射線療法を受けた乳がん患者42人を対象に、治療前と治療1カ月後の自分の身体についての感じ方をたずねた。女性の半数は従来の濃いインクのタトゥーを用い、半数は紫外線を当てたときだけ見える蛍光タトゥーを用いた。見えないタトゥーを使用した女性では、治療1カ月後の時点で自分の身体についての感じ方が改善した比率が56%であったのに対し、濃いインクのタトゥーを用いた女性では14%であることがわかった。治療の精度は両群で同等だった。この知見は、先ごろ開催された英国立がん研究所(NCRI)会議で発表された。

研究著者である英王立マーズデン病院(ロンドン)のSteven Landeg氏は、「この結果から、濃いインクのタトゥーの代わりに蛍光タトゥーを提案することにより、治療後に一部の女性が自分の身体に対して抱く否定的な感情を改善できる可能性が示唆される」と述べている。「身体イメージは主観的なものであり、濃いインクを用いた放射線療法用タトゥーによる影響は患者によってさまざまである点を忘れてはならないが、今回の結果により、将来的にこの選択肢が放射線療法を受ける患者にとって実行可能なものとなることを期待している」と、同氏は付け加えている。

なお、学会発表された研究のデータおよび結論は通常、ピアレビューを受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。(HealthDay News 11月4日)

2014年11月11日火曜日

脱水気味か!?

参照したサイト
そういえば、今日は水分補給が少ないorz

2014年10月7日火曜日

<日本人を対象とした研究>閉経状況別の肥満と乳がんの関連性

肥満で乳がんのリスク最大2.25倍に - 国立がん研究センターが発表
 [2014/10/07]

国立がん研究センターは10月7日、日本人を対象とした研究で、肥満と閉経状況別の乳がんの関連性について確認したと発表した。

同成果はがん予防・検診研究センターの笹月静 予防研究部長らの研究グループによるもので、欧州のがん専門誌「Annals of Oncology」にて発表された。

今回の研究では18万人以上のデータを解析し、肥満指数(BMI)と乳がんとの関連を閉経状況別に推定した。平均約12年の追跡期間中に乳がんになった1783人について、診断時の状況に応じて閉経前乳がんと閉経後乳がんに分類し、BMIによる乳がんリスクを比較した。

その結果、閉経前後ともにBMIが大きくなると乳がんリスクが高くなり、閉経前ではBMI最大群(30以上)でのリスクは基準値に(23以上25未満)の2.25倍だった。一方、BMIが低いほど閉経後ではリスクも低く、閉経前では基準グループと同程度のリスクだった。

BMIと乳がんリスクの関連性については、これまで主に欧米の研究成果から、閉経後の乳がんではBMIが大きなリスクとなることが示されており、逆に閉経前の乳がんでは予防的であるという弱い関連が報告されている。しかし、アジア人においてBMIと乳がんの関連がどのようになっているのか、特に閉経前の乳がんとの関連性は明らかにされていなかった。

今回の結果によって、乳がん予防の観点からはやせているほうがリスクが低いことが示されたが、やせすぎると免疫力が弱まり、感染症を引き起こすほか、血管壁がもろくなり脳出を起こしやすくなる。そのため、同研究センターではBMIの目標値として21以上25未満を推奨している。




2014年9月2日火曜日

「薬局での一部負担金をクレジットカードで支払うなんてけしからん!」?

(薬剤師さん向け記事)

スマホでカード決済ができる時代
2014/9/2

 一昔前まで、「薬局での一部負担金をクレジットカードで支払うなんてけしからん!」という風潮もありましたが、今となってはそんな声もどこ吹く風。病院や診療所の支払いでもクレジットカード決済ができるようになってきた中、カード決済を導入する薬局も増えてきているのではないでしょうか。

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そんな風潮があったんだ!? ・・・けしからん、って何故なんだろう?

2014年8月31日日曜日

女性ホルモンの一種エストロゲンの量が少なくなることで、食べ過ぎにつながっている!?

気がついたらいつも何か食べている、あるいはつい”ドカ食い”してしまうという女性。もしかしたらそれはホルモンの影響を受けているのかもしれない。

研究者によると、女性ホルモンの一種エストロゲンの量が少なくなることで、食べ過ぎにつながっていることがわかった。そして、ホルモン療法でそうした過食をコントロールできるようになるかもしれないという。

▼エストロゲン少ないと過食に

米テキサス州ベイラー医科大学のYong Xu助教授らがメスのマウスで実験を行い、エストロゲンの増減が食行動に与える影響を観察した。

それによると、エストロゲンレベルが高いマウスほど”ドカ食い”は少なく、逆にエストロゲンレベルが低いと頻繁にたくさんの量を食べる傾向が認められた。Xu助教授によると、ヒトでは月経不順の女性ほど過食に陥る傾向があるのだという。

乳細胞を刺激しないホルモン開発

では、ホルモンを補充すれば過食が止まるのでは、と思う人もいるだろう、しかし、それほど単純な話ではない。というのも、女性ホルモンが増えると乳がんのリスクが高まる恐れがあるからだ。

そこで、Xu助教授はインディアナ大学のチームと共同で、食欲をコントロールするのに役立ち、なおかつ乳細胞にエストロゲンが届かないような物質「GLP−1エストロゲン」を開発した。

開発ホルモン投与で食欲正常化

この物質をマウスに投与したところ、神経伝達物質の一種セロトニンがある脳内部位にエストロゲンが届いたことが確認された。セロトニンは食欲を正常化する作用があり、つまりこのGLP−1投与で過食のコントロールが期待できるという。

実際、GLP−1を投与されたマウスでは過食行動がみられなくなったという。このGLP−1活用はまだ研究段階だが、将来的には過食の女性への処方を視野に入れているようだ。

出典元:Estrogens stimulate serotonin neurons to inhibit binge-like eating in mice - Journal of Clinical Investigation(8/26/2014)

2014年8月29日金曜日

微熱

昨日、数日来不調を感じていたので、もしかして・・・と思って体温を測ったら、37.2度あった。気温が30度ほどだったので気が付かなかったw。

今日は体調が良かったけど、一応測ってみたらやっぱり37.2度あった。気温が28.5度と低くなったので気が付かなかったw。

とはいえ、気になるな~

***
9/1追記
今日は36.6度だった。いつの間に下がったんだろう・・・^^;。土日(8/30, /31)は楽だったから、その頃にはすでに下がっていたんだろうな。

2014年7月8日火曜日

妊婦に抗がん剤、子どもに影響なし 乳がん患者を調査

2014年7月 8日

胎児への悪影響を心配して日本では実施することが少ない妊娠中の乳がん患者への抗がん剤治療で、妊娠5カ月以降なら治療をしても赤ちゃんの健康には影響がなかったとする報告を聖路加国際病院(東京)がまとめた。14年間で34人が誕生し、これまで障害や異常などは確認されていないという。11日に大阪市で開かれる日本乳癌(にゅうがん)学会学術総会で発表される。

 20~40代で乳がんになる女性は年間約2万人と、乳がん全体の27%を占める。妊娠中にがんが見つかる人も増えており、治療優先で中絶が選択されたり、妊娠中は治療せずにがんが進んだりすることも少なくないとみられる。

 海外では一部の抗がん剤なら胎児に影響がないという報告も多く、積極的に治療をしている。日本乳癌学会の指針も、胎児が薬の影響を受けやすい妊娠4カ月以前は行うべきではないとしているが、5カ月以降は「必要と判断される場合には検討してもよい」とある。だが、がん専門病院には産科がないこともあり、聖路加国際病院に全国から妊娠中の患者が訪れるという。

2014年7月3日木曜日

エーザイ、抗がん剤「ハラヴェン」の転移性乳がんへの適応拡大で欧州委から承認取得

Tokyo, 2014年7月3日 10時20分   -  (JCN Newswire)   -   エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役 CEO:内藤晴夫)は、このたび、抗がん剤「ハラヴェン(R)」(一般名:エリブリンメシル酸塩)に関して、転移性乳がんに対するより早期からの治療貢献を可能とする「1 レジメン以上の前治療歴のある局所進行性・転移性乳がん(術後または再発後にアントラサイクリン系及びタキサン系抗がん剤による治療歴を有すること)」への適応拡大について、欧州委員会(European Commission)より承認を取得しましたのでお知らせします。

本剤は、EU では現在、アントラサイクリン系およびタキサン系抗がん剤を含む 2 レジメン以上の前治療歴のある局所進行性・転移性乳がんの適応で承認を取得し、販売されています。今回の承認により、前治療歴が 2 レジメン以上に限られた現在の適応から、より前治療歴の少ない転移性乳がん患者様へ適応が拡大され、EU 各国の転移性乳がん患者様に対して、より早期から本剤が貢献できるようになります。

本承認は、アントラサイクリン系及びタキサン系抗がん剤を含む 2~5 レジメンの前治療歴のある局所進行性・転移性乳がん患者様を対象とした主治医選択薬との比較臨床第III相試験(305 試験:EMBRACE 試験)と、アントラサイクリン系およびタキサン系抗がん剤による前治療歴を有する局所進行性・転移性乳がんの患者様を対象としたカペシタビンとの比較臨床第III相試験(301試験)の合計1,800症例を超える、乳がんを対象とした臨床試験では最大規模となるエビデンスに基づくものです。

欧州では、毎年30万人以上の女性が乳がんと診断され、3分の1の患者様が転移性乳がんに進行しています。1,2
乳がんの診断・治療は、新しい技術や薬剤の開発により年々進歩していますが、転移性乳がん治療においては、依然として高いアンメット・メディカル・ニーズが存在しています。当社は、引き続き本剤が患者様価値増大に結びつくべくエビデンスの創出に邁進し、がん患者様とそのご家族、さらには医療従事者の多様なニーズの充足とベネフィット向上により一層貢献してまいります。

2014年7月2日水曜日

閉経前ホルモン陽性乳癌女性の治療に卵巣機能抑制併用療法の新たな選択肢

閉経前ホルモン陽性乳癌女性の治療に卵巣機能抑制併用療法の新たな選択肢(ASCO2014)/NCIプレスリリース
2014年6月1日

乳癌治療に用いる薬物エキセメスタンは、乳癌予防に広く用いられるタモキシフェンと比較して、術後の卵巣機能抑制療法と併用する閉経前女性において、乳癌再発の予防効果が高い。これは、ホルモン治療に感受性のある早期乳癌の女性を対象とした試験の結果である。

この試験は、International Breast Cancer Study Group(IBSCG)が、Breast International Group(BIG)、North American Breast Cancer Groupと共同で実施し、米国国立癌研究所(NCI)、IBSCG、製薬企業Pfizer社、Ipsen社の研究助成を受けた。TEXT(Tamoxifen and Exemestane Trial)試験とSOFT(Suppression of Ovarian Function Trial)試験を併合解析した結果が、シカゴで開催された2014年米国臨床腫瘍学会(ASCO)の年次総会(late breaking abstract #1)およびNew England Journal of Medicine誌電子版で発表された。

エキセメスタンと卵巣機能抑制の併用療法は、タモキシフェンと卵巣機能抑制の併用療法と比較して、全浸潤癌のリスクを28%低下させ、浸潤性乳癌再発リスクを34%低下させた。試験開始から5年時点で乳癌無再発の女性は、エキセメスタン+卵巣機能抑制群で92.8%、タモキシフェン+卵巣機能抑制群で88.8%であった。

エキセメスタンなどのアロマターゼ阻害薬による治療は、閉経後乳癌患者において、タモキシフェンによる治療よりも利益が得られることが以前から示されていた。アロマターゼ阻害薬は、アロマターゼ酵素のはたらきを妨げることによって、女性ホルモンの一種であるエストラジオールの形成を阻害する。TEXT試験とSOFT試験はいずれも、エキセメスタンと卵巣機能抑制療法の併用によって、この利益を閉経前女性にも拡大できるかどうかを確かめるために実施された。ホルモン感受性乳癌は、エストロゲンまたはプロゲステロンの受容体が陽性である乳癌と定義される。米国では50歳未満の女性で診断される乳癌の79%を占めている。

第3相ランダム化試験であるTEXT試験とSOFT試験には、2003年11月から2011年4月の間に、27カ国の500を超える医療施設で、閉経前のホルモン受容体陽性の早期乳癌患者がそれぞれ2,672人と3,066人登録された。2つの試験で計4,690人の患者が、エキセメスタン+卵巣機能抑制療法群とタモキシフェン+卵巣機能抑制療法群に無作為に割り付けられ、5年間の術後療法を受けた。

SOFT試験には、タモキシフェン単独の第3の治療群がある。この群は2014年末に解析される予定である。一部の患者は、術後補助療法の一環として化学療法も受けている。

TEXT試験とSOFT試験は、相補的にデザインされている。2つの試験は、同時期に同じ一般母集団を対象に実施され、2つの治療群が共通している。両試験を併合解析することにより、個別の場合よりも早く、医師と患者に結果を提示することができた。

卵巣機能抑制療法は、閉経前女性の乳癌治療に何十年も用いられてきたが、他の療法と併用した場合に利益の上乗せがあるかどうかは依然としてわかっていない。両試験では、卵巣機能抑制療法をタモキシフェンまたはエキセメスタンと併用した。閉経前女性でエキセメスタンなどのアロマターゼ阻害薬を使用するには、卵巣が産生するエストロゲンを抑制する必要がある。TEXT試験とSOFT試験では、卵巣機能抑制療法として、月1回のGnRH作動薬triptorelin(トリプトレリン)注射、両側卵巣の外科的切除、または卵巣への放射線照射を行った。

「この結果は、閉経前のホルモン感受性乳癌女性に、新たな治療の選択肢をもたらします。アロマターゼ阻害薬はこれまで閉経後の女性のみに推奨されていました。この研究の結果、卵巣機能抑制との併用によって、閉経前の女性にも有効であることが示されました」と、本研究の共同責任者であり、Oncology Institute of Southern Switzerland(スイス、Bellinzona)乳腺科医長のOlivia Pagani医師は述べています。「私も一臨床医として、閉経前患者に卵巣機能抑制による補助療法を日々勧めていますが、この結果を受けて日常の診療が変わることでしょう。今後はタモキシフェンではなく、アロマターゼ阻害薬と卵巣機能抑制療法を併用するつもりです」。

NCIの支援により、米国とカナダのTEXT試験およびSOFT試験の参加がNorth American Breast Cancer Group (NABCG)を通じて実現した。TEXT試験とSOFT試験の全患者登録のうち、3分の1はNABCGが関与し、半数はBreast International Group(BIG)ネットワークに加盟する腫瘍学共同研究グループが関与した。Alliance(旧CALGB)が主導する北米の参加によって、試験への患者登録が加速され、早期に結果が得られるため、今回のような日常診療を変える結果が迅速に現場に還元される。

再発率低下に対する治療の有効性の評価に加えて、患者の申告による生活の質の評価と、医師からの副作用の報告が5年間収集された。「この2つの治療法で、患者の申告による生活の質の結果と、重篤な副作用の頻度が全般的に同様であったことは安心すべきです」と試験の共同責任者であり、Tom Baker Cancer Centre(カナダ、カルガリー)の腫瘍内科医、カナダ国立癌研究所(NCIC)臨床試験グループのBreast Disease Site Committee執行役員であるBarbara Walley医師は述べている。「この閉経前女性の母集団で報告された副作用は、タモキシフェンとアロマターゼ阻害薬が多くの人に処方されている閉経後女性の場合と同様です」。本試験に参加している閉経前女性を継続して追跡し、長期予後、忍容性、副作用を評価する。

「本試験の閉経前女性の場合のように、患者の転帰を改善する研究において、北米内さらにはその枠を超える国際的な協力が重要であることが明確に示されました」と、ハーバード大学医学部教授であり、ダナファーバー癌研究所(ボストン)に設置されたIBCSG Statistical Center(統計センター)責任者であるRichard Gelber博士は述べている。「このNCIとIBCSGの連携は、今後臨床研究を進めていく上での一つの成功モデルとなります」。

2014年6月25日水曜日

久しぶりに採寸

▼左腕

腕のつけ根 23.2
上腕最大径 22
前腕最大径 19.3
手首回り 14.2
手の甲から手のひらまでの1周 16.5

▼ウェスト 60.5

▼右脚

太腿のつけ根 46.3

2014年6月22日日曜日

乳癌骨転移患者に対する低頻度(3カ月に1回)のゾレドロン酸投与

乳癌骨転移患者に対する低頻度(3カ月に1回)のゾレドロン酸投与は、標準的な月1回投与と比較して安全であり同等の有効性が得られる/米国臨床腫瘍学会(ASCO)
2014年6月22日

OPTIMIZE-2試験(ランダム化第3相試験)の新たな結果から、乳癌骨転移患者はゾレドロン酸による月1回の治療を1年継続した後に、その投与頻度を3カ月に1回へ安全に減らすことができると示唆されている。投与頻度を落としても、骨転移に起因する合併症を低減させる上で、月1回の投与と同等の効果が得られ、ゾレドロン酸投与で稀に伴う重篤な副作用のリスクを低減できることが明らかにされた。

「ゾレドロン酸のようなビスホスホネート製剤を併用することによって骨転移患者の医療は劇的に改善されてきましたが、長期の投与から顎骨壊死や腎障害といった重篤な副作用のリスクが発生しています」と試験の筆頭著者でMDアンダーソンがんセンター(テキサス州、ヒューストン)内科教授のGabriel N. Hortobagyi医師は言う。 「われわれは、投与回数を減らすことで重篤な副作用のリスクを低下できることに加え、わずらわしさや医療費といった患者の負担を軽減するという効果が得られることを明らかにしました」。

ゾレドロン酸は、骨折や脊髄圧迫など骨転移に起因する合併症を減少させるために繁用される。ほとんどの医師が、骨転移と診断してから1年間はゾレドロン酸を4週間毎に投与する。その治療は無期限に継続すべきであると考えられているが、医師らは副作用のリスクに対する懸念を持ち続けてきた。現在のところ、研究が限定的であり、1年経過後の治療の最適なスケジュールをエビデンスに基づいて示すガイドラインはない。

OPTIMIZE-2 試験では、ゾレドロン酸の月1回投与をほぼ1年間継続した骨転移乳癌の女性403人を対象に、その後の1年間、ゾレドロン酸を1カ月毎に投与する群または3カ月毎に投与する群にランダムに割り付けた。研究者らは骨関連事象発現率、つまり長骨および椎骨の骨折、脊髄圧迫、その他骨転移に起因する治療介入といった骨関連事象が1つ以上みられた患者の割合を評価した。

骨関連事象発現率は2群間で同等であり(1カ月毎投与群の22%、3カ月毎投与群の23.2%)、低頻度の治療が1カ月毎の治療に劣ることはないことが示された。初回骨事象発生までの期間、骨代謝マーカーなど他の有効性判定指標値も2群間で同等であった。疼痛の程度、鎮痛薬の使用状況にも2群間で違いは認められなかった。しかし試験デザインが限定化されており統計学的な懸念があることから、OPTIMIZE-2試験の有効性データは慎重に解釈する必要がある。

総合的な安全性プロファイルおよび腎毒性において、ゾレドロン酸の2投与法間で顕著な違いはみられなかった。1カ月毎投与群で顎骨壊死が2症例報告されたが、一方の3カ月毎投与群では報告されなかった。 顎骨壊死は、顎骨の一部が弱体化し死滅する病態であり、骨の壊死部位には痛みが伴い、外科的摘出が必要になることがある。

この研究はNovartis Pharmaceuticals社から資金援助を受けている。

ASCOの見解

「骨折に対して、長期的な防御策を講じることが必要な転移性乳癌の女性は現在、有効性と安全性が損なわれることなく低頻度の間隔で、ビスフォスホート系薬剤の維持療法を選択できるようになったということです」とPatricia Ganz 医師(米国臨床腫瘍学会フェロー、米国臨床腫瘍学会専門委員)は述べた。

2014年6月17日火曜日

広がる「がん漢方」 症状や副作用を緩和

「がん漢方」という言葉をよく聞くようになった。全身にゆっくり作用する漢方薬を西洋医学の治療と併用することで、がんのつらい症状や抗がん剤などの副作用を緩和し、患者の生活の質(QOL)を高めようという取り組みだ。臨床の現場だけでなく、エビデンス(科学的根拠)を確かめる研究も少しずつ増えてきた。 

 愛知県がんセンター(名古屋市千種区)の循環器科部の外来。心臓の持病で通院中の女性(70)が、「腰が痛くなったり、足がつったりする」と訴えた。

 部長の波多野潔さん(59)はゆっくり話を聴いた後、「足の痛みに効く芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)という薬を、一週間ぐらい試してみようか」と勧めた。

 波多野さんは十年ほど前から、漢方薬の効果に注目し、がんのつらい症状や副作用の軽減、転移の防止などに取り入れている。

 がんによる食欲不振にしばしば処方するほか、精神的な落ち込みにも使う。精神科の薬より、患者の抵抗感が少ないという利点もある。

 抗がん剤のイリノテカンによる特有の下痢、口内炎には、半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)などがよく効くことが確かめられている。放射線で唾液腺がダメージを受け、口内が乾燥する場合は白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)が有効だ。

 大腸がんは肝臓、肺などに転移しやすいが、その予防に「三大補剤」と呼ばれる十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)、補中益気湯(ほちゅうえききとう)、人参養栄湯(にんじんようえいとう)を、よく使う。

 「治療の状態に合わせて、副作用を綿密にチェックしながら、使い分けたり、併用したりしている。西洋医学の薬との相性にも注意が必要。十年間、がん専門で実践してきたので、その強みがあると思う」と波多野さんは話す。

      ◇

 がん診療に漢方薬を使う医師、病院は全国的にも増えている。国立がん研究センター研究所(東京都中央区)で、治療開発の分野長を務める上園保仁(やすひと)さん(55)らのチームは、国内のがん治療病院などの緩和ケアに携わる医師に二〇一〇年、アンケートを実施。その結果によると、56・7%にあたる三百十一人が回答し、「がん治療に漢方薬を使っている」という人が64%に達した。

 使用する症状は、しびれ・感覚が鈍くなる、便秘、食欲不振・体重減少の順で、いずれも抗がん剤の代表的な副作用だ。使用されている漢方薬は、大建中湯(だいけんちゅうとう)(モルヒネ投与による便秘など)、牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)(しびれ)、六君子湯(りっくんしとう)(食欲不振)-の順で多かった。

 緩和ケアとは末期がんの治療に限らず、患者の状態を改善させ、生活の質を向上させる取り組みのこと。上園さんは「全身に作用する漢方薬は、がん治療の副作用や、痛み、衰弱を抑えることが期待できる」と話す。その効果を科学的に実証するため、一〇年にスタートした国の研究班の代表を務めている。

 例えば膵臓(すいぞう)がんの抗がん剤・ゲムシタビンを使用すると、食欲不振や体重減少という副作用が出る。これに対する六君子湯の効果を検証する臨床研究など、「漢方薬がなぜ効くのか、本当に効くのか?」を具体的に解明する研究だ。

 上園さんは「漢方薬のエビデンスを医師に伝えるキャラバンを一昨年、全国各地で開催し、とても大きな反響があった。今後は薬剤師や看護師など、医療スタッフ向けの勉強会にもつなげていきたい」と話す。

2014年6月11日水曜日

首相 混合診療拡大へ法整備図る

2014年(平成26年)6月11日[水曜日]

安倍総理大臣は、健康保険が適用される診療と適用されない診療を併用する「混合診療」を行っている東京都内の病院を視察したあと、記者団に対し「混合診療」の適用範囲を拡大するためなどに必要な法案を来年の通常国会に提出する考えを示しました。

安倍総理大臣は、健康保険が適用される診療と適用されない診療を併用する「混合診療」が行われている東京都内の病院を訪れ、医師から診療方法の説明を受けたり、手術の様子を視察したりしました。

このあと、安倍総理大臣は記者団に対し「困難な病気と闘っている患者が『費用をなるべく軽減しながら先進医療を受けたい』という強い思いを持っておられることをしっかりと受け止めなければならない」と述べました。

そのうえで、安倍総理大臣は「患者の申し出に基づいて保険診療と先進医療などの併用治療を可能とする新たな制度を創設し、より身近な医療機関でも先進医療を受けられる柔軟な仕組みにしていく」と述べ、混合診療の適用範囲の拡大や治療が受けられる病院を増やすために必要な法案を来年の通常国会に提出する考えを示しました。

政府は今月下旬に閣議決定する新たな成長戦略の柱の一つとして、混合診療の適用範囲の拡大を盛り込む方向で調整を進めています。

新たな制度とは

安倍総理大臣が必要な法案を提出する考えを示した新たな制度は、患者からの申し出を受けて、いわゆる「混合診療」の適用範囲を拡大し、速やかに実施できるようにするものです。

具体的には、国内で実績のない診療や薬については、患者からの申し出を受けて、臨床研究の拠点となる大規模な病院が国に申請を行います。

そして国は、専門家による会議で安全性と有効性を検討し、診療や投薬を認めるかどうかを判断するとしており、判断する期間を現在の半年程度から原則6週間にするとしています。

また、国内で実績がある診療や薬については、患者からの申し出を受けて病院が申請を行い、臨床研究の拠点となる大規模な病院が原則2週間で認めるかどうかを判断するとしています。

政府は、こうした取り組みによって「混合診療」を行う医療機関が増え、患者の選択肢を広げることにつながるとしています。

「お薬手帳断れば20円安い」Twitterで拡散!?

軽い病気の人が断っているのかな、たぶん。がん患者である私はその有用性を感じているし、私自身これで在薬チェックもしているから、断るなんて怖くて出来ないw

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お薬手帳を断れば、薬局の支払いが20円安くなる――。診療報酬が4月に改定されたことを受け、Twitterでそんな情報が広がっている。

 「お薬手帳を断れば、薬局の支払いが20円安くなる」。医療の値段である診療報酬が4月に改定されたことを受け、インターネットの短文投稿サイト「Twitter」でそんな情報が広がっている。

 薬剤師などの医療従事者からは「自分の健康を守る手帳なのに、安くするために断るという考え方はなじまない」と戸惑いの声が上がるが、現場では手帳を断る患者が増えている。

 薬局側は「有用性を分かってもらうことが大切」として説明を強化し、理解を広げたい考えだ。

 お薬手帳は医療機関で処方された薬の名前や処方量などをシールで貼るなどして記録、管理する手帳。他の医療機関で出された薬との飲み合わせや過去の処方薬の確認ができることから、全国の薬局で取り入れられている。

 東日本大震災では、カルテを流された医療機関もあったが、患者が持参したお薬手帳が診療の大きな助けとなった。

 従来、手帳への記載などで薬局が得られる「薬剤服用歴管理指導料」は410円だったが、4月の診療報酬改定で手帳が不要な人への指導料は340円に減額された。3割負担だと自己負担額は20円安くなる計算だ。

 ネット上では、「手帳を断れば20円安くなる」「20円を得るため、薬局は勧めてくるので断ろう」といった情報が拡散。逆に、「20円のために健康を危険にさらすのか」などの反論も続出している。

 厚生労働省は「安くなる裏技のように情報が広がるのは好ましくない」とするが、「患者側が手帳にメリットを感じていないから、そういう意見が出るのではないか」と医療者側にも責任があるとする。

 こうした事態に薬局も対応に本腰を入れ始めた。全国で調剤薬局を展開する「アイセイ薬局」(東京都千代田区)によると、お薬手帳を断る患者は1割ほどで、4月以降増えているという。

 同社は「診療報酬が改定されたのは、お薬手帳の運営が形骸化しているという批判があったからだろう」と分析。患者に手帳の有用性を説明するため、薬の飲み合わせによる副作用事例などをまとめた冊子を作成中だ。

 こうした動きは多くの薬局に広がり、ポスターを掲げたり、チラシを配布したりする店舗も。アイセイ薬局の担当者は「有用性をアピールするだけでなく、手帳が不要な場合は安くなることも伝え、患者の信頼を得ていきたい」と話している。

2014年6月9日月曜日

MarketReport.jp「主要先進国における乳癌治療市場」調査レポート販売

2014年6月9日
H&I株式会社グローバルリサーチ事業部

***** MarketReport.jp「主要先進国における乳癌治療市場」調査レポート販売 *****

H&I株式会社(本社:東京都江東区)は、この度、GBI Researchが発行した「主要先進国における乳癌治療市場」調査レポートの販売をwww.MarketReport.jpサイト(取扱いレポート数:9万件以上)にて開始しました。国内企業の海外進出、新規ビジネス機会発掘、競合他社分析などに役立つ情報レポートです。

***** レポート概要 *****
◆日本語タイトル:主要先進国における乳癌治療市場(~2020)
◆英語タイトル:Breast Cancer Therapeutics in Major Developed Markets to 2020 - Approval of Novel Therapies to Support Continued Dominance of HER2 Targeted Drugs
◆商品コード:GBIHC332MR
◆発行会社(調査会社):GBI Research
◆発行日:2014年6月1日
◆ページ数:106
◆レポート言語:英語
◆レポート形式:PDF
◆納品方法:Eメール
◆調査対象地域:グローバル

***** レポート目次(一部抜粋) *****
1 Table of Contents 5
2 Breast Cancer Therapeutics in Major Developed Markets to 2020 ? Introduction 9
3 Breast Cancer Therapeutics in Major Developed Markets to 2020 ? Marketed Products 20
3.1 Key Marketed Products 20
3.1.1 Herceptin 20
3.1.2 Halaven 21
3.1.3 Avastin 22
3.1.4 Gemzar 23
3.1.5 Taxotere 23
3.1.6 Tykerb 24
3.1.7 Femara 25
3.1.8 Aromasin 26
3.1.9 Zoladex 26
3.1.10 Arimidex 27
3.2 Heat Map for Marketed Products 27
4 Breast Cancer Therapeutics in Major Developed Markets to 2020 ? Pipeline Analysis 29
4.1 Overall Pipeline 29
4.2 Pipeline Analysis by Molecule Type 31
4.3 Pipeline Analysis by Mechanism of Action 33
4.4 Clinical Trials ? Failure Rate 35
4.5 Clinical Trial Size 37
4.6 Duration 39
4.7 Promising Drug Candidates in Pipeline 40
4.7.1 Buparlisib 40
4.7.2 Palbociclib 40
4.7.3 Afatinib dimaleate 40
4.7.4 Entinostat 41
4.7.5 Neratinib 42
4.7.6 BMN-673 42
4.7.7 Etirinotecan pegol 42
4.7.8 MetmAb (onartuzumab) 43
5 Breast Cancer Therapeutics in Major Developed Markets to 2020 ? Market Forecast to 2020 44
...

2014年6月8日日曜日

不必要な画像診断を避け、乳癌リスクを低減/カリフォルニア大学サンフランシスコ校

2012年6月11日
News Office: Jason Bardi (415) 502-6397

アメリカ医学研究所(IMO)は、乳癌を引き起こす可能性のある環境リスク(殺虫剤、化粧品、家庭用化学物質および水用ボトルに使用されるプラスチックなどの危険因子)に関して今までに発表されたすべての科学的データを照査した報告書を昨年12月に発行した。

乳癌対策の支援財団Susan G. Komen for the Cureの委託を受けて作成されたIOMの報告書で、これらの因子への曝露が乳癌を引き起こすと確証またはその可能性を排除するには十分なデータがなかったと結論づけた。しかし、この報告書により明確にリスクを増加させる2つの因子が特定された。それは閉経後のホルモン補充療法と画像診断による放射線被曝である。

  最近のArchives of Internal Medicine誌の特集記事で、画像診断や、女性が乳癌のリスクを最小限に抑えるためにすべきことに関するIMO報告書の調査結果について詳しく述べられている。
  「IOMにより明らかになった、女性が乳癌のリスクを下げるために唯一行うことができることとは、不必要な画像診断を避けることです」とカリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)の放射線学、生物医学画像学および疫学、生物統計学の教授であり、この記事の著者、またIOM報告書に貢献したRebecca Smith-Bindman博士は述べた。

Smith-Bindman博士は、CT検査および他の画像診断は、医学に革命をもたらしており命を救うこともできるが、女性はすべての放射線検査についての意思決定プロセスにおいて担当医に関わってもらい、その必要性と安全性について説明を求める必要がある、とし、「リスクとベネフィットについて理解すべきであり、担当医にその説明をしてもらうことが大切です」と述べた。

また、患者が担当医に以下のような質問をすることを提案した。

  • この検査は絶対に必要ですか?
  • それは今必要ですか?
  • 他に代わりになる検査はありますか?
  • どうすれば検査が可能な限り安全な方法で行われることを確認することができますか?
  • 検査結果によって、病気の治療が変わるのでしょうか?
  • 専門家の診断を受けてから、検査を受けても良いですか?


Rebecca Smith-Bindman博士の記事「乳癌の環境因子および画像診断による放射線/アメリカ医学研究所の研究結果」は2012年6月11日号のArchives of Internal Medicine誌に掲載された。

UCSF医療センターについて
UCSF医療センターは、米国の病院トップ10に常にランクされている。革新的な治療、最新の技術、医療専門家と研究者間の協力、心のこもった患者ケアチームが評価されており、UCSF医療センターはカリフォルニア大学サンフランシスコ校の学術的医療センターの役割を果たしている。同センターの国内随一のプログラムは、小児医療、脳神経疾患、臓器移植、女性のための医療および癌が含まれる。同センターはUCSFにおける独立経営の事業として運営されており、患者ケアのための運営費をまかなう収入を得ている。

2014年6月6日金曜日

遺伝性乳がん診療…認定制度、今秋にも創設

日本産科婦人科学会、日本乳癌がん学会など5学会は、「遺伝性乳がん・卵巣がん」を診療できる医療機関を認定する制度を、今秋にも創設することを決めた。

 国内では毎年数千人が発症するが、診療体制が不十分だった。認定制度で質の高い医療機関を増やし、早期発見・早期治療で死亡を減らしたい考えだ。

 遺伝性乳がん・卵巣がんは、特定の遺伝子「BRCA1、2」の変異が遺伝することで起こる。米女優アンジェリーナ・ジョリーさんが検査でこの変異を持つとわかり、昨年5月、乳がんの発症を予防するために両方の乳房を切除したことを公表、話題になった。

 日本でも、乳房や卵巣・卵管の予防切除を行う医療機関が広がりつつある。しかし、遺伝子検査やカウンセリングなどの総合的な診療体制は不十分で、乳腺外科、産婦人科など関係する診療科の連携も課題になっていた。

 このため、新たに作る認定制度では、〈1〉遺伝や乳がん、卵巣がんの専門医が常勤しているか〈2〉遺伝子検査ができるか〈3〉変異があるとわかった人への経過観察ができるか――などを審査基準とし、診療レベルを3段階で評価してそれぞれ認定する予定だ。各学会が加盟する日本医学会が総括する方向で調整している。

 青木大輔・慶応大産婦人科教授は「この制度で質の高い診療ができる施設をはっきりさせ、不安を抱える患者が相談できるようにしたい」と話している。

 遺伝性乳がん・卵巣がん 乳がんの5~10%を占め、親から子へ50%の確率で遺伝する。通常より若い年齢で、両方の乳房に繰り返し発症しやすくなるのが特徴。特定の遺伝子(BRCA1、2)に変異があると、70歳までに56~87%が乳がんに、27~44%が卵巣がんにかかる危険性があると海外で報告されている。

(2014年6月6日 読売新聞)

2014年6月5日木曜日

キモ・ブレイン/ケモブレイン

乳がん患者が悩む“キモ・ブレイン”。治療法へ第一歩となるか
 JPN Manatee JPN Manatee

2014年5月27日、米国臨床腫瘍学会(ASCO)の正式機関誌であるJournal of Clinical Oncologyに掲載された論文によると、乳ガン治療の際に行われる化学療法が、女性の脳に影響を残すようだ。

▼化学療法の前後で脳の活動に変化

化学療法を受ける前と、化学療法が終了して4~6ヶ月後の乳がん患者18人の脳の動きをMRIで観察。行為ごとに脳のどの領域が動いているのかを調べた。すると、化学療法を受けたグループには、明らかな脳の活動の変化が見られたという。

一方、健常者と化学療法を受けていないがん患者の脳も、同じタイミングで観察したところ、目立った活動の変化は見られなかった。

今回の研究によって、「化学療法が脳に影響を与えること」「影響を与える脳の領域」が明らかになった。

▼“キモ・ブレイン”と呼ばれる症状とは

今回の研究成果は、今まで言われていた”キモ・ブレイン”と呼ばれる症状の一部を説明するものだと言われている。

“キモ・ブレイン”とは、化学療法を受けた後に頭がぼーっとして、「物忘れがひどくなる」「集中できない」「考え事ができない」といった問題を起こす症状だ。

8割ほどの女性は、1~2年ほどで以前の生活に戻れているが、「脳の活動の変化は10年後も続く」とカリフォルニア大学のSilverman 医師は語っている。

どうしてこのような症状を引き起こすのかについての研究は進んでおらず、解決策もないままだった。今回の研究が治療法への第一歩となることが期待されている。

HR陽性乳がん治療でタモキシフェンの10年投与が選択肢に

ASCO,術後ホルモン療法に関するGLを改訂

 米国臨床腫瘍学会(ASCO)は5月27日,ステージⅠ〜Ⅲのホルモン受容体(HR)陽性乳がんに対する術後ホルモン療法に関する臨床ガイドライン(GL)を4年ぶりに改訂したと発表した。この間に,抗エストロゲン薬のタモキシフェンによる治療を検討した複数のランダム化比較試験(RCT)において,従来の標準治療期間と比べてより長期の投与により再発や死亡のリスクが低減できるとの結果が示されたことを受け,改訂GLではタモキシフェンの投与期間を最長10年まで延長できるとの選択肢が示された。 (MT Pro記事よりコピペ m(_ _)m)

========== ========== ===========
【乳癌を正しく理解するために】より抜粋 全文を読むリンク

前略

ガイドラインに示された勧告の要点は以下の通りです。

・ホルモン受容体陽性の乳がんと診断された、閉経前または閉経期の女性には、術後ホルモン療法としてタモキシフェンを5年間投与し、その時点で引き続き閉経前であればタモキシフェンをさらに5年間投与し、閉経後であればタモキシフェンをさらに5年間投与するか、アロマターゼ阻害薬を5年間投与する。

中略

ホルモン療法を最長10年間受けることのリスクや、想定される有害事象について患者さんと医師がきちんと話し合うことは大切です。タモキシフェンを使用した患者さんの多くが有害事象を経験しますが、今回ASCOが検討対象にした臨床試験では、使用期間を延長しても新たな、または想定外の有害事象は発生しなかったということです。

まだ国内ではタモキシフェンの投与期間について十分な合意はできていません。しかし今回のASCOのガイドラインによって今後は再発リスクによって10年投与が標準になっていくのかもしれませんね。 全文を読むリンク

パスウェイ・ゲノミクスがOne for OneプログラムとともにBRCA1/2遺伝子検査サービスを開始

 米サンディエゴに拠点を置き、CLIAおよびCAPの認定を受けて遺伝子検査サービスを世界規模で提供している臨床ラボラトリーのパスウェイ・ゲノミクス・コーポレーションは本日、乳がん、卵巣がん、その他の種類のがんに関連のある遺伝子BRCA1およびBRCA2の変異を検出できるシーケンシングおよび欠失/重複解析の次世代検査サービスとして、BRCATrueTMの提供を開始したと発表しました。RCATrueは>99.99%もの感度と、業界で最も広いBRCA1/2のカバレッジを有しています。

BRCATrueはシーケンシングおよび欠失/重複解析の次世代検査サービスとして、乳がん、卵巣がん、その他の種類のがんに関連のある遺伝子BRCA1およびBRCA2の変異を検出できます。BRCATrueは ...
全文 http://www.zaikei.co.jp/releases/172903/

2014年6月3日火曜日

暑いな~

昨日: 頭痛と微熱、氷嚢で冷やす
今朝: なんだかフラフラ、、、でも頭痛は無い

この数日とっても暑いので、体がついていけないのか・・・?

2014年6月2日月曜日

肥満が乳癌死に独立した影響を与えるのは閉経前エストロゲン受容体陽性患者のみ

学会スペシャル:第50回米国臨床腫瘍学会
2014年5月30日~6月3日 Chicago

肥満が乳癌死に独立した影響を与えるのは閉経前エストロゲン受容体陽性患者のみ、70試験8万例の解析で明らかに

 肥満が乳癌死に対して、明確な独立した影響を与えるのは、閉経前でエストロゲン受容体(ER)陽性疾患のみであることが、早期乳癌の70試験8万例の解析によって明らかになった。5月30日から6月3日まで米国シカゴで開催されている第50回米国臨床腫瘍学会(ASCO)で、英国University of OxfordのHongchao Pan氏が報告した。

2014年5月29日木曜日

走る

運動不足解消のために走りたい。
モチベーションを保つために、またいくつかのマラソン大会に参加したい。

2014年5月28日水曜日

原発性乳癌の診断と経過観察にCA15-3とCEAは有用か。

対象患者
Ulm大学病院外科に入院した患者1,342例 (原発性乳癌134例,線維腺腫95例,良性疾患738例,乳癌以外の悪性腫瘍375例)

介入
術前,術後4カ月毎にCA15-3,CEA を測定し,腹部超音波,胸部単純X線,骨シンチグラフィ,マンモグラフィは1年毎に行った。

主要評価項目
感度,特異度,Fisher検定,Kruskal-Wallis検定。

結果
平均観察期間51カ月 (8~374カ月) で乳癌症例のうち205例が再発した。乳癌症例の31%,乳癌以外の悪性腫瘍の22%,良性疾患例の9%が術前のCa15-3が上昇していた。術前CEA の上昇は乳癌症例の26%に認められた。CA15-3の上昇と臨床病期に相関が認められ,CA15-3が50U/mL異常を示すのはStage I 0%,II 2%,III 13%,IV 73%であった。CA15-3はCEAより再発に対する感度が高く,再発症例205例中73%がCA15-3に異常を示し,CEAが異常を示したのは50%であった。

結論
CA15-3,CEAはスクリーニング,診断に用いるのには不十分であるが,再発の指標に関してはCEAよりCA15-3が優れている。

全文;URL> http://minds.jcqhc.or.jp/n/med/5/med0006/S0023663

「食べる量を減らすと乳がんが治りやすい」とマウス実験で明らかに

2014年05月28日 10時00分

ダイエット中の人に限らず、乳がんを克服したい人も食べ過ぎには注意した方が良いらしい。

◆摂取カロリーを減らすと治療効果が高まる

米トーマス・ジェファーソン大学のニコル・シモーヌ博士によると、放射線でがん治療をしている人は、食べる量をいつもより1/3減らすと治療効果が高まるという。

乳がんは40歳以下の若い世代にも珍しくなく、治療後の転移の危険性も高い。しかし低カロリー食にすると、特に進行の速いトリプルネガティブ乳癌が広がるのを阻止できることがわかった。

腫瘍の周りの組織を固める
食事量を減らすと腫瘍を取り囲む組織が強固になり、がんの広がりを抑えることができるとみられている。

また、がん細胞がmiR 17/20という分子を作り出す働きを抑え、病気が広がっていく分子経路を断つことができる、とも。放射線治療と併せ、カロリー制限をしていたマウスのmiR 17/20が最も少なかったという。

◆治療中の太り過ぎは予後が悪い

一般的な乳がん治療では、腫瘍が広がるのを抑えるためのホルモン療法と、化学療法の副作用を和らげるためにステロイドが用いられる。

治療による代謝の変化により、多くの患者が治療1年目で4キロ前後体重が増えるそうだ。

しかし太り過ぎは乳がんの治療効果を低下させ、「治療中に体重が増えた人は予後が芳しくない傾向にある」とのデータもある。

「がん治療を行っている女性が体重を気にするべきなのはこのため」と同博士。実験の結果、食事の量を1/3減らしたマウスは転移性疾患にかかりにくかったという。

私の体重と体脂肪率の変化は、、、


2014年5月26日月曜日

採血の受付方法が変更されていた


血液検査; 腫瘍マーカー良好、運動不足&栄養不足 ^^;

◆腫瘍マーカー 低安定 ^^♪
術前 2011/5/2: CEA 3.1
術後 2011/6/2: CEA 2.3
抗がん剤後 2012/1/5: CEA 1.5
今現在 2014/5/26: CEA 1.2

術前 2011/5/2: CA15-3 14.6
術後 2011/6/2: CA15-3 12.0
抗がん剤後 2012/1/5: CA15-3 08.7
今現在 2014/5/26: CA15-3 05.8



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▼総蛋白;L
過度のダイエット、低栄養状態
ダイエット、低栄養状態のように、食事制限や食事の摂取量の不足によってアルブミンの原料となる蛋白が不足して作られなくなるために総蛋白は低い値となります。

▼尿素窒素;L
蛋白摂取量の減少
蛋白の摂取量が減少すれば、その分尿素の作られる量が減りますので、低い値となります。

▼クレアチニン;L
低い値を示す場合
長期間寝たきり状態

▼K;L
低カリウム血症とは
低カリウム血症が起こる原因は、①カリウムの摂取量が少ない、②体外に出ていくカリウムの量が多い、③血液中から細胞のなかにカリウムが取り込まれてしまう、の3つがあげられます。①の原因としては拒食症(きょしょくしょう)、大酒家など長期間にわたって偏った食生活をした場合です。

▼Cl;H
クロールは電解質成分の一つ。血中の陰イオンの多くを占めます。食塩(NaCl)の形で摂取されます。血液検査ではナトリウム(Na)との濃度とのバランスが重要な判断材料となります。

▼P;L
ビタミンD欠乏症など

▼赤血球数;L
▼ヘマトクリット;L
ヘマトクリット値が低ければ、血液が薄いということを意味しているので、貧血が疑われます。大部分は女性に多い鉄欠乏性貧血

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低栄養とはタンパク質不足!

実は低栄養かどうかは血液中の「アルブミン」という成分の量で判断されます。(3.5g/dl以下で低栄養、3.8g/dl以下で低栄養予備群)。アルブミンとはタンパク質の一種で、血液を流れている血清タンパク質のおよそ6割を占めています。つまり低栄養とは「タンパク質不足」のことなのです。タンパク質は体のさまざまな組織をつくる材料になります。そのため不足すると、
赤血球の材料が少ない→「貧血」
血管を作る材料が少ない→「脳出血」
免疫細胞を作る材料が少ない→「肺炎」「結核」
筋肉を作る材料が少ない→「転倒」→「骨折」
               などなど・・・・
低栄養はこのようにさまざまな病気につながってしまうのです。

▼アルブミン; 正常値内 4.0 (4.0 - 5.0)

2014年5月23日金曜日

両乳房切除、非合理的に選択され過ぎている 米調査

2014年05月23日 15:23 発信地:ワシントンD.C./米国

【5月23日 AFP】片方の乳房で乳がんと診断された女性は多くの場合、両方の乳房を切除すべきかどうかという難しい決断を迫られるが、両乳房切除が実際には不必要な人にまで選択されている可能性があるとの調査結果が、21日の米国医師会雑誌(内科学)「Journal of the American Medical Association Internal Medicine」に発表された。

 両乳房切除は、生存率の上昇にはほとんどつながらず、一般的には乳がんリスクが高いと考えられる女性のうち約1割に勧められる。

 高リスクとみなされるのは、BRCA1またはBRCA2という遺伝子に変異が認められた女性や、乳がんの強い家族歴がある女性で、その場合は片方に乳がんがあると診断された段階で再発防止のため両乳房の切除手術が提案される。

 調査によると、片方の乳房で乳がんと診断され両乳房の切除手術を受けた女性の69%は、乳がんの強い家族歴や遺伝的な危険因子は認められなかったという。

 調査結果をまとめた主執筆者、ミシガン大学医学大学院(University of Michigan Medical School)のサラ・ホーリー(Sarah Hawley)内科学助教授は、「女性は、がん再発の懸念から予防的対側乳房切除(Contralateral Prophylactic Mastectomy、CPM)を選ぶようだが、がんに侵されていない乳房を切除しても、がんのある方の乳房の再発リスクが下がるわけではない以上、これは合理的な選択ではない」と話している。

 この調査は、片方の乳房でステージI~IIIのがんと診断された1447人の米国人女性を対象に行われた。平均年齢は59歳だった。このうち両乳房を切除したのは約8%で、35%はがんが見つかった乳房だけを切除していた。また、がんの部位だけを除去する乳房温存手術を選択した人は58%だった。

 調査結果について米ボストン(Boston)にあるダナ・ファーバーがん研究所(Dana-Farber Cancer Institute)のショシャナ・ローゼンバーグ(Shoshana Rosenberg)氏とアン・パートリッジ(Ann Partridge)氏は、乳がんと診断された女性が直面する複雑な感情について指摘している。

「不安と恐怖にさいなまれて最善の決定がなされないことも確実にある」として、「CPMは臨床的適応がない、女性に対する過剰な治療とみなされるかもしれないが、一方で、一部の女性にとってはリスク軽減や審美的・心理的な観点からCPMこそ適切な選択となることもあり得る」として、「この問題をめぐるバランス」を見極めるため、医師と患者が意思決定のプロセスを共有すべきだと提言している。

2014年5月21日水曜日

乳癌リスクの低減を目的とした手術/NCIファクトシート

2014年5月21日 (原文日付 2013年8月12日)

キーポイント

両側の乳房を切除する予防的手術(予防的両側乳房切除術)によって、乳癌や卵巣癌の強い家族歴のある女性、BRCA1または BRCA2遺伝子に有害な(疾患の原因となる)突然変異をもつ女性、あるいはTP53やPTENのような他の遺伝子に一定の乳癌関連変異をもつ女性の乳癌リスクを低減することができます。

 閉経前の女性の卵巣および卵管を摘出する予防的手術(予防的両側卵管卵巣摘出術)によって、乳癌および卵巣癌のリスクが非常に高い女性ではリスクを低減することができます。

 片側の乳房で癌と診断され、乳癌のリスクが非常に高いことがわかっている女性では、もう片側の乳房(対側乳房)も同様に切除することを考慮する場合があります。

リスク低減手術は、乳癌リスクが増大しているもののリスクが最大ではない女性にとって適切な癌予防選択肢とは考えられません。しかし、このような女性ではリスクを低減するために、特定の薬剤の使用を選択する場合があります。

1.乳癌リスクを低減するにはどのような手術が有効でしょうか?

乳癌と診断されたことはないものの、乳癌リスクが非常に高いことが分かっている女性において、そのリスクを低減する目的で施行しうる手術は2種類あります。
   乳癌や卵巣癌の強い家族歴がある女性、BRCA1または BRCA2遺伝子に有害な(疾患の原因となる)突然変異を有する女性、または乳癌リスクと関連のあるTP53や PTENなどの他のいくつかの遺伝子の1つに浸透度の高い変異を有する女性では、乳癌を発症するリスクが非常に高くなります(質問3を参照)。
   最もよく実施されるリスク低減手術は、予防的両側乳房切除術(リスク低減両側乳房切除術)です。予防的両側乳房切除術には、乳頭を含む両側乳房を完全に切除する手術(全乳房切除術)、または乳頭はそのまま残しつつ乳房組織を可能な限り切除する手術(皮下乳房切除術または乳頭温存乳房切除術)があります。皮下乳房切除術では乳頭を温存するため、患者がその後に乳房再建術を受けることを選択すれば、より自然な外観を保つことが可能です。しかし、切除される乳房組織量は皮下乳房切除術より全乳房切除術の方が多いため、乳癌リスク低減率は全乳房切除術が最も高くなります(1)。
   たとえ全乳房切除術を行っても、将来に癌化するリスクがありうる乳房組織を全て切除できるとは限りません。乳房切除術施行時、通常は胸壁は切除しませんが、胸壁にはいくらかの乳房組織が含まれる可能性がありますし、また腋窩、鎖骨上方およびずっと下方の腹部において乳房組織が見つかることもあり、外科医がこれらの組織全てを切除することは不可能です。
   別の種類のリスク低減手術に予防的両側卵管卵巣摘出術があり、予防的卵巣摘出術と呼ばれることもあります。卵巣と卵管の摘出を行うこの手術は、乳癌リスクが非常に高い閉経前女性において単体でまたは予防的両側乳房切除術とともに実施できます。閉経前女性の卵巣を摘出すると、体内で産生されるエストロゲン量が減少します。エストロゲンはいくつかのタイプの乳癌の増殖を促進するため、卵巣を摘出することで体内のこのホルモンの量を減らせば、そうした乳癌の増殖速度を低下させられる可能性があります。

2. リスク低減手術はどのくらい効果的ですか?

  予防的両側乳房切除術は、BRCA1またはBRCA2遺伝子に有害な(疾患の原因となる)突然変異をもつ女性で乳癌リスクを95%以上、乳癌の強い家族歴のある女性で乳癌リスクを最高90%低減させることが示されています(2-5)。
   予防的両側卵管卵巣摘出術は、卵巣癌や乳癌を発症するリスクが非常に高い女性において、卵巣癌リスクを約90%、乳癌リスクを約50%低減させることが示されています(1)。

 3. 乳癌リスク低減手術が考慮されるのはどのような女性ですか?

  BRCA1またはBRCA2遺伝子に有害な突然変異を受け継いでいる女性、またはある別の遺伝子に変異があるために乳癌発症リスクが非常に高い女性では、こうしたリスクを低減させるために予防的両側乳房切除術や予防的両側卵管卵巣摘出術を考慮することがあります。
   2つの研究において、70歳までに乳癌を発症する推定リスクは、BRCA1遺伝子に有害な突然変異をもつ女性で55~65%、BRCA2遺伝子に有害な突然変異をもつ女性で45~47%でした(6、7)。乳癌の生涯リスクの推定値は、PTEN遺伝子の一定の変異によって引き起こされるカウデン病に罹患した女性で25~50%(8、9)またはそれ以上(10)であり、TP53遺伝子の一定の変異によって引き起こされるリー・フラウメニ症候群に罹患した女性で49~60%です(11)。(対照的に、平均的な米国人女性の乳癌の生涯リスクはおよそ12%です)。
  その他、乳癌リスクが非常に高い以下のような女性でも、予防的両側乳房切除術が考慮されることがあります。
乳癌の強い家族歴がある女性。
(両側乳癌の診断を受けた人、もしくは50歳前に乳癌の診断を受けた人が母親、姉妹や娘の中にいる女性、あるいは家系に乳癌または卵巣癌患者が複数いる女性など)
 乳癌の家族歴がある非浸潤性小葉癌(LCIS)患者。(LCISは乳房の小葉に異常な細胞が認められる状態です。癌ではありませんが、LCISに罹患した女性ではどちらかの乳房に浸潤性乳癌を発症するリスクが増大します。乳腺外科医の多くは、強い家族歴や他のリスク因子を持たないLCIS患者においては、予防的乳房切除術はあまりにも攻撃的すぎるアプローチであると考えています)。
 30歳までに胸部(乳房を含む)放射線療法を受けたことのある女性。たとえば、ホジキンリンパ腫に対する放射線療法を受けた場合など。[このような女性では生涯を通して乳癌を発症するリスクが高くなります(12)]。

 4.すでに乳癌と診断されている場合、リスク低減手術を受けることは可能ですか?

  可能です。片側の乳房で癌と診断された女性、特にリスクが非常に高いことが分かっている女性では、たとえもう片側の乳房(対側乳房)に癌の徴候がない場合でも同様の切除が考慮される場合があります。乳癌手術と同時に対側乳房を切除する予防的手術(予防的対側乳房切除術)を行うことで対側乳房の乳癌リスクが低減しますが(2、4、5、13)、こうしたリスク低減法が患者の長期生存の向上につながるかどうかはまだ分かっていません(13)。
  しかし、多くの場合、医師は片側の乳房に癌がある女性でも対側乳癌発症リスクが非常に高いという基準を満たさない場合は予防的対側乳房切除術には反対です。このような女性では、癌に罹患している乳房または対側乳房に新しい乳癌を発症するリスクは非常に低く(14)、癌治療の一環として術後補助化学療法またはホルモン療法を受けている場合では特にそうです(15、16)。
   乳癌女性のほとんどにおいて対側乳房の癌発症リスクが低いのであれば、リスクはあまり高くないと分かっているものの対側乳房の癌発症について心配がぬぐえない女性は、対側乳癌リスクをさらに低減するために手術以外の選択肢の考慮を望む場合もあるでしょう(質問7を参照)。

5. リスク低減手術に伴う可能性のある弊害はどのようなものですか?

  他の全ての大手術と同様、予防的両側乳房切除術および予防的両側卵管卵巣摘出術にも出血や感染症などの合併症または障害が起こる可能性があります(17)。さらに、両手術はともに不可逆的です。
  予防的両側乳房切除術による身体イメージの変化および正常な乳房機能の喪失が原因となって、女性の心理的健康が影響を受ける可能性もあります。この手術を選択する女性のほとんどは、自らの決断に満足していますが、それでもやはり身体イメージに関する不安や心配をもつ可能性はあります(18、19)。もっともよくある心理的な副作用として、外観に関する悩み、自らの女性性を感じることの困難さ, 性的関係に関する悩みなどがあります(19)。全乳房切除術を施行すれば、乳頭の感覚が失われるため、性的興奮が妨げられる可能性があります。
  予防的両側卵管卵巣摘出術を受けたことが原因でエストロゲン産生量が急に落ち込むと、閉経前女性において早期閉経が誘発されることになります(外科的閉経)。外科的閉経により、ほてり、不眠、不安および抑うつなどの更年期症状が急激に発症する可能性があり、中には重症となりうるものもあります。外科的閉経の長期的な影響には、性的欲求の低下、膣の乾燥および骨密度の低下などがあります。
  予防的両側卵管卵巣摘出術を受けた後に重度の更年期症状を呈した女性では、これらの症状を緩和する目的で手術後に短期の閉経期ホルモン療法が考慮されることがあります。[特定の種類の閉経期ホルモン療法と関連する乳癌リスクの上昇率は、予防的両側卵管卵巣摘出術と関連する乳癌リスクの低下率に比べてはるかに低くなります(20)。

6. 乳癌リスクが大きいものの、最大ではない女性の癌リスクを低減するにはどのような選択肢がありますか?

 乳癌リスクが最大ではない女性(すなわち、乳癌と関連した高浸透度の遺伝子変異をもたない女性、あるいはリスクが非常に高くなるような臨床歴または病歴のない女性)にとって、リスク低減手術は適切な癌予防選択肢とは考えられません。しかし、乳癌リスクが非常に高いわけではないものの、リスクが増大していると考えられる女性では、リスクを低減するための薬剤の使用を選択する場合があります。
  医療機関では、BRCA1、BRCA2遺伝子、または乳癌リスクと関連する他の遺伝子に有害な変異をもたない女性の乳癌リスクを評価するためにいくつかのツールが使われており、これをリスク評価モデルとよびます。乳癌リスク評価ツール(BRCAT: Breast Cancer Risk Assessment Tool)は広範に使用されているツールであり、次の5年間および90歳になるまでに乳癌を発症するリスク(障害リスク)を評価するために数多くの要因を考慮するコンピュータ―モデルです。推定5年リスクが1.67%以上の女性は「高リスク」に分類され、乳癌発症リスクが平均より高いとされます。この高リスクのカットオフ(すなわち、推定5年リスクが1.67%以上)は研究および臨床カウンセリングの場で広く用いられています。
  タモキシフェンおよびラロキシフェンの二剤は、乳癌発症の5年リスクが1.67%以上の女性において乳癌リスクを低減する目的で米国食品医薬品局(FDA)の承認を受けています(21-23)。タモキシフェンは閉経前および閉経後女性の両方、ラロキシフェンは閉経後女性のみにおけるリスク低減目的で承認されました。大規模ランダム化臨床試験において、タモキシフェンの5年間の投与により高リスク閉経後女性における浸潤性乳癌のリスクが約50%低下(23)、ラロキシフェンの5年間の投与により高リスク閉経後女性における乳癌のリスクが約38%低下しました(24)。両剤共にエストロゲンの働きを阻害することでいくつかのタイプの乳癌の増殖を抑制します。米国予防医療作業部会(USPSTF)は、乳癌リスクの高い女性がリスク低減目的でタモキシフェンまたはラロキシフェンの投与を受ける場合に考えられる利益および害について、医療専門家と話し合うことを推奨しています(25)。
  また別の薬剤であるエキセメスタンは、乳癌リスクが高い閉経後女性で乳癌発症率を65%低下させることが最近示されました(26)。エキセメスタンは、アロマターゼ阻害剤と呼ばれる薬剤分類に属し、体内のエストロゲン産生を阻害します。しかし、BRCA1およびBRCA2遺伝子の有害変異のように乳癌リスク増大と強く関連する変異を有することがわかっている女性において、これらの薬剤のいずれかが乳癌の非常に高いリスクを低減させるかどうかはわかっていません。
  乳癌手術を受けた女性では、再発リスクに関係なく再発する可能性を減らすために薬剤を投与される場合があります。(この付加的治療を術後補助療法またはアジュバント療法といいます)。また、このような治療により、すでに低い対側乳癌および二次原発乳癌のリスクがさらに低減します。乳癌手術後に乳癌リスクを低減する目的で術後補助療法に用いられる薬剤には、タモキシフェン、アロマターゼ阻害剤、従来の化学療法薬およびトラスツズマブなどがあります。

7. 非常にリスクの高い女性がリスク低減手術を望まない場合には、どのような選択肢がありますか?

 乳癌(または対側乳癌)リスクが非常に高い女性の中には、より頻回な乳癌スクリーニング(強化スクリーニング)を受ける人もいるでしょう。たとえば、毎年マンモグラフィおよび磁気共鳴画像法(MRI)による検診を受けることができます。これらの検診を交互に組み合わせて6カ月ごとに乳房の画像検診を行うことができますし、医療専門家による定期的な臨床乳房検査を受けることもできます(27)。強化スクリーニングを実施することで、治療成功の確率がより高い早期ステージにて乳癌を発見する機会が増えるでしょう。
  乳癌リスクを増大するいくつかの遺伝子変異をもつ女性は、一般集団に比べて放射線関連乳癌をより発症しやすい可能性があります。これらの遺伝子は、放射線への曝露が原因で生じうるDNA損傷の修復に関与しているからです。乳癌リスクが高い女性は、放射線(マンモグラフィまたはX線)を含む診断検査のリスクに関して医療者に質問をした方がよいでしょう。乳癌高リスク女性の強化スクリーニングに関するさまざまな側面を検討する臨床試験が現在進行中です。
  手術を避けたいと望む女性の場合、化学予防(薬剤その他の化学物質の使用により、癌リスクを低減したり発症を遅らせること)も選択肢のひとつとなりえます。タモキシフェンおよびラロキシフェンの両剤は、乳癌リスクが増大している女性のリスクを低減する目的でFDAの承認を受けています(質問6を参照)。これらの薬剤が、BRCA1またはBRCA2遺伝子、あるいは他の乳癌感受性遺伝子に有害変異を有するようなさらに高リスクの女性における乳癌予防に使用できるかどうかはまだ明らかではありませんが、タモキシフェンは、以前乳癌の診断を受けたBRCA1 およびBRCA2変異をもつ女性において対側乳癌のリスク低下に寄与できる可能性があります(28)。

8. リスク低減手術には、医療保険が適用されますか?

 多くの医療保険会社は、乳癌および卵巣癌のリスク低減を目的とした予防的乳房切除術(両側または対側)および予防的両側卵管卵巣摘出術への支払いを行うかどうか、またどのような条件で支払うのかについての公式方針をもっています。しかし、これらの手術を医学的に必要であるとみなす基準は保険会社によって異なるようです。全ての外科的処置について、保険適用を認める前にセカンドオピニオンまたは医療者から得た医学的必要性の証明書の提示を求める保険会社もあります。乳癌や卵巣癌のリスク低減を目的とした予防的手術を考慮中の女性は、手術を決断する前に主治医および保険会社と保険適用に関する事項を話し合っておいた方がよいでしょう。
  1999年に制定された女性の健康および癌の権利法(WHCRA : The Women’s Health and Cancer Rights Act)では、乳房切除術を適用範囲とする医療保険プランのほとんどに、乳房切除後の乳房再建術への支払いも含めることを要求しています。WHCRAに関するより詳細な情報は、米国労働省Department of Laborが提供しています。

9. 乳癌リスク低減手術を考慮する時、誰に相談すればよいでしょうか?

  乳癌リスクを低減するためにいずれかの手術を選択するのは、大きな決断となります。乳癌リスクが高い女性は、リスク低減手術や手術の代替法に関するセカンドオピニオンが欲しいと思うかもしれません。セカンドオピニオンを得るにあたってのより詳細な情報は、NCIファクトシート『癌になった時の医師または治療施設の見つけ方』How to Find a Doctor or Treatment Facility if You Have Cancerの「診断および治療計画に関して別の医師の意見を求めるには?」の項を参照して下さい。
  また、予防的乳房切除術を考慮中の女性は、乳房再建術を専門とする外科医に相談したいと思うかもしれません。乳房の健康に関する専門家や医療ソーシャルワーカー、癌臨床心理士あるいは精神科医などの他の医療専門家も、乳癌リスクを低減するための選択肢を考慮する助けとなってくれます。
  女性がリスク低減手術をうけるかどうかの決断は、疾患リスクそのものを越えた数多くの要因に影響されると考えられます。たとえば、片側の乳房が癌と診断された女性では、再び癌治療を受けなければならないかもしれないという苦悩や、長期にわたる経過観察にともなう心配や不自由さなどが想定されます(29)。こうした理由から、リスク低減手術を考慮中の女性は、同様の処置を考えたことのある女性またはすでに手術を受けた女性と話す機会が欲しいと思うかもしれません。同じような癌体験をもつ女性達と知り合う手助けをしてくれる支援団体があります。検索可能なNCIのデータベースNational Organizations That Offer Cancer-Related Servicesには、多くの支援団体のリストがあります。
  最後に、乳癌、卵巣癌またはその両方の癌の強い家族歴を有する場合、その女性および家族のメンバーは遺伝カウンセリングサービスを受けたいと考えるかもしれません。適応があれば、遺伝カウンセラーまたは遺伝学を学んだ他の医療提供者が、その家族の疾患リスクを詳細に調べ、家族のメンバーが癌の素因遺伝子の変異に関する遺伝子検査を受ける手助けをすることができます。

2014年5月16日金曜日

左脇が・・・♪

左脇がいつの間にか元通りに・・・。
手術の傷が脇の皮膚を引っ張っているような感じだったのが無くなっている!
傷が治って皮膚が伸びた(?)のかしらん???

これは戻らないと思っていたので、すごく嬉しい。



2年ほど前の「2011年6月10日 脇の下のつっぱり」にある画像を見ると、今との違いは明らか・・・^^

腕が上がる目測角度

生活に不便を感じなくなってから忘れていたけど、久しぶりにやってみた。。。

*()内は正常値
*左右両方
 
・前方 180度(180)  
・横 180度(180) 
・後方 60度(60) 
・内 90度(90) 
・外 75度↑(90)

2013年2月14日とほぼ同じ・・・^^;。2012/3/26付に「腕が上がらない」とあるのが最初、それから約1年で徐々に回復したんだね。まぁ、1年経過後はそれが限界でそれ以上は良くならないとあったから、今以上に回復する事はないだろう。でも、まったくもって問題なし!だ。

がん罹患者、年80万人超える 35年前の4倍に

2014年5月16日 朝日新聞の医療サイト

1年間に新たにがんにかかった人は、2010年の推計値で80万人を超えたことが、国立がん研究センターがん対策情報センターの最新統計で明らかになった。記録が残る35年前の約4倍で、80万人を超えたのは初めて。高齢化の影響が大きいとみられる。生涯でがんにかかる確率は男性60%、女性45%と試算している。

 全国の地域がん登録事業を実施している自治体のデータをもとに推計した。その結果、10年にがんにかかった人は男性が46万8048人、女性が33万7188人の計80万5236人。1975年の計20万6702人の約4倍だった。

 部位別でかかった人が多いがんは、男性が①胃がん②肺がん③大腸がん、女性は①乳がん②大腸がん③胃がんで、ここ最近は順位に変化はない。

 一方、がんによる死者は2012年の人口動態統計によると、男性21万5110人、女性14万5853人の計36万963人。がんで死亡する確率は男性26%、女性16%になる。死亡数が多いがんは、男性が①肺がん②胃がん③大腸がん、女性は①大腸がん②肺がん③胃がん、の順だった。

2014年5月7日水曜日

ホルモン補充療法が更年期女性のRA発症予防に有効の可能性

学会ダイジェスト: 第58回日本リウマチ学会
2014年4月24日~26日 東京
ホルモン補充療法が更年期女性のRA発症予防に有効の可能性
2014/5/7 日本リウマチ学会取材班

 50歳前後の更年期女性で朝のこわばりなどの関節症状を訴えてリウマチ外来を来院する患者は多く、そのうちの9割近くは放置しても自然に軽快消失するとされるが、関節リウマチ(RA)を発症するケースも見られる。慶宮病院院長の宮地清光氏らは、こうした関節症状がある更年期女性に対してホルモン補充療法(HRT)の効果を検討、RF陽性例ではHRT未施行例に比べて有意にRA発症が低いことを示した。4月26日まで東京で開催された日本リウマチ学会(JCR2014)で発表した。

2014年5月2日金曜日

ビタミンDの値が高いがん患者ほど生存率が高い:調査結果

2014年05月01日

▼ビタミンD値が高い人ほど乳がん、大腸がん、リンパ腫の予後が良好!

上海にある中国科学院のホイ・ワン教授が、これまでに発表された25の研究結果から、17,332人のがん患者のビタミンDの値を調べたところ、特に乳がん、大腸がん、リンパ腫においては、ビタミンDの値が高い人ほど予後が良いことがわかった。

がん患者のビタミンD値は治療前のもので、他に診断の時期やその後の生存率を併せて分析した。その結果ビタミンDの値が高い人の方が生存率が高く、寛解(病気の症状が落ち着き安定している状態)の時期も長かったという。

▼肺がんや胃がん、前立腺がん、皮膚がんでもわずかながらプラスの効果が

ビタミンD値と予後の良さの関係性が特に顕著なのは、前述の3つのがんだが、肺がんや胃がん、前立腺がん、メラノーマ、メルケル細胞がんについても、多少のプラス効果があるようだ。

「ビタミンD欠乏症が世界的に広がる中、改めてビタミンDは人間に欠かせない存在であることがわかった」とワン教授。「医師もがん患者のビタミンDのレベルに注目すべき」と述べている。

ビタミンD は日の光を浴びると私たちの体内で生成される他、サケやイワシ、サバ、卵、シリアル、粉ミルクなどに含まれている。

引用元*http://irorio.jp/sousuke/20140501/131832/

2014年4月8日火曜日

アンジーの主治医 日本の乳がん事情に「ショック」

 昨年5月、米女優のアンジェリーナ・ジョリーさん(38)が遺伝性乳がんの発症予防のために乳房切除と再建手術を受けたと告白した。手術を担当したクリスティ・ファンク医師(44)が、理化学研究所が主催するシンポジウムのため、来日。講演後に本誌のインタビューに応じた。

 今回のアンジーの告白は、アメリカではどう受け止められているのか。ファンク医師は、「患者の家族や親戚など、まわりの人が、(予防的切除について)理解を示すようになった」と歓迎する。

「患者さんの多くは、“アンジーに感謝している”と話していました。なかには涙ぐむ人もいましたね」

 実は、遺伝性乳がん(正式には遺伝性乳がん・卵巣がん症候群:HBOC)に対して先進的な医療を実践しているアメリカだが、一部では予防的切除について、家族や親族から理解を得られず、批判されることもあった。それが患者を苦しめていたという。

「それが今回の告白で、周囲の予防的切除への理解が深まり、自分が選択したことについて支援を得られるようになったのです」

 今回のインタビューでは日本のHBOCに対する取り組みについても聞いた。

 日本では予防的切除はもとより、HBOCの存在すら一般的ではなく、アンジーの告白でにわかに注目された。その結果、遺伝カウンセリングや遺伝子検査を実施する医療機関が増えた。とはいえ、それも十分ではない。例えば、HBOCの診断に必要な遺伝子検査は、健康保険が使えず、自費で20万~30万円かかる。がんになっていない反対側の乳房や卵巣の予防的切除は一部の医療機関で始まったが、がん発症前の乳房切除はまだ行われていない。

 これを知ったファンク医師は、「ショック」と驚く。

「(切除が受けられないのであれば、その前段階として)まずは、50歳以下の乳がん患者全員に遺伝子検査を受けてもらうこと、それから家族歴の調査を実施すること。この二つを実践すれば、リスクのある方が危険にさらされたままという状況が回避できます」

 さらに、日本に限らず多くの国でHBOCの対策が遅れていることを指摘した。

「イギリスやカナダ、スウェーデンなど一部の国では自己負担でも遺伝子検査自体が認められていません。自分の遺伝情報を知りたいと望んでいる人がいて、それが実現可能にもかかわらず、ノーというのはどうなんでしょう」

 同センターでは潜在的なHBOC患者を見つけて、早い段階からケアをしたほうがいいという考えのもと、HBOCの疑いがある・なしにかかわらず、受診した患者全員に五つの質問に答えてもらっている。その結果からHBOCの可能性のある患者がいると、遺伝子検査を受けるよう話をする。ちなみに、検査にかかる負担を軽くするため、検査費用は無料にしている。

 HBOCと診断された後は、病気についてよく理解してもらった上で、年代に応じた検査を受けたり、希望者には予防的切除・再建や抗エストロゲン剤のタモキシフェン、経口避妊薬の投与を実施したりする。

 ファンク医師は、いつか日本でも予防切除ができるようになることを願う。「そのときは日本でも執刀したいわ」と笑った。

※週刊朝日  2014年4月11日号

がん精密検査 36万人受診確認できず

NHK NEWS WEB
がん精密検査 36万人受診確認できず
4月7日 17時30分

がん精密検査 36万人受診確認できず
市区町村が行う大腸がんや乳がんなどのがん検診で、がんの疑いがあるとして精密検査が必要と指摘されたものの、検査を受けていなかったり、受けたことが確認できない人が、全国で延べ36万人余りに上ることが厚生労働省のまとめで分かりました。

がん検診は胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、子宮がんの5つのがんについて、子宮がんで20歳以上、そのほかのがんは40歳以上の人を対象に市区町村が行っています。
厚生労働省によりますと、平成23年度にがん検診を受けた人は、全国で延べ2550万人余りでこのうち5%に当たるおよそ137万人は、がんの疑いがあるとして精密検査を受けるよう指摘を受けたということです。

しかし、翌年の平成24年度末までに精密検査を受けていなかったり、受けたかどうか市区町村が確認できない人が、検査が必要と指摘された人の27%に当たる全国で延べ36万人余りに上ることが分かりました。

がんの種類別では、大腸がんが最も高く37%、次いで子宮がんが32%となっています。
がん検診に詳しい国立がん研究センターの斎藤博検診研究部長は、「自治体や検査機関は精密検査を受けたかどうか分かる体制を作り、個別に連絡を取って検査の必要性を説明するなど検診後のフォローを強める必要がある」と話しています。


2014年2月28日金曜日

めまい?

一昨日の夜、立つと頭がクラクラして視界が揺れて定まらなかった。早々にベッドに入って目を閉じたが、なかなか寝付けなく目を開けて天井を見るとやはり左右に視界が揺れて気持ちが悪い・・・、そんなこんなを繰り返しながらいつの間にか眠りにつき、朝目が覚めた時には治っていた。その後はずっと通常に戻っているが、いったいなんだったのだろうか。
医師1067人に聞いた「お気に入りの抗ヒスタミン薬」
花粉症医師の8割が抗ヒスタミン薬を服用
一番人気はアレグラ、続いてザイザル、アレロック

2014/2/28

日本人に占める花粉症患者の割合は、3割にも上ると言われている。だとすれば、医師の中にも毎年花粉症に悩んでいる人が少なくないはず。そこで今回は、「医師は自分自身の花粉症の治療のために、どんな薬をチョイスをしているのか」をテーマに、ミニアンケートを実施してみた。

2014年2月24日月曜日

マンモの乳がん検診は効果なしという論文が出た

2014年2月24日

イギリスの医学雑誌BMJ誌に、マンモグラフィーによる乳がん検診は通常の視触診やケアと比較して乳がんによる死亡を減らす効果がなかったとする論文が掲載されました(Miller AB et al., Twenty five year follow-up for breast cancer incidence and mortality of the Canadian National Breast Screening Study: randomised screening trial., BMJ., 348:g366
(2014) )。

対象はカナダの40歳から59歳までの女性約9万人で、25年間追跡調査されました。数も期間も十分であるようです。ランダム化もされており質の高い研究と言えます。25年間の追跡調査期間中、マンモグラフィー群4万4925人のうち乳がんによる死亡は500人でした。一方で、対照群では4万4910人中505人でした。ほとんど差がありません。

これまでの同様の調査の主な結果は、「乳がん検診は乳がん死亡を減らす」というものでした。40歳代の女性については過剰診断による害が無視できないとして議論があるものの、50歳以上の女性については国際的にも乳がん検診が推奨されています。今回のカナダの報告では、40歳から49歳までの集団と、50歳から59歳までの集団での結果はほとんど同じであったとありますから、50歳代の女性に限ってもマンモグラフィーによる乳がん検診は乳がんによる死亡を減らさなかったわけです。

このように研究によって結果がまちまちになることは、医学の世界ではよくあります。研究方法や対象が異なるからです。今回のカナダでの研究と、これまでの研究はどこが違うのでしょうか。

マンモグラフィーの技術に問題があった、という可能性はどうでしょうか。マンモグラフィーとは乳房をX線で撮影する検査です。検査そのものの手技や、レントゲンフィルムに映った早期の乳がんを見落とさないためには技術が必要です。ただ、カナダのマンモグラフィーの技術が劣ると積極的に考える理由はないように思います。

対照群の受けた処置も影響しているかもしれません。この研究が開始された1980年の時点ですでに50歳から65歳までの女性に対する乳がん検診の利益が報告されており、対照群を完全に放置することは倫理的に問題がありました。そのため50歳代の対照群の女性は通常の胸部診察(視触診)を受けました。対照群に何の検査もしないよりはマンモグラフィー群との差が出にくくなります。

これまでとの研究との違いの理由として、著者らが示唆しているのは、補助療法の有無です。具体的には再発目的で施行される手術後の抗がん剤治療のことです。進行がんの治療法が進歩すると、がん検診の効果は小さくなります。

仮の話として、進行したがんでも完全に治してしまう治療法が開発されれば、わざわざ検診でがんを早期発見しなくても、進行して症状が出てから治療すればいいわけです。もちろん現実には進行したがんはやっぱり治りにくいのですが、最近の乳がんの化学療法の進歩は乳がん検診の効果を相対的に小さくする方向に働きます。

カナダの研究はすでに激しい議論を巻き起こしています。大事なのは、早期発見が常に良いとは限らず、検診の対象者や検査の質や治療法によって、がん検診の有効性は変わりうるということです。日本において検診の有効性はどうなのか、検証が必要です。

2014年2月12日水曜日

「治す」から「支える」へ 変わる医療の役割

2014年2月12日 中日新聞【社説】
 日本は世界一の長寿国になった。高齢化社会では病を「治す」医療だけでは長い人生を支えきれない。医療の役割は大きな転換期にあるようだ。
 「食べさせないから死ぬんじゃない。死を迎えるから食べないんです」
 あるシンポジウムで、特別養護老人ホームの高齢者を見守るベテラン医師・石飛幸三さんはこう訴えた。医師の思いと患者の実態とのズレを現場で実感したからだ。
 現代の医療は病を治し、延命することを使命としている。食事がうまくできないのなら胃ろうで栄養を取り延命を目指す。

胃ろう拒否した夫婦

 リハビリで回復が見込める場合など胃ろうが必要なケースはあるが、その医療は本当に本人の望むものだろうか。こんな疑問が医療や介護の現場で広がっている。
 石飛医師はある夫婦の決断を紹介した。介護施設に入る妻に胃ろうを迫られた夫は拒否した。それが妻のためになると思えなかったのだ。夫は職員と一緒に毎日、食事介助を続け一年半の貴重な時間を共有した。
 最期は眠り続け一週間後に息を引き取った。かつて病院で延命治療に取り組んでいた石飛医師が驚いたのは、延命治療を施していないのに最期まで呼吸が苦しくならず尿も出たこと。
 「最後の代謝で体中を整理して身を軽くして天に昇っていった」
 穏やかな最期だった。
 「死なせない」医療は多くの命を救ってきた。それにかかわる人たちの共通の思いだろう。今後はそれに加えて「安らかな最期」を迎えられることも望まれている。それは本人が望むよう生きること自体を支える医療ともなる。
 二十世紀の日本の医療は結核などの感染症対策から始まった。全国に保健所が整備され公衆衛生に力点が置かれた。「守る」医療だ。
 最初の役割の転換点は二十世紀半ばだ。脳卒中やがん、心臓病などの慢性疾患が死因トップになると医療設備と人材を集約して対応する病院の整備が進んだ。「治す」医療が進歩した。
 医療の量が確保され、どこの医療機関にもかかれるようになった。国民皆保険が国民に行き渡りそれを支えている。

患者の生活の質重視

 高齢化が進む今は次の転換期を迎えているといわれる。病を治す病院の役割は依然重要だが、徐々に体の機能が低下する高齢者には生活の質(QOL)を「支える」ことこそが大切になる。それには在宅医療が不可欠だ。
 政府の社会保障制度改革国民会議が昨年まとめた報告書では、今後の医療について二つの構造改革が示されている。
 まず、手術などの治療で病やけがを治す急性期の医療や、治療を終え社会復帰へリハビリを担う医療など病院ごとの役割分担を明確にし、同時に在宅医療も充実させていこうとする改革だ。
 二つ目はこうした医療機関の再編を都道府県が担うことだ。政府は約九百億円の補助制度を二〇一四年度に新設し、地域のニーズに合った医療体制を整える。
 社会保障にも地方分権を進め効率的な医療の提供を図る発想は確かに必要だろう。
 政府が二年に一度見直す医療の価格(診療報酬)も在宅医療の充実が図られそうだ。一四年度からの改定内容が十二日に決まる。
 医療保険の保険料や税、患者負担から支払われる医療費をどの治療や投薬に配分するかを決める。今改定では在宅医療を担う医療機関や人材を増やす方向である。
 二五年に団塊世代が七十五歳を超える。増える高齢者に医療を提供し、充実した老後を過ごしてもらうには今後も在宅医療の充実に努めるべきだろう。
 患者を在宅に移せば病院の医療費は減る。その分を在宅医療に回せるよう、自治体は病院再編を確実に進める必要がある。そのために新設される補助金である。医療機関へのバラマキで終わらないよう監視すべきだ。
 海外に比べ国民医療費は少ないのに手厚い医療を受けられるのが日本の医療の良さだ。改革はその維持が前提でなければならない。

人生そのものを診る

 医療が患者の伴走者となるには病だけでなく人生そのものを息長く診る覚悟が要る。処方箋は一つではない。その人に合った多様な医療を提供する技量が要る。介護との連携も不可欠である。医師の再教育など人材育成が課題だ。
 患者は軽い症状でも高度医療を行う大病院を受診しがちだ。しかし、不必要な受診を控えるなど患者にも自覚が求められる。医師も患者も互いに顔の見える関係をつくる。どんな人生を送りたいか、それを実現する医療は何か話し合う。人生をともに歩む医療はそこから始まるはずだ。