2015年12月25日金曜日

ヒジキの鉄分が9分の1に?改定版“食品成分表”

ヒジキの鉄分が9分の1に?改定版“食品成分表”に驚きの声が殺到
2015年12月25日

25日に公表された改訂版「食品成分表」に、驚きの声が集まっている。

15年ぶりの大幅改定

文部科学省は25日、食品の栄養成分をまとめた「日本食品標準成分表」の改訂版を公表した。

新しい成分表では、15年ぶりの「収載食品の拡充」や新たに「炭水化物成分表」を作成するなど、大幅な改定を実施。

また、社会のニーズに対応し、成分表のデーターファイルのネット公開や、家庭や給食でよく使われる「そう菜」についての成分値の計算方法を分かりやすく提示した。

「ヒジキ」の鉄分が9分の1に?
新しい食品成分表では「ヒジキ」の鉄分量が大幅に減っている。

これまで「ヒジキ」の鉄分は100gあたり55mgとされていたが、改訂版では9分の1の6.2ミリグラムとなっているのだ。

調理器具の影響

ヒジキの鉄分が減ったのは、調理器具の違いによるもの。

「鉄釜」でヒジキを煮た場合、100gあたり58.2mgの鉄分を含むが、ステンレス釜だと6.2mgになる。

ステンレスの釜が普及したことで、以前よりも鉄分の少ない「ひじき」が流通しているという。

「切り干し大根」の鉄分も減少

また、「切り干し大根」の鉄分も9.7mgから3.1mgに減少。

これは、鉄製の包丁が減りステンレス製の包丁が普及したのが原因だとみられている。

鉄瓶には塩素除去効果も?

調理器具由来の鉄分は、身体にどのような影響を与えるのだろうか?

南部鉄器で有名な盛岡市によると、鉄瓶でお湯を沸かすと溶けだした鉄分が水道水の塩素を除去しカルキ臭さが消えてまろやかになるという。

また、体に吸収されやすい「二価鉄」が溶けだすため、鉄分補給にも役立つとか。

2015年12月21日月曜日

乳癌検診の推奨グレード/米国予防医学専門委員会(USPSTF)

2015年12月21日 海外癌医療情報リファレンス

* 米国予防医学専門委員会(USPSTF)は、米国医療研究・品質調査機構(AHRQ)の独立委員会で、検診や予防医療の研究レビューを行って米国政府の推奨グレードを作成します。

乳がん検診 推奨の概要 2009年12月

対象推奨事項グレード
(定義)
50‐74歳の女性The 米国予防医学専門委員会(USPSTF)は、50〜74歳の女性に対して、マンモグラフィによる乳癌検診の2年に1回の受診を推奨する。B
50歳未満の女性50歳未満の女性がマンモグラフィによる乳癌検診を2年に1回定期的に受診するかどうかは、個人の判断に基づくべきであり、特別な利益や不利益に関する患者の価値観など、患者の状況を考慮すること。C
75歳以上の女性USPSTFは、75歳以上の女性においてマンモグラフィによる乳癌検診の利益と不利益を評価する上で、現在の証拠は不十分であると結論付けている。

リスク評価および「I」に関する実施上の提案についての情報は、「臨床的検討事項」の項を参照のこと。
I
全ての女性USPSFは、乳房自己触診(BSE)を指導することを推奨しない。D
40歳以上の女性USPSTFは、40歳以上の女性におけるマンモグラフィによる乳癌検診を上回る乳房視触診(CBE)の付加的な利益と不利益を評価する上で、現在の証拠は不十分であると結論付けている。

リスク評価および「I」に関する診療の推奨事項についての情報は、「臨床的検討事項」の項を参照のこと。
I
全ての女性USPSTFは、乳癌検診としてフィルム・マンモグラフィの代わりに行うデジタル・マンモグラフィか核磁気共鳴画像法(MRI)の付加的な利益と不利益を評価する上で、現在の証拠は不十分であると結論付けている。

リスク評価および「I」に関する診療の推奨事項についての情報は、「臨床的検討事項」の項を参照のこと。
I
USPSTFは2009年12月4日、50歳未満の女性に関する推奨事項の内容について、本来の意図を明確にするために更新することを満場一致で決定した。

2015年12月20日日曜日

アジア人でも乳癌に対するpalbociclibとフルベストラント併用の効果を確認

2015/12/20

 内分泌療法後に進行したホルモン受容体(HR)陽性HER2陰性で転移を有するアジア人乳癌患者において、CDK4/6阻害薬palbociclibとフルベストラントの併用は、フルベストラントとプラセボ併用よりも、無増悪生存期間(PFS)を有意に改善することが、フェーズ3試験PALOMA-3のアジア人患者における解析で明らかになった。韓国National Cancer CenterのJungsil Ro氏らが、12月18日から21日までシンガポールで開催されているESMO ASIA 2015で発表した。

2015年12月5日土曜日

乳がんのタイプにより異なるホルモン療法の有効性

乳がんのタイプにより異なるホルモン療法の有効性
2015年12月4日

キャンサーコンサルタンツ
2015年11月23日

女性の乳がん患者を対象としたホルモン療法において、ホルモン受容体陽性乳がんのサブタイプにより、その効果に違いが現れることが、Journal of Clinical Oncology誌に掲載された研究結果により明らかになった。

ホルモン受容体陽性乳がんは、女性ホルモンであるエストロゲンの作用により増殖が促進されるタイプの乳がんである。そのため、ホルモン受容体陽性の乳がん患者に対する治療は、がん細胞と結合し増殖を助けるエストロゲンを阻害する薬剤が標準療法の一部となっている。

ホルモン受容体陽性乳がんに対して使用される抗エストロゲン剤として、現在最も多く使用されている薬剤はタモキシフェンである。また、そのほかに使用されている薬剤として、アロマターゼ阻害剤がある。

タモキシフェンおよびアロマターゼ阻害薬は、それぞれ異なる生物学的経路を通じて抗エストロゲン効果を発揮する。また、タモキシフェンおよびアロマターゼ阻害薬はどちらも広く使用されているが、異なる副作用が認められている。

臨床試験では、異なるタイプのホルモン受容体陽性乳がんの女性患者2,923人を対象として、一般に広く使用されているアロマターゼ阻害薬レトロゾール(販売名:フェマーラ)とタモキシフェンによる効果を比較した。

データ分析にあたり、患者は2群に分けられた。一方は、母乳を乳頭まで運ぶ役割を担う乳管に発生する浸潤性乳管がん(IDC)の患者群であり、もう一方は母乳を生成する小葉に発生する浸潤性小葉がんの(ILC)患者群である。

さらに、その試験より得られたデータから、乳がんの2種類のサブタイプについて分析がなされた。がん細胞の分裂が速いルミナールBタイプと、分裂が遅いルミナールAタイプである。

・総合的結果として、浸潤性小葉がん患者の無病生存率は、ルミナールBタイプおよびルミナールAタイプの両方において、レトロゾール投与群の方がタモキシフェン投与群と比較し、より高いことが判明した。

浸潤性乳管がん患者のうち、ルミナールBタイプ患者では、レトロゾールの方が無病生存率において優れた結果を示した。

・浸潤性乳管がん患者のうち、ルミナールAタイプ患者では、レトロゾール投与群とタモキシフェン投与群の無病生存率に差は認められなかった。

研究者らは、ルミナールAタイプの浸潤性乳管がん患者を除き、ホルモン受容体陽性の浸潤性乳管がんおよび浸潤性小葉がんを有する乳がん患者において、レトロゾールはタモキシフェンと比較して、無病生存率を大幅に改善すると結論づけた。また、ルミナールAタイプの浸潤性乳管がん患者では、レトロゾールとタモキシフェンの効果は同等であることがわかった。

これらの結果から、医療提供者はがんの特性を考慮することにより、個々の患者に最適な治療法を選択することが可能になると考えられる。

◆過去ログ
2012年5月14日 タモキシフェンからフェマーラにスイッチ!?
2013年8月12日 ホルモン療法 開始から5年後の選択、、、
2014年6月5日 HR陽性乳がん治療でタモキシフェンの10年投与が選択肢に

もうすぐ5年、私の場合はタモキシフェンをもう5年?、それともスイッチ、かな? そもそも、わたしは閉経してるの?、してないの?(笑

2015年12月3日木曜日

精神科も“カフェイン中毒”治療を開始。コーヒー依存者急増のアメリカで。

 2015年12月03日 techinsight

朝はコーヒー1杯で自宅を出る。オフィスではパソコンの脇にコーヒーがなければ落ち着かない。ランチの後でコーヒー、外出すればカフェで一服。“眠れなくなるかも”とわかっていても、もちろん夕方以降も…こんな生活を送っている人が非常に多いアメリカでは、昨年あたりから「カフェイン中毒には精神カウンセリングが必要。治療しなければ体を壊す」などと報じられるようになっていた。紅茶派の多いイギリスでもコーヒーは大人気。英メディア『dailymail.co.uk』が興味深い話題を伝えているのでご紹介したい。

「いつからこんなにコーヒーを飲むようになってしまったのか。もしかしてカフェインの摂りすぎ? もはや中毒のレベル?」

大好きなコーヒーを前に、ふとこんなことを思ってしまう人がとても増えて来たという昨今のアメリカ。数ある飲み物の中でも圧倒的にカフェインの量が多いコーヒーの摂りすぎは体には毒、睡眠の質を大きく落とすことは承知しているものの、周囲もそのような状況ゆえ、それを自覚することはなかなか難しいという。

そんな中、アメリカの精神カウンセラーの間ではカフェイン依存から脱却したいと望む者に対し、5週間にわたるカフェイン依存症克服プログラムを指導する機会が非常に増えているとのこと。患者が自宅で読むための詳しく解説された小冊子も渡され、日記をつけながら自己管理に励み、1週間単位でカフェイン摂取量を減じていく。

1日当たり平均で670mgものカフェインを摂取してきたという67名の患者が、その研究チームのもとでカフェイン依存症克服プログラムを受けた結果、最終的には4分の3の患者において1日あたりインスタントコーヒーで2杯、つまりカフェイン摂取量を200mg未満まで落とすことに成功したと医学誌『Consulting and Clinical Psychology』に発表したのは医学界の名門ジョンズ・ホプキンズ大学(ボルチモア)、およびアメリカン大学(ワシントンD.C.)の合同研究チームであった。彼らはカフェインの頭痛、疲労感、風邪の諸症状の緩和、パーキンソン病患者の症状緩和、長距離ドライブにおける覚醒作用、そして優れた精神作用効果は世界が認めた通りだとするも、摂りすぎは睡眠障害だけではなく心配や不安傾向、神経過敏、胃の不調、張り詰めた緊張感などの副作用があると警告した。

最後にアメリカン大学のローラ・ジュリアーノ博士は、「健康のためにも、妊娠中をのぞき1日当たりのカフェイン摂取量は400mgまでと考えるべきです」とまとめている。もっともこれは体格にもよるであろう。日本では睡眠の質を落とさないためにカフェイン量は1日250mgまでと言われている。レギュラーコーヒー(一杯150ml)135㎎のカフェインを含むも、インスタントコーヒー(同)であればカフェインは68mgとのデータもあるようだ。

2015年12月1日火曜日

がん誘発の生活習慣/100%の感度のがん検査

AskDoctors 2015.12.01

「ハムやソーセージを食べると、大腸がんになる」って本当?

こんなニュースを最近ご覧になった方も多いと思います。先月末の国際がん研究組織(IARC)の発表によるものです(*1)。加工肉が大好き!という方は、どきっとしたのではないでしょうか?

この発表について国立がん研究センターが「大腸がんの発生に関して、日本人の平均的な摂取の範囲であれば赤肉や加工肉がリスクに与える影響は無いか、あっても、小さい」と発表しています。日本人の赤肉・加工肉の摂取量は世界的に見ても低いためです。

がんのリスクが高い生活習慣とは?

日本人の3人に1人ががんで亡くなるほどがんは私たちにとって身近な病気なので、加工肉のニュースに限らず、がんのリスク要因を配慮して生活されている方も多いと思います。飲酒や喫煙は有名ですが、なかにはこんな、国や地域の文化に密接にかかわったものもあります。
・食道がん:熱い食べ物や飲み物(マテ茶を飲む南米や、熱い飲食物が好きな東南アジアで多い) 
・胃がん:塩分の高い食べ物(塩蔵物が好きな日本海側で多い)
せっかく生活習慣に気を付けるなら、日本人の生活の実態も考慮したいですよね。生活習慣とがんリスクの関係については、国立がん研究センター予防研究グループが、日本人の生活習慣と疾患の関係を調査した結果をもとに、「がんリスクチェック」を公開しています。

がんリスクチェック

Webで質問に答えるだけで、簡単に「大腸がん」「がんと循環器の病気」などのリスク診断ができますので、ぜひチャレンジしてみてください。

内視鏡検査に抵抗がある方におすすめしたい最先端のがん早期発見検査

がんの検査には種類がありますが、たとえば人間ドックでよく見かける腫瘍マーカーでは単独でがんを発見するのは難しいといわれ、診断には補助的に利用されています。

また、内視鏡検査が辛い、という理由で人間ドックや検診から足が遠のいている方も少なくないと思います。

新しい方法として、消化器のがんを遺伝子レベルで、一度の採血で判定する検査があります。「消化器がんマイクロアレイ血液検査」は、今年経済産業大臣賞を受賞した技術を利用した検査です。病院で一度採血するだけで、消化器系のがん(胃がん、大腸がん、すい臓がん、胆道がん)について通常の検査では見つからないレベルのがんを、血中の遺伝子発現解析でほぼ100%の感度で見つけることができます。

すでに全国の医療機関で活用実績があり、メディアでも取り上げられています。