2015年10月25日日曜日

粒子線治療の「バーチャル外来」始まる

総合南東北病院が2015年春から稼働、遠隔地の病院間で画像を含む医療情報を共有
粒子線治療の「バーチャル外来」始まる
2015/10/25 大下 淳一=日経デジタルヘルス

 低侵襲で効果の高いがん治療法として期待を集める、粒子線治療。治療施設の建設が相次いではいるものの、まだ同施設を持たない都道府県は多い。こうした地理的不均衡の解消に向けて、患者やその家族が高度放射線治療に関する相談を近隣の医療機関で受けられるようにする仕組みが、2015年春に東北地方で稼働を始めた。

2015年10月18日日曜日

2000人のうち40%が過去に重度のうつ病経験あり、多くが治療をせず―カナダ統計

2015年10月18日

最近になってようやく重大な病気として認知されるようになった「うつ病」。しかし労働者の多くが知らずにうつ病にかかり、そのうちの半数近くが病院などに助けを求めようとしていないという結果が発表された。

2219人のうち40.0%が重度のうつ病

この研究を手掛けたのはカナダのトロントにある、Centre for Addiction and Mental Health (CAMH)の研究者たち。

彼らはオンタリオ州に住む18歳から65歳までの2219人に、電話アンケートやウェブによる調査を実施。職場で働いている人々の精神面の健康状態を調べた。

その結果、アンケートに答えた人の約40.0%が過去に重度のうつ病にかかっていたことが判明。そのうち52.8%が病院へ行かず、治療を受けていないことが明らかになった。

しかもこの割合は、全米やオーストラリア全土で行われた統計での割合と著しく似ていたという。

社員のうつ病で生産性が33.0%も下落

さらに研究者らは、社員のうつ病によって職場での生産性がどのくらい落ちているのかを計算。その結果、本来の生産性に比べて33.0%も下落していることが判明した。

また彼らが精神ケアを受ける際の心の壁となったものを分析したところ、多くの人が病気になったことへの不名誉な気持ちや、治療には効果がないという考えを抱いており、治療費や適切な医者に出会えないという問題に直面していることが明らかとなる。

Carolyn Dewa博士は「社員にうつ病治療の理解を促すことは、仕事の生産性を高めます。(略)しかし認識の改善は経営者だけの問題ではない。最も効果的な職場でのケアとは問題の複雑さを認識すること、包括的な方法で全てに対処することです」と語った。

多くの人が気づかぬうちにかかっている「うつ病」。この病気が蔓延するような状況の中で、企業にはより良い職場づくりに力を注いでもらいたい。

2015年10月15日木曜日

医療の安全、「トヨタ方式」で…人材育成に応用

 産業界の品質管理手法を医療に生かそうと、トヨタ自動車と名古屋大病院が共同で、医療の安全と質向上を担う人材育成に乗り出した。「ものづくり」の発想を医療に応用するもので、養成講座が今月スタートした。

 最近、群馬大病院や東京女子医大病院などで深刻な医療事故が相次いでいる。名大病院は文部科学省の補助金で、トヨタが培った手法を医療現場で実践する事業を始めることにした。

 トヨタでは、不良品がどの工程で発生したかを速やかに確認し、問題を最小限に抑えている。こうした品質管理のノウハウは、医療事故がどの段階で起きたかを解明して診療や組織運営の進め方を見直し、安全性の向上を図る形で医療に応用できるという。

 受講者は、各地の病院に勤務する医師16人。トヨタが取っている具体的な手法を学び、実際に病院で起こる問題の解決を試みるなど、半年かけて実践的に学ぶ。
 
(2015年10月9日 読売新聞)