2015年6月15日月曜日

朝9時前に、コーヒーを飲んではいけない理由。

人間の体にあると言われる体内時計。これには「コルチゾール」と呼ばれるホルモンが深く関係しています。不快なことがあった際にも分泌されることから「ストレスホルモン」なんて別名もあるコルチゾールですが、実はこれ、自然に体を覚醒させるために朝8時から9時の間に活発に分泌されるのだそうです。

そしてこのコルチゾールが大量に分泌されている時間帯にコーヒーを飲むと、カフェインに対する耐性がついてしまうんです。すなわち、飲めば飲むほどカフェインによる覚醒効果が得られにくくなるというわけです。8時から9時だけではなく、お昼12時から1時、午後の5時30分から6時30分も同じ。

「じゃあ週末はいいんでしょ。昼過ぎまで寝てるし」というあなた。気持ちはとてもわかります。しかし何時に起きようとも、目覚めてから1時間のうちはコルチゾールの量は50%増加しています。そのためいくら寝坊しても、涙をのんで1時間我慢しましょう。

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・コルチゾール

コルチゾール (cortisol) は副腎皮質ホルモンである糖質コルチコイドの一種であり、ヒドロコルチゾン (hydrocortisone) とも呼ばれる。炭水化物、脂肪、およびタンパク代謝を制御し、生体にとって必須のホルモンである。3種の糖質コルチコイドの中で最も生体内量が多く、糖質コルチコイド活性の約95%はこれによる。ストレスによっても発散される。分泌される量によっては、血圧や血糖レベルを高め、免疫機能の低下や不妊をもたらす。

また、このホルモンは、過剰なストレスにより多量に分泌された場合、脳の海馬を萎縮させることが、近年PTSD患者の脳のMRIなどを例として観察されている。海馬は記憶形態に深く関わり、これらの患者の生化学的後遺症のひとつとされている。

2015年6月12日金曜日

両側乳房切除術に対する乳がん患者の誤った認識が明らかに/ミシガン大学総合がんセンター

海外癌医療情報 2015年6月12日

生存率の向上に効果がないことを大半の乳がん患者は知らない
2015年6月2日

ミシガン州アナーバー-乳がんを発症した女性のうち、両側乳房切除術を検討した患者はおよそ半数であるが、この切除術で生存率は改善されないことを知っていたのは、そのうちのわずか37%であったことが、調査の結果明らかになった。

両側乳病切除術を受けた女性の36%が、手術により生存率が向上すると考えていた。二次性がんの平均的な発症リスクを有する女性では、がん化していない側の乳房を切除しても生存率は有意に改善されないことは、複数の研究によりこれまでにも示されている。

アメリカ臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会にて発表された本研究は、乳がん治療を受けたことのある女性1,949人を対象としているが、うちおよそ20%が予防的対側乳房切除術と呼ばれる方法で、両方の乳房を切除していた。がんを発症していないもう一方の乳房にもがんを発症するリスクは、特定の遺伝子変異や家族歴がある場合に高くなるが、これらの遺伝子変異や家族歴がない場合でも、19%の患者が両側乳房切除術を受けていた。

「多くの女性で治療に必要とされる以上の広範囲に及ぶ手術が行われていることは驚くべき結果です。乳がんと診断されれば、病気と闘うために最善を尽くそうと思うのは当然です。だから私の患者さんの多くは、子どもたちのために生きていられるよう、できることは何でもしたいと言います。そのために本当に効果がある治療法は何なのか、または、思い切った決断に思えても実際には初期の一般的な乳がんでは転帰の改善が見込めないのではないか、ということを患者にきちんと理解させられるかどうかは、われわれ医師にかかっているのです」と、ミシガン大学医学部放射線腫瘍学准教授で主著者のReshma Jagsi,医学博士は言う。

外科医からの推奨あるいは外科医が推奨しているという認識が、患者が治療を選択する上で大きな影響を及ぼしていたのである。両側乳房切除術を受けないよう外科医に勧められたと答えた女性のうち、手術を受けたのはわずか4%であったが、手術を外科医に勧められたと認識した女性では、59%が両側乳房切除術を受けた。

「患者は誤った認識をもったまま、切除術を受けており、この認識をなんとしても正さなければなりません。予防的対側乳房切除術の知識と外科医が伝えた内容に対する患者の認識には大変大きな隔たりがあり、医師らはこの問題に取り組む必要があります」とミシガン大学医学部内科学および同大公衆衛生学部健康マネジメント政策学教授で、研究著者のSteven J. Katz医学博士は言う。

本研究は、ミシガン大学総合がんセンターを拠点とする多施設共同研究グループ、Cancer Surveillance and Outcome Research Teamにより実施された。本研究グループは、がん治療の質に関する問題を重点的に研究しており、Jagsi および Katz両医学博士はミシガン大学Healthcare Policy and Innovation研究所のメンバーでもある。

2015年6月4日木曜日

【愛知】がん死亡率は長期低下傾向 県の14年度白書

県がまとめた二〇一四年度の「がん対策白書」によると、一二年の人口十万人あたりのがんによる死亡率(七十五歳未満、年齢調整値)は男性一〇二・七人、女性六〇・四人で、男性は前年から一・六人減少、女性は〇・九人増加した。県のがん対策推進計画では一五年の目標死亡率は男性九五・六人、女性五二・六人。担当者は「男女とも長期的には低下している。予防や早期発見を促す取り組みを強化したい」と話している。

 一二年のがんによる死亡率は都道府県別で低い方から男性が十九位、女性が三十位だった。死亡に占めるがんの種類別では、男性は肺がんや大腸がん、女性は乳がんが目立った。

 市町村が実施するがん検診の受診率は、胃がん14・6%、肺がん23・4%、乳がん30・6%などで、二年前からほぼ横ばい。担当者は「職場などで受診する人も増えているとみられ、全体の受診率は上がっているのではないか」とみている。

 がんの治療や終末期のケアを自宅で受ける患者の割合は一三年で8・0%だった。県内には、がん治療を受けられる病院が比較的多いことなどから割合は低い傾向にある。県は一六年をめどに、一一年の全国平均の8・2%まで引き上げることを目指している。

 また、県は一四年度、がん患者が仕事を続けやすい環境支援として、患者団体や医療、企業関係者らによる有識者会議を開催。企業に対しては病気休職制度などの充実や社内啓発、医療機関には患者の職場との連携や、就労継続に配慮した診察などに取り組む重要性を提言した。