2013年4月29日月曜日

コーヒーを1日2杯以上飲んでいる乳がん患者は、抗がん剤の効果が高まり、再発リスクが下がる可能性あり


公開日時:2013年04月28日 12時00分
コーヒーを1日2杯以上飲んでいる乳がん患者は、抗がん剤の効果が高まり、再発リスクが下がる可能性あり:スウェーデンの研究

乳がんの多くは、がん細胞の表面にある「エストロゲン受容体」というタンパク質が女性ホルモンの一種であるエストロゲンと結びついて増殖していく。タモキシフェンという薬は、この受容体をふさぎ、がん細胞とエストロゲンが結びつくのを阻止する効果があり、術後の再発防止に用いられている。

スウェーデン、ルンド大学の腫瘍学研究者が乳がん患者600人の5年にわたる再発率を調べたところ、タモキシフェンを服用している患者は約300人、そのうちコーヒーを1日2杯以上飲む患者は、まったくコーヒーを飲まない患者と比べてがん再発率が半分以下であることが判明した。コーヒーと乳がん治療とがどのような相互作用を引き起こしているのかは今後の研究課題となるが、カフェインにがん細胞の増殖を抑える効果があることはすでに報告されており、研究者はカフェインによってタモキシフェンが活性化し、抗がん作用の効率が上がるのではないかと考えている。

日本人女性がかかりやすいガンNO.1「乳がん」、毎日の食生活で予防しよう


▼乳がん予防の対策とは?

日常面で心がけたいのが運動によっての肥満防止。肥満だけが原因というわけではありませんが、少なくとも肥満は避けた方がいいと考えられています。
そのため、肥満予防にもなる運動も乳がんには良いとされているため、是非とも習慣づけたいもの。全てのがんにおいて言えることですが、飲酒・喫煙、偏った食生活、痩せすぎ・太りすぎも原因になり、日常生活を活動的に過ごし、食事をバランスよく摂取することが予防法として挙げられています。
また、がんは活性酸素が細胞の遺伝子を傷つけるために発生します。活性酸素の害を防ぐ、抗酸化成分を含む食材は積極的に毎日取り入れたいものです。
大豆製品に含まれるイソフラボンは体内で女性ホルモンと似た働きをし、乳がん予防をはじめ、多くの健康効果に期待されています。

▼乳がん予防のおすすめ食材

がんの原因となる活性酸素の害を防ぐ食材

▽ 抗酸化成分
・ベータカロテン…(にんじん、かぼちゃ)
特ににんじんはベータカロテンの含有量がトップレベルのためおすすめ。
・ビタミンC…(キャベツ、ブロッコリー)
特にキャベツにはビタミンCが100g中に41㎎も含まれており、香りのイソチオチアネートには抗酸化力を高める働きが。
・ビタミンE…(かぼちゃ、アーモンド、小麦胚芽)
・ポリフェノール…(玄米、そば、ココア)

女性ホルモンに似た働きをする食材

▽ イソフラボン
・大豆・大豆製品…(納豆、豆腐、豆乳)
特に豆乳はタンパク質や脂質、鉄、ビタミンE,葉酸なども豊富に含まれているので朝食などに毎日取り入れたいおすすめ食品。

また、肥満の予防・解消のために、低脂肪の食事を基本とすることを習慣づけることも良いでしょう。夜遅い食事はできるだけ避けて、朝方の生活リズムに整えることもポイントです。

まとめ

乳がん予防には、抗酸化成分を含む食材を積極的に摂り、食べ過ぎ・飲み過ぎによる肥満を予防・改善する日常的なことが大切。
このように毎日取り入れられる予防法が未来の健康を守ります。今や他人ごとではない乳がんについて知り、毎日の生活に取り入れてみませんか?

2013年4月28日日曜日

がん医療 患者の評価を国が初めて調査へ


がん医療 患者の評価を国が初めて調査へ
4月28日

がん患者の視点から診療や退院後の対応を評価し、国のがん対策に反映しようという初めての調査が、5月にも始まることになりました。

日本人の2人に1人がかかるとされるがんについて、国は、拠点病院を指定するなど医療態勢の整備を進めてきましたが、患者が納得する医療を受けているかどうか評価する取り組みは、ほとんど行われてきませんでした。

このため、医療政策の専門家などでつくる厚生労働省の研究班は、がん患者の視点から、診断や治療、それに退院後の病院の対応を評価する初めての調査を、来月にも始めることになりました。
調査は、全国の拠点病院の患者1万人以上を対象に、▽治療方針の決定に自分の意見が考慮されたかどうか、▽手術の結果について納得できる説明があったかどうか、また、▽不安や心配ごとへの配慮や支援があったかどうかなど、50項目をアンケート型式で尋ねる計画です。そして、患者の納得につながっている点や改善すべき点などを分析し、それぞれの病院の改善策や国のがん対策に反映することにしています。

調査を行う東京大学の宮田裕章准教授は「患者がどのような思いや経験をしているのか明らかにすることで、日本のがん医療全体のレベルアップにつなげたい」と話しています。

乳癌手術の5~7年後も約4割が持続性疼痛を経験


2013. 4. 26
BMJ誌から
乳癌手術の5~7年後も約4割が持続性疼痛を経験
デンマークの乳癌サバイバーを対象とした追跡調査

乳癌治療を受けた後に、長期的に疼痛を訴える女性は少なくない。乳癌サバイバーを対象に持続性疼痛の発現を5年以上にわたって追跡し、経過を調べたデンマークCopenhagen大学のMathias Kvist Mejdahl氏らは、治療から5~7年後でも約3分の1の患者が疼痛を感じており、約半数には知覚障害もあることを明らかにした。詳細は、BMJ誌電子版に2013年4月11日に報告された。

2013年4月17日水曜日

がん治療費 乳がんは5年92万円、肺がんは2年45万円のケース

NEWS ポストセブン 4月16日(火)7時5分配信

 高額な医療費がかかるがん治療。しかし、国の保険が適用された後の実際に払うお金(自己負担額)でみれば、想像していたほど大きな金額ではない。日本人の罹患者数上位の「胃がん」「肺がん」「大腸がん」「乳がん」「肝臓がん」の部位別に、一般的な治療をした場合の自己負担額は以下の通りとなる(3割負担、高額療養費制度利用の場合)。

 もっとも自己負担額が大きいのは乳がんだ。乳がんの平均入院日数は11.8日。できる限り切除範囲を小さくする工夫をする“温存手術”が主流に。再発予防でホルモン療法を5~10年間行うケースも多く、その分、治療費が長期間のしかかる。失った乳房を人工乳房で再建すると自己負担となり、費用は50万~100万円単位で増える。がんと診断された後の5年後生存率は87.7 %。

 乳がんで温存手術・術後再発予防抗がん剤・放射線療法を行った場合、5年間で計92万円となる。

 手術後、再発予防のために放射線照射、抗がん剤治療を実施。抗がん剤治療終了後、ホルモン療法と検査を5年間にわたって続ける。入院は手術時だけで、後の治療はすべて外来で行う。

 肺がんは平均入院日数21.7日で、進行が早いのが特徴。発見されたときには、すでに手術できない状態になっていることが多く、放射線治療や抗がん剤治療が中心となる。がんと診断された後の5年後生存率は29%と低い。

 小細胞肺がんで放射線化学療法を行った場合、2年間で計45万円となる。

 放射線化学療法は、まず、放射線治療と抗がん剤治療を20日間の入院期間中に実施。その後、3か月にわたって抗がん剤治療や、転移しやすい脳への予防的放射線照射を行う。1年目は治療と検査、2年目は検査が必要となる。

 平均入院日数22.6日の胃がんは、診断された後の5年後生存率は64.3%。早期で見つかった場合、腹部を切らずに内視鏡で粘膜を切り取るだけの手術も可能。内視鏡は日帰り手術を行う医療機関もあるほど。早期の場合、5年後生存率は9割を超える。ただし、再発予防のための検査は3年目以降も続く。

 胃がんで腹腔鏡手術療法を行った場合、2年間で計14万円となる(3年目以降は毎年3万円の検査費用がかかる)。

 お腹に4か所程度の穴をあけ、そこから腹腔鏡やメスを入れて患部を切り取る手術。手術費用は120万円と高額だが、高額療養費制度が適用されるため、実際の負担額は9万円程度に。入院は10日ですむ。術後の検査費用などを含めると上記の額に。

 肝臓がんは2年間で計21万円(経皮的エタノール注入療法を行った場合。3年目以降は毎年6万円の検査費用がかかる)、大腸がんのケースでは、結腸がんで2年間で計42万円となる(切除手術・術後再発予防抗がん剤療法を行った場合)。

※女性セブン2013年4月25日号

2013年4月12日金曜日

イレッサ訴訟、遺族側が全面敗訴

イレッサ訴訟、遺族側が全面敗訴 最高裁が上告棄却
(共同) 2013年4月12日 16時12分

 肺がん治療薬「イレッサ」の副作用の危険を十分知らせなかったとして、死亡した患者2人の遺族が製薬会社に損害賠償を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷(寺田逸郎裁判長)は12日、遺族側の上告を棄却した。企業の賠償責任を否定した二審東京高裁判決が確定した。国への賠償請求については上告が受理されておらず、この日の判決で遺族側の全面敗訴が決まった。

 第3小法廷は同日、同様の主張をしていた大阪訴訟の原告についても上告を全面的に退ける決定をし、全ての訴訟を終結させた。

 イレッサは2002年7月に承認されたが、副作用の間質性肺炎で死亡する患者が相次いだ。

イレッサ訴訟で患者側の全面敗訴確定
(NHK) 4月12日 15時10分

肺がんの治療薬「イレッサ」の投与を受けたあとに死亡した患者の遺族が、「副作用に関する情報提供が不十分だった」などと国と製薬会社を訴えた裁判で、最高裁判所は製薬会社に対する患者側の上告を退ける判決を言い渡しました。国への上告はすでに退けられていて、患者側の全面敗訴が確定しました。

イレッサとは

「イレッサ」は、「ゲフィチニブ」という抗がん剤の商品名で、肺がんの治療薬として大阪の製薬会社が輸入・販売しています。腫瘍を小さくする効果があるとして、日本では申請から僅か半年後の平成14年7月に、世界に先駆けて承認されました。

当初は「夢の新薬」とも言われましたが、発売直後から副作用の重い肺炎などにより、患者が死亡するケースが相次いで報告されました。

このため、発売から3か月後の平成14年10月、厚生労働省は製薬会社に対し、薬の添付文書に副作用についての警告を盛り込むよう指示しました。

厚生労働省によりますと、去年12月末の時点で、イレッサの副作用とみられる報告は2350例あり、このうち862人が死亡しています。その一方、特定のタイプの肺がんには延命効果があるとして、現在も1年におよそ7500人の新たな患者に使用されています。

イレッサを巡る裁判では、おととし、国が裁判所の和解勧告を拒否した際、当時の細川厚生労働大臣が抗がん剤による副作用の救済制度の創設を検討すると表明し、議論が進められましたが、「がん患者の場合、症状の悪化が薬の副作用によるものかどうか判断するのが難しい」として見送られています。

共通番号制度で個人の治療情報管理も検討

 4月11日 20時52分

田村厚生労働大臣は、衆議院内閣委員会などの連合審査会で、年金の受け取りや納税などの手続きを簡略化するため、国民1人1人に番号を割りふる「共通番号制度」について、将来的に患者の治療情報などの管理に活用するかどうかは、個人情報の保護を考慮しながら検討したいという考えを示しました。

衆議院の内閣委員会などは、年金の受け取りや納税などの手続きを簡略化するため、国民1人1人に番号を割りふる「共通番号制度」の導入に必要な「共通番号法案」、いわゆる「マイナンバー法案」を巡って連合審査会を開きました。
この中で田村厚生労働大臣は、「共通番号制度」の使用範囲の拡大について、「医療情報や健康情報などが漏れた場合、大変なことになるので、よほど厳しい対策をとらなければならない」と述べました。
その一方で田村大臣は、「診療情報や治療情報を、個人が特定できない形にしながら、収集・分析していけば、有効な治療方法などが導き出される有効性は十分にある」と述べ、将来的に共通番号を患者の治療情報などの管理に活用するかどうかは、個人情報の保護を考慮しながら、検討したいという考えを示しました。

2013年4月5日金曜日

乳がん検査マンモグラフィの痛み軽減、新圧迫板を発売


2013/4/4 23:00

富士フイルムは、マンモグラフィ検査に対する「痛い」という不安感を低減するための新構造圧迫板「FS(Fit Sweet)圧迫板」を、富士フイルムメディカルを通じて2013年4月11日に発売する。同社のマンモグラフィ「AMULET」シリーズに向けたオプションであり、標準ユーザー渡し価格は80万円。

マンモグラフィ検査時には、乳房を圧迫して固定するため、患者の痛みや不快感があるのが実態だ。従来の圧迫板では、乳房の最も厚みがある部分に集中して圧力が加わっていたため、その部分に強い痛みを感じることが多くあったという。

そこで、今回発売するFS圧迫板は、乳房と接触した際に圧迫板が乳房の厚みに沿って傾斜すると同時に、圧迫板の前面部と両側面部(左右)の計3カ所にスリットを設けることで、乳房を圧迫する際の圧力が面内で分散される設計にした。

同社が女性10人を対象に実施した評価では、10人中7人から「痛みが軽減し、次回も『FS圧迫板』で検査したい」という結果が得られたという。また、撮影を実施した技師からは、「従来の圧迫板よりもポジショニングしやすい傾向にある」という意見が得られたとする。