2014年8月31日日曜日

女性ホルモンの一種エストロゲンの量が少なくなることで、食べ過ぎにつながっている!?

気がついたらいつも何か食べている、あるいはつい”ドカ食い”してしまうという女性。もしかしたらそれはホルモンの影響を受けているのかもしれない。

研究者によると、女性ホルモンの一種エストロゲンの量が少なくなることで、食べ過ぎにつながっていることがわかった。そして、ホルモン療法でそうした過食をコントロールできるようになるかもしれないという。

▼エストロゲン少ないと過食に

米テキサス州ベイラー医科大学のYong Xu助教授らがメスのマウスで実験を行い、エストロゲンの増減が食行動に与える影響を観察した。

それによると、エストロゲンレベルが高いマウスほど”ドカ食い”は少なく、逆にエストロゲンレベルが低いと頻繁にたくさんの量を食べる傾向が認められた。Xu助教授によると、ヒトでは月経不順の女性ほど過食に陥る傾向があるのだという。

乳細胞を刺激しないホルモン開発

では、ホルモンを補充すれば過食が止まるのでは、と思う人もいるだろう、しかし、それほど単純な話ではない。というのも、女性ホルモンが増えると乳がんのリスクが高まる恐れがあるからだ。

そこで、Xu助教授はインディアナ大学のチームと共同で、食欲をコントロールするのに役立ち、なおかつ乳細胞にエストロゲンが届かないような物質「GLP−1エストロゲン」を開発した。

開発ホルモン投与で食欲正常化

この物質をマウスに投与したところ、神経伝達物質の一種セロトニンがある脳内部位にエストロゲンが届いたことが確認された。セロトニンは食欲を正常化する作用があり、つまりこのGLP−1投与で過食のコントロールが期待できるという。

実際、GLP−1を投与されたマウスでは過食行動がみられなくなったという。このGLP−1活用はまだ研究段階だが、将来的には過食の女性への処方を視野に入れているようだ。

出典元:Estrogens stimulate serotonin neurons to inhibit binge-like eating in mice - Journal of Clinical Investigation(8/26/2014)