2015年6月4日木曜日

【愛知】がん死亡率は長期低下傾向 県の14年度白書

県がまとめた二〇一四年度の「がん対策白書」によると、一二年の人口十万人あたりのがんによる死亡率(七十五歳未満、年齢調整値)は男性一〇二・七人、女性六〇・四人で、男性は前年から一・六人減少、女性は〇・九人増加した。県のがん対策推進計画では一五年の目標死亡率は男性九五・六人、女性五二・六人。担当者は「男女とも長期的には低下している。予防や早期発見を促す取り組みを強化したい」と話している。

 一二年のがんによる死亡率は都道府県別で低い方から男性が十九位、女性が三十位だった。死亡に占めるがんの種類別では、男性は肺がんや大腸がん、女性は乳がんが目立った。

 市町村が実施するがん検診の受診率は、胃がん14・6%、肺がん23・4%、乳がん30・6%などで、二年前からほぼ横ばい。担当者は「職場などで受診する人も増えているとみられ、全体の受診率は上がっているのではないか」とみている。

 がんの治療や終末期のケアを自宅で受ける患者の割合は一三年で8・0%だった。県内には、がん治療を受けられる病院が比較的多いことなどから割合は低い傾向にある。県は一六年をめどに、一一年の全国平均の8・2%まで引き上げることを目指している。

 また、県は一四年度、がん患者が仕事を続けやすい環境支援として、患者団体や医療、企業関係者らによる有識者会議を開催。企業に対しては病気休職制度などの充実や社内啓発、医療機関には患者の職場との連携や、就労継続に配慮した診察などに取り組む重要性を提言した。