2015年10月15日木曜日

医療の安全、「トヨタ方式」で…人材育成に応用

 産業界の品質管理手法を医療に生かそうと、トヨタ自動車と名古屋大病院が共同で、医療の安全と質向上を担う人材育成に乗り出した。「ものづくり」の発想を医療に応用するもので、養成講座が今月スタートした。

 最近、群馬大病院や東京女子医大病院などで深刻な医療事故が相次いでいる。名大病院は文部科学省の補助金で、トヨタが培った手法を医療現場で実践する事業を始めることにした。

 トヨタでは、不良品がどの工程で発生したかを速やかに確認し、問題を最小限に抑えている。こうした品質管理のノウハウは、医療事故がどの段階で起きたかを解明して診療や組織運営の進め方を見直し、安全性の向上を図る形で医療に応用できるという。

 受講者は、各地の病院に勤務する医師16人。トヨタが取っている具体的な手法を学び、実際に病院で起こる問題の解決を試みるなど、半年かけて実践的に学ぶ。
 
(2015年10月9日 読売新聞)