2015年12月1日火曜日

がん誘発の生活習慣/100%の感度のがん検査

AskDoctors 2015.12.01

「ハムやソーセージを食べると、大腸がんになる」って本当?

こんなニュースを最近ご覧になった方も多いと思います。先月末の国際がん研究組織(IARC)の発表によるものです(*1)。加工肉が大好き!という方は、どきっとしたのではないでしょうか?

この発表について国立がん研究センターが「大腸がんの発生に関して、日本人の平均的な摂取の範囲であれば赤肉や加工肉がリスクに与える影響は無いか、あっても、小さい」と発表しています。日本人の赤肉・加工肉の摂取量は世界的に見ても低いためです。

がんのリスクが高い生活習慣とは?

日本人の3人に1人ががんで亡くなるほどがんは私たちにとって身近な病気なので、加工肉のニュースに限らず、がんのリスク要因を配慮して生活されている方も多いと思います。飲酒や喫煙は有名ですが、なかにはこんな、国や地域の文化に密接にかかわったものもあります。
・食道がん:熱い食べ物や飲み物(マテ茶を飲む南米や、熱い飲食物が好きな東南アジアで多い) 
・胃がん:塩分の高い食べ物(塩蔵物が好きな日本海側で多い)
せっかく生活習慣に気を付けるなら、日本人の生活の実態も考慮したいですよね。生活習慣とがんリスクの関係については、国立がん研究センター予防研究グループが、日本人の生活習慣と疾患の関係を調査した結果をもとに、「がんリスクチェック」を公開しています。

がんリスクチェック

Webで質問に答えるだけで、簡単に「大腸がん」「がんと循環器の病気」などのリスク診断ができますので、ぜひチャレンジしてみてください。

内視鏡検査に抵抗がある方におすすめしたい最先端のがん早期発見検査

がんの検査には種類がありますが、たとえば人間ドックでよく見かける腫瘍マーカーでは単独でがんを発見するのは難しいといわれ、診断には補助的に利用されています。

また、内視鏡検査が辛い、という理由で人間ドックや検診から足が遠のいている方も少なくないと思います。

新しい方法として、消化器のがんを遺伝子レベルで、一度の採血で判定する検査があります。「消化器がんマイクロアレイ血液検査」は、今年経済産業大臣賞を受賞した技術を利用した検査です。病院で一度採血するだけで、消化器系のがん(胃がん、大腸がん、すい臓がん、胆道がん)について通常の検査では見つからないレベルのがんを、血中の遺伝子発現解析でほぼ100%の感度で見つけることができます。

すでに全国の医療機関で活用実績があり、メディアでも取り上げられています。