2014年5月28日水曜日

「食べる量を減らすと乳がんが治りやすい」とマウス実験で明らかに

2014年05月28日 10時00分

ダイエット中の人に限らず、乳がんを克服したい人も食べ過ぎには注意した方が良いらしい。

◆摂取カロリーを減らすと治療効果が高まる

米トーマス・ジェファーソン大学のニコル・シモーヌ博士によると、放射線でがん治療をしている人は、食べる量をいつもより1/3減らすと治療効果が高まるという。

乳がんは40歳以下の若い世代にも珍しくなく、治療後の転移の危険性も高い。しかし低カロリー食にすると、特に進行の速いトリプルネガティブ乳癌が広がるのを阻止できることがわかった。

腫瘍の周りの組織を固める
食事量を減らすと腫瘍を取り囲む組織が強固になり、がんの広がりを抑えることができるとみられている。

また、がん細胞がmiR 17/20という分子を作り出す働きを抑え、病気が広がっていく分子経路を断つことができる、とも。放射線治療と併せ、カロリー制限をしていたマウスのmiR 17/20が最も少なかったという。

◆治療中の太り過ぎは予後が悪い

一般的な乳がん治療では、腫瘍が広がるのを抑えるためのホルモン療法と、化学療法の副作用を和らげるためにステロイドが用いられる。

治療による代謝の変化により、多くの患者が治療1年目で4キロ前後体重が増えるそうだ。

しかし太り過ぎは乳がんの治療効果を低下させ、「治療中に体重が増えた人は予後が芳しくない傾向にある」とのデータもある。

「がん治療を行っている女性が体重を気にするべきなのはこのため」と同博士。実験の結果、食事の量を1/3減らしたマウスは転移性疾患にかかりにくかったという。

▼私の体重と体脂肪率の変化は、、、


2014年5月26日月曜日

採血の受付方法が変更されていた


血液検査; 腫瘍マーカー良好、運動不足&栄養不足 ^^;

◆腫瘍マーカー 低安定 ^^♪
術前 2011/5/2: CEA 3.1
術後 2011/6/2: CEA 2.3
抗がん剤後 2012/1/5: CEA 1.5
今現在 2014/5/26: CEA 1.2

術前 2011/5/2: CA15-3 14.6
術後 2011/6/2: CA15-3 12.0
抗がん剤後 2012/1/5: CA15-3 08.7
今現在 2014/5/26: CA15-3 05.8



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▼総蛋白;L
過度のダイエット、低栄養状態
ダイエット、低栄養状態のように、食事制限や食事の摂取量の不足によってアルブミンの原料となる蛋白が不足して作られなくなるために総蛋白は低い値となります。

▼尿素窒素;L
蛋白摂取量の減少
蛋白の摂取量が減少すれば、その分尿素の作られる量が減りますので、低い値となります。

▼クレアチニン;L
低い値を示す場合
長期間寝たきり状態

▼K;L
低カリウム血症とは
低カリウム血症が起こる原因は、①カリウムの摂取量が少ない、②体外に出ていくカリウムの量が多い、③血液中から細胞のなかにカリウムが取り込まれてしまう、の3つがあげられます。①の原因としては拒食症(きょしょくしょう)、大酒家など長期間にわたって偏った食生活をした場合です。

▼Cl;H
クロールは電解質成分の一つ。血中の陰イオンの多くを占めます。食塩(NaCl)の形で摂取されます。血液検査ではナトリウム(Na)との濃度とのバランスが重要な判断材料となります。

▼P;L
ビタミンD欠乏症など

▼赤血球数;L
▼ヘマトクリット;L
ヘマトクリット値が低ければ、血液が薄いということを意味しているので、貧血が疑われます。大部分は女性に多い鉄欠乏性貧血

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◆低栄養とはタンパク質不足!

実は低栄養かどうかは血液中の「アルブミン」という成分の量で判断されます。(3.5g/dl以下で低栄養、3.8g/dl以下で低栄養予備群)。アルブミンとはタンパク質の一種で、血液を流れている血清タンパク質のおよそ6割を占めています。つまり低栄養とは「タンパク質不足」のことなのです。タンパク質は体のさまざまな組織をつくる材料になります。そのため不足すると、
赤血球の材料が少ない→「貧血」
血管を作る材料が少ない→「脳出血」
免疫細胞を作る材料が少ない→「肺炎」「結核」
筋肉を作る材料が少ない→「転倒」→「骨折」
               などなど・・・・
低栄養はこのようにさまざまな病気につながってしまうのです。

▼アルブミン; 正常値内 4.0 (4.0 - 5.0)

2014年5月23日金曜日

両乳房切除、非合理的に選択され過ぎている 米調査

2014年05月23日 15:23 発信地:ワシントンD.C./米国

【5月23日 AFP】片方の乳房で乳がんと診断された女性は多くの場合、両方の乳房を切除すべきかどうかという難しい決断を迫られるが、両乳房切除が実際には不必要な人にまで選択されている可能性があるとの調査結果が、21日の米国医師会雑誌(内科学)「Journal of the American Medical Association Internal Medicine」に発表された。

 両乳房切除は、生存率の上昇にはほとんどつながらず、一般的には乳がんリスクが高いと考えられる女性のうち約1割に勧められる。

 高リスクとみなされるのは、BRCA1またはBRCA2という遺伝子に変異が認められた女性や、乳がんの強い家族歴がある女性で、その場合は片方に乳がんがあると診断された段階で再発防止のため両乳房の切除手術が提案される。

 調査によると、片方の乳房で乳がんと診断され両乳房の切除手術を受けた女性の69%は、乳がんの強い家族歴や遺伝的な危険因子は認められなかったという。

 調査結果をまとめた主執筆者、ミシガン大学医学大学院(University of Michigan Medical School)のサラ・ホーリー(Sarah Hawley)内科学助教授は、「女性は、がん再発の懸念から予防的対側乳房切除(Contralateral Prophylactic Mastectomy、CPM)を選ぶようだが、がんに侵されていない乳房を切除しても、がんのある方の乳房の再発リスクが下がるわけではない以上、これは合理的な選択ではない」と話している。

 この調査は、片方の乳房でステージI~IIIのがんと診断された1447人の米国人女性を対象に行われた。平均年齢は59歳だった。このうち両乳房を切除したのは約8%で、35%はがんが見つかった乳房だけを切除していた。また、がんの部位だけを除去する乳房温存手術を選択した人は58%だった。

 調査結果について米ボストン(Boston)にあるダナ・ファーバーがん研究所(Dana-Farber Cancer Institute)のショシャナ・ローゼンバーグ(Shoshana Rosenberg)氏とアン・パートリッジ(Ann Partridge)氏は、乳がんと診断された女性が直面する複雑な感情について指摘している。

「不安と恐怖にさいなまれて最善の決定がなされないことも確実にある」として、「CPMは臨床的適応がない、女性に対する過剰な治療とみなされるかもしれないが、一方で、一部の女性にとってはリスク軽減や審美的・心理的な観点からCPMこそ適切な選択となることもあり得る」として、「この問題をめぐるバランス」を見極めるため、医師と患者が意思決定のプロセスを共有すべきだと提言している。

2014年5月21日水曜日

乳癌リスクの低減を目的とした手術/NCIファクトシート

2014年5月21日 (原文日付 2013年8月12日)

キーポイント

両側の乳房を切除する予防的手術(予防的両側乳房切除術)によって、乳癌や卵巣癌の強い家族歴のある女性、BRCA1または BRCA2遺伝子に有害な(疾患の原因となる)突然変異をもつ女性、あるいはTP53やPTENのような他の遺伝子に一定の乳癌関連変異をもつ女性の乳癌リスクを低減することができます。

 閉経前の女性の卵巣および卵管を摘出する予防的手術(予防的両側卵管卵巣摘出術)によって、乳癌および卵巣癌のリスクが非常に高い女性ではリスクを低減することができます。

 片側の乳房で癌と診断され、乳癌のリスクが非常に高いことがわかっている女性では、もう片側の乳房(対側乳房)も同様に切除することを考慮する場合があります。

リスク低減手術は、乳癌リスクが増大しているもののリスクが最大ではない女性にとって適切な癌予防選択肢とは考えられません。しかし、このような女性ではリスクを低減するために、特定の薬剤の使用を選択する場合があります。

1.乳癌リスクを低減するにはどのような手術が有効でしょうか?

乳癌と診断されたことはないものの、乳癌リスクが非常に高いことが分かっている女性において、そのリスクを低減する目的で施行しうる手術は2種類あります。
   乳癌や卵巣癌の強い家族歴がある女性、BRCA1または BRCA2遺伝子に有害な(疾患の原因となる)突然変異を有する女性、または乳癌リスクと関連のあるTP53や PTENなどの他のいくつかの遺伝子の1つに浸透度の高い変異を有する女性では、乳癌を発症するリスクが非常に高くなります(質問3を参照)。
   最もよく実施されるリスク低減手術は、予防的両側乳房切除術(リスク低減両側乳房切除術)です。予防的両側乳房切除術には、乳頭を含む両側乳房を完全に切除する手術(全乳房切除術)、または乳頭はそのまま残しつつ乳房組織を可能な限り切除する手術(皮下乳房切除術または乳頭温存乳房切除術)があります。皮下乳房切除術では乳頭を温存するため、患者がその後に乳房再建術を受けることを選択すれば、より自然な外観を保つことが可能です。しかし、切除される乳房組織量は皮下乳房切除術より全乳房切除術の方が多いため、乳癌リスク低減率は全乳房切除術が最も高くなります(1)。
   たとえ全乳房切除術を行っても、将来に癌化するリスクがありうる乳房組織を全て切除できるとは限りません。乳房切除術施行時、通常は胸壁は切除しませんが、胸壁にはいくらかの乳房組織が含まれる可能性がありますし、また腋窩、鎖骨上方およびずっと下方の腹部において乳房組織が見つかることもあり、外科医がこれらの組織全てを切除することは不可能です。
   別の種類のリスク低減手術に予防的両側卵管卵巣摘出術があり、予防的卵巣摘出術と呼ばれることもあります。卵巣と卵管の摘出を行うこの手術は、乳癌リスクが非常に高い閉経前女性において単体でまたは予防的両側乳房切除術とともに実施できます。閉経前女性の卵巣を摘出すると、体内で産生されるエストロゲン量が減少します。エストロゲンはいくつかのタイプの乳癌の増殖を促進するため、卵巣を摘出することで体内のこのホルモンの量を減らせば、そうした乳癌の増殖速度を低下させられる可能性があります。

2. リスク低減手術はどのくらい効果的ですか?

  予防的両側乳房切除術は、BRCA1またはBRCA2遺伝子に有害な(疾患の原因となる)突然変異をもつ女性で乳癌リスクを95%以上、乳癌の強い家族歴のある女性で乳癌リスクを最高90%低減させることが示されています(2-5)。
   予防的両側卵管卵巣摘出術は、卵巣癌や乳癌を発症するリスクが非常に高い女性において、卵巣癌リスクを約90%、乳癌リスクを約50%低減させることが示されています(1)。

 3. 乳癌リスク低減手術が考慮されるのはどのような女性ですか?

  BRCA1またはBRCA2遺伝子に有害な突然変異を受け継いでいる女性、またはある別の遺伝子に変異があるために乳癌発症リスクが非常に高い女性では、こうしたリスクを低減させるために予防的両側乳房切除術や予防的両側卵管卵巣摘出術を考慮することがあります。
   2つの研究において、70歳までに乳癌を発症する推定リスクは、BRCA1遺伝子に有害な突然変異をもつ女性で55~65%、BRCA2遺伝子に有害な突然変異をもつ女性で45~47%でした(6、7)。乳癌の生涯リスクの推定値は、PTEN遺伝子の一定の変異によって引き起こされるカウデン病に罹患した女性で25~50%(8、9)またはそれ以上(10)であり、TP53遺伝子の一定の変異によって引き起こされるリー・フラウメニ症候群に罹患した女性で49~60%です(11)。(対照的に、平均的な米国人女性の乳癌の生涯リスクはおよそ12%です)。
  その他、乳癌リスクが非常に高い以下のような女性でも、予防的両側乳房切除術が考慮されることがあります。
乳癌の強い家族歴がある女性。
(両側乳癌の診断を受けた人、もしくは50歳前に乳癌の診断を受けた人が母親、姉妹や娘の中にいる女性、あるいは家系に乳癌または卵巣癌患者が複数いる女性など)
 乳癌の家族歴がある非浸潤性小葉癌(LCIS)患者。(LCISは乳房の小葉に異常な細胞が認められる状態です。癌ではありませんが、LCISに罹患した女性ではどちらかの乳房に浸潤性乳癌を発症するリスクが増大します。乳腺外科医の多くは、強い家族歴や他のリスク因子を持たないLCIS患者においては、予防的乳房切除術はあまりにも攻撃的すぎるアプローチであると考えています)。
 30歳までに胸部(乳房を含む)放射線療法を受けたことのある女性。たとえば、ホジキンリンパ腫に対する放射線療法を受けた場合など。[このような女性では生涯を通して乳癌を発症するリスクが高くなります(12)]。

 4.すでに乳癌と診断されている場合、リスク低減手術を受けることは可能ですか?

  可能です。片側の乳房で癌と診断された女性、特にリスクが非常に高いことが分かっている女性では、たとえもう片側の乳房(対側乳房)に癌の徴候がない場合でも同様の切除が考慮される場合があります。乳癌手術と同時に対側乳房を切除する予防的手術(予防的対側乳房切除術)を行うことで対側乳房の乳癌リスクが低減しますが(2、4、5、13)、こうしたリスク低減法が患者の長期生存の向上につながるかどうかはまだ分かっていません(13)。
  しかし、多くの場合、医師は片側の乳房に癌がある女性でも対側乳癌発症リスクが非常に高いという基準を満たさない場合は予防的対側乳房切除術には反対です。このような女性では、癌に罹患している乳房または対側乳房に新しい乳癌を発症するリスクは非常に低く(14)、癌治療の一環として術後補助化学療法またはホルモン療法を受けている場合では特にそうです(15、16)。
   乳癌女性のほとんどにおいて対側乳房の癌発症リスクが低いのであれば、リスクはあまり高くないと分かっているものの対側乳房の癌発症について心配がぬぐえない女性は、対側乳癌リスクをさらに低減するために手術以外の選択肢の考慮を望む場合もあるでしょう(質問7を参照)。

5. リスク低減手術に伴う可能性のある弊害はどのようなものですか?

  他の全ての大手術と同様、予防的両側乳房切除術および予防的両側卵管卵巣摘出術にも出血や感染症などの合併症または障害が起こる可能性があります(17)。さらに、両手術はともに不可逆的です。
  予防的両側乳房切除術による身体イメージの変化および正常な乳房機能の喪失が原因となって、女性の心理的健康が影響を受ける可能性もあります。この手術を選択する女性のほとんどは、自らの決断に満足していますが、それでもやはり身体イメージに関する不安や心配をもつ可能性はあります(18、19)。もっともよくある心理的な副作用として、外観に関する悩み、自らの女性性を感じることの困難さ, 性的関係に関する悩みなどがあります(19)。全乳房切除術を施行すれば、乳頭の感覚が失われるため、性的興奮が妨げられる可能性があります。
  予防的両側卵管卵巣摘出術を受けたことが原因でエストロゲン産生量が急に落ち込むと、閉経前女性において早期閉経が誘発されることになります(外科的閉経)。外科的閉経により、ほてり、不眠、不安および抑うつなどの更年期症状が急激に発症する可能性があり、中には重症となりうるものもあります。外科的閉経の長期的な影響には、性的欲求の低下、膣の乾燥および骨密度の低下などがあります。
  予防的両側卵管卵巣摘出術を受けた後に重度の更年期症状を呈した女性では、これらの症状を緩和する目的で手術後に短期の閉経期ホルモン療法が考慮されることがあります。[特定の種類の閉経期ホルモン療法と関連する乳癌リスクの上昇率は、予防的両側卵管卵巣摘出術と関連する乳癌リスクの低下率に比べてはるかに低くなります(20)。

6. 乳癌リスクが大きいものの、最大ではない女性の癌リスクを低減するにはどのような選択肢がありますか?

 乳癌リスクが最大ではない女性(すなわち、乳癌と関連した高浸透度の遺伝子変異をもたない女性、あるいはリスクが非常に高くなるような臨床歴または病歴のない女性)にとって、リスク低減手術は適切な癌予防選択肢とは考えられません。しかし、乳癌リスクが非常に高いわけではないものの、リスクが増大していると考えられる女性では、リスクを低減するための薬剤の使用を選択する場合があります。
  医療機関では、BRCA1、BRCA2遺伝子、または乳癌リスクと関連する他の遺伝子に有害な変異をもたない女性の乳癌リスクを評価するためにいくつかのツールが使われており、これをリスク評価モデルとよびます。乳癌リスク評価ツール(BRCAT: Breast Cancer Risk Assessment Tool)は広範に使用されているツールであり、次の5年間および90歳になるまでに乳癌を発症するリスク(障害リスク)を評価するために数多くの要因を考慮するコンピュータ―モデルです。推定5年リスクが1.67%以上の女性は「高リスク」に分類され、乳癌発症リスクが平均より高いとされます。この高リスクのカットオフ(すなわち、推定5年リスクが1.67%以上)は研究および臨床カウンセリングの場で広く用いられています。
  タモキシフェンおよびラロキシフェンの二剤は、乳癌発症の5年リスクが1.67%以上の女性において乳癌リスクを低減する目的で米国食品医薬品局(FDA)の承認を受けています(21-23)。タモキシフェンは閉経前および閉経後女性の両方、ラロキシフェンは閉経後女性のみにおけるリスク低減目的で承認されました。大規模ランダム化臨床試験において、タモキシフェンの5年間の投与により高リスク閉経後女性における浸潤性乳癌のリスクが約50%低下(23)、ラロキシフェンの5年間の投与により高リスク閉経後女性における乳癌のリスクが約38%低下しました(24)。両剤共にエストロゲンの働きを阻害することでいくつかのタイプの乳癌の増殖を抑制します。米国予防医療作業部会(USPSTF)は、乳癌リスクの高い女性がリスク低減目的でタモキシフェンまたはラロキシフェンの投与を受ける場合に考えられる利益および害について、医療専門家と話し合うことを推奨しています(25)。
  また別の薬剤であるエキセメスタンは、乳癌リスクが高い閉経後女性で乳癌発症率を65%低下させることが最近示されました(26)。エキセメスタンは、アロマターゼ阻害剤と呼ばれる薬剤分類に属し、体内のエストロゲン産生を阻害します。しかし、BRCA1およびBRCA2遺伝子の有害変異のように乳癌リスク増大と強く関連する変異を有することがわかっている女性において、これらの薬剤のいずれかが乳癌の非常に高いリスクを低減させるかどうかはわかっていません。
  乳癌手術を受けた女性では、再発リスクに関係なく再発する可能性を減らすために薬剤を投与される場合があります。(この付加的治療を術後補助療法またはアジュバント療法といいます)。また、このような治療により、すでに低い対側乳癌および二次原発乳癌のリスクがさらに低減します。乳癌手術後に乳癌リスクを低減する目的で術後補助療法に用いられる薬剤には、タモキシフェン、アロマターゼ阻害剤、従来の化学療法薬およびトラスツズマブなどがあります。

7. 非常にリスクの高い女性がリスク低減手術を望まない場合には、どのような選択肢がありますか?

 乳癌(または対側乳癌)リスクが非常に高い女性の中には、より頻回な乳癌スクリーニング(強化スクリーニング)を受ける人もいるでしょう。たとえば、毎年マンモグラフィおよび磁気共鳴画像法(MRI)による検診を受けることができます。これらの検診を交互に組み合わせて6カ月ごとに乳房の画像検診を行うことができますし、医療専門家による定期的な臨床乳房検査を受けることもできます(27)。強化スクリーニングを実施することで、治療成功の確率がより高い早期ステージにて乳癌を発見する機会が増えるでしょう。
  乳癌リスクを増大するいくつかの遺伝子変異をもつ女性は、一般集団に比べて放射線関連乳癌をより発症しやすい可能性があります。これらの遺伝子は、放射線への曝露が原因で生じうるDNA損傷の修復に関与しているからです。乳癌リスクが高い女性は、放射線(マンモグラフィまたはX線)を含む診断検査のリスクに関して医療者に質問をした方がよいでしょう。乳癌高リスク女性の強化スクリーニングに関するさまざまな側面を検討する臨床試験が現在進行中です。
  手術を避けたいと望む女性の場合、化学予防(薬剤その他の化学物質の使用により、癌リスクを低減したり発症を遅らせること)も選択肢のひとつとなりえます。タモキシフェンおよびラロキシフェンの両剤は、乳癌リスクが増大している女性のリスクを低減する目的でFDAの承認を受けています(質問6を参照)。これらの薬剤が、BRCA1またはBRCA2遺伝子、あるいは他の乳癌感受性遺伝子に有害変異を有するようなさらに高リスクの女性における乳癌予防に使用できるかどうかはまだ明らかではありませんが、タモキシフェンは、以前乳癌の診断を受けたBRCA1 およびBRCA2変異をもつ女性において対側乳癌のリスク低下に寄与できる可能性があります(28)。

8. リスク低減手術には、医療保険が適用されますか?

 多くの医療保険会社は、乳癌および卵巣癌のリスク低減を目的とした予防的乳房切除術(両側または対側)および予防的両側卵管卵巣摘出術への支払いを行うかどうか、またどのような条件で支払うのかについての公式方針をもっています。しかし、これらの手術を医学的に必要であるとみなす基準は保険会社によって異なるようです。全ての外科的処置について、保険適用を認める前にセカンドオピニオンまたは医療者から得た医学的必要性の証明書の提示を求める保険会社もあります。乳癌や卵巣癌のリスク低減を目的とした予防的手術を考慮中の女性は、手術を決断する前に主治医および保険会社と保険適用に関する事項を話し合っておいた方がよいでしょう。
  1999年に制定された女性の健康および癌の権利法(WHCRA : The Women’s Health and Cancer Rights Act)では、乳房切除術を適用範囲とする医療保険プランのほとんどに、乳房切除後の乳房再建術への支払いも含めることを要求しています。WHCRAに関するより詳細な情報は、米国労働省Department of Laborが提供しています。

9. 乳癌リスク低減手術を考慮する時、誰に相談すればよいでしょうか?

  乳癌リスクを低減するためにいずれかの手術を選択するのは、大きな決断となります。乳癌リスクが高い女性は、リスク低減手術や手術の代替法に関するセカンドオピニオンが欲しいと思うかもしれません。セカンドオピニオンを得るにあたってのより詳細な情報は、NCIファクトシート『癌になった時の医師または治療施設の見つけ方』How to Find a Doctor or Treatment Facility if You Have Cancerの「診断および治療計画に関して別の医師の意見を求めるには?」の項を参照して下さい。
  また、予防的乳房切除術を考慮中の女性は、乳房再建術を専門とする外科医に相談したいと思うかもしれません。乳房の健康に関する専門家や医療ソーシャルワーカー、癌臨床心理士あるいは精神科医などの他の医療専門家も、乳癌リスクを低減するための選択肢を考慮する助けとなってくれます。
  女性がリスク低減手術をうけるかどうかの決断は、疾患リスクそのものを越えた数多くの要因に影響されると考えられます。たとえば、片側の乳房が癌と診断された女性では、再び癌治療を受けなければならないかもしれないという苦悩や、長期にわたる経過観察にともなう心配や不自由さなどが想定されます(29)。こうした理由から、リスク低減手術を考慮中の女性は、同様の処置を考えたことのある女性またはすでに手術を受けた女性と話す機会が欲しいと思うかもしれません。同じような癌体験をもつ女性達と知り合う手助けをしてくれる支援団体があります。検索可能なNCIのデータベースNational Organizations That Offer Cancer-Related Servicesには、多くの支援団体のリストがあります。
  最後に、乳癌、卵巣癌またはその両方の癌の強い家族歴を有する場合、その女性および家族のメンバーは遺伝カウンセリングサービスを受けたいと考えるかもしれません。適応があれば、遺伝カウンセラーまたは遺伝学を学んだ他の医療提供者が、その家族の疾患リスクを詳細に調べ、家族のメンバーが癌の素因遺伝子の変異に関する遺伝子検査を受ける手助けをすることができます。

2014年5月16日金曜日

左脇が・・・♪

左脇がいつの間にか元通りに・・・。
手術の傷が脇の皮膚を引っ張っているような感じだったのが無くなっている!
傷が治って皮膚が伸びた(?)のかしらん???

これは戻らないと思っていたので、すごく嬉しい。



2年ほど前の「2011年6月10日 脇の下のつっぱり」にある画像を見ると、今との違いは明らか・・・^^

腕が上がる目測角度

生活に不便を感じなくなってから忘れていたけど、久しぶりにやってみた。。。

*()内は正常値
*左右両方
 
・前方 180度(180)  
・横 180度(180) 
・後方 60度(60) 
・内 90度(90) 
・外 75度↑(90)

2013年2月14日とほぼ同じ・・・^^;。2012/3/26付に「腕が上がらない」とあるのが最初、それから約1年で徐々に回復したんだね。まぁ、1年経過後はそれが限界でそれ以上は良くならないとあったから、今以上に回復する事はないだろう。でも、まったくもって問題なし!だ。

がん罹患者、年80万人超える 35年前の4倍に

2014年5月16日 朝日新聞の医療サイト

1年間に新たにがんにかかった人は、2010年の推計値で80万人を超えたことが、国立がん研究センターがん対策情報センターの最新統計で明らかになった。記録が残る35年前の約4倍で、80万人を超えたのは初めて。高齢化の影響が大きいとみられる。生涯でがんにかかる確率は男性60%、女性45%と試算している。

 全国の地域がん登録事業を実施している自治体のデータをもとに推計した。その結果、10年にがんにかかった人は男性が46万8048人、女性が33万7188人の計80万5236人。1975年の計20万6702人の約4倍だった。

 部位別でかかった人が多いがんは、男性が①胃がん②肺がん③大腸がん、女性は①乳がん②大腸がん③胃がんで、ここ最近は順位に変化はない。

 一方、がんによる死者は2012年の人口動態統計によると、男性21万5110人、女性14万5853人の計36万963人。がんで死亡する確率は男性26%、女性16%になる。死亡数が多いがんは、男性が①肺がん②胃がん③大腸がん、女性は①大腸がん②肺がん③胃がん、の順だった。

2014年5月7日水曜日

ホルモン補充療法が更年期女性のRA発症予防に有効の可能性

学会ダイジェスト: 第58回日本リウマチ学会
2014年4月24日~26日 東京
ホルモン補充療法が更年期女性のRA発症予防に有効の可能性
2014/5/7 日本リウマチ学会取材班

 50歳前後の更年期女性で朝のこわばりなどの関節症状を訴えてリウマチ外来を来院する患者は多く、そのうちの9割近くは放置しても自然に軽快消失するとされるが、関節リウマチ(RA)を発症するケースも見られる。慶宮病院院長の宮地清光氏らは、こうした関節症状がある更年期女性に対してホルモン補充療法(HRT)の効果を検討、RF陽性例ではHRT未施行例に比べて有意にRA発症が低いことを示した。4月26日まで東京で開催された日本リウマチ学会(JCR2014)で発表した。

2014年5月2日金曜日

ビタミンDの値が高いがん患者ほど生存率が高い:調査結果

2014年05月01日

▼ビタミンD値が高い人ほど乳がん、大腸がん、リンパ腫の予後が良好!

上海にある中国科学院のホイ・ワン教授が、これまでに発表された25の研究結果から、17,332人のがん患者のビタミンDの値を調べたところ、特に乳がん、大腸がん、リンパ腫においては、ビタミンDの値が高い人ほど予後が良いことがわかった。

がん患者のビタミンD値は治療前のもので、他に診断の時期やその後の生存率を併せて分析した。その結果ビタミンDの値が高い人の方が生存率が高く、寛解(病気の症状が落ち着き安定している状態)の時期も長かったという。

▼肺がんや胃がん、前立腺がん、皮膚がんでもわずかながらプラスの効果が

ビタミンD値と予後の良さの関係性が特に顕著なのは、前述の3つのがんだが、肺がんや胃がん、前立腺がん、メラノーマ、メルケル細胞がんについても、多少のプラス効果があるようだ。

「ビタミンD欠乏症が世界的に広がる中、改めてビタミンDは人間に欠かせない存在であることがわかった」とワン教授。「医師もがん患者のビタミンDのレベルに注目すべき」と述べている。

ビタミンD は日の光を浴びると私たちの体内で生成される他、サケやイワシ、サバ、卵、シリアル、粉ミルクなどに含まれている。

引用元*http://irorio.jp/sousuke/20140501/131832/

2014年4月8日火曜日

アンジーの主治医 日本の乳がん事情に「ショック」

 昨年5月、米女優のアンジェリーナ・ジョリーさん(38)が遺伝性乳がんの発症予防のために乳房切除と再建手術を受けたと告白した。手術を担当したクリスティ・ファンク医師(44)が、理化学研究所が主催するシンポジウムのため、来日。講演後に本誌のインタビューに応じた。

 今回のアンジーの告白は、アメリカではどう受け止められているのか。ファンク医師は、「患者の家族や親戚など、まわりの人が、(予防的切除について)理解を示すようになった」と歓迎する。

「患者さんの多くは、“アンジーに感謝している”と話していました。なかには涙ぐむ人もいましたね」

 実は、遺伝性乳がん(正式には遺伝性乳がん・卵巣がん症候群:HBOC)に対して先進的な医療を実践しているアメリカだが、一部では予防的切除について、家族や親族から理解を得られず、批判されることもあった。それが患者を苦しめていたという。

「それが今回の告白で、周囲の予防的切除への理解が深まり、自分が選択したことについて支援を得られるようになったのです」

 今回のインタビューでは日本のHBOCに対する取り組みについても聞いた。

 日本では予防的切除はもとより、HBOCの存在すら一般的ではなく、アンジーの告白でにわかに注目された。その結果、遺伝カウンセリングや遺伝子検査を実施する医療機関が増えた。とはいえ、それも十分ではない。例えば、HBOCの診断に必要な遺伝子検査は、健康保険が使えず、自費で20万~30万円かかる。がんになっていない反対側の乳房や卵巣の予防的切除は一部の医療機関で始まったが、がん発症前の乳房切除はまだ行われていない。

 これを知ったファンク医師は、「ショック」と驚く。

「(切除が受けられないのであれば、その前段階として)まずは、50歳以下の乳がん患者全員に遺伝子検査を受けてもらうこと、それから家族歴の調査を実施すること。この二つを実践すれば、リスクのある方が危険にさらされたままという状況が回避できます」

 さらに、日本に限らず多くの国でHBOCの対策が遅れていることを指摘した。

「イギリスやカナダ、スウェーデンなど一部の国では自己負担でも遺伝子検査自体が認められていません。自分の遺伝情報を知りたいと望んでいる人がいて、それが実現可能にもかかわらず、ノーというのはどうなんでしょう」

 同センターでは潜在的なHBOC患者を見つけて、早い段階からケアをしたほうがいいという考えのもと、HBOCの疑いがある・なしにかかわらず、受診した患者全員に五つの質問に答えてもらっている。その結果からHBOCの可能性のある患者がいると、遺伝子検査を受けるよう話をする。ちなみに、検査にかかる負担を軽くするため、検査費用は無料にしている。

 HBOCと診断された後は、病気についてよく理解してもらった上で、年代に応じた検査を受けたり、希望者には予防的切除・再建や抗エストロゲン剤のタモキシフェン、経口避妊薬の投与を実施したりする。

 ファンク医師は、いつか日本でも予防切除ができるようになることを願う。「そのときは日本でも執刀したいわ」と笑った。

※週刊朝日  2014年4月11日号

がん精密検査 36万人受診確認できず

NHK NEWS WEB
がん精密検査 36万人受診確認できず
4月7日 17時30分

がん精密検査 36万人受診確認できず
市区町村が行う大腸がんや乳がんなどのがん検診で、がんの疑いがあるとして精密検査が必要と指摘されたものの、検査を受けていなかったり、受けたことが確認できない人が、全国で延べ36万人余りに上ることが厚生労働省のまとめで分かりました。

がん検診は胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、子宮がんの5つのがんについて、子宮がんで20歳以上、そのほかのがんは40歳以上の人を対象に市区町村が行っています。
厚生労働省によりますと、平成23年度にがん検診を受けた人は、全国で延べ2550万人余りでこのうち5%に当たるおよそ137万人は、がんの疑いがあるとして精密検査を受けるよう指摘を受けたということです。

しかし、翌年の平成24年度末までに精密検査を受けていなかったり、受けたかどうか市区町村が確認できない人が、検査が必要と指摘された人の27%に当たる全国で延べ36万人余りに上ることが分かりました。

がんの種類別では、大腸がんが最も高く37%、次いで子宮がんが32%となっています。
がん検診に詳しい国立がん研究センターの斎藤博検診研究部長は、「自治体や検査機関は精密検査を受けたかどうか分かる体制を作り、個別に連絡を取って検査の必要性を説明するなど検診後のフォローを強める必要がある」と話しています。


2014年2月28日金曜日

めまい?

一昨日の夜、立つと頭がクラクラして視界が揺れて定まらなかった。早々にベッドに入って目を閉じたが、なかなか寝付けなく目を開けて天井を見るとやはり左右に視界が揺れて気持ちが悪い・・・、そんなこんなを繰り返しながらいつの間にか眠りにつき、朝目が覚めた時には治っていた。その後はずっと通常に戻っているが、いったいなんだったのだろうか。
医師1067人に聞いた「お気に入りの抗ヒスタミン薬」
花粉症医師の8割が抗ヒスタミン薬を服用
一番人気はアレグラ、続いてザイザル、アレロック

2014/2/28

日本人に占める花粉症患者の割合は、3割にも上ると言われている。だとすれば、医師の中にも毎年花粉症に悩んでいる人が少なくないはず。そこで今回は、「医師は自分自身の花粉症の治療のために、どんな薬をチョイスをしているのか」をテーマに、ミニアンケートを実施してみた。

2014年2月24日月曜日

マンモの乳がん検診は効果なしという論文が出た

2014年2月24日

イギリスの医学雑誌BMJ誌に、マンモグラフィーによる乳がん検診は通常の視触診やケアと比較して乳がんによる死亡を減らす効果がなかったとする論文が掲載されました(Miller AB et al., Twenty five year follow-up for breast cancer incidence and mortality of the Canadian National Breast Screening Study: randomised screening trial., BMJ., 348:g366
(2014) )。

対象はカナダの40歳から59歳までの女性約9万人で、25年間追跡調査されました。数も期間も十分であるようです。ランダム化もされており質の高い研究と言えます。25年間の追跡調査期間中、マンモグラフィー群4万4925人のうち乳がんによる死亡は500人でした。一方で、対照群では4万4910人中505人でした。ほとんど差がありません。

これまでの同様の調査の主な結果は、「乳がん検診は乳がん死亡を減らす」というものでした。40歳代の女性については過剰診断による害が無視できないとして議論があるものの、50歳以上の女性については国際的にも乳がん検診が推奨されています。今回のカナダの報告では、40歳から49歳までの集団と、50歳から59歳までの集団での結果はほとんど同じであったとありますから、50歳代の女性に限ってもマンモグラフィーによる乳がん検診は乳がんによる死亡を減らさなかったわけです。

このように研究によって結果がまちまちになることは、医学の世界ではよくあります。研究方法や対象が異なるからです。今回のカナダでの研究と、これまでの研究はどこが違うのでしょうか。

マンモグラフィーの技術に問題があった、という可能性はどうでしょうか。マンモグラフィーとは乳房をX線で撮影する検査です。検査そのものの手技や、レントゲンフィルムに映った早期の乳がんを見落とさないためには技術が必要です。ただ、カナダのマンモグラフィーの技術が劣ると積極的に考える理由はないように思います。

対照群の受けた処置も影響しているかもしれません。この研究が開始された1980年の時点ですでに50歳から65歳までの女性に対する乳がん検診の利益が報告されており、対照群を完全に放置することは倫理的に問題がありました。そのため50歳代の対照群の女性は通常の胸部診察(視触診)を受けました。対照群に何の検査もしないよりはマンモグラフィー群との差が出にくくなります。

これまでとの研究との違いの理由として、著者らが示唆しているのは、補助療法の有無です。具体的には再発目的で施行される手術後の抗がん剤治療のことです。進行がんの治療法が進歩すると、がん検診の効果は小さくなります。

仮の話として、進行したがんでも完全に治してしまう治療法が開発されれば、わざわざ検診でがんを早期発見しなくても、進行して症状が出てから治療すればいいわけです。もちろん現実には進行したがんはやっぱり治りにくいのですが、最近の乳がんの化学療法の進歩は乳がん検診の効果を相対的に小さくする方向に働きます。

カナダの研究はすでに激しい議論を巻き起こしています。大事なのは、早期発見が常に良いとは限らず、検診の対象者や検査の質や治療法によって、がん検診の有効性は変わりうるということです。日本において検診の有効性はどうなのか、検証が必要です。

2014年2月12日水曜日

「治す」から「支える」へ 変わる医療の役割

2014年2月12日 中日新聞【社説】
 日本は世界一の長寿国になった。高齢化社会では病を「治す」医療だけでは長い人生を支えきれない。医療の役割は大きな転換期にあるようだ。
 「食べさせないから死ぬんじゃない。死を迎えるから食べないんです」
 あるシンポジウムで、特別養護老人ホームの高齢者を見守るベテラン医師・石飛幸三さんはこう訴えた。医師の思いと患者の実態とのズレを現場で実感したからだ。
 現代の医療は病を治し、延命することを使命としている。食事がうまくできないのなら胃ろうで栄養を取り延命を目指す。

胃ろう拒否した夫婦

 リハビリで回復が見込める場合など胃ろうが必要なケースはあるが、その医療は本当に本人の望むものだろうか。こんな疑問が医療や介護の現場で広がっている。
 石飛医師はある夫婦の決断を紹介した。介護施設に入る妻に胃ろうを迫られた夫は拒否した。それが妻のためになると思えなかったのだ。夫は職員と一緒に毎日、食事介助を続け一年半の貴重な時間を共有した。
 最期は眠り続け一週間後に息を引き取った。かつて病院で延命治療に取り組んでいた石飛医師が驚いたのは、延命治療を施していないのに最期まで呼吸が苦しくならず尿も出たこと。
 「最後の代謝で体中を整理して身を軽くして天に昇っていった」
 穏やかな最期だった。
 「死なせない」医療は多くの命を救ってきた。それにかかわる人たちの共通の思いだろう。今後はそれに加えて「安らかな最期」を迎えられることも望まれている。それは本人が望むよう生きること自体を支える医療ともなる。
 二十世紀の日本の医療は結核などの感染症対策から始まった。全国に保健所が整備され公衆衛生に力点が置かれた。「守る」医療だ。
 最初の役割の転換点は二十世紀半ばだ。脳卒中やがん、心臓病などの慢性疾患が死因トップになると医療設備と人材を集約して対応する病院の整備が進んだ。「治す」医療が進歩した。
 医療の量が確保され、どこの医療機関にもかかれるようになった。国民皆保険が国民に行き渡りそれを支えている。

患者の生活の質重視

 高齢化が進む今は次の転換期を迎えているといわれる。病を治す病院の役割は依然重要だが、徐々に体の機能が低下する高齢者には生活の質(QOL)を「支える」ことこそが大切になる。それには在宅医療が不可欠だ。
 政府の社会保障制度改革国民会議が昨年まとめた報告書では、今後の医療について二つの構造改革が示されている。
 まず、手術などの治療で病やけがを治す急性期の医療や、治療を終え社会復帰へリハビリを担う医療など病院ごとの役割分担を明確にし、同時に在宅医療も充実させていこうとする改革だ。
 二つ目はこうした医療機関の再編を都道府県が担うことだ。政府は約九百億円の補助制度を二〇一四年度に新設し、地域のニーズに合った医療体制を整える。
 社会保障にも地方分権を進め効率的な医療の提供を図る発想は確かに必要だろう。
 政府が二年に一度見直す医療の価格(診療報酬)も在宅医療の充実が図られそうだ。一四年度からの改定内容が十二日に決まる。
 医療保険の保険料や税、患者負担から支払われる医療費をどの治療や投薬に配分するかを決める。今改定では在宅医療を担う医療機関や人材を増やす方向である。
 二五年に団塊世代が七十五歳を超える。増える高齢者に医療を提供し、充実した老後を過ごしてもらうには今後も在宅医療の充実に努めるべきだろう。
 患者を在宅に移せば病院の医療費は減る。その分を在宅医療に回せるよう、自治体は病院再編を確実に進める必要がある。そのために新設される補助金である。医療機関へのバラマキで終わらないよう監視すべきだ。
 海外に比べ国民医療費は少ないのに手厚い医療を受けられるのが日本の医療の良さだ。改革はその維持が前提でなければならない。

人生そのものを診る

 医療が患者の伴走者となるには病だけでなく人生そのものを息長く診る覚悟が要る。処方箋は一つではない。その人に合った多様な医療を提供する技量が要る。介護との連携も不可欠である。医師の再教育など人材育成が課題だ。
 患者は軽い症状でも高度医療を行う大病院を受診しがちだ。しかし、不必要な受診を控えるなど患者にも自覚が求められる。医師も患者も互いに顔の見える関係をつくる。どんな人生を送りたいか、それを実現する医療は何か話し合う。人生をともに歩む医療はそこから始まるはずだ。

2013年12月14日土曜日

エリブリンが未治療のHER2陰性局所再発・転移乳癌でも高い抗腫瘍活性示す

学会スペシャル: サンアントニオ乳癌シンポジウム2013
2013年12月10日~14日 San Antonio, U.S.A.
エリブリンが未治療のHER2陰性局所再発・転移乳癌でも高い抗腫瘍活性示す
2013/12/14

微小管阻害薬エリブリンが、HER2陰性の局所再発乳癌または転移乳癌(MBC)に対する1次治療として、高い活性を有することが、多施設共同のフェーズ2単群試験で示された。12月10日から14日まで米国サンアントニオで開催されているSan Antonio Breast Cancer Symposium(SABCS)において、米国Texas Oncology-Dallas Presbyterian HospitalのKristi McIntyre氏が発表した。

 非タキサン系微小管ダイナミクス阻害剤エリブリンは、局所再発もしくは転移性乳癌の全生存期間(OS)を改善することが、エリブリンと治験医師が選択した治療法(対照群)を比較したフェーズ3試験(EMBRACE)で明らかになっている。同試験では、多くがHER2陰性の転移乳癌(MBC)で、すべての患者が、試験前に再発または転移疾患に対する2レジメン以上の治療を受けていた。

 本試験では、再発・転移疾患に対する治療歴のない患者を対象とした。登録基準は、18歳以上の女性、局所再発またはMBC、HER2陰性、余命24週以上、ECOG PS 0-2、ネオアジュバント/アジュバント化学療法後12カ月以上、放射線療法、ホルモン療法後2週間以上、腎機能/骨/肝機能正常。

 エリブリンは3週毎に第1、8日に1.4mg/m2を2-5分で静注。主要エンドポイントは奏効率(ORR)、副次エンドポイントは安全性と忍容性、反応までの時間、反応時間などとした。

 56例が少なくとも1回のエリブリン投与を受け、32例(57%)が6サイクルを完了した。サイクル数中央値は7(1-43)。42例(75%)が何らかの乳がん治療を受けており、うち38例(90.5%)がネオアジュバントまたは/かつアジュバント療法を受けていた。タキサン治療歴があった患者は25例、アントランサイクリン系の治療歴ありは27例だった。

 奏効率(0RR)は28.6%(16/56例、95%信頼区間:17.3-42.2)だった。タキサン/アントラサイクリンによるネオアジュバントまたは/かつアジュバント療法を受けた患者のORRは27.3%(9/33例)、臨床ベネフィット率(CBR)は45.5%(15/33例)で、全患者と同様だった。

 ER陽性(ER+)の患者41例では、トリプルネガティブ乳癌(TNBC)12例と比較して、より大きな臨床ベネフィットが認められた(ORR 34.1%対16.7%、CBR 64.3%対25.0%、疾患コントロール率85.4%対50.0%)。

 PRを得た16例の反応までの時間(TTR)は中央値で1.4カ月(95%信頼区間:1.2-2.7)、反応時間(DOR)は5.8カ月(95%信頼区間:4.7-10.6)。

 25%以上の患者で認めた(全グレード)治療関連の有害事象は、脱毛、好中球減少、疲労、末梢神経障害、吐き気、貧血、白血球減少、便秘、下痢だった。36例(64.3%)が、グレード3/4の治療関連有害事象を経験した。重度の有害事象は5例(8.9%)。発熱性好中球減少が3例(5.4%)、好中球減少が3例(5.4%)、白血球減少が1例(1.8%)。

 有害事象による減量/治療中断/延期は30例(53.6%)、治療中止は6例(10.7%)。22例(39.3%)が最初の投与から平均2.6週(18日)でG-CSFの投与を要した。

 McIntyre氏は「エリブリンは、十分に治療を受けたHER2陰性MBCのみならず、未治療のHER2陰性MBCにおいても、高い活性を有することが示された。安全性プロファイルも、これまでに知られているものと一貫性があった。今後、フェーズ3試験を経て、未治療MBC患者でも使用可能になることを期待する」とした。

早期乳癌の術後補助療法でのビスホスホネート投与は閉経後患者の骨再発リスクと乳癌死リスクを減らす

学会スペシャル: サンアントニオ乳癌シンポジウム2013
2013年12月10日~14日 San Antonio, U.S.A.

早期乳癌の術後補助療法でのビスホスホネート投与は閉経後患者の骨再発リスクと乳癌死リスクを減らす
2013/12/14

早期乳癌患者の術後補助療法としてビスホスホネート(BP)製剤を投与すると、閉経後患者の骨再発のリスクを減らし、乳癌死のリスクも減らすことが明らかとなった。無作為化試験のメタ解析の結果示されたもの。骨再発のリスクを34%、乳癌死のリスクを17%減らした。しかし骨以外の最初の遠隔再発は有意に減らさなかった。ビスホスホネートの投与は閉経前の患者には影響しなかった。また、非乳癌死、対側乳癌、局所再発についても影響は与えなかった。

 12月10日から14日まで米国サンアントニオで開催されているサンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS2013)で、the Early Breast Cancer Trialists' Collaborative Group(EBCTCG)'s Bisphosphonate Working Groupを代表して、英Sheffield Cancer Research CentreのColeman R氏によって発表された。

 研究グループは、術後補助療法としてBP製剤投与群と非投与群またはプラセボ群を比較した無作為化試験36件2万2982人の結果から、22試験1万7791人のデータを受け取り、メタ解析を行った。

 その結果、全再発については、1万7709人で3408イベントが起きていたが、10年の再発率はBP製剤投与群は25.4%、非投与群は26.5%だった(Logrank 2p=0.08)。遠隔再発は1万7709人で2835イベントが起きていたが、10年の再発率はBP製剤投与群は20.9%、非投与群22.3%だった(Logrank 2p=0.03)。

 骨再発については1万7709人で888イベントが起きていたが、10年の再発率はBP製剤投与群は6.9%、非投与群は8.4%だった(Logrank 2p=0.0009)。非骨遠隔再発は1万7709人で1947イベントが起きていたが、10年の再発率はBP製剤投与群は15.0%、非投与群は15.1%だった(Logrank 2p=0.71)。

 局所再発については1万7709人で698イベントが起きていたが、10年の再発率はBP製剤投与群は6.3%、非投与群は5.5%だった(Logrank 2p=0.27)。対側乳房の再発については1万7709人で218イベントが起きていたが、10年の再発率はBP製剤投与群は2.5%、非投与群は2.4%だった(Logrank 2p=0.96)。

 閉経後乳癌に限定したところ、1万1036人中遠隔再発は1564件起きており、10年の再発率はBP製剤投与群は18.4%、非投与群は21.9%だった(Logrank 2p=0.0003)。骨再発は508件起きており、10年の再発率はBP製剤投与群は5.9%、非投与群は8.8%だった(Logrank 2p<0.00001)。非骨再発は1056件起きていたが、10年の再発率はBP製剤投与群は13.3%、非投与群は14.3%だった(Logrank 2p=0.24)だった。

 骨再発を閉経状態と組み合わせると、年間のイベント率の比は閉経前の患者では差がなく、閉経後の患者で差があった。骨以外の部分の再発については、閉経前と閉経後に差はほとんどなかった。BP製剤の種類で分けても閉経後の患者で効果が高かった。

 全患者を対象に乳癌死について調べたところ、10年時点の死亡率はBP製剤投与群は16.9%、非投与群18.7%だった(Logrank 2p=0.04)。非乳癌死はどちらも5.3%で差がなかった(Logrank 2p=0.96)。

 閉経後患者の乳癌死は、10年時点ではBP製剤投与群は15.2%、非投与群18.3%だった(Logrank 2p=0.004)。全死亡率はBP製剤投与群は21.5%、非投与群23.8%だった(Logrank 2p=0.007)。

乳癌術後AI剤による関節痛は運動療法で緩和できる可能性

乳癌術後AI剤による関節痛は運動療法で緩和できる可能性
2013/12/13

乳癌手術後のアロマターゼ阻害(AI)剤による関節痛を運動慮法で緩和できる可能性が明らかとなった。無作為化臨床試験HOPE(Hormones and Physical Exercise)の結果示されたもの。12月10日から14日まで米国サンアントニオで開催されているサンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS2013)で、米Yale UniversityのMelinda L. Irwin氏によって発表された。

 HOPE試験は1期から3C期のホルモン受容体陽性乳癌患者で、少なくとも6カ月間AI剤を服用し、軽度以上の関節痛を経験している121人の閉経後女性を運動療法群(61人)と通常療法群(60人)に割り付けて行われた。両群の患者とも6カ月後、12カ月後の来院で評価された。

 関節痛の評価はBPI(Brief Pain Inventory)スコアで行った。BPIスコアは0点から10点までで点数化され、3から4点は軽度の痛み、5から7点は中等度の痛み、8点から10点は重度の痛みと評価される。

 運動療法群には週2回の筋力強化トレーニング(6種類の共通した運動の8回から12回繰り返しの3セット)、週に2.5時間の中等度の有酸素運動が行われた。通常療法群には運動の勧めなどの文書を提供し、毎月AI剤の服用遵守の電話を行った。
 
 参加した患者は運動能力はあるが運動が不活発(1週間に90分未満)の過体重の女性で、60代のほとんどが非ヒスパニックの白人だった。高度な教育を受けており、診断後2年、AI剤を1.5年服用しているステージ1、2の患者がほとんどだった。

 試験の結果、12カ月後の運動活性は運動療法群の平均が158.9分/週、通常療法群が48.9分/週で有意(p=0.0001)に差がついていた。運動療法群の週2回の筋力トレーニング実施の平均は70%。最大酸素摂取量は運動療法群は6.5%増加し、通常療法群は1.8%減少した。体重は運動療法群が3%減少し、通常療法群は変化がなかった。

 BPIスコアは最悪の痛み、痛みの重症度、痛みの干渉のいずれも、運動療法群でのみベースラインから12カ月後で有意(p<0.05)に改善していた。改善度合いは運動の遵守が80%以上の患者のほうが80%以下の患者よりも高かった。

2013年10月16日水曜日

ジエンド・オブ・イルネス ~ がん治療医がたどり着いた「病気の真実」

特定の遺伝子の変異はがんとの関連が指摘されている。たとえば、BRCA1遺伝子とBRCA2遺伝子の変異は乳がんのリスクを高めることがわかっている。この変異は、アシュケナージ系ユダヤ人によく見られるが、それが乳がんを引き起こすわけではないことを理解しておく必要がある。BRCA1あるいはBRCA2の変異を親から受け継いでいても、乳がんになると決まっているわけではないのだ。

 このように、がん遺伝子と言われるものの多くは、がんに対する脆弱性を伝えはするものの、がん自体を伝えるわけではない。BRCA1とBRCA2の変異遺伝子は、DNAの修復を妨害すると予測されるが、必ずしも乳がんの発症につながらないのは、DNAを修復する方法は、ほかにもたくさんあるからだ。さらに言えば、乳がんに苦しむ女性の大多数は、変異していないBRCA遺伝子を持っている。この事実は、がんの発症に、遺伝子より強く影響する何かが存在することを語っている。

 ここでもう一度、システムという見方に戻ってみよう。がんは、細胞内、あるいは細胞間の対話(つまり、システム)がうまくいかなくなった状態である。その結果、細胞たちは、分裂すべきでないときに分裂し、死ぬべきときに死のうとせず、不要な血管を作り、互いを欺き続けるのだ。このように制御不能になった細胞システムを、私たちはがんと呼び、それが起きている体の部位(肺、前立腺、肝臓など)によって呼び分けている。しかし、それは実は「悪いもの」ではなく、システムが壊れた「状態」なのだ。

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