2012年11月1日木曜日

リンパ浮腫

がんの身体的影響ーリンパ浮腫 から抜粋
2012年11月1日

▼リンパ浮腫の主な症状

・影響を受けた半身の腕や脚、体幹にむくみが出る
・腕や脚が重く感じる、あるいは不快感を感じる
・手、手首、足首の柔軟性が失われる
・着衣困難
・指輪、腕時計、ブレスレットなどがきつい
・感染症が治癒しない、または同じ部位で感染を繰り返す
・皮膚のこわばり(むくみに気づく以前に感じることもある)
・皮膚の圧痕浮腫(軽く押したあとも指の痕が残るようなむくみ)

▼癌関連でリンパ浮腫リスクを高める可能性のある処置

・生検: 生検とは、腫瘍およびその周辺組織を検査のために採取することです。リンパ管を傷つけたり、皮膚の傷を通じて細菌が体内に入ったりする可能性があります。リンパ管の損傷あるいは感染症のいずれもがリンパうっ滞増加の原因となります。これがリンパ浮腫の第一段階と言えるでしょう。

・外科手術: 悪性黒色腫、乳癌、婦人科癌、頭頸部癌、前立腺癌、精巣癌、膀胱癌、大腸癌などの手術の際にリンパ節を切除する場合があります。また、腫瘍およびその周辺部組織を切除する際にリンパ管を切ってしまうこともあります。こういったことでサバイバーのリンパ浮腫のリスクが高まります。

・放射線治療: 放射線照射は外科手術後に残存した癌細胞を破壊します。放射線治療後、照射部位に線維化や組織肥厚を生ずることもよくあります。組織が肥厚すると手足から体の中心部へリンパ液が流れて行きにくくなります。

リンパ浮腫は効果的な治療で管理可能ですが、完全に治癒するわけではありません。しかし、むくみがどこかに生じた時点で早期診断および治療をすればリンパ浮腫の慢性化を防止できると考えられています。

▼サバイバーがリンパ浮腫となるリスクが高い癌の種類

・乳癌
・悪性黒色腫
・前立腺癌
・卵巣癌などの婦人科癌
・頭頸部癌
・大腸癌
・リンパ節の生検や郭清を伴った癌
・リンパ節への放射線治療

▼リンパ浮腫の治療法

スキンケア
・皮膚を保湿し肌荒れから防護することで感染症を防ぎます。感染症は手足のむくみを増悪し、命にかかわるような全身感染症に至ることもあります。

健康的な食事
・バランスのよい食事で健康的な体重を維持。
・水分の維持。
・リンパ液にはタンパク質が多いとはいえ、食事におけるタンパク制限は行わないことが推奨されます。