2014年6月8日日曜日

不必要な画像診断を避け、乳癌リスクを低減/カリフォルニア大学サンフランシスコ校

2012年6月11日
News Office: Jason Bardi (415) 502-6397

アメリカ医学研究所(IMO)は、乳癌を引き起こす可能性のある環境リスク(殺虫剤、化粧品、家庭用化学物質および水用ボトルに使用されるプラスチックなどの危険因子)に関して今までに発表されたすべての科学的データを照査した報告書を昨年12月に発行した。

乳癌対策の支援財団Susan G. Komen for the Cureの委託を受けて作成されたIOMの報告書で、これらの因子への曝露が乳癌を引き起こすと確証またはその可能性を排除するには十分なデータがなかったと結論づけた。しかし、この報告書により明確にリスクを増加させる2つの因子が特定された。それは閉経後のホルモン補充療法と画像診断による放射線被曝である。

  最近のArchives of Internal Medicine誌の特集記事で、画像診断や、女性が乳癌のリスクを最小限に抑えるためにすべきことに関するIMO報告書の調査結果について詳しく述べられている。
  「IOMにより明らかになった、女性が乳癌のリスクを下げるために唯一行うことができることとは、不必要な画像診断を避けることです」とカリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)の放射線学、生物医学画像学および疫学、生物統計学の教授であり、この記事の著者、またIOM報告書に貢献したRebecca Smith-Bindman博士は述べた。

Smith-Bindman博士は、CT検査および他の画像診断は、医学に革命をもたらしており命を救うこともできるが、女性はすべての放射線検査についての意思決定プロセスにおいて担当医に関わってもらい、その必要性と安全性について説明を求める必要がある、とし、「リスクとベネフィットについて理解すべきであり、担当医にその説明をしてもらうことが大切です」と述べた。

また、患者が担当医に以下のような質問をすることを提案した。

  • この検査は絶対に必要ですか?
  • それは今必要ですか?
  • 他に代わりになる検査はありますか?
  • どうすれば検査が可能な限り安全な方法で行われることを確認することができますか?
  • 検査結果によって、病気の治療が変わるのでしょうか?
  • 専門家の診断を受けてから、検査を受けても良いですか?


Rebecca Smith-Bindman博士の記事「乳癌の環境因子および画像診断による放射線/アメリカ医学研究所の研究結果」は2012年6月11日号のArchives of Internal Medicine誌に掲載された。

UCSF医療センターについて
UCSF医療センターは、米国の病院トップ10に常にランクされている。革新的な治療、最新の技術、医療専門家と研究者間の協力、心のこもった患者ケアチームが評価されており、UCSF医療センターはカリフォルニア大学サンフランシスコ校の学術的医療センターの役割を果たしている。同センターの国内随一のプログラムは、小児医療、脳神経疾患、臓器移植、女性のための医療および癌が含まれる。同センターはUCSFにおける独立経営の事業として運営されており、患者ケアのための運営費をまかなう収入を得ている。