ヘモグロビン、私の血液検査結果 |
▼スポーツ性貧血とは?
・鉄欠乏性貧血-――血液中のヘモグロビン(血色素)量が正常値を下回ってしまうこと。
・血液は血しょう(血清)と血球から出来ています。
・血球には赤血球と白血球と血小板の3種類があります。
その赤血球の大半を占めるのがヘモグロビン。ヘモグロビンは肺に吸い込んだ空気の中から酸素を全身に運ぶ働きをする。ヘモグロビンは、ヘム(鉄)とグロビン(アミノ酸=タンパク質の一種)で出来ている。したがってヘモグロビンを作るためには鉄分とタンパク質が不可欠。
ところが鉄分は、汗や尿を通じて体外に排池される。特に運動選手の場合発汗量が増加して多く鉄が失われる。またバレーボールや陸上競技のような大地をドンドン叩きつけるような運動では、その強い衝撃で赤血球が破壊されることがあるし、トレーニングによって筋肉が作られる過程で夕ンパク質も大量に消費され不足がちになる。
したがって食事によって十分な鉄分と夕ンパク質が補給されなければヘモグロビン量が減少してくる。その結果、酸素が全身に送られない。十分な運動が出来ない。--------これをスポーツ性貧血という。
▼スポ―ツ性貧血かどうかの基準
貧血かどうかは体内の総ヘモグロビン量にかかわってくるが、その測定は容易ではないので一般的には血液単位容積あたりのヘモグロビン濃度で診断されている。
◎一般にヘモグロビン濃度(Hb)の基準値は
成人男子で13.8から17.5g/dl
成人女子で12.0から15.5g/dl
※Hbの単位は、1デシリットル中の血色素量(グラム)で表します。
個人差はありますが、一応この値を大幅に下回ってきたらスボーツ性貧血と考えられます。とくに長距離選手は、取り込んだ酸素をどれだけ有効にエネルギーに変えられるかで、その能力が決まるので、へモグロビン濃度が高い値で安定することが競技能力の安定につながります。したがって日頃から定期的な血液検査で自分のへモグロビン濃度の正常値を知っておく必要があります。
※たまに「立ちくらみがする」といった症状を「貧血」と考えている人がいますが、めまいや立ちくらみは、脳への血液の供給が一時的に不足して起こる一過性の脳虚血症で貧血とは根本的に違います。
▼鉄分の摂取方法
1日に最低12~20mgの鉄分を取りましょう。 体内に存在する鉄の量は2から4gですが、毎日の食事から吸収される鉄の量はその千分 一程度にすぎません。10代後半の若者は1日に約12mgの鉄を摂取することが望ましいとされて ますが、食品から取った鉄のうち体内で吸収されるのはたったの1割といわれています。したがって 日12mgの鉄を取っても、体内で利用できるのは1mgほどということになります。しかも食材に って鉄分の体内への吸収率に差があるので、多くの食材から毎日こつこつ必要な量を取ることが必要です。特に激しい運動をするスポーツ選手なら1日約15mgから20mgの鉄分摂取が必要です。
▼鉄の吸収を妨げるもの
①タンニン
タンニンは鉄と結合してタンニン酸鉄となり体内に吸収されにくくなります。タンニンはコーヒー、紅茶、緑茶、ウーロン茶などのお茶に含まれているので鉄分摂取の前後1時間はできるだけ控えるようにしてください。お茶の代わりに麦茶や牛乳や野菜ジュース、などを飲むようにしましょう。(麦茶はタンニンを含まないのでOK。)
②フィチン酸
穀物や豆の外皮、米ぬかなどに含まれるフィチン酸は鉄の吸収阻害します。
③植物繊維
食物繊維は鉄をはじめとするミネラルと結合して、それらのミネラルを溶けにくくして吸収利用を妨げてしまう働きがあります。
④シュウ酸
ほうれん草に含まれるシュウ酸も鉄の吸収を妨げる働きがあります。ほうれん草には、鉄分も多く含まれていますが、ほうれん草だけを大量に摂ることも考え物です。
※①②③④とも全く取らないというわけにはいきませんが鉄分摂取時に併用して大量に取ることはなるべくなら避けた方がよいでしょう。