2011年9月12日月曜日

タキソテールで処方されているデカドロン錠0.5mgの薬理

FECの時はイメンドが(を?)その薬理を阻害するとかで朝・夕食後2錠の服用だったのが、タキソテール(ドセタキセル)では朝・夕食後4錠の服用になった。イメンドが登場する前は、FECでも4錠服用する処方だったとか。

吐き気止め、抗炎症作用、抗アレルギー作用、あと浮腫み防止目的で処方されているみたいだけど、浮腫み防止効果だけは実感できていない。本当にそんな効果があるのか?どっちかというと、浮腫む副作用があるのでは??? いやいや、デカドロンのおかげで、この程度の軽い浮腫みで済んでいるのかもしえれないな。

あと、ステロイド剤(デカドロンはステロイド剤)は血中のコレステロール値を上げるみたいだ。卵巣機能が低下してコレステロールをコントロールするホルモン(エストロゲン)の分泌が減ってきたために血液検査のコレステロール値が上がってきたばかりではないのかも、な。でも、デカドロン錠の生物学的半減期を見ると、そんなに効果が長く続かないようなので、やっぱりエストロゲン減少のせいかなぁ~(笑)。

*発熱があった場合に服用するシプロキサンはFECの時のがあるので処方されていない。
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【薬理】

“副腎”は左右の腎臓の上にある器官です。ここから、いろいろなステロイドホルモンが産生・分泌されます。その代表がコルチゾルです。コルチゾルは、糖や脂肪の代謝系に働いたり、体液の維持、免疫系の調整など大事な役目をしています。

病院では、コルチゾルの仲間を習慣的に「ステロイド」とか「副腎皮質ホルモン」と呼んでいます。実際の治療には、作用を強めた合成のステロイド薬が使われます。ステロイドを医薬品として一定量以上を用いると、優れた抗炎症作用、抗アレルギー作用、免疫抑制作用などを発揮します。

種類 デキサメサゾン(dexamethasone) *デカドロン
抗炎症作用 25
電解質作用 0
対応量(mg) 0.75
生物学的半減期(hr) 36-54
組成錠 0.5mg
用量(/日) 0.5-8mg
用法(/日) 分1-4

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【ステロイド剤の働き】

▼代謝作用 ◎健常者の副腎から、コルチゾル(ステロイドの一種)に換算して、1日当たり20~30mgのステロイドが分泌されています。それが体内の血糖・脂肪・電解質・骨・筋肉の代謝に働きかけています。

▽糖代謝
ステロイドは、肝臓で糖を合成する働きを高めます。さらに、筋肉組織などが糖を利用するのを阻害します。その結果、血糖値が上がりやすくなります。そのため、糖尿病の患者はもちろん、糖尿予備軍の方も注意が必要です。

▽脂肪の代謝
ステロイドは、血液中のコレステロールや中性脂肪値を上げます。又、手足などの体の先端部分の脂肪組織から脂肪を放出させる作用もあります。そのため体の中心部で肥満が現れてきます(中心性肥満)。

▽電解質作用
ステロイド薬は、血液中のナトリウムを増加させ、カリウムを減少させます。ナトリウムが増えると、同時に体内の水分も増えるため、血液量そのものが増え、血圧が上昇します。カリウムが減少すると、筋肉の収縮がうまくできずに脱力感を感じたり、心臓の筋肉が正常に収縮できなくなって心電図に異常が出たり、心不全に陥ることがあります。この電解質作用は、ステロイドの種類で異なります。例えばコルチゾンは、プレドニゾロンの約2倍の電解質作用があります。

▽骨の代謝
ステロイド薬は、骨の形成を低下させ、骨吸収を高め、総合的には骨量を低下させます。

▽筋肉代謝
私たちの筋肉は黄紋筋(=随意筋)と平滑筋に分かれています。ステロイド薬は主に黄紋筋の代謝に働きます。肝臓で糖を合成するための材料として、筋肉組織のタンパク質を分解し、アミノ酸に変えて血液中に放出します。その結果、筋力が低下することがあります。→「横紋筋融解症」

▼中枢作用 ステロイド薬は脳内の細胞に働いて、レム睡眠を短くします。レム睡眠の状態では、ものを考える大脳皮質の眠りは浅くなります。また、ステロイド薬はムードや行動に影響を与えます。

▼抗炎症作用 ステロイド薬の抗炎症作用は、ほかのどの薬物よりも強力です。ステロイド薬は、炎症が起こるときに必要なサイトカインとプロスタグランジンの産生と作用をブロックして炎症を抑えます。また、炎症をひどくする白血球の働きを抑えたり、血管の透過性を抑えることで、その抗炎症作用を高めます。

▼免疫抑制作用 免疫では白血球が主役で働いています。白血球はリンパ球の仲間です。リンパ球は血液中やリンパ節などの中にいて、自分の体と同じ成分かどうか識別する能力があります。そして、自分の成分でないものを見つけると、それを異物として分解・処理します。このような働きを免疫といいます。

リンパ球が働きすぎて異常を起こし過剰に反応したのがアレルギーで、識別能力が狂って、自分の体を異物と勘違いしたのが自己免疫疾患です。

ステロイド薬はリンパ球相互の働きを抑えたり、リンパ球が作り出す抗体を減少させたりして、免疫を抑えたり、アレルギーを抑えます。

▼副腎機能抑制作用 副腎だけではステロイドは出来ません。脳下垂体から分泌される副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)が必要です。さらにそのACTHは大脳の視床下部でつくられるコルチコトロピン刺激ホルモン(CRF)にコントロールされています。すなわち、CRF→ACTH→ステロイドの順で作られます。そして作りすぎをコントロールするためにステロイドから下垂体・視床下部に直接働きかけることができます。

★ステロイド薬を飲むとどうなるのでしょうか?

<1>1錠飲むと、数時間、CRFやACTHは分泌されなくなります。そして血液中のステロイドが無くなると、CRFやACTHは再び分泌されるようになります。

<2>1日6錠、分3で飲むと、その日はCRFやACTHは出なくなります。1週間以内の服用であれば、ステロイドを止めた段階でCRFとACTHはすぐに分泌を始めます。1週間以上続けると、CRFとACTHを作り出す機能そのものが衰えてきます。さらに、副腎もACTHの刺激が無いのでステロイドを作らず萎縮していきます。

<3>ステロイド薬を1週間以上飲み続けているときに、急にステロイドを止めると、自分の副腎ではもうすでに自分のステロイドを作れなくなっているので、体内にステロイド不足が起こります。そのため、ステロイドは急に止めないことが大切です。