2011年9月29日木曜日

情報広場の掲示板にセンチネルリンパ節生検(口腔癌)


「センチネルリンパ節;SN」とは、腫瘍原発巣(がんは初めに発生した場所)から直接リンパ流を受けるリンパ節のことであり、最初のリンパ節転移が発生する場所と考えられており、この考え方を「SN理論」と呼んでいます。さらにいえばSNにリンパ節転移がなければその他のリンパ節転移は生じていないと判断することができると考えられます。

「センチネルナビゲーション手術;SNNS」とは、このSNの分布や転移の有無を指標として、リンパ節郭清を個別的に縮小もしくは省略し、それに伴って切除範囲を最小限とすることを目的とした方法です。

すでに悪性黒色腫や乳がんでは、SN 理論の妥当性、臨床的有用性が実証されており、SN転移診断に基づく個別化縮小手術が実践されています。


頸部郭清術には選択的郭清と治療的郭清があります。

選択的郭清とは、明らかに転移リンパ節を認めないが、まだ診断できない転移の危険性があるときに行います。このような郭清を行う場合には、頸部に存在する血管、神経、筋肉を温存して行います。

それに対して治療的郭清は、明らかに転移が有るときに行います。がんを安全に切除するために、転移リンパ節に隣接した血管、神経、筋肉を切除します。しかし、われわれは安全に残すことができる血管と神経は残すことに努めています。