2011年9月11日日曜日

末期がん患者の余命を予測する新たな尺度

2011年09月06日(火)
[メディカル]緩和ケアを受けている末期がん患者の余命を予測する新たな尺度が開発された!

末期がん患者に対するターミナルケア(終末期医療および看護)では生命予後の予測、患者があと何日、何ヶ月生きていることが可能なのかを予測することが、患者の意向を反映した治療を選択する上で重要であるとされています。

患者のクオリテイオブライフを考慮し、緩和ケアを受けながら残された日々を住み慣れた自宅で家族と共に過ごしたいという希望や、患者の人生の締めくくりとして、これだけはという願いをかなえるためには、できるだけ正確に予測することが求められます。

しかしながら臨床医の生命予後の予測は、どうしても良い方に傾きがちで、実際よりも長く予測する傾向があるといわれています。

データに基づき、これまでよりも正確な生命予後を予測したいという目的に対応するために、英国・ロンドン大学セント・ジョージ校医学部のPatrick C. Stone博士らは、BMJ2011年8月25日オンライン版に客観的なデータを用いる、臨床で使用する新たな生命予後の予測尺度を発表しました。

博士らは英国内18の緩和ケア施設から緩和ケアのみ受けている終末期のがん患者1018人(対象患者の平均余命は結果として34日)を対象に調査し、尺度開発を行いました。

データを解析した結果、まず11の指標(脈拍数、全般的健康状態、10項目のメンタルテストの数値、全身状態、食欲低下、転移性疾患、肝転移、C反応性タンパク、白血球数、血小板数、尿素)が余命2週間と2ヶ月を予測する指標とし有効であることが分かりました。さらに、呼吸困難、嚥下障害、骨転移、ALT(アラニントランスアミナーゼ・肝障害の指標で知られています)の4つが、余命2週間の予測指標として、原発性乳がん、男性尿性器がん、疲労、体重減少、リンパ球数、好中球数、アルブミン、ALP(アルカリフォホスファターゼ・肝障害の指標で知られています)、の8つが、余命2ヶ月の予測指標として有効であることがわかりました。

これらの指標に基づいた生命予後予測は、それぞれ60%前後の正確さで予測力を持ち、平行して算出された臨床医、看護師の予測に勝るか少なくとも同等の正確さであることがわかりました。博士らはこれまでよりも正確な客観指標による尺度が開発できたことは患者の求める終末医療の実行ために有益だとしています。

BMJ2011年8月25日オンライン版