2011年10月14日金曜日

緑色便と葉緑素

▼溶血性黄疸の場合は、泥状や水状の緑便が出て、顔が黄色くなります。これは、赤血球の破壊が異常に進み、胆汁が出過ぎて、腸での吸収が間にあわないためにおこる現象です。

また、小腸、大腸の働きが十分でない場合も、腸で胆汁が再吸収されずにそのまま排出されると便が緑色になります。

極端な場合は、緑黄色野菜の食べ過ぎで緑便が出ることもあります。

▼うんちが緑色になるのは、赤ちゃんによく起こる症状ですが、大人にも起こります。 赤色、白色、黒いうんちとは異なり、緑色のうんちは大きな病気ではないといわれています。

うんちの色は、胆汁に含まれるビリルビンという成分の影響で、黄色がかった茶褐色になります。 しかし、このビリルビンが酸化すると、うんちの色は緑色~深緑色になります。 ミルクを飲んでいる赤ちゃんに起こりやすいと言われていますが、 心配のいらない症状です。

大人でも、小腸や大腸の働きが鈍くなっていて、胆汁が大腸で再吸収されないと、 酸化が進み、うんちが緑色になることがあります。 暴飲暴食や刺激の強い食べ物の食べ過ぎなどで小腸や大腸が炎症を起こすと、 胆汁が大腸から吸収されにくくなり、酸化して緑色のうんちになることがあります。

また、緑黄色野菜の食べ過ぎや葉緑素のとりすぎでも、緑色のうんちになる ことがあります。 葉緑素は、緑色をした胃腸薬に含まれていることも多く、 胃腸薬の服用が葉緑素のとりすぎにつながり、緑色になるケースもあります。

▼クロロフィルは、植物などに含まれている緑色の色素で、葉緑素とも呼ばれています。クロロフィルは植物の光合成には欠かせない成分です。

クロロフィルは、血中の脂質の正常化に作用してコレステロールを減少させる働きや、抗酸化作用などの働きがあるとされています。クロロフィルには、血栓を防ぐ働きやがんの予防、貧血の予防・改善、解毒作用などの効果が期待されています。

▼葉緑素は別名クロロフィルとも呼ばれ、植物の体のなかに含まれる緑色の色素です。葉緑素は人間血液の血色素であるヘムと化学構造がほとんど同じで、ポルフィリン骨格ももっていることが発見されました。

葉緑素の効能で良く知られているのは健胃健腸作用ですが、その他にも脱臭作用や殺菌効果、さらには身体の免疫を強くするインターフェロンを増やす作用があり、皮膚疾患、火傷の回復促進作用など多くの働きをします。

また葉緑素は不消化物ですが体の中を通過する際、コレステロールや有害な物質を体外に排出してくれます。中でも葉緑素は問題になっているダイオキシンを体外へ排出する効果が高いことが報告されています。ただし、取りすぎは必要な栄養素まで排泄してしまうので気をつけましょう。

葉緑素は細胞膜に包まれているので摂取しにくいので吸収を高めたものが効果的です。