2011年8月29日月曜日

ベバシズマブ(アバスチン)

うう~ん??? HER2-の私だけど、日本、アメリカ、欧州での今後の成り行きが気になる~

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癌Expertsニュース
2011. 8. 26
【ベバシズマブが乳癌対象に部会を通過】

薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会が8月25日に開催され、ベバシズマブの手術不能または再発乳癌に対する適応拡大が了承された。パクリタキセルの併用で投与される。薬事分科会では報告事項となるため、事実上適応拡大が決まったことになる。

前回の部会で、ベバシズマブとパクリタキセルの併用で無増悪生存期間を有意に延長したE2100試験について、委員から疑義が出て継続審議となっていた。E2100試験の早期終了で結果が大きく変わる影響はない、再発乳癌への選択肢は少なく患者にとって重要とする文書を中外製薬が提出、今回の了承につながったもの。


ミクスOnline
2011/08/26
【薬食審・第二部会 アバスチンの再発乳がん適応を再審議 承認を了承】

厚生労働省の薬食審医薬品第二部会は8月25日、抗がん剤アバスチンに手術不能または再発の乳がんの適応を追加することについて、8月1日の部会に続いて審議し、承認を了承した。ほか同日は、同剤含め新薬7剤を審議し、承認してよいとの結論になった。9月にも正式承認となる運び。

アバスチン(ベバシズマブ遺伝子組換え)の適応追加は、抗がん剤パクリタキセルと併用する形で中外製薬が09年10月に承認申請していたもの。前回の部会では、海外フェーズ3試験(E2100)で、中間解析段階で無増悪生存期間(PFS、主要評価項目)の高い改善効果が得られたために試験が早期に中止になったことに対し、中止した段階で偶然に効果が高く出たのではないかとの委員の指摘で、継続審議となっていた。

医薬食品局審査管理課の担当官によると、25日の部会では、中外製薬から試験結果の統計上の解釈に関する見解が提出され、それなどをもとに審議。その結果、委員の指摘を踏まえたとしても、試験結果そのものに大きな影響を与えないとの結論が全員一致で得られた。米国FDAの諮問委員会が6月に同適応の承認取り消し勧告など海外の状況も含め、総合的に判断し、承認して差し支えないとの結論になった。なお、再審査期間は残余期間(平成27年4月17日)。

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▼アバスチン > 海外では、4月27日時点で84カ国・地域で乳癌の適応が認められている。

▼アバスチン点滴静注用100mg/4mL、同400mg/16mL(中外製薬)=ベバシズマブ(遺伝子組み換え)を有効成分とする抗VEGFヒト化モノクローナル抗体。効能・効果は手術不能または再発の乳癌で、類薬にはパクリタキセル、ドセタキセルがある。海外承認は84カ国・地域。

▼ベバシズマブは、分子標的治療薬の一つ。

▼分子標的治療とは体内の特定の分子を狙い撃ちしてその機能を抑えることにより病気を治療する治療法。正常な体と病気の体の違いあるいは癌細胞と正常細胞の違いをゲノムレベル・分子レベルで解明し、癌の増殖や転移に必要な分子を特異的に抑えたり関節リウマチなどの炎症性疾患で炎症に関わる分子を特異的に抑えたりすることで治療する。

従来の多くの薬剤もその作用機序を探ると何らかの標的分子を持つが、分子標的治療は創薬や治療法設計の段階から分子レベルの標的を定めている点で異なる。また、この分子標的治療に使用する医薬品を分子標的治療薬と呼ぶ。

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ウォール・ストリート・ジャーナル 日本版
2011年 6月 30日 10:01 JST
【FDA諮問委、アバスチンの乳がん治療承認取り消しを支持】

米食品医薬品局(FDA)の特別諮問委員会は29日、抗がん剤「アバスチン」に関し、乳がん治療に対する承認を取り消すことを6対0で表決した。製造しているスイス製薬大手ロシュ・ホールディングには打撃になる。

諮問委は、アバスチンに関する2件の重要な研究で、同薬が乳がんの治療薬として有効でないことが示されたと指摘し、胃内部の損傷や出血などといった副作用リスクが効果を上回っていると結論付けた。

表決に先立ち開催された2日間の公聴会では議論が白熱した。公聴会では、乳がん患者が証言し、一部はアバスチンが「奇跡の薬」だと主張。その一方で、反対証言した人の中には、薬の副作用で亡くなった患者の話をする人もいた。

諮問委のメンバーであるクリーブランド・クリニック研究所のMikkael Sekeres氏は、もしアバスチンに効果があるなら、ある程度の副作用を甘受する用意はあるが、効果が「最小」にとどまっているため、これほど強い副作用は受け入れられないと諮問委は判断したと述べた。

FDAで乳がん治療へのアバスチン使用に対する最終的な判断を下すのは、同局のマーガレット・ハンバーグ局長だ。他のがん治療へのアバスチン使用承認は依然として有効であり、今回の表決からは影響を受けない。

ロシュ傘下のジェネンテックは、アバスチンが約5カ月間にわたって乳がん患者の腫瘍の成長を有意に遅らせられると指摘し、患者のクオリティ・オブ・ライフ(生活の質)を改善できると主張していた。

FDAは2008年2月、アバスチンが腫瘍の成長を平均5カ月半遅らせるとの研究結果を受けて、迅速承認制度に基づき、乳がん治療薬として承認した。しかし、承認は2件の追跡研究の結果次第という条件付きだった。この2件の追跡研究の完了後、FDAは結果がアバスチンの効果を裏付けるものではなかったとの結論に達した。そのためFDAの医薬品部門責任者は昨年12月、承認の取り消し提案を行った。それにジェネンテックが異議を申し立てて公聴会が開催された。

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癌Experts
2009. 7. 31
【欧州でベバシズマブの適応拡大、ドセタキセルの併用で進行性乳癌のファーストライン治療に】

関連ジャンル: 乳癌 化学療法(癌) 免疫療法(癌)
これまでよりも多くの進行性乳癌患者が、ベバシズマブ(商品名:アバスチン)のベネフィットを受けられることになりそうだ。ベバシズマブは、欧州ではすでに2007年3月にパクリタキセルとの併用で進行性乳癌のファーストライン治療に承認されているが、今回、ドセタキセルとの併用についての適応拡大が欧州連合に承認された。スイスF. Hoffmann-La Roche社が7月29日に発表した。この承認により、医師はベバシズマブを含むレジメンによる治療選択肢を、より多くの患者に提示できるようになる。

ベバシズマブは、血管内皮増殖因子の働きを阻害し、血管新生を抑制することで、癌の増殖を抑える抗体製剤。

ベバシズマブとドセタキセルの併用投与について検討した国際的フェーズ3試験のAVADO試験(BO17708)では、転移性乳癌で化学療法未治療の患者736人を、ドセタキセル100mg/m2との併用で、ベバシズマブ15mg/kgか7.5mg/kg、あるいはプラセボを3週ごとに投与する3群に無作為に分けた。

主要評価項目は、対照群に対し、ベバシズマブを含む治療群の両方またはどちらか一方の無増悪生存期間(PFS)の優位性を証明することで、副次的評価項目は奏効率、奏効期間、全生存率などであった。

最新の解析で得られた結果は下記の通り。

・ベバシズマブとドセタキセルを併用した群では、対照群に比べてPFSが最大で49%増加する。
・ベバシズマブとドセタキセルを併用した群の半数以上は、10カ月を超える期間、癌の増悪なしに生存できた。
・1年生存率は、対照群の76%に対し、ベバシズマブとドセタキセルを併用した群では84%。
・現時点の全生存率のデータでは、治療群間に差はみられていない。
・ベバシズマブを投与した患者の64%に腫瘍の縮小を認めた。
・安全性と忍容性について新たな徴候はなく、ドセタキセルの既知の毒性プロファイルに与えるベバシズマブの影響は、ごく限られたものであった。

癌Expertsニュース
2011. 3. 3
【欧州では転移性乳癌に対しベバシズマブとパクリタキセル併用が適応継続に】

スイスHoffmann-La Roche社は3月2日、欧州委員会(European Commission)が、ベバシズマブとパクリタキセルの併用を引き続き転移性乳癌に対する治療選択肢とすることを正式に認めたと発表した。

この決定は、医薬品委員会(CHMP)による勧告に従ったもの。CHMPは、ベバシズマブとパクリタキセルの併用は、転移性乳癌女性の無増悪生存期間を延長させることは確かであり、この併用は効果的な治療選択肢であるとしていた。

一方でCHMPは、ベバシズマブとドセタキセルの併用は、転移性乳癌のファーストライン治療から除外するよう勧告している。欧州委員会はこの勧告にも従う方針だ。

転移性乳癌の適応は速やかに変更される。なおこの変更は、その他の癌種におけるベバシズマブの適応には影響しない。現在、ベバシズマブは欧州や米国で、乳癌のほか、大腸癌、非小細胞肺癌、腎癌などの治療薬として承認されている。