2011年7月29日金曜日

肝臓の働き

肝臓は、腹部の右上に位置して、ほぼ肋骨の下に収まっており、頭側(上方)には横隔膜が存在する。ある種の動物では体内で最大の臓器である。非常に機能が多いことで知られ、代謝、排出、解毒、体液の恒常性の維持などにおいて重要な役割を担っている。特にアルコール分解能があることで一般には知られている。また、十二指腸に胆汁を分泌して消化にも一定の役割を持っている。

働きは少なくとも500以上あるとされ、これと同機能を持つ化学工場は作れないとも言われるほど多機能であるため、人工臓器としての実用化が非常に難しい臓器である。

他方、臓器の中での部位による機能の分化が少なく、一部に損傷があっても再生能力が強いため、その損傷などがあっても症状に現れにくい。自覚症状が出る頃には非常に悪化していることもあり、「沈黙の臓器」などと呼ばれることがある。

▼肝臓の機能

  • 食物の消化を助ける胆汁を生産し、胆管・胆嚢から十二指腸に排泄する。
  • 炭水化物の代謝。
  • 脂質の代謝。
  • 蛋白質の代謝。
  • アンモニアを尿素へ変換する。
  • 解毒作用。
  • アルブミンの合成。
  • グリコーゲンの貯蔵とブドウ糖の合成。
  • グリコーゲンを合成して肝臓に蓄え、あるいはこれを分解して血液中にブドウ糖として供給する。この量を調整することで血糖値の調節に関与している。
  • 造血機能
  • 骨髄での造血が開始されるまでの間、肝臓と脾臓で造血されている。出生後は肝臓で造血されることはないが、何らかの理由で骨髄での造血が障害されると、肝臓での造血が見られることがある(髄外造血)。
  • 体温の維持・調節。