2011年7月15日金曜日

FEC100時の内服処方1/7 : イメンド®カプセル125mg、80mg、セット

がん化学療法に伴う悪心・嘔吐は、患者さんが最も苦痛に感じる副作用です。急性嘔吐は、カイトリル(グラニセトロン)やゾフラン(オンダンセトロン)などの5-HT3受容体拮抗薬とステロイド薬の併用で軽減できるようになりました。有効な治療薬がなかった遅発性嘔吐に対して、NK1受容体拮抗薬のイメンド(アプレピタント)が発売されました。

Q1:がん化学療法に伴う悪心・嘔吐は?

発現時期により、投与開始後、数時間以内に発現し24時間で消失する「急性嘔吐」と48~72時間後に最も嘔吐がひどくなる「遅発性嘔吐」、過去の不快な経験により化学療法開始以前に発症する「予測性嘔吐」に分類されます。

Q2:作用機序は?

抗がん剤投与により消化管粘膜が傷害されると、初期にセロトニン(5-HT)が放出され、次いで脳内で痛みや嘔吐の神経伝達物質であるサブスタンスPが放出されます。イメンドは、サブスタンスPの受容体であるNK1受容体に拮抗して制吐作用を現わします。

Q3:副作用・相互作用は?

主な副作用として、便秘、頭痛、無力感、しゃっくり、下痢、悪心、消化不良、食欲不振、疲労などがあります。薬物代謝酵素CYP3A4の基質で、かつ中等度のCYP3A4の阻害および誘導作用があるので、相互作用には注意が必要です。

【効能・効果】
抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)(遅発期を含む)

【用法及び用量】
他の制吐剤との併用において、通常、成人にはアプレピタントとして抗悪性腫瘍剤投与 1日目は 125mgを、2日目以降は80mgを1日1回、経口投与する。