2011年7月21日木曜日

乳がんと牛乳

日本には「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」というキチンとした法令があります。抗生物質を投与された牛で、搾乳された牛乳にわずかでも抗生物質が混入したものは流通できません。知ってて流通させる悪徳酪農家がゼロだとは思いませんが、旧雪印のスキャンダルもあり、経営が命取りになりかねないような事をする酪農家は実質いないと考えていいでしょう。

非妊娠牛からも搾乳うんうんのために女性ホルモンの投与という話も、生物学的製剤が牛乳に混入したものは、法令上禁止されています。そもそも、欧米で利用されているホルモン剤(Posilac等))自体、日本では禁止薬剤です。

よって、日本で流通している牛乳に、抗生物質やらホルモンやら心配するのは余り意味がありません。

だいたい、ジェイブラントとか言う人も、ホルモン投与牛と非ホルモン牛の牛乳を何サンプルか集めて、成分分析機にかけて比較すれれば判るようなことすらやっていない(少なくとも著書中では)。基礎研究として、ホルモン牛乳と非ホルモン牛乳を飲んだあとの血中濃度を調べれて比較すればいいのに、そんな基礎研究すらやっていない。逆に聞きたい。なんでそんな基本的なこともやってないの?と。とても科学者として信頼できる話とは思えない。

アクリルアミドにしても、WHOで発癌性が疑われているのは事実ですが、古くから日本でも飲食されている、ほうじ茶にも麦茶にも含まれます。かりんとう、きなこ、落花生等、加熱加工した芋、小麦、大豆製品にも含まれています。逆に揚げ物でも、ドーナツ、油揚げ、テンプラ、フライなど、まったくアクリルアミドが検知されないものもあります。個体差も大きいです。油ものなら即NG、和食なら即OKとはならないでしょう。もちろん、油脂類の取りすぎは肥満ひいては循環器や消化器に負担をかけるので、癌とは無関係に健康に良くないでしょうけど。

なので、個人的な感覚で、ストレスにならない程度に何かやっておきたい、という方は、栄養不足にならない程度にやればいいでしょう。野菜の様な繊維質を増やすことで、お通じが改善することとは良くあることです。

ですが、「癌になったらこの食事療法が効く」と人に勧めるのは、どこから聞きつけたか奇跡の水かなにかを勧めてくるウザイ近所のおばちゃんと同レベルで迷惑になるので、辞めた方が無難だと思います。勧める本人は善意のつもりだから、なおタチが悪い。

by 2ch 2010/04/15(木) 15:12:11


一応補足しておくと、ホルモン剤を投与しなくても、妊娠牛から搾乳した牛乳(特に妊娠後期)には一定量のエストロン(エストラジオールやエストリオールはほとんど含まれない)は牛乳に混入してる。出産後も搾乳は可能であるが、出産後は極端にエストロン含有量は低下する。

ただし、エストロンは脂溶性であるため、脂肪分と一緒に摂取しないと、ほとんど吸収されない。またエストロンの活性はエストラジオールの1/5~1/10程度しかない。(つまりそんなに強くは女性ホルモンとして機能しない)

よって、日本では、ホルモン剤投与により大量に女性ホルモン様物質が含まれた牛乳は流通不可であるが、妊娠牛から搾乳した牛乳にも、ある程度の女性ホルモン様物質が含まれる。ただし、その働きは乳癌に有害とされるエストラジオールほと強くはなく、有害であるとは確認されていない。

また、それでも気になるのであれば、低脂肪牛乳や無脂肪牛乳であれば、そもそも体内に吸収されることはほとんどない。もしくは非妊娠牛から搾乳した牛乳がよい。流通量は少ないが、日本でも非妊娠牛から搾乳した牛乳を販売している酪農家は存在する。

むしろ米国から輸入された牛肉には、成長促進のために投与されたエストラジオールが国産牛の3倍含まれていたという厚生労働省食品安全局の報告がある。こっちの方がちょっと気をつけなきゃいけないんじゃないか?

あと、成長促進のためのホルモン剤は、日本どころかEUでも禁止薬剤。

by 2ch 2010/04/16(金) 19:46:17