2011年7月20日水曜日

イソジン

うう~んんん???、イソジンでうがいするのって効果ないのかしらん。いや、そうでもないみたいだな。水でのどうがいをした後に、イソジンを少量ずつを口に含んで二・三回口中うがいをして、水で後すすぎをしないようにして30分以上放置すればいいんだな。たぶん、そうだな、きっと、うん。それで風邪の予防と口中の殺菌が出来る気がする。

イソジンで口中うがいするのは、色々なタイミングによって使い分けたほうがいいみたいだな。

********** 以下、引用メモ **********

イソジン考

▽殺菌作用を示すのは遊離したヨウ素です

イソジンは、消毒薬の一種です。主成分はポピドンヨード。ヨウ素を含んでおり、殺菌作用を示すのはここから遊離したヨウ素です。水道水の殺菌に塩素が使われているのはご存じかと思いますが、同じようにヨウ素も殺菌作用があるのです。この作用を利用して、口腔内の殺菌、消毒に使われています。ただし、甲状腺疾患のある人は使えないこともあります。

▽消毒薬には多かれ少なかれ組織障害性がある

使い方は、水で15~30倍に薄めてうがいをします。間違っても原液のまま口に含んだりしないように(笑)。消毒薬ってのは多かれ少なかれ組織障害性がありますから、原液の濃度だとおそらく粘膜を障害するぞ。(自分で試したことはないけど、口の中がひりひりするそうです。やりたくないなあ)

▽イソジンを薄めすぎると効果がありません

ところが、薄め方を間違えている人が意外と多い。一回に使用するイソジンガーグルの量は2~4mLで、これを先に書いたように15~30倍にしますから、一回のうがい液の量は60mLくらいです。作ってみればわかりますが、けっこう色の濃い液ができます。量もこれだけ?と思う量しかできないはずです。そう、コップ一杯の水にイソジンを少し、というような作り方をしている人が多いのではありませんか?殺菌作用の強さはポピドンヨードの(厳密にはそこから遊離するヨウ素の)濃度に依存するので、薄めすぎると効果がありません。イソジンは独特の味がするので、それが苦手という人は薄めすぎてしまうのかもしれませんね。

▽うがいの方法

うがいの方法は、まず口の中をゆすぐうがい(お子様向け表現で言う「ぶくぶくうがい」)をして、二回目は口の中をゆすいでから、のどにいきわたらせるうがい(いわゆる「がらがらうがい」)をします。最後の三回目は「がらがらうがい」をして終わり、というのがメーカー推奨の方法のようですが、実際問題60mLのうがい液で3回もうがいできるかな?とちょっぴり疑問なのです。うがいのタイミングとしては、歯をみがいたあとがおすすめ。一日2,3回はうがいをしましょう。うがいをしたあと口の中に残るイソジンの味を不愉快に感じる方は、一回水で口をゆすぐといいかもしれません。


と、以上が一般的な話。

ここからは私の個人的な印象を書いていくので、読んでどう考えるかはあなた次第。ただ鵜呑みにだけはしないで下さい。

断っておいてと。

▽イソジンのうがいに効果はあるか?

さて、イソジンのうがいって、本当にそんなに効果があるんでしょうか?冬になると本当によく出るんです。でも、イソジンでうがいをしたからといって、本当に風邪にかかりにくくなるのか?抜歯創が感染しにくくなるのか?

疑問を抱いたきっかけは、ある日何気なく読んでいたイソジンガーグルの用法紙(患者さん向けに使い方や注意を書いた紙)でした。その中の一文、「数日間使用しても症状が改善しない場合は、医師、薬剤師にご相談下さい」を見て、イソジンで何の症状が改善するんや、と笑っていたのです。

実はこれって重大な疑問でしょう?では、添付文書を見てみましょう。イソジンガーグルの効能効果の欄には、「咽頭炎、扁桃炎、口内炎、抜歯創を含む口腔創傷の感染予防、口腔内の消毒」と書いてあります。ふむふむなるほど。つまり目的は「予防」であって、なにかの症状がある時に使うわけではないわけですね。ところが、さらに添付文書を読んでいくと、何やら不穏な気配が。下のテーブルは、イソジンガーグルの添付文書より、イソジンの30倍希釈液(つまりうがいに使う濃度)の細菌に対する作用についての項です。
表1 細菌に対する効果被験菌 
作用時間:30秒
作用時間:1分
作用時間:5分
作用時間:10分
作用時間:15分
作用時間:30分
Staphylococcus aureus 209P + - - - - -
Streptococcus viridans + + + + - -
Streptococcus pneumoniae + - - - - -
Streptococcus hemolyticus + - - - - -
Corynebacterium diphtheriae + + + - - -

(+は菌の生存を、-は菌の死滅を示す)
あれ?と思いませんか?30秒作用させて、十分な殺菌作用を示してはいないんです。さらに言えば、普通30秒もうがいしませんよね。測ったことはないけど、だいたい一回あたり10秒すれば長い方でしょう。本当にこれで消毒効果があるのでしょうか。

別の資料も調べてみると、さらに疑問が生じます。先にあげたデータは、in vitroのデータです。おそらくシャーレの中の細菌にイソジンの希釈液を加えるかなにかして調べているのではないでしょうか。ところがイソジンは、有機物の存在下ではポピドンヨードが分解されるため、殺菌効果が落ちるのだそうです。人の口の中は普通、有機物でいっぱいです。分泌物もあるし、食後なら食べかすもあります。常在菌だっています。つまり実際に口に含めば、表のデータの系よりも、イソジンの効果は落ちるはずなんです。と言うことは、イソジンの消毒効果にはかなり疑問があると言わざるを得ません。

しかし、イソジンガーグルの添付文書にはこうも書いてあります。「医療機関から寄せられた症例報告で消毒効果は389例中342例87.9%を示した。(再評価結果)」と。つまりイソジンでのうがいには効果があるということですね。しかしひねくれ者の私はこう考えてしまう。

実はただの水でうがいをしても同じような効果を示しはしないか?

さあて、どうなんでしょう?さすがにそこまで資料を当たってみてはいないんです。水道水でのうがいとイソジンでのうがいを比較した文献なんて物があるのかどうかというのもそもそも疑問ですが。

ここまで読んで下さった方に申し訳ありませんが、結論はありません。ただ、使い方を間違えない限り、そう害のあるものではないので、イソジンのうがいを否定する気はありません。それにうがいそのものは、おそらく有効なんだと思いますよ。ご判断は、自己責任でどうぞ。

イソジンうがいは有効か?? 2008.02.09 Saturday

京大保健管理センターの田村所長が、全国18地域で387人を対象におこなった試験。「うがいせず」「水道水うがい」「ヨードうがい」の3グループに分け、2ヶ月間にわたり風邪の発生率を調べるというもの。ま、よくやったよね。

結果。

うがいをしなかった人の風邪発生率と比較して、「水道水うがい」をした群では、風邪の発生率が40%も低く抑えられた。それに対し「ヨードうがい」をした群では、うがいをしていない群となんら変わりがなかった。

水道水でうがいをすると効果がありそうなのに、ヨード(イソジン)でうがいをしても何の意味もなかった、という結果である。

そもそもうがい自体に風邪予防効果があるのかという意見もあるが、なぜイソジンが良くなさそうなのかというと、イソジンには細胞毒性があるからだと考えられる。イソジンが粘膜を傷めることは医者には良く知られていることで、粘膜面が見えている傷の消毒にはイソジンを用いないようにしている。のども粘膜であるから、イソジンが粘膜の細胞を傷害し、かえってウィルスの侵入を容易にしている可能性が指摘される。

また、粘膜や皮膚には「正常細菌叢」というものが存在し、分かりやすく言うところの善玉菌が、病原菌(またはウィルス)の付着を妨げている。イソジンはこれら正常細菌叢を破壊するから、感染を促進するのかもしれない、という意見もある。

ぼくはイソジンの細胞毒性に注目し、風邪の患者さん(予防する患者さん)に、イソジンでうがいをしないでね、と指導してきた。

今回の実験により、その考えがそう外れていないことがわかってちょっとホッとしているが、なんでもかんでもイソジンイソジン言っている人に、ちょっとでも見直してもらえたらありがたいもんだ。

水道水うがいが風邪の発生を低下させた、という側面も持つ今回の実験。ただいま~の後は、「水道水」で、がらがらうがいをおすすめしておく。